【急募】TS美少女が呪術界で生き残る方法   作:うぇいうぇい

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多分この小説が一番早いと思います(小並感)

√歌姫とかオリジナルをのろのろ書いてたらGW終わっちゃった……(白目)


死滅回游前提条件達成RTA

 

 

「お父様、良さげな許嫁候補は見繕えましたか」

「…………」

 

 屋敷の通りがかりに、お父様を発見したので聞いてみた。

 

 私はもう八歳。例の約束から二年が経過している。

 

 だが、その間に一度たりとも報告は無かった。

 

「まさか、三人見つけられていない訳ではありませんよね」

「…………集め、られなかった」

「そうですか」

 

 それもそうだろう。

 パーシャ曰く、呪術家と呼べるほどのものは、数十戸と無いという。

 

 私も任務の道すがら色々な家を周ったが、呪力も少なく、相伝といえる術式を持たない人達が多くいた。

 

 現代になるにつれて、着実に廃れていっている。

 

「加茂家としての縁故を頼ったが、離散し、行方知れずになった家も多くてな。残った家も、婿に出せるほど優秀な術式を持つ男児は一人として居なかった。女児ならば、ある程度数は揃っているのだが」

「百合出産は現実的じゃないですもんね……」

「ゆり……?」

「いえ、なんでも」

 

 おっと、願望が。

 しかし呪術界の家から男児が見つからなかったとなれば、残る方法は唯一つ。

 

「では、市井から見つける他ありませんか」

「……もとより、そういう約束であったな。時間は掛かるだろうが、算段はあるのか」

「ええ。幸い、最近良い目を手に入れたものでして」

「ふむ……では男児を連れてきたら、まず私の所を訪ねるように」

「はい。お父様のお眼鏡に適う人物を、必ず見つけみますよ」

 

 と、言う訳で。

 

 お付きの人(羂索)と共に、京都駅から新幹線で約二時間半。

 

 駅弁をもしゃもしゃして到着したのは、他でもない日本の首都……東京だ。

 

「あー、この人混み……東京って感じですね」

「君、東京の事知らないだろうに」

「む……私の魂の故郷ですよ」

「はは、ウケる」

「ちょ、これ本当ですからね!」

 

 前世は東京生まれ東京育ち。ただし、二十三区でも右っ端の下町だが。

 隣の千葉とそう大差なかった。そんなもんである。

 

「とはいえ、これからどうするんだい、式那。この大量の人の波から、どうやって才能の原石を浚うつもりなのかな?」

「ふふふ……私も考え無しに来たわけじゃないですよ羂索(パーシャ)。黒閃を経て覚醒した私の本気、見せてあげます」

 

 制限付きなら、呪詞すら要らない。

 ワンワードで再現可能なはずだ。

 

「『肉骸・転』」

 

 変化させた右眼に痛みが走る。神経系との接続の問題だ。

 それを再統合し、脳の後頭葉に存在する視覚野と適応させる。

 

 接続は良好。呪力の流れがよく視える。

 よし、今回も問題無く使用できそうだ。

 

「それは……まさか六眼とでも?」

「その通り。この前悟くんに躯躰総術を行使した時に、ちゃっかりゲノムデータのマッピングを行ったんです。それで六眼の構造も解析して、やっと眼に作り変えられるようになりました」

「は……君という人間は、いつも私の先を行くね」

「師匠を打ち負かしてこそ、弟子ってものです」

 

 同意はしてくれないようだ。

 でも、パーシャをも圧倒できる力が無くては、いずれ来たる死の運命に打ち克つことはできない。

 

「とはいえ、眼は一時的な変成に留めているので、時間が惜しいです。どこからに探しましょうか」

「なら、学校あたりが良いよ。今日は平日だしね。下校時間を狙ってみようか」

 

 パーシャの助言に従って、下町をぶらぶらしてそこにあった小学校に張り込んだ。

 

 全校生徒を六眼で暴くのは至難の業だ。というか頭が痛い。

 とはいえ痛覚を無効したら、あっという間に脳がオーバーヒートして気絶するため、痛みで情報量をセーブしつつ、立ち回る必要がある。

 

 これを何回も繰り返さなくちゃならんと思うと気が重いが、そんな私に幸運が舞い降りた。

 

 たった一人だけ、呪力持ちかつ術式持ちの少年がいた。

 

 しかも、思わず六眼で二度見するほどの術式効果だ。

 オイオイオイ、SSR超えてURでしょこれ。fg○で単発星5鯖を引き当てるようなもんだよ。

 

「……パーシャ。寡聞にして存じ上げないのですが、自分の実力以下の呪霊を支配下に起き、意のままに操る……そんなトンチキな術式って有り得ます?」

 

 パーシャの時が止まった。

 十秒経って、キョトンとしながら柔和で胡散臭そうな笑みを浮かべた。

 

「ごめん、今なんて?」

「呪霊を操る術式なんですが」

「────っしぇああああい!!!」

 

 えっ、何そのガッツポーズと奇声。

 喩えるなら、RTA走者が何一つガバを出さずに一分以上記録更新して完走した時みたいな。そんな一種の狂気すら感じ得る。

 

「ああ、ごめん。つい昂ぶってしまったよ。呪霊を支配し操る……この特徴に合致するのは、呪霊操術だね。何世紀かごとに現れる希少な術式なんだ。術者は漏れ無く、特級相当になったね」

「うそん」

 

 全員が特級? それはアホというものだ。

 パーシャが昂ぶってしまう理由を察せる。

 

「使役した呪霊を用いた物量戦が主体だからだよ。手数の多さや汎用性、持久力に優れているが、術者が強くなる術式じゃない。シキの敵じゃないさ」

「無下限と並ぶくらい相手したくないんですが」

 

 ハクスラや無双ゲーは現実になって欲しくない物トップに食い込んでくる。

 物量はそれだけで集中力切れていくんだよ。

 

「……てか今サラッと私の事愛称で呼びました?」

「あ、あー……私とした事が、すまなかったね。気に障ったかな?」

「全然。パーシャも協力者ムーブが板についてきていますね」

 

 この人、サブカルをちゃんと理解してるはずなのに、そこに宿るロマンを分かってくれない節があった。

 私も嬉しい限りだ。一緒に悪だくみしているのに、雰囲気も無いとか笑い草でしかない。

 

「是非とも、私の事はシキと呼んで下さい」

「…………そうさせてもらうよ、シキ」

「よろしいです。では、あの少年に接触する機会を窺いますよ」

 

 下校時間。

 近くの建物の上で結界を張り、姿を見られないようにして張り込みを続けていると、その少年は出てきた。

 

 特徴的な前髪をしているので、前髪くんと仮称する。

 

 前髪くんは皆に好かれる優等生らしい。強力な術式を発現しているとは思えない性格の良さだ。

 私が前世であんな力を持っていたら、中二病まっしぐらだった。確信を持って言える。

 

「……しかし、これどうやって話し掛ければいいんですか?」

「それを考えるのは君の役目だろう?」

「なんの関係も無い人に話し掛けるコミュ力なんて無いんですよね」

 

 例えば五条悟なら、御三家の嫡子同士という関係性だ。

 そこからバトって、妙なライバル関係が構築されたんだが。友情ものかな?

 

「あるじゃないか。呪霊が視える者同士という立派な関係が」

「貴方も視えてますよね? って話題振ったら完全に不審者ですって」

 

 私なら知らないフリをしてガンダッシュを決める。

 ミステリアスなキャラで意味深な雰囲気を出す、とかならともかく、これから婚約者になってもらおうという相手にそれは無い。

 

「それもそうか。……なら、強制的に関係を作るのはどうかな?」

「はい?」

「それなら、学校の同級生が一番手っ取り早いか。明後日までには手続きを終わらせておくよ」

 

 …………はい?

 

 

 

 

「いきなりですが、転校生を紹介します!」

「「「「ええ────っ!!!」」」」

 

 大はしゃぎの子供達を前に、ペコリと頭を下げる。

 

 夏休みもとっくに終わった9月半ば。

 私は小学生になった。

 

「加茂式那です。よろしくお願いします」

 

 まさかこんな事なるとは。

 

 顔を上げ、例の前髪くんがいることを確認する。

 今回のターゲット、呪霊操術の使い手だ。

 

「式那ちゃんに質問がある人はいますかー?」

「はーい!」

「はいはい!」

「俺もー!」

 

 流石は小学生。

 元気いっぱいで大変よろしい。

 

「はいはい! 好きな食べ物!」

「ミルク饅頭とじゃ○りこです」

 

 ちなみにミルク饅頭は勿論博多のと○りもんをお取り寄せしている。

 お嬢様生活様々だ。

 

「習い事はー?」

「武術道場ですね。剣道みたいな」

 

 結界術メインではある。

 

「誕生日いつ?」

「4月1日ですよ」

 

 嘘である。本当は4月4日生まれ。

 例の少年がいる学年が三年生で、年度的に考えると私は小学二年生で入学してしまうので、パーシャが遅生まれに偽装してくれた。

 

「タイプ! どんな子好きなの?」

「た、タイプ……い、イケメン過ぎない人?」

「えー、なにそれ」

 

 私の周りにイケメンが多いんだよ。

 なんかもっとこう、普通っぽい人間と関わりたい。

 

「何か凄いことしてよ」

「ずいぶん無茶振りですね!」

「はいはーい、朝の会終わっちゃうからそこまで!」

 

 恐るべし子どもの元気。

 まさかここまで質問攻めに遭うとは思わなかった。

 

 疲れたと思うのも、やっぱり純粋な子供じゃないからだろうか。

 でも、このノリに半年と付き合わなくてはならないのがなぁ……

 

 後で先生に、子どもとの接し方を聞いておこう。

 子どもって、わからん。

 

「式那ちゃんの席、一番奥の、あっちの方に用意してるんだけど、目が悪かったりはしないかな?」

「大丈夫です」

 

 幸いな事に、前髪くんはいわゆる主人公席、窓際の一番奥に座っている。

 しかも、最後列はその席しか存在していなかったのか、私はその真隣に席を設けられた。

 

 神の采配か、あるいはパーシャが裏でコソコソとクラスや席を仕組んだのか。

 まあまずもってパーシャのせいだろうが。

 

 何にせよ、隣にいるのは好都合だ。落ちた消しゴムを拾って好感度稼ぎしてやろう。

 さながら、乙女ゲーの主人公のように。

 

 …………乙女ゲーって消しゴム拾ったりするの?

 

「初めまして、えっと……」

「僕は夏油傑。よろしくね、式那ちゃん」

「傑くんですね。よろしくお願いします」

 

 まあいいや、と思いつつも、前髪くんこと傑と無事に顔見知りになれた。

 

 半年で、なんとかこっちに引き抜いて見せようじゃないか。

 

 




これで攻略対象は出揃いましたね(大嘘)

攻略したい子を選んでねっ♡

  • 王道?:五条悟
  • 邪道:禪院直哉
  • 外道:夏油傑
  • 覇道:羂索
  • 非道:宿儺
  • 寡夫:伏黒甚爾
  • 百合:庵歌姫
  • 呪霊:真人
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