【急募】TS美少女が呪術界で生き残る方法   作:うぇいうぇい

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筆者の適当解釈が襲いかかる……!!


隆盛

 

「呪術とは、人の負の感情から出づる力、呪力を用いて異能を発する術のことです」

 

 術式が発現してからというもの、呪術に関する授業を受けるようになった。

 一応、義務教育レベルの家庭教師に勉強を教わっている最中だが、これ小学生にもなってない子にやる教育じゃないぞ。

 

「では、後ろ暗い過去や闇のある人物であるほど強いのですね」

「え、ま、まあ、そうですね。負の感情の引き出し方が分からなくては、呪力を操作する事はできませんから」

 

 なるほど?

 じゃあ、更に強さに磨きをかけるとするなら、やるべきことは一つ。

 

「では、私を殴ってはもらえませんか?」

「し、式那様?」

「そうですね……虐待レベルまで痛めつけて結構です。刃物は遠慮して頂けると幸いですが。それと、出来損ないとか、加茂家の恥とか、言葉で罵られれば効果は増すのではないかと」

「…………え、ええと…………と、当主様に相談してみましょう…………ハイ…………」

「では、お父様にその様にお伝え下さい」

 

 即日却下された。ぴえん。

 

 そもそも、呪力操作の基礎がとっくにできてるので必要無いと言われてしまった。そうなの?

 

「……式那。何か思い詰めている事があるのならば私に相談するのだ。お前を出来損ないと言っていた奴らは分家に放逐している。ここに居るのは皆、お前の味方だ」

「はい、お父様」

 

 虐待という言葉がまずかったか。

 強くなりたいが、人間関係まで破綻させるつもりは無いのだ。

 

 呪力操作やらに一段落つくと、結界術や式神術、封印術、符術などについてお勉強が始まった。

 

 しかし、やはり一番楽しいのが結界術だ。

 

「結界は元来、この世とあの世とを隔てるものです。神社に呪霊が寄り付かないのも、霊脈と神主や巫の祈祷によって神域を形成しているからなのですよ」

 

 なんだか解説されてる理論が古臭い上しっくりこないが、そこは漫画とかで得た知識をフル活用した自己流結界術があるので、結界の種類や構成に至るステップを知れれば万々歳だった。

 

「ええと……黒より黒く、闇より暗き漆黒に、我が真紅の混淆を」

「式那様、違いますな。正しくは、闇より出でて闇より黒く────」

「えい」

 

 『帳』なる初歩の結界術を、なんか適当に詠唱して形成してみたところ、外が真っ暗になっていた。成功のようだ。

 

「な、なんという才覚……一度見ただけで、再現するとは。やはり、貴方様は天寵の持ち主です」

「……そんなに凄い事なのですね」

「これは是非とも、ご当主様にお伝えしなくてはなりませんな」

 

 結界術の呪詞は、手印と並んで構成に必要とされる工程らしい。何でも、天元様とかいう人からバックアップを受ける為にも必要らしく、それを適当で済ませられる技倆は相当なものらしい。

 

 もしや俺……本当に天才なのか。

 それとも結○師の結界術理論が優れてるだけなのか。

 

 ……多分後者な気がする。

 

 そもそも、色んな結界作ってたしな。経験が物を言うのはどこの世も同じだということだ。

 

「結界術に関して、もう私から教える事はございませぬ……術式への理解も深まれば、『領域展開』も容易に修得なさるかと」

「ああ……あの固有結界ですか。それは良い事を聞きました」

「こ、こゆう……?」

 

 あれって俺でも使えるもんなのかな。お父様も使えないとか言ってたような。

 出来るなら使ってみたい。ロマンあるし。

 

「……色々試してみますか」

 

 

 ○ ✕ △ □

 

 

 加茂の相伝の噂は、瞬く間に呪術界に伝播した。

 

 中でも五条家は、その相伝の噂をいち早く捉え、どこの家よりも正確に情報を掴んでいた。

 

「軀體總術の使い手……慶長には姫路に赴き、白鷺城の池田氏と共に、特級怨霊である刑部姫を封印。また、天明の大飢饉に際して出現した特級呪霊を祓ったという」

 

 五条家の書庫に残されていた文献の一つに、軀體總術についての記述があった。

 

 だが、それも焼けかけて、煤けたほんの断片に残されているのみ。他の仔細が記されていたと思われる部分は、天明の大火によって喪失してしまっている。

 

「軀體……躯躰か。それを総べる術式……躯躰操術でないのは何故だ?」

 

 操術と総術。読みは同じだが、意味合いは異なる。

 ここ三百年出現していない相伝というのも相俟って、五条家当主は大きく溜息を吐いた。

 

「御三家が、再び頂点にとは……これも何かの前触れであろうな」

 

 息子である次期当主、五条悟が六眼持ちの無下限呪術持ち。

 

 六眼が誕生した代は、呪術界に大きな変革が起こるという言い伝えがある。

 

 ただでさえ不穏であるというのに、同世代に、こうも最高の術者が誕生するとなれば、それは最早日本の危機に等しい何かが起こるのではなかろうか。

 

「……居るか」

「はい。こちらに」

 

 側近に、先程認めた書簡二つを手渡した。

 

「……禪院と、加茂宛ですか」

「ああ。三家会議を提案する」

 

 三家会議。

 それは、要事にのみ、御三家の当主が開催を提案できる会合である。

 

 単に話し合いをするだけでなく、高専地下に所在する呪物保管庫、忌庫の管理を御三家が担っているが為に、互いに勝手な持ち出しができないようにする、という役割も兼ねている。

 

「正直、他と対立していては、この先どうなるか分かったものではない。御三家による権力闘争を、少しでも収めなくては」

「しかし、応じるでしょうか……特に、あの禪院が」

「禪院とて気になるだろうさ……加茂の相伝、軀體總術がいかなるものか。そして加茂にとっても、これはお披露目の絶好の機会となる」

 

 それに、と庭に目を向ける。

 

「────術式順転『蒼』」

 

 少年の前で、木が一本、丸々と吸い込まれ消滅している。

 

 次期当主、五条悟。

 既に、その実力は当主と互角以上だ。

 

 掌印と呪詞の省略を七歳にしてここまで完成させ、多くの呪霊をも祓っている。

 十二にもなれば、特級案件すら任せうると、当主は考えている。

 

「私なんて、幾多の縛りで制御しようと、『蒼』の掌印と呪詞は省略できなかった。悟が羨ましい限りだ」

 

 そんな稀代の天才だが、あまりに強過ぎるがゆえに、五条家で悟を相手にできる人間が誰一人としていない。

 

「では、悟様をぶつけるのですか。投射呪法と軀體總術に」

「ああ。勿論、私は悟が勝利をもぎ取ってくれると信じてるがな」

 

 日時は、一週間後。五条家の別荘地にて行うとした。

 

 ……ただ、五条家当主の思惑が外れた事があるとすれば。

 

 加茂家の嫡女の術式は、まだ発現したばかりでなかったこと。

 その数年の間に、彼女が術式と向き合っていた。

 

 そして、結界術への類まれなる適性が存在したこと。

 加茂家では、術式が発覚した当日から過密なスケジュールで専門的な教育がなされており、飲み込みの早さもあって、幾つもの技を会得している。

 

 この不確定要素により、三家各々の次期当主達による勝負は、予想外の展開へと向かおうとしていた。

 




本誌をちゃんと追っていた訳じゃないので、指摘等あればドシドシどうぞ……

攻略したい子を選んでねっ♡

  • 王道?:五条悟
  • 邪道:禪院直哉
  • 外道:夏油傑
  • 覇道:羂索
  • 非道:宿儺
  • 寡夫:伏黒甚爾
  • 百合:庵歌姫
  • 呪霊:真人
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