ドラゴンクエスト10 Version4のアフターストーリー。
序章はv4.4とv4.5終ごろ。
■序章のおもな登場人物
謎の猫:???
謎の少女:???
プクランド大陸にも謎の巨大な繭が出現し、世界を震撼させていた、ある日。
新エテーネの村にあったメレアーデの猫屋敷から、いっぴきの猫が逃げだした。
その猫は走りながら、ニヤニヤといやらしげな笑みを浮かべつつ、人の言葉でつぶやいた。
『面白いモノが見られたな~♪』
と。そして、どこへともしれず走りさっていったのだった。
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また、人しれず忍び寄っていた過去からの魔の手。世界を滅ぼすはずであった巨悪が滅びた、その日。
少女の意識は昏い夜の海のようなその世界で、ひっそりと目覚めた。あたりは水のようなもので満たされており、その上を少女はゆらゆらと、たゆたっていた。
どこまでも広がるくろぐろしい世界に、チカチカと輝く光。
(夜、……空?)
ふたしかな、めざめてすぐのようなまどろんだ意識の中で、まず目に入った景色をおぼろげに彼女はそのように思った。
しかし、あおむけにプカプカと浮いた状態で時間をかけてぼんやりとその『夜空』をながめていると、それは違った。
それまで輝く流れ星かのように思えたそれは、とほうもなく巨大な暗室の壁面を流れる光の流れであることがわかってきた。
「ここは……?」
身体にすこし力を入れると、ふわっと水上に体が浮きあがった。
(あたし、飛んでる……)
おどろいて、少し空中をふらふらとさまようが、じきにその力を自然に制御することができるようになり、そっと水面の上に降りたつように浮かびなおした。そして、手をかざして辺りをゆっくりとあたりを見渡す。
昏い海に、薄緑の空。それをわずかに照らす、空の壁を行き交う光流。
そこは寒々しい世界のようにも思えた。しかし、少女はふしぎと安堵感を覚えていた。
(なんとなくだけど、母親の胎内ってこんな感じなのかもね?……でも、)
頭をふって彼女は遥かな記憶をよびさます。
「あたしが、起きる時が来るとはねえ……」
呆れたように笑って、そうつぶやく。感慨ぶかげに、起きたての頭で思考をめぐらす。
(そうか、あたしは、起きたのか。そうか……あたしが)
改めて思う。永遠ともいえる過去に決意をもって意識をなくし、ある種の装置として存在することになって以来、ふたたび起きることなどあり得るはずがないと思っていた。原理上はそのような可能性もあったとはいえ、こうやって実際に起こると、にわかには信じられなかった。
だが彼女は現実に意識を取りもどし、めざめた。
自分のこぶしを見て、閉じたり開けたりして感触を確かめ、目を見ひらいておどろく。
(チカラが、満ちあふれている……!?)
少女の身体に、否、この空間に、これまでに一度も感じたことのない不思議なチカラが溢れかえっていた。
(……わかっている)
そうとなれば、やらねばならぬ事がある。彼女は手を掲げ、敢然と緑空のような壁を見上げた。
「世界を、救わないとね!」
やるべきことはわかっている。そのようにできているのだ。いまだ、世界は滅びに向かっている。彼女は果たされなかったはずの使命を胸に、決意を固めた。