【完結】ゼロの極点   作:家葉 テイク

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第一章

「朝よ、『ご主人様』。起きなさい」

 

 そんな言葉と共に揺さぶられて、ルイズは目が覚めた。

 起きると、メイド服に身を包んだ茶髪の少女がいる。ルイズは思わず呟いてしまった。

 

「だ、誰よあんた」

「麦野沈利。『ご主人様』が召喚したんでしょ?」

 

 麦野はため息交じりに答えた。

 

「あ、ああ。そ、そうだったわね……。っていうか、何であんたメイド服着てるの? そんな服昨日は着てなかったでしょ?」

「いつまでも同じ服を着ている訳にもいかないでしょうが。それに、目立つもの。メイド服ならあんたに四六時中ついて回っても目立たないでしょ」

「それもそうね……、っていうかあんた、さっきから口が悪いわよ! あんたは平民、わたしは貴族。そこんとこ分かってるの?」

「……申し訳ありませんでしたわ、『ご主人様』。これでよろしいでしょうか?」

 

 そう言って、麦野は丁寧な物腰で完璧な笑顔を浮かべた。

 麦野はこれでも元の世界でも高貴な生まれの方だったので、行儀作法に関しては一家言ある。が、それには敬意が伴っていない。当然、こんなことを言えば慇懃無礼になるのは目に見えていた。

 

「……良いわ。逆に寒気がするもの。今まで通りで良いわよ」

「『ご主人様』の寛大なご処置に感謝しておくとするわ」

 

 麦野は適当に言いながら肩を竦めた。メイド服でするにはかなり砕けた動作なのが、妙にアンバランスだった。

 

「じゃあ、着替えさせてちょうだい」

 

 そう言って、ルイズはベッドに腰掛けた状態になった。

 ……貴族は、下僕がいるときにはあえて世話を任せるという。それは雇用対策などの面などがある。そのことは麦野も知っていたので、黙って着替えを続けた。

 そうしながら、麦野は昨日のことを思い返していた。

 

***

 

 召喚のあとの軽い授業を終えた後、麦野はコルベールの研究室へと足を運んでいた。

 ファンタジーには似ても似つかない油臭さに眉をひそめつつ、雑多な発明品の置いてある研究室を進んでいくと、二人は椅子に座って向かい合う形になった。

 

「私は『この世界』の人間じゃない」

 

 麦野は、開口一番にそう言った。

 ある意味爆弾発言だったが、コルベールは眉ひとつ動かさなかった。

 

「『世界』っていうのは、文字通りの意味だ。比喩表現じゃない。こっちにも御伽噺の一つや二つはあるわよね?」

「ああ。分かっている。本来の意図を理解したうえで、私はミス・ムギノの言葉を信じよう」

「…………へえ?」

「服のつくりが精巧すぎるからな」

 

 コルベールは、冷静に落ち着き払った口調でそう言った。

 確かに、魔法の力で貴族の服は綺麗に縫われているが、それでも学園都市の裁縫技術には及ばない。学園都市の服飾はそもそも『縫う』のではなく『編む』のだ。布の繊維をほぐしてから組み直すことで、縫うことなく布と布を繋ぎ合わせる技術があり、大量生産のラインも確保されているので、それで作られた服にデザイン性以外の面で縫い目は必要ない。

 閑話休題。

 

「で、私を此処に呼んだ理由は? 釘刺しか? 安心しろ。さっきは一瞬取り乱したけど、基本的に事を荒立てる気はないわ。素直に使い魔に甘んじるつもりよ」

「…………」

 

 麦野の答えに、コルベールは怪訝そうな表情を浮かべた。意外……というのは勿論として、であるならば何が目的なのか、といった表情だ。

 

「私は、自分の持つチカラを進化させたい」

 

 麦野は、そう言って虚空を見つめた。

 だが、目的を言っているわりに、その彼女の横顔はあまりにも空虚だ。

 

「材料は既に殆ど用意されている。足りない分を補うのは簡単じゃないけど、時間さえあればそのうち出来るでしょう」

「意外と気長ですね」

「手に入りさえすれば時間だってどうにでもなりそうな力だもの」

 

 コルベールは麦野がそこまで言う『力』に興味を惹かれたが、同時に危険にも思った。彼女がルイズの使い魔になることを承諾したのは、その『力』を得るまでの生活基盤を手に入れる為、ということだ。では、『力』の開発が終わった後はどうするのか? その『時間だってどうにでもなりそうな力』は、トリステインの、ひいては世界の未来を脅かすものになりはしないか?

 コルベールもまた本来『この世界』の人間ではない。比喩的な意味で、だが。

 なので、既にやめたが、必要とあればまた人を殺すという選択を躊躇することはない。もっとも、それを目の前の少女が許せば、だが……。

 

(隙がない)

 

 コルベールは思う。こうして何気なく話しているときでも、麦野は油断していなかった。コルベールが何かおかしな行動をとろうものなら、容赦なくその頭を消し飛ばす準備をしていた。

 そして、そうやって一度でも麦野という大きな岩を動かしてしまえば、もう止まることはないだろう。がけ下まで一気に転がり、この国に未曽有の災害をもたらしかねない。

 

(……、ミス・ヴァリエールに、彼女に任せるしかありません、か)

 

 排除が不可能である以上、主人であるルイズが麦野の精神性を変容させる可能性に賭けるしかない。そう結論して、コルベールはこの件について思考するのをやめた。

 

「もう終わりか? なら次は私の質問ね」

 

 そう言って、麦野はずいとコルベールを見た。

 あれほどの殺気を放つ女性だ。どんな要求をされるのか――とコルベールは考える。だが、次に飛んできたのは意外な言葉だった。

 

「着替えの用意をしてほしいのよ。この服は目立つし、何より替えがない。こういうのって、あのお嬢ちゃんに言った方が適切なのかしら?」

 

 なんてことないように言って、麦野は肩を竦めた。思わずコルベールは拍子抜けしたが……麦野にとっては、わりと死活問題だった。彼女は身嗜みに気を遣う現代日本人の少女である。そう、少女。そうは見えないが、確かに少女なのである。着たきり雀など論外だし、ダサい服を着るのも却下だった。

 ルイズは金がありそうだし、貴族なのだからセンスもあるのだろうが、如何せんサイズが違い過ぎる。なので学院の服を都合してもらいたい、というのが麦野の考えだった。

 

「あ、ああ。学院付のメイド服くらいしか、私には心当たりがないが……」

「……フン、まあ、それで当座のしのぎとしましょうか。次は、この世界の情勢。面倒だろうけど全部教えてもらうわよ。何せ私はこの世界の事なんて何も知らないんだから」

 

 そうして、麦野とコルベールの質問会は数時間に渡った。

 お蔭で麦野はこの世界のことを大体把握したが、代償としてルイズは別れてから初めて麦野の顔を見るという奇妙な状況になったわけである。

***

 

「終わったわよ、『ご主人様』」

「……ありがと」

 

 手早く着替えさせた麦野に、ルイズはぽつりと蚊の鳴くような声で礼を言った。

 このようにぞんざいな『敬意』であっても、麦野は確かにルイズに向き合ってくれている。魔法学院で嘲りやからかいを受けて過ごして来たルイズにとっては、たったそれだけのことでも嬉しいことだった。

 

「従者の行いにいちいち礼を言っても仕方がないでしょ。ほら、朝食を食べに行くわよ。私は賄いをもらいに厨房に行ってるから」

 

 従者にそれを諌められるという奇妙な状況に陥りつつ、ルイズは頷いて麦野の開けたドアをくぐる。そこで、目の前に立つ女生徒に気付いた。

 赤い長髪に、褐色の肌。そしてルイズのものとは対照的に豊満な胸。

 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。ルイズの故郷であるラ・ヴァリエール領に隣接しているゲルマニア領フォン・ツェルプストーの貴族だ。

 ツェルプストーは代々ヴァリエールの恋人や婚約者を寝取っているとかで、領土が隣接していることもあり両家は不倶戴天の仲だった。現にルイズとキュルケも犬猿の仲である。

 そのことを前もってコルベールから聞いていた麦野は、あえて控えめに礼をして、先を急ぐことを促した。『戦場で会えばとりあえず攻撃しておく』程度の関係の相手に礼を尽くす必要も会話をする必要すらもないと考えての事だった。

 

「ちょっと、何よルイズ。この無礼なメイドは」

 

 それが間違いだったと気付いたのは、キュルケの言葉が妙に親しげだったからだ。

 

「ふんだ。ツェルプストーの人間なんかに礼を尽くす必要はないってことよ。シズリは私の使い魔だからそこのところちゃんとわかってるのね」

「使い魔ぁ? ……ああ。あんたが昨日召喚したやつね。タバサが妙に気にしてたけど」

「タバサ? あの、あんたといつも一緒にいる青い髪の?」

「そうよ。妙にあんたの使い魔のことを意識してたわ。あの子無口だけど、私には分かるんだから」

「あんた、あの子に何かしたの?」

「…………知らないけど」

 

 麦野は言葉少なに語ったが、内心では何故そうなっているのか理解していた。つまり、その『タバサ』という青髪の少女が昨日麦野が放った殺意に反応した『二人』の最後の一人ということである。

 

「あーあ、ルイズに使い魔自慢してやるつもりだったのに、何だか調子狂っちゃうわ」

 

 そう言ってため息を吐いたキュルケに、麦野は興味を惹かれた。そういえば、ルイズは使い魔召喚をしたのも最後だったから、麦野は他にどんな使い魔がいるのか知らない。

 

「あんたねえ……。どんな使い魔を召喚したんだか知らないけど、わたしはそんなくだらないことに付き合ったりしないわよ」

「そうみたいね。あんた、使い魔を躾けるので精一杯そうだもの」

「むぐう……ッ!」

 

 先程の態度を引き合いに出されて皮肉を言われたルイズは、思わずうなってしまった。ルイズをうまくやり込めたので満足したキュルケは、にっこりとルイズに笑いかけると、

 

「それじゃ、私はこれで失礼。フレイム~行くわよ」

 

 のしのしと、キュルケの言葉に呼応して大きな赤いトカゲが現れた。尻尾には火が灯っている。麦野がこの世界に来て初めて見る魔法生物だった。

 

「やっぱり使い魔はこういうのじゃないとね。それじゃあルイズ、またあとで」

 

 これ見よがしにフレイムと呼ばれた火トカゲを撫でると、キュルケはそのまま去って行った。

 ルイズはその様子を仁王立ちのまま見送り、やがてキュルケが見えなくなるのを確認すると、

 

「あーもー悔しい!! 何よあの乳デカ女! 火トカゲなんか水ぶっかけりゃただのトカゲだってのよ! 何が偉いんだってのよ!!」

「……落ち着きなさいよ、みっともない」

「うるっさいわね!! っていうかあんたも何よ! キュルケに変な態度とるからわたしが皮肉られたじゃないのよ!!」

 

 ルイズだってそれで気を良くしていたのだから、同罪なのだが……麦野はあえてそれを言わなかった。明らかにルイズは癇癪を起しているからだ。こういうときには何を言っても無駄なものである。

 ルイズの癇癪は、その後厨房の前で麦野が別れるまで続いた。

 

***

 

第一章 ゼロと呼ばれる所以は Demi-Explosion.

 

***

 

 厨房で賄いを分けてもらった麦野は、ルイズと合流して授業に出た。

 魔法学院の教室は、大学の講義室のようだった。石造りという点を除けば、まったくそのままだ。講義を行う魔法使いの教師が一番下段に位置し、階段の様に席が続いている。麦野とルイズが中に入って行くと、先にやって来ていた生徒たちが一斉に彼女たちの方を向いた。

 そして、一様に忍び笑いを始めた。中には先程のキュルケもいる。周りを男が取り囲んでいた。どうやらキュルケは、その美貌で男達を虜にしているらしかった。

 

(まるで第五位だな)

 

 と麦野は一瞬顔をしかめたが、よく考えたら例の女王蜂はあんなものではなかった。もっと悪質で、大規模である。それに比べたら、あの程度はまだまだ可愛げがある。

 それよりも目を惹いたのが、使い魔だった。

 みな、使い魔を連れている。

 キュルケのサラマンダーは彼女の椅子の下で眠り込んでいる。肩にフクロウを載せている少年、窓の外には巨大な蛇、鴉や猫もいた。それだけではない。六本足のトカゲ――バジリスク。宙に浮く巨大な目玉――バグベアー。タコの足を生やした人魚――スキュア。他にも空想上の生き物が多数いた。

 それ自体が、麦野にとっては新鮮なものだった。尤も、前日の質問会でその手のファンタジーは図鑑などで一通りチェックはしているのだが。

 

「どうぞ」

 

 そう言って麦野が椅子を引いたところに、ルイズが座る。あれほど笑われていればルイズは当然不機嫌になっているものと思ったが、そんな麦野の予想とは裏腹にルイズはどこか不安そうにそわそわとしていた。負けん気が強い印象があり、前日の質問会でもコルベールからそんな評価を賜っていたルイズだけにこの反応は何かあるな、と麦野は思ったが、あえて黙っていた。

 

「みなさん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔達を見るのがとても楽しみなのですよ」

 

 気付くと、既に担当の教師がやって来ていたようだった。紫色のローブに身を包み、帽子をかぶっている、中年の女性だった。多少太り気味だが、それを含めて『温厚そうな顔立ち』と表現できそうだった。

 麦野は、その話し方を見て『ああ、コイツは頭が緩いタイプだな』と判断した。そして、その判断は乱暴だが間違ったものではなかった。

 

「……? ミス・ヴァリエール、あなたの使い魔はどちらに?」

 

 傍らに麦野(メイド姿)しかいないことに気付き、シュヴルーズは怪訝な表情を浮かべた。

 彼女がそう思うのも無理はない。流石にメイドが使い魔とは思い至らないだろう。

 

「先生! ルイズは使い魔の召喚に失敗したんですよ!」

 

 それに答えたのは、シュヴルーズと同じように太り気味の体型の少年だった。

 それを受けて、ルイズは立ち上がった。長いブロンドの髪を揺らして、鈴の鳴るような声で精一杯凄みながら怒鳴る。

 

「違うわ! きちんと召喚したもの! このシズリが私の使い魔よ!!」

 

 そう言って指差された麦野は、瞑目しつつ微動だにしていなかった。寝ている訳ではない。この騒ぎに関わるのが面倒臭いと思っていたのだ。

 麦野は――形式上はルイズの使い魔ということになっていて、業務はこなすが、決してルイズに敬意を払っている訳ではない。だからやるべきことはやるが、それ以外はやらない。主と心から思っていないのだから、ルイズがけなされてもどうでも良いのだ。

 そしてその態度が、小太りの生徒を増長させた。

 

「ははははは! そうは言ってもルイズの使い魔は何も言わないぞ! 主人の名誉がけなされてるのに!」

「ルイズは平民にすら敬意を払われないんだ!」

「そのへんを歩いてたメイドを連れてきただけなんだろ?」

 

 ゲラゲラと、嘲笑の輪が広がって行く。いつもの光景だった。ルイズも負けじと彼らを罵ろうと口を開き――、

 

「いい加減うるさいわね」

 

 と、放たれた麦野の呟きによって、昨日と同じように教室は静寂に包まれることになる。

 平民が、といったありきたりな文句は飛び出してこない。そういった論理が通用しない相手だと、既に理解してしまったからだ。感じたことのない謎の迫力に、『表』の世界を過ごして来た彼らはそれが何なのか理解できずに『戸惑って』しまう。

 チラリと、青髪の少女がルイズと麦野に視線を寄せた。

 麦野は教室が静かになったのを確認するとそれ以上は何も言わずに腕を組んで授業を聞く構えになった。メイド姿には似つかわしくない態度だったが、それを指摘するような人は此処にはいなかった。

 シュヴルーズも多少戸惑ってはいたが、そこからは朗々と授業を再開しだし、その後は授業もスムーズに進んでいく。

 

「先程は使い魔さんと気付けずにすみませんでした、ミス・ヴァリエール。あなたに名誉挽回の機会を授けます」

 

 ……と、シュヴルーズが言うまでは。

 何のことはない。授業中、『土』の系統の魔法である『錬金』を実演することになり、そこでシュヴルーズがルイズを指名したのだ。

 シュヴルーズとしては、先程自分の不手際で名誉を貶めてしまったので、その挽回をするチャンス……というつもりだった。だが、生徒たちの反応は散々だった。

 

「先生、ルイズに錬金させるなんて、そんな恐ろしいことはやめてください」

「先生は『ゼロ』のルイズを教えたことがないからそんなことが言えるんだ!」

「どうか考え直してください」

 

 麦野に黙らされた鬱憤を晴らすかのように、生徒たちは口々にシュヴルーズに訴えかけた。もっとも、本当にヤバいと確信していたというのもあるのだろうが。

 最初こそもじもじしていたルイズだったが、そこまで言われると持ち前の負けん気に火がついた。

 

「私、やります」

「あなたが大変勤勉な勉強家だということは伝え聞いています。さあミス・ヴァリエール。失敗をおそれず、頑張りましょう」

 

 シュヴルーズはそう言ってルイズを教壇近くまで招いた。

 この状況でそこまで言えるシュヴルーズは大した教育者だと麦野は感心したが、それよりも此処まで生徒たちが畏怖するルイズの魔法というのに興味があった。

 だが此処で麦野は、一つ失敗を犯していた。

 

 正直なところ、麦野はルイズが『ゼロ』と呼ばれる所以を既に知っている。

 前日の質問会で、ハルケギニアの風土は勿論、ルイズの家族やその個人の能力までも詳しく質問していたのだから、当然のことだ。

 その中で、ルイズはどんな魔法でも爆発させる魔法成功率『ゼロ』のメイジだということは既に説明を受けていた。だが、麦野はその『爆発』の規模を見誤っていた。精々爆風が五メートル届くか届かないかだろうと甘くみていたのだ。

 そして、その失敗のツケは次の瞬間に払わされることとなった。

 

 

 轟!!!! と。

 生徒たちが机の下に隠れるが早いか、爆音と共に風が吹き荒れる。そしてその爆風は、教室のかなり後ろの方にいたはずの麦野にさえ暴力的な勢いを保ったまま届いた。

 

「ぐッ……! 想定以上だぞ、『ご主人様』……!」

 

 爆風が届くよりも一瞬早く電子の盾を展開した麦野は、額に冷や汗を掻きながら悪態をつく。生徒たちが次々と机の下から出て、ルイズを罵倒しだす。使い魔達は混乱し、共食いを始めていた。

 原子崩し(メルトダウナー)を解除した麦野は、ふうっと溜息を吐いて教壇に立つルイズを見た。

 どうやら爆発には指向性があるのか件の少女はあの爆風の割に殆ど無傷だったが、今にも泣きそうな表情で小石のあったところをじっと見つめていた。

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