「うーん、なんだかお仕事した訳じゃないけど今日は疲れたわ〜」
その日の夜、凛々奈は事務所のソファで寝転んでいた。
「ハルさん、ここはこういうことでいいんでしょうか?」
「そうよ〜みいなちゃん飲み込みが早いわね〜
、教えがいがあるわ〜」
その向かいでみいなの勉強をハルが教えている。
唯牙は自分のデスクで頬杖を付きながらパソコンを弄って何か作業中。
「ぶ〜! みーちゃん! 早く勉強終らせて遊んでよ〜」
ソファに寝転んで足をバタバタさせて子供の様にゴネる凛々奈。
「そうね〜、みいなちゃん、そろそろ終わりにしましょうか」
ハルは伸びをしながらみいなにそう言った。
「はい! でもこの問題だけやっちゃいますね!」
みいなは返事をしてまた教科書に視線を落とす。
「えらいわね〜みいなちゃん、凛々奈ちゃんの勉強を見てる時はね〜、一瞬でも目を離したら居なくなってたわよ〜」
「えへへ〜、私の素早さは天才的だったからね〜」
頭を掻きながら照れている凛々奈。
「褒めてはないのよ凛々奈ちゃん・・・」
そんなやりとりをしているとみいなはふーっと息を吐いて鉛筆を置いた。
「今日はこのぐらいにしておきます!」
「みーちゃん! お疲れ様ー! 疲れた!? 休憩する!? 膝枕する!?」
一瞬でみいなの横に移動した凛々奈はみいなを抱きしめて頬ずりしている。
「あ、そういえば学校で変な噂を聞いたんです」
すりすりすりすりと摩擦熱で火が出そうな程頬ずりされているが、いつもの事だと気にしないでみいなは続ける。
「高等部の生徒で、幻の"白百合のナイト"様って、有名な方がいるらしいんですけど」
「白百合のナイト? ん〜私とユイが通ってる時にはそんな噂は聞いた事無いわね〜」
ハルは腕を組んで首を傾げて考えているが、思い当たる事はないようだ。
「その人は学園の中でイジメとか他の人を傷つけるような酷い人を懲らしめて、辛い目に合っている人を助けてくれるらしいですよ、なんで白百合なのかは分からないですけど」
「へー、あの学校にもそんなやつがいるんだね〜」
すりすりすりすりすりすりすりすり、頬ずりをしながら適当に凛々奈は答えた。
「凛々奈さん、ほっぺ熱いです!」
みいなは腕で凛々奈を遠ざける。う〜、と呻きながら凛々奈はみいなに手を伸ばしている。
「そんな正義の味方みたいな子がいるのね〜」
いつの間にかハルは向かいのソファに座り直していた。
「あ、あともう一人! 伝説になってる生徒が居るらしいですよ!」
「伝説? よいしょっと!」
よいしょ、と凛々奈はみいなを抱きかかえて無理矢理膝の上へと座らせた。
「華皇学園で一番モテモテだった伝説の生徒らしいです! えーと、なんて名前だったかな? か、か、あ! 神王子だ!!」
「ぷーーー!」
みいなが言い終えると何故かハルが吹き出した。
「アッハッハッハッハ」
そのまま爆笑している。
「え・・・ハルさんどうしたの・・・爆笑するなんて珍しい・・・」
凛々奈がドン引き。
「ヒーッ、ヒーッ、ご、ごめんねなんでもないわ、いやーそんな漫画みたいな奴が居るのね〜」
ハルは涙目になって笑い堪えている。
「ねーー! ユイ!」
ニヤニヤしながら唯牙の方を見て言う。
「あ? なんだ?」
聞いていなかった様で唯牙はポカーンとしている。
「なんかちょっと昔を思い出しちゃったのよ〜」
「ん? まあなんでもいいが」
そんな二人のやりとりをみいなと凛々奈はなんのことかと眺めていた。
「なんかよく分かんないけど、みーちゃん! そろそろお風呂入ろー!」
「あ、はい、じゃあ片付けて着替え持ってきますね!」
「私も着替え持ってくる〜!」
二人がソファから立ち上がると唯牙は何かを思い出した様にあっ、と呟く。
「凛々奈!」
「ん? なあにセンセ、お小遣い減らすの無しにしてくれんの?」
「お前の部屋のドアぶっ壊れてるから、修理するまでカーテンかなんか掛けとけよ」
「・・・・・・・・・ナンデデスカ??」
今回で四話が終了です。ここまで読んで下さって本当にありがとうございます。
予定していた内容より二倍程長くなってしまいました! 冗長に感じたらごめんなさい!
次回はあまり活躍していなかったあの人メインの短いお話になる予定です。
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よろしくお願いします。