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何がしたかったのか分からない二人の少女を退けた凛々奈とみいなは唯牙と合流しようとエレベーターに向かう。
「ありゃ?」
凛々奈がボタンを連打するが反応がない。
「さっきの地震で壊れちゃったんですかね?」
「ん〜 かもね〜、車の出入り口はシャッター閉まってるし・・・ あ! あそこに階段があるよ」
広い空間の角に階段のマークのついた扉を見つけ、二人はそこへ向かった。念の為凛々奈が警戒しながらドアを開こうとするといきなりそのドアが勝手に開く。
「お、無事だったか」
ひょっこりと唯牙がドアの向こうから現れる。
「びっくりした! センセ大丈夫だった!?」
「唯牙さん!!」
その姿を見て二人は嬉しそうに駆け寄る。
「ははは、お前達の方こそ怪我は無いか? っと、それよりさっさと退散するぞ、騒ぎで警察やら消防やら来ると面倒だ」
「だね〜 バリバリ銃刀法違反だからね、私」
拳銃のトリガーに人差し指を掛けて器用にクルクルと回しながら言う。
「ナイフは? 使ったなら回収しておけよ」
それだけ言うと唯牙は踵を返して階段を登っていった。
「あっ投げたままだった!! 拾ってくるから先行ってて!!」
「行こう、みいなちゃん」
「あっ! はい!」
そして三人は急いで車に乗り込み走り出した。
「で! 結局あいつらなんだったのよ!!」
みいなと後部座席に座る凛々奈が言う。
「・・・・私が聞きたい」
「でも悪い人では無さそうでしたね」
「そうかな!? 私ビリビリさせられたりしたけど!?」
三人は訳の分からなかった襲撃について語り合う。
「そういえばセンセ、さっき車に乗る前に見たらセンセの担当の一番上の階が吹き飛んでたけど、もしかして爆弾止められなかったの〜? 殲滅の爆雷帝様がまさか任務失敗〜?」
運転席の方に顔を出してニシシと笑いながら唯牙に言う。
「あれ? でもあの人達、爆弾は偽物でドッキリって言ってましたよね?」
みいなもその横からひょっこり顔を出す。
「あ! たしかに! ・・・・じゃあなんで吹き飛んでたの?」
二人は顔を並べて唯牙の方を見る。
「・・・・・・・・・・まあいいじゃないか」
唯牙には珍しい気まずそうな苦笑い。
「センセ・・・・ 調子乗ってブッ壊したでしょ」
「いろいろあったんだよ!!」
「も〜 センセってクールに見えて大雑把な所あるからな〜」
「お前に大雑把とか言われたくないが!?」
「ふふ、でもお二人、似てる所ありますよ? やっぱりずっと一緒に暮らしてるからですかね」
少しだけ羨ましそうにみいなが言う。
「そうかぁ?」
「えへへぇ〜 でしょ〜!」
二人の返答は違っていたが、その顔はどちらも満更では無さそうな顔だった。
車は三人の帰る家を目指して走っていく。
(そういえばどうしてみいなちゃんにあの子供達が惹かれなかったのかの答えを聞けなかったな・・・)
唯牙は運転しながらそんな事を思い出した。