銃と少女と紅い百合   作:彼方リカ

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8-2 ふたごいもうとあね

 

「へっへーん! 覚悟は出来たみたいね!」

 

 戻って来たサクラとフラムをライカが自信満々の表情で迎える。近くまで来るとサクラはフラムの耳に顔を近づけて耳打ちで話し出す。

 

「ねぇ・・・ さっき私達の力見られちゃったけど・・・ 大丈夫なの?」

 

 ちらりと先程二人の足でひび割れた地面を見る。

 

「ん? ああ大丈夫大丈夫、だってコイツラも私達と一緒だから」

 

 いつの間にか既に泣き止んでいたフラムはケロッと答えた。

 

「え・・・・」

 

 その言葉に驚いてライカ達の方に目をやると。

 

「自己紹介がまだだったわね! 私がライカ=フードゥルヴェント」

 

「僕がフーカ、フーカ=フードゥルヴェントだよ〜」

 

 順番に二人は名乗る。

 

「・・・・・・姉妹?」

 

 同じ姓を名乗られ、二人の顔を見るとよく似た可愛らしい4つの瞳がサクラを見つめた。

 

「そ〜だよぉ、僕達双子なんだぁ〜」

 

 フーカが頭を左右にゆらゆら揺らしながらマイペースに答えた。

 

「双・・・子・・・」

 

 するとサクラは少し驚いた様な、悲しい様な複雑な表情になる。

 

(サクラ!)

 

 頭の中で、記憶の中の、もう会う事の出来ない愛しい姉の顔が浮かんだ。

 

「ん? どうしたの?」

 

「双子でびっくりした〜?」

 

 ぼーっとしてしまったサクラにフーカとライカが近付く。 二人の声にハッとしたサクラは二人を見て少し微笑むと、持っていた紙袋を抱き膝を曲げてしゃがみ、二人の顔の高さに視線を合わせて見つめながら二人の頭をそれぞれ両手で一緒に撫でた。

 

「大事にしないと・・ 駄目だよ・・・ 世界でたった一人の姉妹なんだから・・・」

 

 急に頭を撫でられた二人は一瞬ポカンとしたが、すぐに一緒に元気に笑った。

 

「とーぜんよ!」

 

「仲良しだよ〜 僕達〜」

 

「・・・・・・そっか」

 

 そんな二人を見てサクラも立ち上がり満足そうに微笑んだ。

 

「サクラ・・お姉ちゃんだったよね〜」

 

「せっかくだから何で勝負するかお姉ちゃんに決めさせてあげるわ!」

 

 フーカとライカはサクラの腰に抱きついて来て言う。

 

「おね・・・えちゃん・・か・・・」

 

 お姉ちゃんと呼ぶ事はあっても呼ぼれたのは初めてかもしれないなとサクラは不思議な気持ちになった。

 

「おいぃ!! 私を忘れんなよ!!」

 

 暫く放って置かれていたフラムがムッとして背中からサクラに抱きつき三人に抱きつかれているサクラが困った顔でもがく。

 

「ちょっと! 一旦離れて!」

 

「ねーねー! 何で勝負するのー!?」

 

「サクラお姉ちゃんのやりたいのでいいよ〜」

 

「それより私を無視すんなぁ!」

 

 離れてくれない少女達。

 

「なんでも! なんでもいいから!!」

 

 声を荒らげるサクラ。

 

「ん〜それじゃあね〜」

 

 パッとライカがサクラから離れる。するとフーカも手を離した。

 

「きゃっ!」

 

 いきなり二人が離れた為バランスを崩してフラムの方に倒れかかってしまいフラムがそれを支える。

 

「おわぁ重っ!」

 

「お! 重くない!」

 

 何とか支えられて立ち上がる。

 

「急に離すと危ない!」

 

 ムッとした顔で双子達を見るとゴニョゴニョとライカがフーカに耳打ちをしている。

 

「うんうん、それいいね!!」

 

 何かを聞いたフーカが満足そうな顔になる。

 

「よっし! じゃあちょっとお姉ちゃんとフラムはここで待ってて!」

 

 ライカがそれだけ言うと双子は元気に走り出して広場を出て堤防を超えて向こう側へ消えてしまった。

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 残された二人に沈黙が流れる。 すると、あっとサクラは何かに気付いて口を開いた。

 

「ねえ・・・・ 今の内に帰っていい?」

 

 そう言うと何故かフラムがドヤ顔で口を開いた。

 

「フフフ、 サクラはアイツらを甘く見てるわね・・・」

 

「?」

 

「帰りたいなら帰ってもいいけど・・・」

 

 フラムはサクラの手元を指差す。その意味を最初は何の事か分からなかったがサクラはハッとする。

 

「あれ!? 無い!!」

 

 いつの間にかサクラの持っていた筈のたい焼きの入った紙袋が消えている。

 

「きっとサクラが逃げない様に人質・・・ たい質? にとったのね」

 

「いつのまに!?」

 

「さっき抱きつかれた時じゃない? ちなみに私のパンもいつの間にか消えてたわ」

 

「え、じゃあもしもこのままあの子達が帰ってこなかったら食べられちゃう!」

 

「大丈夫よ!!」

 

 サクラが二人を追いかけようと走り出そうとするとフラムが強く言い制止した。

 

「あの子達は帰ってくるわ」

 

「え・・・ な・・・ なんで?」

 

「アイツらは私達との対決を捨てて逃げる様な奴らじゃあないわ!」

 

 メラメラと燃える目でフラムは再戦を待つ。

 

「いや・・・ 今日初めて会ったし、知らないし・・・」

 

 変なテンションになっているフラムをどうしようかと思っていると。

 

「「またせたな!!」」

 

 可愛らしい声が響き渡り堤防の上に二人の少女の影が並んで現れる。片方の影は右手を天に掲げて何か丸いものを持っている。

 

「「次の勝負はこれだぁ!!」」

 

 

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