原神世界に孫悟空の力を持って転生した主人公が好きに生きるだけの話   作:フリーナー!!

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UA2万超えたからなんか番外編みたいなの作りたい。


第十四話 メイド騎士の決意

『い゛ッーーーーがぁッ!?!?』

 

これまで一度も痛みという物を経験して来なかった私にとって、この攻撃は途轍もない程重い一撃となった。

 

『ぁ————!!!』

 

体が硬直し、言う事を聞かない、そして、まともに声も出せない。呼吸すら体が許してくれない。

 

『(な、、んで、、、)』

 

何故ダメージを喰らったのか、何故、今まではまともに喰らったとてかすり傷一つ付かなかった攻撃が通ったのか、なにか細工でもしていたのか?いや、ヒルチャールにそこまでの知能は無いだろう。もっと上のレベルならあるかもしれないが、そこら辺に湧いているヒルチャールなのだから、そもそもそこまでのスペックはないはず、、なら、どうして?

 

色々考えている内、ふと妙な感じがしたので、そこで私は考えるのを辞め、ようやく前を見た。

 

『—————ぁ....』

 

見れば、ヒルチャール達に囲まれていた。私の体は依然、木に叩きつけられたまま、動かない。いや動けない。そんな私に対して、ヒルチャール達は、十数人程の人数で囲い、盾を構えながら、私の方へジリジリと距離を詰めてくる。このままでは不味いと思い、気のコントロールをしようとするが、体が言うことを聞かない上、更に気の残量も枯渇していた。そして、頼みの綱であったスピリッツソードも、既に形を崩し、なくなった。

 

絶体絶命。蛍たちは今、任務でいないので私一人、元々、鍛錬に励む為、ここは森の中でも余り人も通らない場所だったので、助けは期待出来ない。

 

『(嗚呼、ここで私は死ぬんだな。)』

 

最早打つ手無し。—折角大好きな原神世界へ行けたのに。大好きな人達を見つけれたのにな....

 

『ご...めん、ね。ぱぃ...もん。ほた...る...』

 

体を動かす事を諦め、完全に体の力を抜いた。そして、目を閉じ、静かにその時が来るのを待とうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———彼女が来るまでは。

 

 

「戦場のお掃除の時間です!!」

 

 

 

そう言って現れたのは、銀色の髪をたなびかせた、純白のメイド騎士だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

「いやぁ、無事で良かったです。マリーさん。」

 

『本当にありがとうね、ノエル。』

 

未だ動かない私の体を運んでくれているのは、西風騎士の見習いであり、モンドが誇るメイド、ノエルだ。最初にあったのは、デートについてアドバイスを聞かれたので答えた。原作知識そのままのストーリー展開だったので、それなりに役に立つ事が出来た。そこから私とノエルはたびたび話したりする仲になった。今ではズッ友とも言える仲だろう。

この前なんてお花貰ったし。

———何故かバラじゃなくてたつなみそう?って言う花だったけど、、、それでも、ノエルからお花もらえたのが嬉しかったので、この前かったペンダントに入れて身につけている。それを見たノエルは、顔を真っ赤にしながら喜んでたけど、身につけている事がそんなに嬉しいのかな?でも花言葉は私、あんまり詳しくないからなぁ。まあ、ノエルが嬉しそうだったから別に良いけどね。

 

「いえいえ、私はメイドとして、そして西風騎士団を志す者として、当然の事をしたまでです!!」

「いやぁ、それにしてもビックリしましたよ、ジンさんに頼まれてここら辺の花の採集をしていたら、いきなり大きな音がなって、走って来てみれば貴女がいたんですから。」

 

『本当にありがとうノエル。ノエルが居なかったら私、多分あそこで死んでたもん。』

 

いや、本当に危なかった。もしノエルがあそこに居なかったら私は本当に死んでたと思うから。

 

「それにしても、なんであんな所にいたんですか?」

「見た所外傷等は無いようなのですが、なんだか体が動かなくなっていたみたいでしたけど。」

 

『あー、実は私にも分からないんだよねー。』

 

「え!?そうなんですか!?」

 

『いやぁ、分かるには分かるんだけど、詳しくは私にも分からないんだよね。』

 

「ど、どういうことでしょうか、、、?」

 

『まあ、私は最近新しい技を開発したんだよね。で、その技を試す為にヒルチャール達が居るこの森で、新技を使ってたの。で、その新技って使うとかなり疲労がたまるからさ、それで疲れちゃって一度だけ、まともにヒルチャールの攻撃を食らっちゃったの。』

 

「で、ですが、前に見た時、ヒルチャールの攻撃は効いていないようでしたけど、、、。」

 

『そう、それなんだよね。最初は私が自分の体をまともに防御も出来ない程疲れが溜まっていたからだと思った。だけど、いくら疲れていたとしても、途中までは普通に動けていたし、なんなら攻撃を受けても余裕で耐えれたんだよね。』

 

「では、なぜ?」

 

『新技だよ。』

 

「新技...?つまり、マリーさんの新しい技に、何かそのような効果があるという事ですか?」

 

『うん。私の新技、〝スピリッツソード〟って言うんだけどね。その技を使った状態でヒルチャールの攻撃を喰らっちゃって、さっきノエルが見た状態...まあ、体が全く動かなくなったんだよね。』

『多分このスピリッツソードは、攻撃が内部まで届く様になってしまうんだと思う。』

 

「内部まで攻撃が届く...?」

 

『まあ、まとめるなら、あの技は絶大な火力を得る代わりに、防御力が赤ちゃんになる。って所かな?』

 

「なるほど...(赤ちゃんマリー様...えへへ、、良いですね。)」

「えへへ〜」

 

『おーい、ノエルー?』

 

反応がない、唯のメイド騎士の様だ。いや、唯のではないな。かなり珍いわ。

 

『ノエル!』

 

「ひゃ!?ひゃい!!」

 

『あ、良かった。戻ってきた。』

 

良かった良かった。さすがによそ見して崖から落ちたりしたら大変だからね。今の私、空飛べないし。....ん?そう言えば、、、、

 

『…ねぇ、ノエル。』

 

「はい?何でしょう?」

 

『あの、、さ。お姫様抱っこ恥ずかしいんだけど、、、出来れば、おんぶとかにしてくれない?』

 

「ごめんなさい、マリー様。騎士のメイドとして、怪我人は丁重に扱い、もてなすべきなので、それは出来ません。」

 

『で、でも..「でも?」ふぇ...』

 

さっきまで光が宿っていたノエルの目に、虚空が宿る。

 

「マリーさん、この際なので言っておきますけど、貴女は少々無茶し過ぎです。確かにマリーさんは強いです。ですが、傷こそ負ってはいませんが、寝ていないでしょう?疲れが溜まった状態を放置していれば、また今日の様な事態が起きかねません。なので、ここは私に存分に甘えて貰って大丈夫です。それくらいでしか、私は貴女のお役にたてませんから。」

 

の、ノエル...そこまで、私なんかの事を気遣ってくれるなんて、、、!

 

『ごめんね、ノエル。それなら、お言葉に甘えさせて貰おうかな!』

 

「はい!このノエルにお任せ下さい。」

 

ノエルと話してたら安心して、眠くなってきた...

 

『ごめん...のえる、、眠い、、』

 

「寝てもらっても大丈夫です、マリーさん。なるべく揺らさない様にするので、しっかりと休んで下さい。」

 

『ありがとう...』

 

今日はノエルに助けて貰ってばっかりだったな。今度お礼しなくちゃな、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっ可愛い寝顔ですね。」

 

「もう、貴女が傷つかないように、私、もっともっと強くなりますから!!」

 

ふにゃっとした、優しい顔をして寝ているお姫様を、メイドは眠れるお姫様を優しく抱きしめた後、固く決意した。————たとえ自分の身が滅んだとしても、彼女だけは守り抜くと。困った時にいつも助けてくれる彼女を、今度は自分が守りたい。そう想い、自分の身を捧げる決意をした白きメイド「騎士」は、お姫様を連れて、城内へと帰るのだった。

 

 

 

 

頬を伝う心地よい風は、彼女の決意を、そして、新たなる騎士の誕生を、祝福しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





タツナミソウの花言葉は「私の命を捧げます」
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