【完結】FF7スカーレット成り代わり物語   作:発火雨

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新兵器開発予定と魔晄炉建設計画

 神羅屋敷で上手い事ヴィンセントも仲間に出来たし、ジェノバ・プロジェクトの資料も回収完了。

 あの後、ツォンに連絡して神羅屋敷で実験体によるトラブルがあったと報告。

 こっちの言い分に半信半疑だろうし、ヴィンセントの存在に対しても怪しんでたけど、俺の言い分を鵜吞みにするしかないもんね。

 ルーファウスに話は通すし、現タークス主任のヴェルドもヴィンセントの顔は知ってる。

 宝条博士の実験ですって伝えたら、二人とも一応は納得してた。

 

 さて、本社に帰ってきてから俺の方でもう一仕事。

 神羅屋敷で事故があれば、科学部門の責任問題になってしまうし、現に暴れたのは宝条が生み出して処分をしなかった失敗作。

 責任問題になっても困るので、秘密裏に事実を隠蔽することで話し合いは済んだ。

 主にタークスが処理をするし、警備システムの改竄には兵器開発部門のうちにも話が回って来た。

 科学部門では、そこに出向していた社員たちは全員を左遷、または自主退職を促して行方が分からなくなっていた。

 たぶん今も本社の実験施設の中に囚われてるような気もするが、俺には関係ないし気にしない。

 

 これでしばらくは宝条もニブルヘイムに気軽に行くことが出来ないだろうし、セフィロスが魔晄炉に訪れることも早々ないだろう。

 魔晄炉に関しては、現状維持として都市開発部門から出向する社員と科学部門の社員が合同で管理することになった。

 

 ジェノバ・プロジェクトのことをどうやってセフィロスに伝えるか正直悩んでる。

 俺と接点はないし、切り出し方もわからないと困っていたがルーファウスが一言。

 

「この件に関しては私に預からせてもらおうか、今のセフィロスには余計なことを考えさせるよりも仕事をさせたほうがいいだろう」

 

 と言われてしまったので、出来ることがない。

 丸投げするみたいだが、セフィロスのことをルーファウスも高く評価しているし、敵対するようなことは良しとしないはず。

 ここは任せっきりみたいになってしまうが、任せてしまおう。

 出来る範囲で出来ることをするしかないのだから。

 

 いつものように個室で仕事をしていると、クラウドがやってくる。

 訓練だけをやらせてるわけじゃなく、きちんとテスターとしての仕事もこなしてもらっているのだが、部隊長になってからもそのあたりの仕事は変わらない。

 

「以上のことからダストドーザーの生産を停止しても問題ないかと思われます」

「確かに、戦争で突っ込ませるのはよかったけど、高低差に対応できる足回りじゃなかったし、これから防衛のことを考えると、この機動力じゃだめね」

 

 ダストドーザーとは大型警備兵器として開発され、ウータイとの戦争ではそこそこ活躍した兵器だ。

 高火力に分厚い防御装甲を維持しながらも、四本足に付けられたホイールから平地ではある程度の機動力を確保した。

 しかし、動き自体はウータイの俊敏な戦士たちに追いつけるものではなく、地形によっては行動が制限されてしまう。

 そのため、戦争後期になるとウータイの戦士たちにダストドーザーはあっという間にスクラップにされてしまうようになった。

 その反省点を踏まえて、新しい兵器の開発を指示していた。

 

 クラウドが持ってきた資料には、高低差に対応できる足回りと平地でも機動力を保ったままの兵器として、二種類の案が書かれている。

 一つは多脚型で、多数の重火器を合わせ持つ拠点防衛用として考えられたガードスコーピオン。

 

 もう一つは対巨大モンスター用兵器として以前から治安維持部門より要請があった、大型兵器。

 ホバークラフトと空中機動能力を掛け合わせた、エアバスター。

 

「いいわ、両方とも開発を進めましょう。そろそろ大型兵器も大幅なバージョンアップが必要な時期ですものね」

 

 とりあえず二つともそのうち開発されるだろうから今のうちに許可を出しちゃおう。

 片方は魔晄炉でクラウドが初めて戦う記念すべきボスだし、もう片方も魔晄炉がらみのボスだね。

 

「そう言えば新型魔晄炉の建設予定地のコレル山に視察に行くことになってるから、しばらく訓練はお預けね」

 

 そうそう、コレル山に魔晄炉建設するために現地入りすることが決まったよ。

 すでに都市開発部門の社員がコレル山の調査に入ってるし、俺もそれを追っていくことになる。

 

「一応行きがけにはヴィンセントも乗せてくけど、途中からしばらく外回りをさせるからしばらく会えないわ。今のうちにやり残したことがあればしておきなさい」

 

 ついでだし、ヴィンセントには各地にいるアバランチの情報収集がてらルクレツィアの捜索もしてもらおう。

 しばらく帰ってはこないだろうし、現地で山チョコボとか入手してもらわないとだから、しばらくは帰ってこれないだろうな。

 下手に本社にずっといてもらって、宝条に目を付けられても困るからね。

 

「きちんと通信機は使いこなせるようになったかしら?」

「はい、最優先で教えましたので大丈夫です……おそらく」

 

 あの人機械音痴なんだよね。

 いや、数十年棺桶に引きこもってたから完全に時代に取り残されてるから仕方がないかもしれないけど。

 戦闘訓練は全然問題ないのに、携帯の使い方講座であんなに時間を取られるとは俺もクラウドも思いもしなかった。

 

「それでは行きはスカーレット様と俺とヴィンセントの三人だけですか?」

「えぇ、そうよ。帰りはヴィンセントを乗せないから、実質二人っきりになるわね」

 

 遠出するときの護衛はもちろん、乗り物酔い対策に運転手になってもらってるし、俺の予定なんかも把握してるから、もう秘書みたいな感じなんだよねクラウド。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これから向かうコレル村とは現状どんな村なんだ?」

「昔は炭鉱で栄えたらしいが、神羅が魔晄を発見してからはこれといった産業もなく、外貨を稼ぐことが出来てない村だな。ゴールドソーサーが近くにあるからそこに出稼ぎに来てる人たちもいるようだが、村を維持出来るほどではないみたいだ」

 

 ヘリの操縦をしながら、隣に座るヴィンセントの疑問に答える。

 スカーレット様の隣にいる以上、俺にも相応の知識を求められる場面も多い。

 

「なるほど、今や炭鉱など世界中どこを探しても利益が出てるところなどない。魔晄の方が遥かにエネルギーとして扱いやすく効率もいい、神羅の技術によって昔は貴重な鉱物だったミスリルのようなものも、人工物として簡単に生成できるようになったからな」

 

 魔晄の消費量を減らすことを考えたら、代替エネルギーとして石炭も候補に挙がるのだが、いかんせん効率が悪すぎるし、今の時点ではそれらを優遇することも出来ない。

 

「このまま何もしないでいると、数年後にはコレル村に人が住むことも困難になるだろう」

「魔晄炉を建設するには都合がいいというわけか。ニブルヘイムの時もそうだが、人がいない過疎地の方がもめ事が少なくていい。ウータイとの戦争も魔晄炉建設での利益分配で揉めたのが始まりらしいな」

 

 ウータイとの戦争も結局は金で揉めたからだ。

 人は生きていくためには金を稼がなければならない。

 

「だが一方的に弱者を食い物にするわけじゃない。きちんと補助金も出すし、コレル村に雇用が生まれるように取り計らう予定だ」

「スカーレットとリーブが主導するうちはいいが、他の奴らの手が入ればどうなるかわからんぞ。まぁ何もしなければどのみち立ち行かなくなる問題だ」

「そうだ、反対意見もあるし、嫌悪する人間が出るのも仕方がないが、何もせずにいるよりは何かした方がマシだと俺は思う」

 

 故郷のニブルヘイムだって神羅から出ている補助金を利用しているし、世界初の魔晄炉がある村としてガイドの仕事をしたり、神羅の社員が村に落とす金で村は成り立っている。

 実は母さんに聞いた話なのだが、ティファは今ガイドとして故郷で働いているらしい。

 この前の時は会えなかったが、今度プライベートで帰省した時にはガイドを頼んでみようかと思っている。

 子供の頃は魔晄炉の近くになんて行ったことは数えるほどだし、今だってミッドガルの魔晄炉の中を見学させてもらったが、少しワクワクした。

 

 今回の魔晄炉建設も、一から魔晄炉が作られていく過程を見ることが出来るし、そこで働く人たちを間近で見るいい機会だ。

 

「お前は神羅にいるにしては少々理想を求めすぎている。スカーレットだって善意だけでこの計画を進めてるわけじゃないぞ」

「それくらい俺にもわかってる。でも誰かに手を差し伸べられる側にいるんだ、困ってる人を助けても罰は当たらないだろう。あと、スカーレットじゃなくて様とか統括とかつけるようにしてくれ」

 

 なるべく気にしないようにしているが、スカーレットと呼び捨てにされると調子が狂う。

 すると後ろの座席に座っていたスカーレット様が声をかけて来た。

 

「なんならクラウドも二人っきりの時は呼び捨てでもいいのよ」

 

 残念だが俺にそんな度胸はない。

 あの時のスカーレット様の顔は同世代の女の子たちでは出せないような表情をしていたような気がする。

 きっとあれは色っぽいとか、妖艶なんて言葉で表現するのだろう。

 

「おい、運転中は集中しろ。万が一に不時着しても俺とお前は問題ないがスカーレットを抱えて飛び降りるのは骨が折れるぞ」

「わ、わかってる。それにヴィンセントが抱えられなくても俺が抱えて飛び降りるから問題ない」

「ちょっと、さっきから聞いてたら飛び降りるとかやめなさいよね。始末書提出するのも面倒なんだから」

「し、失礼しました!」

 

 思わずヴィンセントを睨むが、俺は関係ないと鼻で笑われてしまった。

 今回運転してるヘリは、前回の軍用の物と違い運転席と後部座席に仕切りがないタイプで、すぐ後ろにスカーレット様が見える。

 前の時も俺が運転してる間に着替えを済ませたと着陸してから初めて知り、スーツ姿に対して驚きでコメントがきちんとできなかった。

 

「もう魔晄炉の建設は確定だし、住人のほとんどが賛成派らしいから今回は村長と契約書を交わすだけになりそうだけどね」

「ほとんどということは反対派も少ないながらいるのだろう。彼らはどうするんだ?」

「最後までプレゼンはするけど、結局は採決で建設は決まるでしょうね。どうしても今までの生活を捨てられない人もいるでしょうけど、どうしようもないわ」

 

 事前に都市開発部門の人から聞いた話では、コレル村の住人も大多数が魔晄炉建設に賛成らしい。

 しかし、ごく一部の炭鉱夫たちが炭鉱での仕事を捨てることに反対しているようだ。

 

 すでに魔晄炉計画は止まることはないだろうが、万が一にも反対派がスカーレット様を襲うことも考えられなくはないので、その点だけは注意しなければならない。

 出来たら俺も、力で人をねじ伏せたいとは思わないし、故郷を守りたいという気持ちも多少は理解出来るつもりだ。

 でも、スカーレット様に害をなす存在を許すわけにはいかない。

 出来るものなら穏便に村の人たちが納得してくれればそれに越したことはないし、それを願うばかりだ。

 

「あんまりクラウドは悩まなくていいわよ、こっから先は私の仕事なんだし。それに神羅の悪い部分なんて上司の私に任せっきりになさい」

「いえ、そういうわけにはいきません。これからもスカーレット様を支えさせて頂きます」

「ふふっ、すっかり頼もしくなって。いいわよクラウド。あなたってすごくいい!」

 

 スカーレット様のことを苦手とする人や嫌う人も神羅には多いが、正直それは見る目がないと思う。

 きちんと向き合えばスカーレット様の素敵な部分がたくさん見えてくる。

 ただ、どうしても物言いや態度が強気な部分はあるし、敵対する者には一切容赦しないのは事実だ。

 

「本当に私のためを思ってなんでも行動してくれて。クラウドを引き抜いた私の判断は間違いなかったわ、私のそばにこれからもずっといてねクラウド」

 

 たくさんの部下を持っているはずなのに、俺のことを本当に良くしてくれてる。

 いや、特別扱いをしてもらってるのもわかる。

 

 一度ザックスから、異常なほど目をかけられてると周囲から見られていて、下らぬやっかみに巻き込まれることを心配された。

 俺にとって特別な存在とは幼馴染のティファ、そして彼女に認められたくて目標にした英雄セフィロスだった。

 でも、今はスカーレット様も特別な存在であり、俺にとってのスカーレット様はいったいどんな存在なのだろうか?

 

「ほら、見えて来たわよ、あれがコレル山」

 

 炭鉱で栄えた土地だからか、岩肌が多く露出していて、崖をくり抜いた中に多くの建物やレールが敷かれている。

 最盛期には多くのトロッコが行き来していたのだろうが、今では動いてるものを探す方が難しい。

 

「ヴィンセントはここでしばらくお別れね。クラウドはこのまま私と一緒に村の酒場で話し合いの予定だから護衛をよろしくね」

 

 村長や村の有識者たちを交えて酒場で話し合いの場が持たれ、そこで魔晄炉建設の返事がされる。

 性根はまっすぐだが少々気が荒い村人も多いと聞いている、護衛としてそのあたりを注意しなければならないだろう。




やらない予定とお伝えしていた用語解説を結局はしちゃう。
これはもう性分らしい

「クイックシルバー」
前回由来について書き込みましたが、あの後感想欄にて様々なご意見頂きました。
直訳すると水銀、古英語によるとクイックは「素早い」ではなく「生きている」という意味のようです。

つまり生きている金属をオートマチックの自動システムと引っ掛けてる説や、水銀は占星術や錬金術に14世紀から使われており、錬金術の成果物として「当時の科学技術における最高傑作」の銘が与えられた名銃説なども……。

自分でも色々調べてるつもりですが、それでも勉強は足りないですね。
知識の奥深さを楽しませて頂いております、皆さんいつもありがとう!

「ダストドーザー」
リメイク版で新たに登場したボス。
元々は神羅の兵器開発部門が製造した大型警備兵器。
戦時中に活躍した旧型のため、螺旋トンネルの倉庫内に保管されていたが侵入したクラウドたちと戦うことに。
動きは鈍重だが、高い防御力と圧倒的な火力を持つ。

今作ではウータイとの戦争で活躍したが、後期になると対策され一方的に破壊されることが多くなったという設定。

「ガードスコーピオン」
記念すべき最初に戦うボス、文字通りサソリがモチーフ。
リメイク版だと軽快に動き回りその機動力の高さを見せつけた。
バリアシステムやミサイルも搭載され、一面のボスとは思えないほど豪華。

「エアバスター」
伍番魔晄炉に爆弾を仕掛けた帰りに戦うボスキャラ。
正直弱いボスだったのだがリメイク版でこちらも大幅パワーアップ!
なんと三段階の形態をもち、おまけに空も飛ぶことが出来る(ホバークラフトの意味よ……)

事前のサブイベントで整備不慮に持ち込める。
そのためクラウドたちと戦う時は完全な状態ではなかったのだが、それでも十分強い。
総じてリメイク版はボス側も見どころ満載である。

「次回予告」
コレル山であの男と出会います、まだ片腕が銃じゃないのよね

「次回投稿予定」
お馴染み一週間後の5/8水曜日19時予定
ストックが減ってきたのでまた書かないといけない
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