ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話   作:葛城

136 / 260
※ 今回、女神様が出張るので下品な話かも


第131話: 女神様「11歳ぐらいの、鉄棒にまたがっている時の写真もありますよ」

 

 

 ──女神様ポイント。

 

 

 それは、『初潮記念』だとか、『射精された(オカズにされた)精液量○○達成だとか』、そんなくっそ気持ち悪いミッションを達成した時に与えられる、女神様からの謎ポイントである。

 

 どうして『謎』なのかと言えば、使い道が分からなかったからなのと、女神という名の付いたポイントにそこはかとない警戒心が働いたからだ。

 

 

 あと、女神様なりの冗談の類だと思って気に留めていなかったのも大きい。

 

 

 だって、このポイント……上がり方が雑というか、その時の気分で10万だとか、2兆ポイントだとか、幅がデカすぎたのだ。

 

 これがまあ、1ポイントだとか3ポイントだとか、そういう刻み方だったならば、ある程度集まると特典が付くとか、ナニカと交換してもらえるとか考えていただろう。

 

 そこに、一回で10万ポイントとか、億単位のポイントが与えられたりするのだ。

 

 なんというか、女神様なりの冗談の類かなと、千賀子が思って聞き流してしまうのも仕方がない話である。

 

 

「……えっと、女神様? 施設の拡張って、なんかありましたっけ?」

 

 

 とはいえ、実際に使い道があって、既に使われている(期限切れ分)となれば、そうなんだと流しているわけにもいかない。

 

 

 なにせ、女神様が用意する代物だ。

 

 

 比較的安全かつ有用に終わる事もあるけど、おそろしく有用だがデメリットもまたとんでもない……なんてのも、けして珍しくはないのだ。

 

 なので、今回のように知らぬ間にナニカをされていた場合は、速やかにナニをされたのかを把握する必要があるわけで。

 

 

『家畜場より得られる物があらかた増えておりますよ。あと、一部食品の質も向上してます』

「量が増えて質が良くなったわけね、なるほど、それぐらいならまあ、大丈夫か……」

 

 

 とりあえず、初手はそこまで問題にはならなさそうなので、千賀子はひとまず安堵した。

 

 

 ……いちおう、言っておこう。

 

 

 この大丈夫というのは、『放置しても問題にならない』という意味での安心であり、市場に出しても安心というわけではない。

 

 別に、毒があるわけでもないし、依存性があるわけでも……いや、依存性に関しては、あるにはあるだろう。

 

 あまりにも質が良過ぎて、美味し過ぎる……という、現代人では大半の人が掛かっている御馴染みの依存性が。

 

 そう、千賀子が『家畜場』などから手に入る食糧などを安易に出さない理由の一つは、市場を破壊するレベルで美味すぎるせいだ。

 

 

 仮に、現代基準の……そう、現代の美味しさ基準で、だ。

 

 

 100g5000円だとか7000円だとかの肉を、300円とかで売り出せばどうなるか? 

 

 特上うなぎ1尾で3000円の世界で、同レベルかそれ以上のうなぎ1尾100円。旬の時期の果物よりも美味い果物を何時でも取れたての状態で……どうなるか? 

 

 そんなの、人々はこぞってそちらを買うに決まっている。

 

 そして、その味に慣れてしまった人が、はたして他の食材で我慢できるのかといえば……そんなわけもない。

 

 そして、千賀子は己の性格上、売れなければ捨てたら良いという選択肢を選べない。良い物は、良いうちに売りたいという意識があるし、無駄にはしたくないという意識もある。

 

 また、値段を下げても違和感を覚えないよう、わざと時間を置いて食材などを不味くすることも心情的に拒否感がある。

 

 そりゃあ、『家畜場』で取れる物を常温に数日置いて、わざと味を悪くさせる事は可能だが……知ったことではねえという気持ちにはならない。

 

 そのうえ、千賀子の『家畜場』は原価コスト0円。

 

 一切の世話をしなくとも、常に最適な処理が成された状態のソレらが毎日手に入るのだから、そんなのを販売し始めたら、相当数の一次産業が廃業に追い込まれるだろう。

 

 ……一次産業(この場合は、食品関係)というのは、一ヶ月二ヶ月で結果を出せるものではない。

 

 まずは土壌改良からでも1年、2年……売り物になるレベルのモノを出そうと思うなら、その倍以上は掛かると思っていい。

 

 千賀子が商業としてやっていこうと思うなら視野に入れているが、その気も無いのに半端に手を出すつもりはない。

 

 なので、『家畜場』にストックされているだろう物資のことを、もう千賀子はずいぶん前から見ないフリで決め込んでいた。

 

 

「……あの、女神様?」

 

 

 そして、もうひとつ。

 

 千賀子が『家畜場』のモノを外に出さない、最大の理由は。

 

 

「私が何らかの事情で命を落としたとして、仮に、ですよ。『家畜場』とかはどうなります?」

『……? 愛し子がいないのに、置いておく必要がありますか?』

「デスヨネー……その、仮に私が残して置いてほしいとか言ったら、どうします?」

『……? ???? 居ないのに、残す??????』

「あ、いいです、はい。話を戻しましょう、女神様ポイントの話へ、ね」

 

 

 千賀子の死と共に、『家畜場』は消滅するのが確定しているのが分かっているからだ。

 

 最悪の場合は餓死者が出てしまうともなれば、これはもう……話が逸れたので、戻そう。

 

 

「回りくどいのもなんなので率直に聞きますけど、女神様ポイントを使うって、何に使えるんですか?」

『──特殊なルーレットボードと交換できますよ。ただし、1ポイントで1回だけですし、一日に回せる回数に違いがあります』

「ルーレット……ボード?」

 

 ──えっ、ガチャ? 

 

 

 その瞬間、思わず千賀子は胸を押さえた。πがデカいので、鼓動が掌に伝わってくることはなかったが、確かにその瞬間、千賀子の心臓はドクンと跳ねた。

 

 思い出したくない、これまでの記憶。

 

 幼少期の、まだ無邪気にガチャを回していた時の思い出……そして、改良されるたびに、ろくでもない罠に見舞われた……あ、いや、待て。

 

 ボードを変えられるということは……え、まさか、『ピックアップ(魅力固定)ガチャ』ではない、ガチャを選べる可能性が……だと!? 

 

 

 ──その瞬間、千賀子の脳裏に電流、走る! 

 

 

 それは、タイトル詐欺にも匹敵する蛮行なのかもしれない。

 

 例えるなら、純愛に見せかけたNTR。

 

 NTRは法的に殺されても仕方がない大罪なのだから、殺されるだけ有り難く思うべきだろう。古事記にもおそらく書いてあることだし。

 

 だがしかし、千賀子がこれまで幾度となく望み、叶う事はないだろうなあ……と思っていた……が、それも今日までだ。

 

 

「えっと、現在の女神様ポイントって、どれぐらい溜まっているんですか?」

『今のところ、おおよそ40澗《かん》ぐらいですね』

「……? どれぐらいの数字なの?」

 

 

 首を傾げた千賀子は、ロボ子へ振り返る。すると、ロボ子より「知らない方が幸せですよ」と言われた。

 

 

「……えっと、女神様。選べるボードって、どんなのがあります?」

『現在のガチャのパワーアップ版と、資源系と、オプション系の、計三つです。おすすめは全部です』

「あ、けっこうです」

『チュートリアルというやつをね、作りましたので、一緒に頑張りましょうね❤ チュートリアルですので、初回に限りポイント消費はタダになります』

「けっこうですって、言ったよね???」

『毎回凝ったのもなんなので、今回はシンプルなやつにしました。でも、角度によってはほら、私と愛し子が並んでいるのがボードに映りますよ❤』

「なんて酷いことを……」

 

 

 相変わらず人の話をまるで聞かない女神様は、どこからともなく取り出したルーレットボードを千賀子の前に並べる。

 

 大多数の者がイメージする、円形のアレだ。モザイクのように、順不同の番号がビッシリボード全体に書かれている。

 

 女神様曰く、当たるまでのお楽しみ、というやつらしい。

 

 楽しくもないのにお楽しみとはこれ如何にという気持ちにしかならないし、拒否権も無いのがまた腹立たしい。

 

 何気なく尋ねることすら罠とは、実質女神様が敵だろうと……もはや、覚悟するしかあるまい。

 

 そう、千賀子は諦めると……まずは、回転している『現在のガチャ(強化版)』のルーレットへ、手渡されたダーツの矢をひょいっと投げた。

 

 幸いにも、矢は外れることなくルーレットに刺さり……静かに回転速度が落ちて、止まると──ぽふん、と煙と共に千賀子の前に宝箱が出現した。

 

 そう、宝箱だ。

 

 これまた、ゲームやアニメでは御馴染みな形状のソレの登場に、いよいよ千賀子は胡散臭さに目を細め……しかし、開けないわけにはいかない以上は、ゆっくりと……警戒しながら、蓋を開けた。

 

 

 ──『変身:アメノウズメ(New)』──

 

※ 要約:あらゆる封印を解くことが可能で、数多の芸能を持ち、数多の存在を夢中にさせる舞踊の能力を持つ。

 

 

 瞬間、宝箱の中身より光が放たれ、それを千賀子は真正面から浴びた。あまりにも一瞬の事で、ロボ子ですらも反応が追い付かず──次の瞬間にはもう、光は治まっていた。

 

 そして、その場には……半裸を通り越して全裸一歩手前の恰好になった、千賀子がいた。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………そう、半裸どころではない。全裸一歩手前の恰好だ。申し訳ない程度に、髪にかんざしが刺さっているが、それだけ。

 

 

 まず、上半身は裸である。

 

 大きなメロンが二つ、シミ一つない膨らみが堂々と露わになっていて、ぽつんと桃色の乳首が空気に触れていた。

 

 そして、下半身も裸である──が、少し違う。

 

 いちおう、腰から下には向こう側が透けて見えるぐらいに薄いスカートがまとわりついているが、肌はまるで隠せていない。

 

 ちょっと風が吹けば、前も後ろもまるだしだ。パンツは、履いてはいない。

 

 背中から身体を守るように、半透明の帯みたいなモノが身体に柔らかく巻きついているおかげで、とりあえず亀裂は見えないが……しかし。

 

 

「……なにこれ?」

 

 

 さすがに変身能力は経験済みなので取り乱すようなことはないが……あまりにも、あんまりな格好に、さすがの千賀子も目を瞬かせた。

 

 他人の目がない場所でよかった。おかげで恥ずかしさは特になく、冷静に己の姿を確認することができて……っと。

 

 

「……本体の私、あまり動かない方が良いかも」

「え?」

「ちょっと身動ぎするだけで、チラチラ割れ目が見えているわ。自動追尾で帯が隠そうとはするみたいだけど」

「えぇ……」

「というか、本体の私? 動くと見えてしまうと言った傍から、どうして身体を動かすのよ」

「え?」

 

 

 言われて、千賀子は驚いた。

 

 何故なら、千賀子自身はその場に静止しているつもりだったから。言われて、始めて自分が小刻みに身体を動かしていることに気付いた。

 

 と、同時に……なんだろうか。

 

 どうにも、身体がむず痒いというか、疼いてくるというか……いや、これはもう、アレだ! 

 

 

 ──踊るしかない! 

 

 

 そう思った時にはもう、千賀子は──内より湧き出る衝動のままに踊っていた。

 

 帯のようなソレをはためかせながら、千賀子はポンと畳を蹴って机の上に乗ると、シャラシャラと軽やかに踊り始めた。

 

 踊った経験などほとんどなく、習った経験などないのに、不思議と踊り方が分かっていて、まるで物心付いた時から練習してきたかのように、自然と身体は動いていた。

 

 

 どのように手足を動かせば良いのか。

 

 どのように息継ぎをすれば魅せられるのか。

 

 どのように身体を動かせば……己の魅力を引き立たせられるのか。

 

 

 全てが初めからそこにあったかのように、踊りとは何ぞやを理解していた千賀子は、そのまましばらく踊り続ける。

 

 

 それは、興奮である。

 

 それは、喜びである。

 

 それは、愛情である。

 

 

 ロボ子が小さな声で、「膣分泌液の排出、乳頭の勃起を確認。過度の性的興奮状態、注意要」と分身たちに警告していたけど、その時の千賀子の耳にはまるで届いていなかった。

 

 なお、4号は千賀子の姿が変わった時点で部屋を出て退避している。エマに迷惑が掛からないからこそ、ブレーキが掛からなかったかもしれないが、考えるだけ無駄だろう。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………そうして、たっぷり30分ほどノンストップで踊り続けた千賀子は……汗でしっとりと濡れた身体をそのままに、分身たちからの拍手を受けながら、テーブルを降りたのであった。

 

 

 

 

 

 ……それから、息を整え、軽く風呂場で汗を流した後。

 

 

「本体の私……部屋中、むせかえる甘い匂いでうっとうしいのだけど?」

「ごめんなさい」

「これ、ヤバいね。女子校とかで踊ったら、生徒全員レズビアンにしちゃうよこれ」

「ごめんなさい」

 

 

 ようやく落ち着いたので変身を解いた千賀子は……さて、気を取り直して、二つ目の『資源系』ルーレットへ。

 

 ようやく本題に入ったと思うべきか、新たな罠に手を伸ばしかけているのだと思うべきか……いささか判断に迷うが、悩んでも仕方がない。

 

 

 ──いざ、出ませい! 

 

 

 覚悟を決めた千賀子は、色違いのボードへと矢を投げる──そうして現れた宝箱の中身は。

 

 

「……紙?」

 

 

 ポツン、と底に置かれた1枚の紙だった。

 

 いったい何だと思って手を伸ばし……裏返せば、そこには『大当たり! 資源惑星セット!』と書かれて……ん? 

 

 

「なに、資源惑星って?」

 

 

 意味が分からずに女神様へと振り返れば、女神様はなんだかちょっと( = ^ ω ^ = )になっていたけど、ちゃんと教えてくれた。

 

 

『その名の通り、大当たりです。用意していた資源満載の惑星が当たりました、本当に貴女は愛らしい……』

「??? はい? 当たった? 惑星が?」

『はい、神社を出て、山の中に、その惑星と直接つながっている設備、『スタンド』があります。その設備を使って、資源惑星から様々な資源を取り出すことができます』

「え、マジで?」

『はい、自動的に各種精製も行います。参考までに、現時点で石油が約4000垓《がい》トン取れます』

「量を言われても多いのか少な……いや、多いよね、それ!? 単位は分からなくても多いのは分かるよ!?」

 

 

 それって、誇張抜きで超絶大当たりでは──そう、千賀子が反射的に思ったのも、無理からぬ話だ。

 

 少しでも真偽を確かめるために、千賀子はロボ子を見やる。

 

 一つ頷いたロボ子は、直後、目を見開いて……瞳のセンサーが激しく伸縮を繰り返す。

 

 何をしているのかって、それは神社や山のいたるところに設置してあるドローンと同期して、カメラにてリアルタイムで確認しているのだ。

 

 

「……あ、ありますね。ガソリンスタンドっぽい施設。現地に赴いて直接調査をしなければ詳細は分かりませんが、昨日までそこに施設は存在していませんでした」

「おお!」

「ですが……う~ん、ある種のエネルギーバリアを確認。おそらく、安全と防犯を兼ねてのものなのでしょうが……一定範囲より近付くことができません」

「えぇ……」

 

 

 思いもよらない展開に、シュンと千賀子のテンションが下がった。

 

 

「それ、なんとかできない?」

「この手のバリアは、鍵となる物や方法を取れば突破は簡単ですが……力づくとなると、出力的に考えると不可能に近いでしょう」

「そっか、万が一事故が起こったら危ないもんね」

「そうですね。それに、この手のモノは突破しても一定時間ごとに再びバリアが張られるようになっているので、やはり力づくは選択肢としては無い、と進言します」

「あ~、それも致し方ないか……え、いや、待って、それじゃあ私も使えないじゃん」

 

 

 急転直下な期待の乱高下と、肩透かしを食らったような展開に、千賀子は首を傾げた。「──いや、待てよ」直後、とある事を思い出し、ハッと女神様を睨んだ。

 

 

「さっきのアメノウズメって、もしかしてこのバリアを開けるためのモノでは……」

 

 ──( = ^ ω ^ = )コレデカワイイスガタヲマイニチミレルヤッター

 

「こ、この女神様……余計な事だけは必ず入れてくるの、マジでなんなの……!!」

 

 

 思わず、千賀子は女神様にパンチを叩き込む。それすらもニヤニヤ嬉しそうにしているので、それ以上怒る気力はなかった。

 

 とはいえ、正直なところ、嫌だなあと千賀子は思った。

 

 この『スタンド』を使えば、色々と助かる人が多いのは確かだろう。

 

 だが、バリアは時間制。そのたびに『アメノウズメ』に変身して、踊るのは……正直、すごく嫌である。

 

 

 踊るのが嫌なのではない。

 

 

 ただ、アメノウズメに変身して踊ると、とにかく興奮してくるのだ。それも、性的なニュアンスを多分に含んだ興奮である。

 

 幸いにもアメノウズメに変身したのが初めてだったので、心のどこかで戸惑いがブレーキとなって、踊るだけで済んだが……この際だし、断言しよう。

 

 アレに慣れてしまった先に、間違いなく踊りながら自慰を始める己を明確に想像できてしまうから、嫌なのだ。

 

 下手すれば、道具を持参するようになる可能性も……うん。いくらなんでも、それは嫌過ぎであった。

 

 

「……いちおう、踊った後は肌が艶々になっているわよ、本体の私」

「そりゃあ、たっぷり女性ホルモンが出たからね。勝手に艶々になるでしょうよ」

 

 

 分身からの慰めにもならない慰めに、ケッと怒りを吐き捨てた千賀子は、そっと女神様に手渡された矢を、女神様に投げ付けた。

 

 けれども、女神様は欠片も気にした様子もなく、むしろ嬉しそうに二本目の矢を千賀子へ……深くため息を吐いた千賀子は、やる気無さ気に三つ目のルーレットへ投げた。

 

 

 ……オプション系のやつだし、おそらく他よりはマシだろう。

 

 

 そんな淡い期待と、どうせ女神様のやる事だしなあ……という諦めが入り混じる中で、千賀子は──だが、今度こそ違ったようだ。

 

 

『──おめでとう、『スタンド』がパワーアップしたわ』

「あ、そうなんだ」

『なんと、『   』が『スタンド』に設置されました。稼働時間は、愛し子の頑張り次第です』

「え、なに? なんて言ったの?」

 

 

 どういうわけか、女神様の発言の一部が聞き取れなかった。

 

 別にボーっとしていたわけでもないし、女神様が小声になったわけでもないのに……でも、答えはすぐに出た。

 

 

「──っ!? 『   』!? あ、アレが設置されたのですか!?」

「何か知っているの? ていうか、なんて言ったの?」

 

 

 何故か、いきなりめたくそに驚いているロボ子。これもまた、聞き取れないので、改めて尋ねれば……理由は、二つ。

 

 一つは、『   』の部分が聞き取れなかったのは、人間の耳には認識出来ない領域の言語であったこと。

 

 そして、二つ目は……『   』が、ロボ子を作った者たちですら実用化の目途が立っていない、超科学の果てと言っても過言ではない装置だからだ。

 

 

 その装置の機能を一言でまとめると、変換機だ。当然、普通の変換機ではない。

 

 

 あらゆる物質を、まったく別の物質……元素すらも根本から作り変えてしまうという、とんでもない装置なのである。

 

 例えるなら、空気を取り込んでガソリンに変換したり、汚染物質を取り込んで清潔な真水に変換したり……そんな、存在するだけであらゆる問題を解決する、夢のような装置なのである。

 

 

「いったい、どうやって……」

 

 

 心底、ロボ子が驚いたのも無理からぬ話だ。

 

 

「私が知る限り、あの装置は最新の実験機ですら現状でも大陸一つ分を埋め尽くすほどに巨大で、装置を動かすだけで膨大なエネルギーを使い……理論上、実用化は不可能とすら結論付けているところもあるぐらいの……ま、まさか、設備にちょこっと取り付けられている、アレがそうなのですか……!!」

 

 

 例えるなら、大きなフロア一つ分を埋め尽くすぐらいの大きさの演算装置がようやくという時代に、その演算装置の数千倍の性能を持ったスマホを見せられたようなモノだ。

 

 これまでにも色々異次元過ぎることを女神様は行ったが、今回はなまじその異常性を理解してしまう分野なせいだろうか。

 

 珍しくロボ子が狼狽している様を見て、逆に冷静になった千賀子は……率直に、女神様に尋ねた。

 

 

「どうやったの?」

『女神的な神様パワーでなんとかなりました』

「改めて思うけど、神様パワーってすごい」

『あと、後輩が良い物を持っていたので、借りました』

「女神様、後輩さんに対する扱いが雑では?」

『なので、『   』を動かすには、愛し子が直接パワーを注ぐ必要があります』

「なのでって、相変わらず話が繋がって──えっ? どうやって?」

 ──(=^ω^=)

「……待って、無言になるの止めて、ねえ!」

 

 

 何も言わないことに、ビシバシ嫌な予感を覚えた千賀子は、頭からプスプスと煙を出しているロボ子を叩いて落ち着かせると、ドローンの映像を見せてもらった。

 

 ……昭和のこの頃に、薄型ディスプレイで映像を見る図。

 

 仮に、この場に機械関係の人が訪れたら、色々な意味で腰を抜かすだろう光景の中で、千賀子は……『スタンド』設備というか、ポツンと場違いな感じで置かれている、電話ボックスのような設備を指差した。

 

 それは、何とも奇妙な構造をしている。

 

 見た目は電話ボックスっぽいが、中に通信機器っぽいのはない。

 

 有るのは、おそらく手すり。あと、スピーカーっぽいのが確認できて……それと、壁際にポツンと取り付けられた、謎の棒。

 

 横から見れば、『ト』、あるいは『┠《けいせん》』といった感じで、いまいちどう使えば良いのか分からなかった。

 

 

「これ、なに?」

 

 

 なので、率直に尋ねる。

 

 

『──そこで、愛し子がパワーを注入し、『   』を動かすのです』

「いや、だから、どうやって……ん?」

 

 

 いまいち欲しい答えが返ってこないので、ドローンのカメラをズームさせて……そうして、改めて確認した千賀子は、違和感に首を傾げた。

 

 なんでかって、その『┠』には、どこか見覚えがあったから……いや、というか、見覚えもなにも。

 

 

「──ちん○じゃねえか!!!」

 

 

 思わず、千賀子は女神様に飛び蹴りをした。どうせ喜ぶだけとは分かっていたけど、やらずにはいられなかった。

 

 そして……ここで、ようやく女神様の意図がわかった。

 

 この女神様ポイントは、実質的には女神様の罠なのだ。

 

 『スタンド』を使用するには、『アメノウズメ』に変身しないといけない。だが、変身すれば自分でも制御しきれない興奮状態に陥ってしまう。

 

 そこに……こう、直接的な言い方だが、女体を慰める道具があったら、どうなるか……嫌でも、結果を想像できてしまう。

 

 最初のうちは耐えられても、いずれ手を伸ばす。そんな、嫌な自信があるのが恐ろしい。

 

 それぐらい、踊っている時はある種のトランス状態であり、興奮が治まらないし、自分の意思では止められない可能性が高いのだ。

 

 また、形こそ似せているが、一目で作り物だと分かるからこそ厄介で、どうせ偽物だからと手を伸ばしかねない。

 

 昔ならともかく、今は普通に指とか……いや、話を戻そう。

 

 

「もっとマシなの無いの!?」

『当たりを引いただけですので、ハズレを引けば少量です』

「──ヨシっ! とりあえず、ちょっとだけ融通できる分はそれで用意させてもらうから!」

 ──(=^ω^=)コヅクリハコワクナイヨ

「だまらっしゃい!!」

『あと、資源系ガチャは一日1回1ポイント分までです。他の二つは無制限ですよ、お買い得ですよ❤』

「完全に狙い撃ちしてるよ、この女神様は……!!」

 

 

 とにかく、他の二つを選ぶよりはマシだと思った千賀子は、ハズレを目当てに……一日1回、資源系ガチャを回すのが日課になった。

 

 なお、後に40澗という数字のデカさをロボ子から聞いて、「加減をしろ!」と女神様に怒り。

 

 

「……あれ? なにこれ? 写真集……え、私の?」

『当たり、ですよ』

「いや、当たりじゃなくて、なにこれ……え、女神様が作ったの? なんか表紙がめたくそに凝って──ぶふっ!?」

『カワイイかわいい、特選愛し子写真集ですよ❤』

「な、な、な……    !!!!!」

『怒っているの? 分かったわ、それじゃあ私に怒りをぶつけて❤ 貴女の全てを私が守りましょう❤』

「……え、なにアレ、私の見間違いではないよね、3号?」

「うん、見間違いではないかな、2号」

「本当? 私には、本体の私がこっそり自慰をしている姿の写真に見えるのだけど? こう、いろんな体勢で……」

「そうだよ、私にもそう見えた。まあ、20代前半だものね、身体が出来上がってそれなりに経っているから、高ぶる時もあるよね」

「分身の私たちには基本的に無い感情と感覚だから、よく分からないわね」

「そうだね、分からない方が幸せだと思うわね~」

 

 

 資源系ガチャの中にも、何故かとんでもない罠が仕掛けられているのが発覚して、さらに怒ったのだが……この時も女神様は喜んでいたのであった。

 

 ちなみに、この写真集は燃えず切れず破けず劣化せず、埋めてもすぐに戻って来るので、押入れの中に厳重に補完されていたりする。

 

 1973年時点で、実は全10411巻あるらしいが……千賀子は知らない。

 

 

 






 ──Q.最低2兆点から、あまりに桁数が違わない? 

 ──A.(=^ω^=)ボードが変えられると知った愛し子が可愛い → 愛し子に40澗ポイント! 



 ──Q.女神様が『スタンド』を用意した理由は? 

 ──A.女神様は、千賀子の第二子(血縁的には第一子)をまったく諦めておりません

 防犯と事故防止を言い訳に『スタンド』のバリアを張り、唯一開錠できるアメノウズメ状態にさせ、性的興奮を非常に高めさせる。

 自慰などを行う回数を自らの選択で増やさせ、セックスへの忌避感を和らげ、いずれ必要になった時に『┠』を使用させ、男性器への嫌悪感を和らげる

 → 結果、子供ができる。

 これ何もかも人の心を流し動かす女神の技なり……。



 ちなみに、燃料というやつが有れば助かるので用意したのもまあ、本音ではあります。ただ、女神様的には千賀子だけが大事なので、よく分かっていません

 だって、『神社』にいたら必要ないですもんね? 


 というわけです。

 どこぞのグリ○○○ドール贔屓の校長とは比べ物にならないぐらいの特別扱い、それが女神様なのです。

 なお、始めてポイントを使用した記念に、ポイントが5倍にされています。つまり、約200澗ポイント所持。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。