ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話   作:葛城

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第170話: その日、歴史が動いた・・・

 

 

 さて、これまた意外な話だが、実は1970年代には既にダイエットブーム……つまり、美しく痩せたいという意識が女性たちの間に芽生えていた。

 

 本格的にフィットネスブームが到来するのは1980年代に入ってからだが、その前の1970年代から女性たちは『痩せる』ことに注目し始めていた。

 

 その理由としては、女性の肥満率(実は、男性も同様)が年々上昇傾向にあったから。

 

 原因は、食生活の変化(要は、洋食化)や家電製品を始めとした諸々の進化に伴い、運動量が激減したからだと言われている。

 

 理屈としては、そう複雑ではない。

 

 まず、前提として、単純に農業技術の発達によって収穫量が増え、たくさん食べられるようになったから。そして、日本人の食生活に洋食というモノが入るようになったから。

 

 基本的に、洋食というのは肉や乳製品(バターなど)をよく使うので、和食に比べてカロリーや脂質が高い。

 

 つまり、洋食が入って来た分だけ、日常的な摂取カロリー(栄養含め)量が昔に比べて増えているのだ。

 

 そこに、家事の手助けとなる家電製品が続々と販売された。

 

 

 掃除一つとっても、そう。

 

 掃除機が出る前は箒とちり取りにて手作業での掃除を余儀なくされたが、掃除機の登場により、ただ吸い込み口を滑らせるだけでよくなった。

 

 洗濯も、同様に。

 

 かつてはタライに入れて踏み洗いと手での絞り(いちおう、ローラーを使った絞り器も売られていたらしい)だったのに、1965年ごろに、二層式と呼ばれる洗濯機が登場した。

 

 これがまあ、かなりの運動量の削減に繋がった。

 

 なにせ、コンセントを繋いでツマミ(稼働時間)を動かすだけ。あとはせいぜい隣の脱水機に移すだけ……しかし、それまでとは雲泥の差が生じた。

 

 炊事場とて、同じ。

 

 便利な家電製品、台所回りが新しくなった家庭が増え、昔よりも準備に手間暇をかける必要がなくなり……それは、買い物だってそう。

 

 交通網が張り巡らされ、スーパーと呼ばれる大型店が増え始め、何件もハシゴする必要がなくなった。

 

 昔よりも安価になり、かつ、その時期には食べられなかった食べ物や、持って来られなかった食品も、道路が整備されてゆくにつれて手に入るようになった。

 

 

 ──その結果が、『肥満』である。

 

 

 食べられるだけ有り難い……なんてのはもう、過去の話になりつつある。

 

 たった30年前とはいえ、日常の運動量が桁違いに減少し、飢えて痩せる……なんて話をほとんど聞かなくなった。

 

 だから、食べる量も合わせて減らす……なんて事ができるほど、あるいは気付ける人も、そう多くはなくて。

 

 さすがに若年層は微増程度だが、中年に差し掛かった男女の肥満傾向は右肩上がりで、この頃でも『ダイエット食』というキャッチコピーで、様々な食品が売り出されていた。

 

 

 ……で、だ。

 

 

 何ゆえ、ここでそんな話をしたのかと言うと、だ。

 

 前話(メタ話)にて水着を着る機会が……と語ったが、だからといって、日本全国全ての人達がそうだったかと言えば、そんなわけもない。

 

 たとえば、これは千賀子の前世の話だが、1974年の愛知県にてオープンした『衣浦《きぬうら》マンモスプール(正式名称:臨海公園プール)』では、オープン当初の年間入場者数が30万人弱あったとされ、『東洋一のプール』とまで称えられる規模だった。

 

 他にも、1960年代から日本全国に大小様々な市民プールが建設され、夏場の解放時期になれば、それはもう『人が多過ぎて、遠目からだと芋を洗っているみたい』と言われるぐらいの賑わいで……ん? 

 

 

 ──Q.なら、水着を着る機会があるじゃん! 

 ──A.年頃の若い女が行くような場所が少なかったのです。

 

 

 そう、着る機会が少なかったというのは、ある意味では境目に年頃になってしまった女性である。

 

 なにせ、この頃の市民プールは、どこもかしこも親子連ればかりであり、右を見ても子供、左を見ても子供、前を見ても振り返っても、子供、子供、子供である。

 

 

 もちろん、例外はある。

 

 

 先述した『衣浦マンモスプール』のように、造波……人工の波を出してくれるプールやウォータースライダーなどの設備があるようなところには、若い女性も行った。

 

 しかし、全ての市民プールがそうだったわけではない。

 

 やっぱり、予算の関係上、学校プールに毛が生えたような広さしかなかったり、ただ子供用プールがプラスされただけだったり……なんてのも、普通にあった。

 

 そんな場所に、流行の水着……ぶっちゃけると、ちょっぴり大胆でセクシーな水着を着てくるだろうかと言えば……まあ、少数派で。

 

 それどころか、下手にそんなところへ行くなんて話が漏れたら、両親などから『ちょうど良い』と、小学生の弟や妹の見守りを強制される……なんて話が珍しくもなかったから、余計であった。

 

 また、この頃の若者(特に、学生)なんて金が無いのが当たり前で、水着代に加えて交通費(その他、雑費を含め)を捻出するのも大変で。

 

 選択肢としては、ちょっと予算が……なんて話も多々あって。

 

 おかげで、1980年代に入って徐々に民間経営のプールが現れるようになるまで、年頃の男女が行くようなプールは少なかったのである。

 

 

 ……さて、長ったらしい説明もそろそろしつこいので、話を戻そう。

 

 

 千賀子たちがやってきたプールも漏れなく公営であり、これまた例外はなく、プールにはそれはもう親子連れで子供たちだらけである。

 

 そこは、東京の郊外にある……一般的な学校のプールよりは明らかに広く、プールは50md、子供用の小さなプールが併設されている。

 

 この時代では、相当に立派なプールだ。

 

 しかし、こんな言い方はなんだが、年頃の男女が来るには野暮ったいというか、そういう雰囲気ではない。

 

 実際、大人を除けば、上は中学生(ギリギリ、高校生)ぐらいで、それも弟や妹の引率……といった感じである。

 

 現代では些か想像しにくいかもしれないが、この頃は本当に子供が多い。なにせ、けっこう離れた場所から子供の歓声が聞こえてきたぐらいだ。

 

 現代でも時期によっては似たような体感を覚える人もいるだろうが、それでも、この頃の熱気に比べたらそよ風みたいなものだ。

 

 

 ──そんな中で、当の千賀子は……それはもう、とんでもなく目立っていた。

 

 

 まず、美貌はもう言うまでもないが、それと同じくらい目に留まるのが、水着をぼぼーんと押し上げている膨らみである。

 

 さすがは、ロボ子作の特注ワンピース水着。

 

 市販されているやつならばお腹周りに隙間が発生し、無理やり押さえつけるので寸胴体形に見えるところを、千賀子の体形に合わせたおかげでそうなっていない。

 

 まあ、つまるところ、千賀子のスタイルがモロバレになるわけだ。

 

 例えるなら、エロ漫画によくある、ボディペイントかと思うぐらいに乳の形や尻の形がキッチリ出る謎材質のスクール水着。

 

 その様は、まるで一般人の中に超SSSクラスの巨乳グラビアアイドル(謙遜)が姿を見せたようなもの。

 

 一緒に参加している他のママさんたちが思わず膝をついてしまうようなアレであり、実際、何も知らない他所のママさんたちは1人の例外もなくギョッと目を見開いていた。

 

 なお。男連中は1人の例外もなく三度見してから、チラチラと……傍から見れば分かりやす過ぎてワザとやっているのかと思うぐらいに露骨であった。

 

 

 まあ、それも無理はない。

 

 

 なにせ、先述したとおり、胸にボールでも入れているのかと思うような膨らみだ。それでいて、腰回りは誰が見ても『ほそっ!!』と呟くぐらいに細く、腰から下のラインもまた見事。

 

 ただ、筋肉が無くて細いという類のソレではない。

 

 しっかりと筋肉が付いたうえでの、それでいて女性の肉付きを予感させながらの細さだ。分かる人が見れば、思わず嫉妬に駆られてしまう。

 

 つまり、全身がエッチ過ぎて、『誰だコイツに水着を着せたやつは、お礼を言いたい』と、大半の者が思わず心の中で称賛の言葉を送ってしまう……という姿なのであった。

 

 

「エマ~、ばんざ~い」

「ん~っ!」

 

 

 そんな中で、もはやそういう目で見られることに慣れきっている千賀子は、たとえ場内に居る全員から視線を向けられたところでスルーできる。

 

 小学生の時にリコーダーを盗まれたり、中学生の時に干している下着に○○をぶっ掛けられたり、高校の時には女神様から『愛し子の魅力で、これまで○○○リットルの精液が放出されましたよ❤』なんて言われたのは、伊達ではない。

 

 ……冷静に考えたら、全部女神様が余計なことさえしな──問題ないので、話を戻そう。

 

 とにかく、呆気に取られている人たちの中で、ちゃっちゃと入水前のシャワーを浴びた千賀子は、走り出そうとするエマを抱っこして……子供用プールへと下ろした。

 

 

「うぉー!!」

 

 

 その瞬間、テンションがMAXに達したエマが、雄叫びと共にバシャバシャと水面を叩き始める。

 

 『冴陀等村』には川が流れているので、見慣れているようにも思ったが……プールという環境は初めてなようで、それはもう興奮しっぱなしだ。

 

 こいつ、それでも女の子か……いや、幼稚園児なんぞ、ちょっとしたキッカケで性別関係なく野獣になるものだ。

 

 実際、エマだけではない。

 

 同じく、ママさんたちの手を離れて突撃した園児たちが、エマのように雄叫びをあげてプールに飛び込んでくる。

 

 千賀子は、野生に還っているエマの姿を脳内に焼き付けながら……よっこらせ、とプールの縁に腰を下ろすと、エマたちが万が一事故に見舞われないよう注視……っと。

 

 

「……? あの、みなさん? そんなところで突っ立っていないで、子供たちを見ないのですか?」

「えっ!? え、えぇ……そ、そうね……」

 

 

 言われて、ハッと我に返ったママさんたちが慌てて駆け寄り……千賀子の傍に……いや、ちょっとばかり距離を置いて腰を下ろした。

 

 

 ……いちおう言っておくが、ママさんたちの中には、ちょいとばかり胸元が大胆な水着を着ている者もいた。

 

 

 というか、この頃の水着はけっこう胸元が開いているモノが多く、別にそれ自体は咎められるようなモノでもなかった。

 

 しかし、相手があまりに悪過ぎた。

 

 存在が、あまりに大き過ぎた。

 

 1袋100円の徳用ウインナーを如何様なテクニックで調理したところで、1袋250円前後の特級ウインナーの前ではドングリの背比べに過ぎない。

 

 千賀子の水着は、けして大胆なモノではない。

 

 青空と白い雲をイメージしたデザイン、胸元の開きもおとなしめで、着ているのが千賀子でさえなければ、可愛らしいデザインとしか思えない水着である。

 

 しかし、納めるブツが規格外過ぎた。ただ、それだけの事ではあるが、それは、それだけではすまない事でもあった。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………なお、この時、当の千賀子はエマの事に神経の9割9分ぐらい注いでいたから気付いていなかったが……またもやすれ違いが起こっていた。

 

 

 千賀子 → ママさんたち:

 

 ──なんかちょっと距離を置かれた……う~ん、あまり顔を合わせていないし、これからはもっと顔見せしとかないとダメかな。

 

 

 ママさんたち → 千賀子:

 

 ──別に今更男からどうのこうのじゃないけど、それはそれとして、並んで座ったら、どうしても不細工に見られるじゃないの……(諦観)

 

 

 あとは、他所のママさんたち → 千賀子:

 

 ──なにアレ? なんでこんなところに来ているの? もうちょっと場所を考えなさいよ……(ちょい苛立ち)

 

 

 簡単にまとめると、こんな感じ。

 

 これもまあ、致し方ない事ではある。

 

 やはり、比較されると嫌な気持ちになるのは年齢を問わない。明らかに比較対象が別格過ぎるとしても、同じである。

 

 ちなみに、プール場内の男たちの視線は、わざわざ語るまでもないだろうが……強いて挙げるなら、各々が抱えているフェチによって、見る部分が違っていたぐらいだろうか。

 

 さすがに、奥さんなり子供なりが居る手前、ナンパをしかけてくる者は、この場にはいなかった。

 

 

「ママ! おっきいプール行こう!」

「ん? ん~……エマの足が付かないよ?」

「だっこ!」

「はい、はい」

 

 

 そのようにして、色々な意味で注目の的になっていた千賀子だが、なんとここで変化が起きる。

 

 エマが、大人用……とはいっても、高学年ぐらいなら余裕なぐらいしかないが……それでも、5歳のエマには深すぎる。

 

 なので、千賀子が先に入り、エマを抱えるようにして水に入るわけだが……これがまあ、不思議なモノで。

 

 

「……エマちゃん、これ、お水に触ってないよ?」

「いいの! しゅっぱつ!」

「まあ、エマがそれで良いなら、良いけど……」

 

 

 どういうわけか、途中から肩車をしてほしいと言うからしたわけだけど、当然ながら、そうなるとエマの身体は位置的に水に触れなくなる。

 

 そりゃあ、そうだ。

 

 プールの水の量は、大人なら余裕の高さしかない。

 

 平均程度の千賀子の身長でも、立った状態で肩車をしたら、水面の揺れが足裏に触れるか触れないか……という体勢になる。

 

 そう、不思議なモノで、それでもエマのテンションはMAXから下がらず、バタバタと手足をばたつかせるばかりだ。

 

 まるで、焼き肉食い放題に来ているのに、肉を食わずウインナーとデザートだけをひたすら食い続けるような話である。

 

 でもまあ、子供なんてそんなモノだ。

 

 『親の心、子知らず』とは、よく言ったものだ。

 

 まあ、言い買えたら、『子の心、親知らず』みたいなモノだから、深く考えずに、危険でなければそれでいいよ……と納得するのが大事である。

 

 

「うおー!! ライダーはっしん!!」

「エマちゃん、あんまり足をバタバタさせると──うん? エマちゃん、そこに足を入れるとママのおっぱい出ちゃうから止めてね~」

「うおー!? ママの、びよんびよん!!」

「待って、待って、ママの水着は玩具じゃないからね」

 

 

 ただし、周りからしたら、そんな簡単に納得して良い光景ではなかった。

 

 どういう事かって、エマが千賀子の水着……ワンピースの肩の部分にグイッと足を入れて、グイングインと足を突っ張らせ始めたのだ。

 

 これがまあ、エマの言う通り破けたり切れたりせずゴムのように良く伸びる(超素材byロボ子)が、待ってと言いたいのは周りだ。

 

 なにせ、エマが足を前に伸ばした際、角度によっては……こう、水着に隠されていた部分が、『こんにちは!』、してしまうわけだ。

 

 それにいち早く気付いた男や多感な男子が、素知らぬ顔でそーっと位置を変え始める。気付いた者たちも、それに続く。

 

 外から見たらあまりにも露骨過ぎてコントかナニカかと思ってしまうような光景で、一部女性たちから冷たい眼差しを向けられていたが……そんな時に、ソレが起こってしまった。

 

 

「──ちょ、ちょっと待って、エマ! 脱げた! ママの脱げちゃったから、ちょっとストップ!!」

 

 

 待望(?)のお約束、ポロリ、である。

 

 ぼろん、と零れ出たソレに、ギョロリと視線が一気に集中する。突然の事に女連中はギクッと硬直し、それまでチラ見しつつも見ていませんよと振る舞っていた男たちは、1人の例外もなく視線を吸い寄せられた。

 

 

 ……普通の水着だったならば、普通にオーダーメイドされた水着だったならば、締め付けがキツイので、そうはならなかっただろう。

 

 

 しかし、残念(?)ながら、千賀子が着ている水着は、この地球には存在していない素材で制作されている。

 

 千賀子の細腕程度の直径しかない袖口でも、掴んで広げれば、両腕分広げてもなお余裕があるぐらいに、どこまでも伸びる。

 

 それでいて、体形に合わせてピッタリ優しくフィット、天使の肌触り。

 

 万が一、普通の水着で、ぼろんと柔らかくも弾力があってデッッッなπが零れたならば、水着は元の位置に戻ろうと収縮し……千賀子のπは根本からギュッとされてしまい、思わず悲鳴を上げるぐらいに大変な事態になっていただろう。

 

 しかし、千賀子が着ている水着はロボ子製。

 

 同じく戻ろうとはするが、そこにπが邪魔をすれば、それ以上は戻らず……むしろ、キュッと強調する形でπが放り出されたまま固定される。

 

 

「??? ママ、水着取れたの?」

「うん、そうだよ、だから一旦降りてね~」

 

 

 つまり、片乳がぼろんと零れ出たままな状態。

 

 異変に気付いたエマがようやくおとなしくなるが、千賀子は自分の乳よりもエマの方が大事なので、そのままエマが落ちないよう肩車の姿勢でプールの縁へ。

 

 そのまま、前屈みになってエマをプールサイドへと立たせ──ようとして、突っ込んだままのエマの小さな足が引っ掛かる。

 

 

「え、エマ、足を抜いて。お母さん、手が放せないから」

「わかった! うんしょ!」

「待って、そっちに足を──ぉわ!?」

 

 

 エマは、ちゃんと千賀子の指示に従った。

 

 ただし、どのように己の足が引っ掛かっているのかを確認せず、ジタバタじたばた、とやたらめったらに足を動かし──その結果。

 

 不幸にも様々なタイミングが重なったことで、残った片方の肩部分も引っ張られて外れ……ついに、どたぷんが完全開放された。

 

 

 ──おおおぉぉぉ……──

 

 

 その瞬間、男女問わず、声なき声……ある種の称賛にも似た熱が、静かに響いた。

 

 そりゃあ、上半身だけとはいえ、超SSSクラス(謙遜)のビックバンボディが露わになったのだ。

 

 同性であろうと思わず息を呑むようなスタイルなのに、年頃の……それも、血気盛んな者たちの視線が釘付けになるのは、当然んのことで。

 

 しかも、露わになった時の千賀子の姿勢は前屈み……つまり、そのπが重力を受けて余計に大きさが強調されたことで……そう。

 

 

 ──この日、この場に居て、その瞬間を目撃した6割の年頃少年たち。

 

 

 その少年たちは、重力に囚われて真下へ引っ張られるデカくて長い乳を目にしてしまったことで、『旧乳(オールド・にゅ~)タイプ』の性癖に目覚め。

 

 残り4割の少年は、重力に引っ張られたけれども、その前の水着から躍り出たπの躍動感、身体を起こした際の、重力に逆らうその様を見て、『新乳(ネオ・にゅ~)タイプ』に目覚め。

 

 

「もう、暴れちゃ駄目でしょ」

「ごめんちゃい」

 

 

 そして、突然の性癖破壊によって脳が破壊されている年頃少年たちを尻目に、ギリギリ耐えきったお父さん連中だが。

 

 

「ほら、プカプカ浮いてあげるから、ちょっとおとなしくしていなさいな」

「お~、ママはお船さんだ!」

「落ちないよう、気を付けてね」

「はい、がんばります!」

「がんば、ふふ、ふふふ……」

「うわー、ママは笑っちゃだめ!」

 

 

 仰向けになって水面を浮く千賀子に乗ったエマが、千賀子を思わず笑わせたせいで、やむおえず小さな両手を千賀子のπに置いてバランスを取る様は。

 

 それはまるで、日本人の心に根付く霊峰『富士山』が如き双子山に手を置く仏陀のようで(1アウト)。

 

 水着越しとはいえ、子供の手の動きに合わせてタプタプと形を変え、波のように揺れる様はもう言葉に出来ず(2アウト)。

 

 そして……ああ、そして。

 

 

「……ママ、おしっこ」

「はいはい、それじゃあ一緒に行こうね」

 

 

 テンションが落ち着いたことで尿意を自覚したエマを乗せたまま移動し……エマをプールサイドへ移してから、よっこらせと自分もプールサイドへと上がった──その時。

 

 

「──あ、秋山さん!」

「はい?」

「透けてる! 乳首が透けてるわ!」

「え、あ、やっば!」

 

 

 ワンピースのキャンバスに浮かぶ白い雲……そこにポツンと浮かぶ、鴇色(ときいろ)のソレを目撃して(3アウト)。

 

 ある意味、大人だからこそ分かってしまう『チラリズム』を芽生えさせられ、性癖が破壊されてしまい。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………極めつけは。

 

 

(──ぱ、パンツが無い……ブラも……!!!)

 

 

 ロッカールームにて、同性の性癖をも破壊してしまったことが発覚するのだが……当の千賀子は、「大人になってもコレか……とほほ」と、アンニュイな気持ちになるばかりで、まったく気付いていなかった。

 

 

 

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