ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話   作:葛城

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第185話: はたして、悪いのは誰なのか……?

 

 

 

 結論から言えば、宝箱の中身は『パワーアップ系のアイテム』で、見た目は……見たままを語るなら、500mlペットボトルサイズの、『女神様の姿をかたどった像』であった。

 

 

『変身! :;Ю§‰ξ∬!』

 

 

 そして、なんか文字化けしているのか、読めない。とりあえず、ナニカに変身するための道具であるのは分かった。

 

 

 

 ──要約:愛し子のためにラブ注入してもっと可愛らしく、その愛らしさを世界に知らしめましょう! 像に向かって『変身!』と念じれば、『:;Ю§‰ξ∬』に変身します。

 

 ※変身した時のサイズはデフォルトで全長40m、任意で250mまで可変可能。場所を選ばないと地面が陥没するよ。

 

 ※変身していられる時間は約5分。タイムリミットに達すると、自動的に元の姿に戻ります。また、任意で戻る事も可能です。

 

 

 

 ただ、肝心のナニカがさっぱり分からない。

 

 ていうか『:;Ю§‰ξ∬』ってなんだよ。

 

 どう読めば良いのか、そもそもどう発音すれば良いのか、まったく分からないから想像すらできない。

 

 全長40mってなんだよ、船でも出て来るのか。あれか、箱舟か、女神様的には、箱舟なのか。

 

 女神様言語で記載されても困る。せめて日本語にしろと思った千賀子は悪くないだろう。

 

 それに、だ。

 

 千賀子は無言のままに両手で印を組むと、『女神様の像』を囲うように巫女的バリアを張る。

 

 この像は、一般人が直視するには少々刺激が強い。

 

 仮に、この像をなんの保護もせずにカメラを通し、全国放送でもしたらどうなるか。

 

 己はもう慣れてしまって平気だが、一般人が一目でもその姿を見てしまったが最後、正気を保っていられるのは……およそ、50%といったところだ。

 

 もちろん、50%が無事で終わるわけではない。

 

 あくまでも、取り返しがつかないレベルで正気を失うのが50%であり、残りの50%もまた例外なく精神に影響を与える……そういう話である。

 

 まあ、こうやって千賀子より対策を取れば問題ない。あと、人の目に触れないようしっかりロボ子も使って隔離しておけば、万が一も起こらな……ん? 

 

 壊してしまえば良いのでは、って? 

 

 残念ながら、女神様からのアイテムは例外なく、壊したら余計に酷いことになる。

 

 直って部屋の中に移動しているのが一番マシで、増えることだって珍しくはないし、下手すると効果が自動的に発動した状態で部屋の中に移動している(しかも、増える)場合がある。

 

 なので、基本的な対処法は使用しない状態で押入れなどに入れて、何時でも取り出せる状態にしておく……というのが鉄則である。

 

 ……とまあ、そんな感じで説明を終えたわけだが。

 

 

「女神様、コレってなんですか?」

 

 

 とりあえず、あ~だこ~だと考えたところで分からない事が分かるようになるわけではないから、千賀子は率直に尋ねた。

 

 女神様が動いた時、だいたいろくでもない事が千賀子限定で引き起こされるが、赤色を青色といった嘘は付かないので、そういう点では信用してもよい。

 

 

『──それは、『:;Ю§‰ξ∬』です』

「はっ?」

『──ですから、『:;Ю§‰ξ∬』です』

「なんて???」

 

 

 ただ、その点において、気を付けなければならない事がある。

 

 それは、基本的に女神様は加減というモノが分かっておらず、また、融通が利かないという点だ。

 

 それは、今しがたの発言にも現れている。

 

 女神様的には、ちゃんと説明しているつもりなのだ。ただ、どうして理解出来ないのかが、女神様には分からないのだ。

 

 たとえその説明を聞いた千賀子が、それを『音の羅列』としか認識出来ず、文字としても『解読不能』としか認識できなくとも、女神様的には、その、アレだ。

 

『──(=^ω^=)ナンテカワイラシイノデショウカ……』

 

 当の女神様自身が、愛し子である千賀子の可愛らしさに語彙を失くしてしまうからで、むしろ、これでも説明しているつもりであった。

 

 というか、女神様的には、困惑した様子で「はぁ?」と訝しむ愛し子の姿がもう可愛らし過ぎて、存在しない子宮がビクビクとケイレンしてしまったぐらいである。

 

 当然ながらそんな機能もないしそんな臓器すら無いのだけど、有るといったら有るわけで……もはや、最低限の会話が通じているだけ有り難いと思った方が良いのであった。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………まあ、女神様の事は置いといて、だ。

 

 

 とりあえず、北極にてこれ以上の捜索は意味が無いと判断した千賀子は、合流したロボ子に軽く説明してから、ワープにて帰宅する。

 

 なんかただ往復させただけのロボ子には申し訳ないが、仕方がない。

 

 それから、少しばかり休憩した後で。

 

 唯一の戦利品(?)である『女神様の像』を片手に、とりあえず、実際に使ってみなければ分からん(完全放置も怖いので)ということで、彼女は向かった。

 

 どこへって、アメリカの荒野である。

 

 今回は事前に先回りするようロボ子には伝えていたので、既に現地にはロボ子が待機していた。

 

 なんでそこまでするかって、変身と付いているだけあって、なにかしらの姿に変身するのは確定しているが、どのような姿になるのか分からないからだ。

 

 なにせ、全長が最低でも40mだ。

 

 重さにして、いったいどれほどになるか分かったものではない。街中なんかで変身してみろ……最悪陥没した勢いで転倒、場所によっては何百人も死なせてしまう大惨事になってしまう。

 

 女神様曰く、『:;Ю§‰ξ∬』になるらしいけど、だからその『:;Ю§‰ξ∬』が何なのか分からないので、実質不明なまま……で、だ。

 

 場所は伏すが、周りの目が完全に無い(つまり、絶対に目撃されないし観測されない)場所であり、地下空洞なども無いのを確認した千賀子は……改めて、『女神様の像』を設置すると。

 

 

「……えっと、ほんにゃかはんにゃか、変身!!!!」

 

 

 結局、肝心要な『:;Ю§‰ξ∬』の部分が分からないので、適当に勢いで誤魔化しつつ、千賀子は強く強く……変身せよと念じた。

 

 ──その瞬間、千賀子は己の全身に、脳天から、あるいは手足の先から、あるいは中心より、不可思議な力が何処からともなく流れ込んでくるのを感じ取った。

 

 それは、『女神様の像』より放たれたモノであった。

 

 距離も、場所も、関係ない。

 

 今回は千賀子の目の前で行われたが、本来、そうする意味はない。千賀子が『女神様の像』を手に入れた、その瞬間から、どこに居ようが『変身』と念じるだけで、千賀子は『:;Ю§‰ξ∬』に変身できるようになっていた。

 

 それは、光である。

 

 それは、力である。

 

 それは、熱である。

 

 そして、それは膨大な──そこまで思考を巡らせ、感知できた──時にはもう、千賀子の身体は変質していた。

 

 

(──っ!? 地面が遠ざかって!?)

 

 

 遠ざかっているが、少し違う。ただ、目線が高くなったから、そう見えるだけ。

 

 そう、千賀子の目線はドンドン高くなってゆく。

 

 足は、地面から離れていない。『要約』にもあったとおり、デフォルトサイズ40mの巨体への変身しようとしているのだ。

 

 しかし、いったいどんな姿になるのか? 

 

 一抹の不安を覚えつつも、変身はあっという間に終わり……気付けば、千賀子は40mの巨人になっており……その姿は様変わりしていた。

 

 見たままを語るならば、エナメルのような光沢がある、ツルリとしたナニカで全身を覆われた女の巨人である。

 

 言うなれば、体形に合わせたエナメルスーツを着たような感じだろうか。しかし、スーツを着ている感覚はかなり薄く、ともすれば裸のまま出歩いているかのような気持ちにすらなる。

 

 顔には、サイズの違いこそあるが、変化はない。ただし、頭部より伸びる……なんだろう、妙な突起が生えている。

 

 しかし、それだけだ。

 

 艶やかなエナメル(に、見える)を押し上げる、二つの膨らみ。これもまあ、実際にエナメルスーツを着たら、こうなるだろうといった膨らみ方で。

 

 同様に、臀部をデデンと押し上げる膨らみも、等身大(人間サイズ)の千賀子がエナメルスーツを着たら、こうなるだろうなあといった感じで。

 

 まあ、長々と回りくどい説明を省いて、簡潔に述べると、だ。

 

 

(……え、なにこれ?) 

 

 

 変身した千賀子の姿は、まるで日曜朝8時とかに放映されていそうな戦隊物に出てくる、○○○ジャー。

 

 あるいは、日曜7時30分とかに放映されていそうな巨人(女)みたいな姿になっていた。

 

 ただし、首から上はそのまま──ではなかった。

 

 あっ、と思った時にはもう、千賀子の視界はスポッとヘルメットのようなモノで覆われ……次いで手足にも、ブッ・ピッ・ガンといった感じで、機械ちっくなモノに覆われて。

 

 ハッと我に返った時にはもう、千賀子は全長40m、なにやら手足に武装を施した、立派な戦隊ヒーローの一員……のコスプレをした巨人(女)になっていた。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………えっ、と? 

 

 

 とりあえずは、だ。

 

 全長40mのよく分からん、精神汚染を引き起こす怪物の姿にはならずに済んだのは良いのだが……だからといって、どうしようか? 

 

 なにせ、40mだ。

 

 使い道が全く無いどころか、こんなん露見したら大騒ぎどころちゃうで、ほんまに(関西ツッコミ)。

 

 しかも、変身したこの姿……なんとなく、どういう能力を持っているのかは分かるのだが……なんというか、どれも日常生活では使えないモノしかない。

 

 アレだ、見た目通り、戦うための能力しかない。

 

 薔薇の香りと薔薇の幻影で相手を翻弄しつつ放たれる『桃色茨の鞭(ピンクローズ・ウイップ)』とかいう技、どこで使えと言うのだろうか。

 

 

「マスター、身体の調子はどうでしょうか?」

 

 

 シュゴー、と背中に着けた小型ジェットにてホバリングするロボ子。40mともなれば、目線の高さに合わせるだけで一苦労である。

 

 

「……特に、なにも。感覚に慣れない部分はあるけど、特に痛いとか苦しいとかはないかな」

 

 

 普通に声が出せる。ヘルメット越しなのでちょっとこもった感じだが、まったく問題はない。

 

 身体だって、問題なく動かせる。特に暑苦しいとか、キツクて動き辛いとか、息苦しいとか、そういうのもない。

 

 ロボ子より用意された巨大鏡にて姿を確認する。『戦隊モノの女ヒーロー?』第三者が抱く感想と同じ感想を抱いた千賀子は、これは死蔵確定だな……と、1人結論を出していた。

 

 

「……マスター、報告です。異次元からの侵略者が続々と集まって来ています」

 

 

 そんな時に、事前に張り巡らされていたセンサーより、接近してくる者たちを感知したロボ子が、そう警告を出した。

 

 常識的(?)に考えて、明らかに物理法則を無視した速度と感知能力である。しかし、相手はアレだ……考えるだけ無駄だろう。

 

 

「すごい数の侵略者が集まってきている……注意してください」

 

 

 そう、ロボ子が注意を促した──直後、スーッ、と。

 

 まるで空間から滲み出るように、侵略者たちが姿を見せた。

 

 相変わらず、見る者に例外なく精神的な負荷を与えて正気を失わせる造形をしている……っと。

 

 

『…………』

『…………』

『…………』

 

 

 なにやら、侵略者たちの反応が鈍い。いや、もちろん、全てではない。

 

 

『……good! うわキツ……』

『 うわキツ おお、うわキツ……』

 

 

 そんな言葉を最後に、満たされた様子でシューッと煙を出して消滅してゆく侵略者もいるが……どういうわけか、数が少ない。

 

 なんだろうか……こう、カレーライスを注文したら、なんか微妙に好みから外れたカレーだった、みたいな。

 

 例えるなら、ドロドロとした濃いカレーを期待したら、シャバシャバ系のスープカレー系のカレーが出てきたかのような、といった感じか。

 

 カレー自体は良いし、スパイスも効いていて美味しいのだけど、欲しかったのはコレじゃ……そんな感情というか、そんな不満を、千賀子は感じ取った。

 

 

『……ガンバッタネ』

「おうコラ、その努力は認めるよ~みたいな態度はなんだ」

 

『……ツギニキタイ、☆4ツ』

「てめぇ未来を先取りすんな、地味に腹立つレビュー評価するんじゃないよ!!!!」

 

 

 そして、『違うんだよな~、分かってないなあ~』、みたいな。

 

 肩をすくめ、両腕でポーズを取り、やれやれ、と。

 

 なんとも人間臭いジェスチャー、あんまりにも失礼な態度に、思わず文句を言った千賀子は悪くないだろう。

 

 千賀子は、別の見た目を正確に評価している。私、そこまで美人じゃないよ~、だなんて微塵も思っていない。

 

 人の好みはそれぞれとはいえ、大多数の者が美人と評価する顔をしていて、身体もそれに見合うレベルだと自覚している。

 

 なので、☆4みたいな評価をされると、『おいこらどこで減点してんじゃい!』と、ちょっとイラッとくるわけだ。

 

 て、いうか、意外と侵略者たちは好みにうるさい、偏食のくせに、えり好みが激しい。

 

 これまで薄々その事を察せられる点は多かったけど、改めて浮き彫りになった懸念事項に、千賀子は舌打ちを……それはもう盛大に舌打ちを零した。

 

 ──その、瞬間であった。

 

 

「──っ! 急速接近する熱源を感知! 4、3──来ます!!」

 

 

 ロボ子すらも、警告が間に合わなかった。

 

 それほどの速さで、まるで、タイミングを見計らっていたかのように──光が、そう、黒い光が、天より落ちて来て──千賀子の眼前にて着地した。

 

 そして……その黒い光は、グニグニと形を変えて蠢きながら……ゆっくりと人型になって……そして、完全に中身が露わになった。

 

 それは──一言でいえば、巨大怪獣であった。

 

 変身した千賀子のサイズにも匹敵する巨体。ずんぐりむっくりとした図体、顔は爬虫類を思わせる造形で……10人中7人が『巨大な怪獣』と思う、そんな姿をしていた。

 

 ──キシャ―!!! 

 

 そして、その見た目通り、実にそれっぽい奇声をあげて威嚇を千賀子へと向けた。慎重な性格なのか、それ以上の事はまたしなかった。

 

 

「──マスター、アレは宇宙からの侵略者が送って来た先兵です。遺伝子操作の果てに作られた、戦闘用生物です」

 

 

 ポカンとしている千賀子に、ボボボっと目線の高さでホバリングを続けているロボ子が説明してくれる。

 

 

「おそらく、推測シミュレートによるものから、人類が実際に有事の時に引き出せる迎撃力を見るつもりなのでしょう」

「迎撃力?」

「軍事力……というより、兵器というのはただ作っただけではカカシも同然。如何に速やかに、如何に正確に運用できるか、それが大事なのであります」

「そういうものなの?」

「ミサイル一発を発射して正確に当てるまで1時間必要とする国と、5秒ごとにミサイルを正確に当てられる国……と、言えば、想像できますか?」

「なるほど、言いたいことはわかる」

 

 

 そこで、千賀子は首を傾げた。

 

 

「じゃあ、なんでこんな場所に降りてきたの?」

 

 

「おそらく、宇宙よりマスターの姿を確認して、より危険性が高い方を選んだのでしょう。なにせ、事前のデータにはまったくない未知の存在ですから……私でも、同じ選択をします」

「ふむ、なるほど」

 

 

 ロボ子の説明に納得する千賀子……さて、だ。

 

 暢気に会話をしている千賀子だが、それは別に危機感がないわけではない。むしろ、逆だ。

 

 変身して新たに得た能力に加えて、どうやらこの姿でも巫女的パワーは使えるようで……それに加えて、だ。

 

 

「ねえ、ロボ子。なんかアイツ、動きが変じゃない?」

「……そうですね。骨格の形からして、動きに不自然さが見られますね」

 

 

 なんだろう、言葉では上手く説明できないが……こう、モジモジとしているというか、なんか動きがどうにも……である。

 

 もちろん、その間にも、キシャ―、キシャ―、と千賀子へ向かって奇声をあげているが……それだけで、攻撃してくる気配は感じ取れない。

 

 

(う~ん……地球外生命体だからかな、どうにも……感情が読み取り難い……波長が上手く合わないなあ……)

 

 

 遺伝子操作されて強引に作られた生物だからなのかもしれないが……とりあえずロボ子に、『アイツの声、翻訳できるか?』と尋ねてみる。

 

 すると、すぐに作れるというので頼んで……その間もなんかしつこく奇声をあげられ……そして、言葉通りすぐに作ってくれた翻訳機にて、いったい何を叫んでいるのかを調べてみると。

 

 

 

『 ──ああ、駄目駄目!! えっち過ぎます! なんですか、そのムチムチな光沢は!? ── 』

 

 調べてみると。

 

『 ──冷静に考えて、そんなの駄目に決まっているでしょ!! えっちエンジンドルドル回して精子生産されまくり!! ──  』

 

 調べてみると。

 

『 ──いた、いたた!! 固くなっちゃう! こんなの大きくなっちゃう!! 破裂しちゃうよぉ!!! ── 』

 

 調べて──いや、止めよう。

 

 

 無言のままに、千賀子はロボ子を見る。ロボ子も、無機質なアイカメラを千賀子へ向ける。

 

 パンドラの箱を開けてしまったような、そんな気分……しかし、そこで終わりではなかった。

 

 

「……あれ、マスター、なにやら服が透けているというか、脱げてきていますよ」

「え? そんな感覚──ちょ、なんか肌が見え始めているんだけど!?」

 

 

 どうやら、変身した千賀子の今の姿は、制限時間が来ると元に戻る……というわけではなく、終わりが近づくに連れて少しずつ変身が解除されるようで。

 

 こればかりは、千賀子の巫女的パワーでは抑えられないようだ。

 

 さすがに縮むのは最後っぽいが、それまでに全身を覆っている服(というか、プロテクター?)や、手足に装着された装備がポロポロと崩れ始めて──

 

 

 

『 ──うっひょぉ!!! 脱皮だぁ!!!! 脱皮! 脱皮! スケベな脱皮を見てみたい! あっそれ!! ── 』

 

 

 

 ──いるところを見て、なんか怪獣がヒートアップ。

 

 今しがたまで奇声を上げていたのが嘘のように、なんか軽快に手を叩いてはやし立て始める始末。

 

 

『……ホウ、イイデスネ』

『……オンナヒーロー、ヌゲル……ツヅケテ』

『……コウイウノデイインダヨ、コウイウノデ』

 

 

 加えて、それまでムカつく評価を下していた異次元からの侵略者たちが、まるでソムリエのように……こいつら、なんか性格変わったな。

 

 

「あ、ちょ、マジで服が──ま、待って、マジでこんな場所でオールヌードになっちゃう!! これならいっそ先に小さくなってくれ! さすがに隠しきれんよ!!!」

 

 

 そんな千賀子の焦りを他所に、ついに──カッと千賀子の総身が光ったと同時に、千賀子は生まれたままの姿に……全長40mだが、それだけの、オールヌードが露わになった。

 

 ──その、瞬間であった。

 

 

「え、中身キッショ……ぐはっ!?」

 

 

 それまで、キシャ―キシャ―とわめいていた怪獣が、突如日本語で……そして、真顔でそう呟くと同時に、緑色の体液を口から吐いて──そのまま、ドシンとその場に崩れ落ちた。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………え? 

 

 呆気に取られる千賀子を他所に、怪獣はそのまま……瞬く間に灰になると、一気に砕けて……そのまま、消えてしまった。

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………後に残されたのは、だ。

 

 両手と両足でなんとか要所を隠したまま呆然とする千賀子と、冷静に怪獣の死亡を確認するロボ子と。

 

 

『……セイチョウヲカンジル』

『……イイデスネ、キタイヲコメテ☆4.5デ』

『……オトナノオネエサン、ヒーローバレ、モジモジ……うわキツ』

 

 

 なんか、一部には刺さって蒸発してゆく者と、なんかムカつくレビューをする者とで別れる、異次元からの侵略者と。

 

 

『──(  =  ^  ω  ^  =  )──』

 

 

 なんか、いつもより太ましくなっている女神様が……静かな荒野に残されたのであった。

 

 

 






Q.この話で一番損をしたのは誰?

A.いうまでもなく、主人公です……
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