ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話   作:葛城

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※ 作中の説明は民明書房みたいなアレなので、本気にしないように
あと、UMAなので注意


第203話: ※ みんな超大まじめです(UMA)

 

 人の目が届かぬ山中の、これまた余計に人の目が入らぬ洞窟……ではない。

 

 なんでかって、雰囲気作りのために洞窟の中に集まったは良いが、狭いし暗いし風通し悪いし明るいところでやりましょう……と、提案があったからだ。

 

 これには、誰も彼もが賛同した。

 

 いくらそれっぽい雰囲気を作りたかったとはいえ、そういうのは雰囲気だけで良い。やっぱり、心地良い場所の方が建設的な意見も出るというものだ。

 

 ちょうど、広がる枝葉の隙間……ポカンと空いたそこは実に日当たりが良く、繁茂する雑草を手入れすれば広場にはもってこいな場所が有ったこともあって、皆はそこに集合と……ん? 

 

 みんなとは、誰かって? 

 

 

「人間が可愛すぎて生まれてから死ぬまでオムツさせて布団から出さず母乳で育てて甘やかし続けてバブバブする様を眺めることを主食にする龍──見・参!!」

 

 

 それは、UMAとも呼ばれている、宇宙より飛来する侵略者どもを返り討たんとする、勇者たちのことである! 

 

 『龍』……それは、UMAたちの中でも古くからその名が知られている伝説上の存在である。

 

 その姿は、女体の姿をしている。

 

 ただし、大きさは人のそれではなく、目測で最低でも4m以上の背丈。角が生えているが、10人中9人が美人だと判断する美貌である。

 

 派手な柄の着物を着ていて、若干細めだがスタイルは服の上からでも分かるぐらい、誰が見てもバツグンだと言われるレベル。

 

 具体的には、人の頭よりもはるかに大きな胸の膨らみ、両腕を目いっぱい広げても回りきらない尻回りに比べて、腕が回りきる腰の細さ。

 

 なるほど、平均身長に縮尺してしまえば、どえらい美女だと誰もが太鼓判を押す……そんな姿をしているのが、この場に姿を見せた龍であった。

 

 

 ちなみに、だ。

 

 

 本来の姿は絵巻物などに記された長く巨大なヘビに近しいアレだが、それでは人間が怖がってバブバブしてくれないから、人間に化ける事を覚えたUMAでもある、らしい。

 

 なお、先述したバブバブさせるやり方も龍ごとに手順やこだわりがあるらしく、時には、我が方法こそ真に可愛らしいバブちゃんを生み出すのだとかいう争いが起こるのだとか。

 

 みんなもご存じだとは思われるが、その様を目撃した者が描いた『五龍図巻(ごりゅうずかん)』は国宝に指定されるぐらいなのだから、いかに激しい戦いなのかが窺い知れるだろう。

 

 なお(Part.2)、この国宝に限らず、バブちゃんが泣きじゃくって乳房を求め、5m近い巨体の女体を登って来ようとする様を表わした『登竜門』という言葉は、あまりにも有名である。

 

 さて、話を戻そう。

 

 

「話はすべて聞かせてもらいました。我の可愛いバブちゃんたちを滅ぼそうとする無法者なんぞ、存在する意味無し。我が力をもって滅ぼし返してやりましょうぞ」

 

 

 キリッと澄ました顔で、片手を高々と掲げる龍女。

 

 その姿は立派で、豪奢な着物のおかげか、なんとも言えぬ迫力があり、この場に居る誰もが異論も疑問も口には出せなかった。

 

 

 ……そう、そうなのだ。

 

 

 声が出ないのは、もう片方の手が、着物の胸元よりわずかに飛び出ている頭髪……バブバブと蠢く者の背中を、着物越しに撫でているからではない。

 

 そう、けして、小声で『ヨチヨチ、バブちゃんカワイイでちゅね~、終わったらマンマあげちゃいまちゅね~』と、囁いているなんて……関係のない事である。

 

 

「──おお! なんだかよくわからんが、とにかくすごい自信だ! さすがは龍、私たちにできない事を容易くやってのける御方だ!!」

 

 

 だって、UMAたちだってある程度は空気を読める。

 

 龍の特殊性癖にドン引きする河童やら何やらたちも、さすがに超格上の存在に対しては、言いたい事を呑み込む我慢が彼ら彼女らにはあるのだ。

 

 そして、勇者は1人だけではない! 

 

 

「生意気な男を、生まれてから死ぬまで煽って煽って煽り散らして悔し涙を流しつつも嫌とは思えない様を主食にする鴉天狗──見・参!!」

 

 伝説は、続いている! 

 

 

 その姿は、龍とは対照的に非常に小柄な美少女であった。

 

 いや、小柄というよりはもはや、幼いと言っても過言ではない体つきで、全体的な雰囲気こそ女であるのは察せられるが、凹凸はほぼ皆無であった。

 

 背中に生やした鴉のような黒い羽や、少しばかり伸びて尖っている耳が無ければ、誰が見ても人間の小学生女子(しかも、小柄な方)にしか見えないだろう。

 

 しかも、鴉天狗は1人だけではない。

 

 音も無く、その数を増やしてゆく。二人、三人、四人……あまりの素早さに、誰も接近する新たな鴉天狗に気付けない。

 

 そう、鴉天狗の真骨頂は、なんといってもこの機動力にある。

 

 その素早さ、まさに韋駄天がごとし。空間を操って移動する術を持っているので、地球外にも瞬時に飛び出すことができる。

 

 単純な機動力も天狗とは別格で、数分で日本をかる~く一周してしまう速さと言えば、いかに速いかが察せられるだろう。

 

 鴉天狗は古来より神の一柱として敬われていた歴史があり、鞍馬山の鴉天狗は幼少期の牛若丸に剣を教えた……という逸話すらある、歴史ある存在なのだ。

 

 けして、軽く見てよい存在ではない! 

 

 

「……ぷぷぷ、やだ~、みんなして覇気の無い顔~。まだそこらのバッタの方が凛々しい顔しているよね~」

「ほんとだよね~、そこらのバッタの方が精いっぱい生きているのに、ここのお兄ちゃんお姉ちゃんたちはこそこそ虫みたいに集まって~」

「だっさ~い。昨日のお兄ちゃんの方がまだちょっとはマシな顔つきしているよね~最初から負け確定だから仕方ないんだけど~」

 

 

 そして、集まった鴉天狗たちは秘技を繰り出す。

 

 その名を、『烏合の衆』。

 

 見た目が女子小学生にしか見えない鴉天狗たちが、対象を囲うようにして終結し、一斉に罵詈雑言をぶつけまくる奥義である。

 

 これを受けた人間は最後、屈辱に顔を赤らめた後、畳みかけられる罵詈雑言に全身をケイレンさせ、最終的には毎日のように罵倒されないと満足できない身体にされる、恐ろしい技である。

 

 

「そういえば、宇宙からやってくるあの腰抜けヨワヨワお兄ちゃんたちもどんぐりの背比べみたいなものだよね~」

「そうそう、生身で宇宙に出られないくせに、あ~んな見た目だけでか~い船に乗っているザコザコお兄ちゃんたち~」

「ちょっと小突いてやったら、あっという間に腰が引けて震えちゃって大ばくは~つ。情けなさ過ぎて笑えて来ちゃうよね~」

 

 

 しかも、そのついでになんか敵対している勢力を攻め入って破壊するのだから、さすがは鴉天狗というやつだ。

 

 

「──おお! なんだかよくわからないうちに色々と言われているが、とにかくすごい罵倒だ! 数も増えて、これなら向かうところ敵無しだ!!」

 

 

 UMAたちだってある程度は空気を読める。

 

 鴉天狗の特殊性癖にドン引きする花子やら何やらたちも、さすがに超格上の存在に対しては、言いたい事を呑み込む我慢が彼ら彼女らにはあるのだ。

 

 そして、勇者は2人だけではない! 

 

 

「殴り愛こそ至高! 殴るのも殴られるのも大好きな、命を賭けた殴り愛だけで生きていける孤高の鬼──見・参!!」

 

 伝説は、続いて──いや、待て。

 

 

 登場した鬼……正確には女鬼だが、その姿は……御世辞にも、語り継がれてきているような威厳はなかった。

 

 有り体に言えば、新婚ほやほやの若妻といった感じである。

 

 額にうっすら角(?)のようなでっぱりはあるが、それだけ。

 

 全体的に丸みを帯びていて、肉付きのある女性としか言い表しようがない。とてもではないが、殴り愛を信条とする鬼とは思えない佇まいであった。

 

 これには……集まっているUMAたちだけでなく、龍や鴉天狗も困惑した様子で鬼を見やる。

 

 

 それも、当然だ。

 

 

 なにせ、彼ら彼女らが知る『鬼』というのは、兎にも角にも暴れん坊であり、闘争本能の塊と言っても過言ではない。

 

 女鬼であっても同様で、一度暴れ出したら三日三晩止まらず、目に留まる全ての者を殴って壊して瓦礫に変えてしまう、暴君そのものである。

 

 しかも、それでいて『鬼』は殴られて壊されるのも大好きというのだから厄介極まりない。

 

 いかに頑強なUMAとて、傷を負えば怯む。

 

 けれども、『鬼』は逆に喜ぶばかりで、むしろもっと傷をつけてくれと言わんばかりに攻めに攻めてくるタイプ。

 

 言うなれば、生まれ持っての戦闘狂(バトルジャンキー)というやつで。

 

 現在のぽややんとした雰囲気の見た目からは想像もつかない姿が、以前の鬼はただ目を合わせただけでUMAたちを震え上がらせる……そういう存在であった。

 

 

「い、いったいどうしたのだ?」

 

 

 困惑が広がる中で、龍女が代表して声を掛ける。

 

 すると、若妻風の女鬼は……困ったように、それでいて、思い出したくないナニカを拒むかのように頬をひきつらせた後……ポツリと、呟いた。

 

 

「本物のね」

「うん?」

「本物の鬼に、遭ったの」

「??? 謎掛けか?」

 

 

 首を傾げる龍女に、女鬼は……フルフルと、声を震わせた。

 

 

「最初は、ちょっかいを掛ける程度だったの。あまり威圧感なんて感じなかったし、この時代の巫女もずいぶんと弱くなったなって」

「巫女?」

 

 

 再び首を傾げる龍女。あと、鴉天狗たち。

 

 巫女という単語に『あっ(察し)』ナニカに気付いたのか、気の毒そうな目を向ける河童に花子にヒバゴンに……そんな視線の中で、女鬼は話を続ける。

 

 

「殺すつもりはなかったけど、本気になったこいつはどうなのかなって、ちょっと気になって……たまたま、そいつの子供が公園で遊んでいるのを見て……」

 

 

 ガタガタ、ガタガタ、ガタタタタタタタ……等身大バイブレーション。

 

 

「軽く、遊んでやろうと思ったの……それで、声を掛けようと手を伸ばした……そう、私はただ伸ばしただけなのに──」

 

 

 ガタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!! 

 

 

「──その手を、鬼が、本物の鬼が、巫女服を着た本物の鬼が、掴んだの」

 

 

 ヒィ!! 

 

 そう、声をあげたのは河童&花子&ヒバ……とにかく、なんかその想像出来てしまっているUMAたちで、分かっていないUMAたちは困惑するばかりであった。

 

 

「……生まれて初めて、土下座したの」

「でも、ぜんぜん許してくれなくて」

「なんか、巫女的パンチだって言って」

「全身ボコボコにされて、角もへし折られた」

「傷がしばらく治らなくて、半年ぐらい苦しかった」

「アレは、本物の鬼」

「アレに比べたら、私はミジンコの鬼」

「もう、鬼なんて名乗れないから……最近は、小料理屋をやっているの……」

「……コンナンデ、ゴメンネ……」

 

 

 そう、消え入るような声で呟く女鬼に……全てを察して、ウッと涙を滲ませるUMAたちと、余計に意味が分からず困惑深めるUMAたちで。

 

 なんとも、カオスな空気になったのであった。

 

 

 

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………一方、その頃。

 

 

「──おぉ! 見なさいよ、ロボ子! 夕張メロンだわ、始めて見た!」

『ま、マスター、夕張メロンは今年から全国初の産地直送が開始されるので、欲しいのでしたら後日発注を──』

「どーん! でも、私のおっぱいより小さいな~、ずいぶんと小ぶりだね、これ?」

『ま、マスター! 後でぜったい後悔しますから、今は気を静めください!』

「もう、なによ~、せっかく手形を作って来た私に、なんか冷たいじゃないの~」

『冷たくありません! スキンシップで抱き締め乳房で職員を気絶させたのですから、対応もそれ相応になりますとも!』

 

 

 オリオン通りの老舗青果店の前で、メロンより一回り以上大きな胸とメロンを比べて、ケラケラ笑っているどえらい美女と。

 

 なにやら、それを必死に宥める者の姿があったらしいが、陰謀を働かせる者たちは誰一人として知らなかった。

 

 なお、メロンとどえらい美女のπを見比べた周囲の者が。

 

 

『う~ん、デカい』

 

 

 と、武士の顔で頷いていたが……まあ、御愛嬌というやつだろう。

 

 ちなみに、だ。

 

 酔っ払っているどえらい美女は、内を血迷ったのか、西に東にワープ移動を行い、たまたま目に留まった陶芸工房に突撃し。

 

 

「お~う、それじゃあこれで型を作ってくれ~い」

『ま、待って、マスター、それは──』

 

 

 ぺろん、と服をまくってπを露わにして、それで型を作るとかいう暴挙に走っていたが、これも当然、彼ら彼女らは知る由もないことだった。

 

 ……なお、この時にロボ子はなんとなく察したというか、分かった事がある。

 

 それは、なんだかんだ口では『大きくて邪魔なだけ』とかこぼしていたπだが、実はけっこう自信というか自慢に思っているとか。

 

 なんなら、それを見られて周りが見惚れたりする様に、ちょっと優越感というか、そんな感情を覚えているとか。

 

 あくまでも、自分の身を100%自分で守れるようになった、今だからの話だろうけど。

 

 酔っていないとぜったいに出ない主の本音というか内心に、主も人の子なのだなあ~、と思ったりしていたのであった。

 

 

 ちなみに(Part.2)、だ。

 

 

 後日、『神社』におっぱいをかたどったカップ(?)が届くのだが。

 

 大きさがもはやカップというよりは丼ぶりサイズで、使うにはあまりに大き過ぎて、丼ぶりとして使うにも、な見た目で。

 

 明らかに自分の趣味ではないのだが、支払い済みなうえに発注書のサインも自分の筆跡、記憶が無かった千賀子は、首を傾げるばかりであった。

 

 知らないことが幸せな事もある、というやつである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※マリーアントワネットのπをかたどった美術品(ミルクカップ)が実際にある

推定バスト100cm越えだゾ、世界は広いな
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