ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話 作:葛城
──エマが通う学校でも、授業参観の日は独特の空気が流れる。
保護者に見られるということで、教師たちも普段以上に緊張し、入念に準備を行い。
生徒たちも、普段は見かけない大人が何人も姿を見せることで、自分の親が来ているわけでもないのに緊張し。
保護者達からしても、自分の子どもがちゃんと授業を受けているか、他の親御さんたちの視線も相まって、緊張し。
直接授業を行うわけではないけれども、何もトラブルが起こらないようにと密かに緊張し。
誰も言葉には出さないけれども、なんとも表現し難い緊張感、普段とは異なる空気が……じんわりと、学校中に広がっていた。
それ自体は、授業参観日ではよく見られるいつもの風景……なのだけれども。
実は、数年ほど前から少しばかり変わっている。いや、正確には、変わった事が一つあった。
それは──あの秋山千賀子が公の場以外で、プライベートとして姿を見せる場所であるということだ。
そう、千賀子も自覚はしているのだけれども、第三者からしたら、秋山千賀子という名は、非常に重要な意味があった。
ぶっちゃけてしまえば、『秋山千賀子と個人的な付き合いがある』というだけで、銀行の融資審査が素通りするほどに。
相手方もバカじゃないから調査するのだけど……本当に付き合いがあるぞと分かれば、それはもう態度が一変する……それぐらいのネームバリューがあるのだ。
もちろん、だからといって誰も彼もが空気を読まず、我先に話しかけようとする……そんな事はない。
でも、年に数回しかないチャンス……それも、通わせている子どもが卒業するまでの間だから余計に考えてしまう。
しかし、失敗すれば……そんなわけでエマが学校に通い始めたその年から、その学校の授業参観日は、少しばかり様子を変えていた。
「──カメラOK、準備万端、いざナムサン!」
まあ、それはそれとして……千賀子があまりにも美人過ぎるせいで、それを目当てにわざわざ授業参観に来る親御さんもいるから、なのもあるけど。
まあ、それも無理は無かった。
なにせ、授業参観の最中、肝心の千賀子はカメラを構えてエマの姿を撮影することに集中しており、この時ばかりは周囲への注意もおろそかになる。
具体的には、けっこう真横からジロジロ見られても気付けないぐらいに……と、なれば、どうなるか。
まず、立っているだけでπの大きさが確認できてしまう。
さすがにLカップともなれば、よほど意識して隠そうとしなければ自然と大きさの一端が伝わってしまう。
それでいて、千賀子自身は普段とは打って変わって、より良い位置からカワイイ娘の姿を取ろうと動き回る。
これがまあ、中々に刺激的だ。
だって、途中で暑苦しいと言わんばかりにネクタイを緩めたりり、スーツを脱いだりしちゃうから……おかげで、シャツ越しにブラの色が見えたり。
そんな状態で屈んで高さを合わせようとしたり、逆に上から撮ろうとしたりしたら……タイミングや位置によっては隙間から肌が見えたり。
傍から見たら迷惑な保護者だが、わざわざカメラを持ってきて撮影しに来るほどの女……あと、さすがに毎回やるから、今ではいつもの人か案件になっていた。
それに加えて、千賀子ほどの美人ともなれば、同性であっても思わず見てしまう保護者も居て。
スーツ越しでも分かるナイスバディをジロジロ見ても当の本人に気付かれないから、ある種の無礼講みたいな状況になるわけだ。
ていうか、冗談みたいな話だけど、実は一部の保護者達の間では大評判だったりするわけで。
公の場では顔を隠している事が多いので、その素顔を見られるのはけっこうレアな事でもあるから、余計に視線を集めていた。
「……エマのお母さん、相変わらずだね」
「う~、は、恥ずかしい……」
そして、これまた当人は気付いていないが……実は、千賀子より撮影されている、千賀子の娘であるエマのその姿もまた、生徒たちの視線を集めていた。
千賀子がとにかく目立ってしまうから気付かれにくいが、実のところ、エマもまた同年代の中でも抜きん出た美人である。
血筋ゆえに目立ちやすいという点はあるけれど、それは別として、あの千賀子の母乳より育った少女である。
つまり、秋山エマは、千賀子より様々な加護を受けた存在である。
もちろん、女神様より直接加護を得ている千賀子に比べたら微弱も微弱、そびえ立つ山脈とアリぐらいの差がある。
けれども、一般人レベルで考えれば、エマに与えられた加護は十分すぎる程であった。
年齢を考慮してもシミ一つそばかす一つ無い肌に、歪みや矯正の必要がまったく無い理想的な骨格に、筋肉の付き具合。
場所が場所なら、1000年に一人の逸材として人々の注目を集める……年齢こそ小学生ゆえの未発達さがあるけれども、それを抜きにしても、そこに立っているだけで自然と周りの注目が集まってしまう。
そんな美少女が、秋山エマなのである。そして、そんな美少女が同じクラスに居て、意識しない男子が居るだろうか。
答えは、大半の男子は意識している、だ。
それゆえに、集まっている保護者たちの視線はおのずと千賀子へと集まり、生徒たちはいつもとは違うエマの恥ずかしがる姿に、ちょっとドキドキしていた。
……まあ、中には大人のお姉さん的な色気にノックアウトされた生徒も姿もあったけど……で、だ。
一般的に、授業参観は主に午前中の教室授業にて行われる。
1時間目の授業から4時間目までの授業中といった具合で、午後は昼休みと5時間目しかなくて、保護者を分散出来ないからだとか。
──しかし、この日……例年とはちょっと違う事が行われていた。
それは、体育の授業参観である。
授業参観は子どもの授業風景&教師の授業のやり方を保護者が見るという目的があるけれども、それはそれとして、体育の授業を行っている姿も見たいとの要望が出たのだ。
もちろん、最初は学校側も難色を示したが……しかし、やりもせずに無理だと拒否するのも、という話も上がり。
それと、『うちの子は勉強が嫌いだけど運動が大好きだから、その姿を見たい』という話も出て、それは一理あるとなって。
それじゃあ、実験的に一度やってみましょうか……と、なったわけだ。
もちろん、色々と条件は付けられた。
教室授業とは違って物理的な距離があるけれども、近付くのは禁止。接触してぶつかる事故もあるから、コート内には入らないように。
また、自分の子どもに近寄って話しかけたり、応援の声を掛けるのも禁止。あくまでも教室の授業参観と同じようにしてください、とのこと。
そして、体育館での参観になるので、万が一転倒などしてお召し物が汚れても学校側は一切責任を取らないので、汚れても構わない服装で来る事。
その結果、もしかしたらこの日1回限りの体育授業参観……と、なったわけだけれども。
「──ヨシ、カメラ準備OK、いざナムサン!」
当然ながら、しっかり千賀子は準備をして……具体的には、TPOに合わせて体操服とブルマ装備になっていた。
当たり前だけど、30半ばの女が着るには……だが、誰もその事には触れなかった。
しかし、視線はめちゃくちゃ集まっていた。
スーツと違ってスタイルの具合がはっきり出てしまう体操服とブルマのセットは、余りにも目に毒であった。
千賀子のLカップ(Mカップ寄り)と、ムチッとした真っ白な太もも、形良いうえにデッッッ!! と100人中99人が判定を下しそうなブルマの張り詰め具合。
そのうえ、この頃のブルマは形状や材質や製法の関係からどうしても食い込みやすく……有り体にいえば、激しく動くとセクシーな感じになってしまうことがあった。
……そんなわけだから、そりゃあもう……保護者に限らず生徒たちの視線も集まるわけだ。
さすがに、ここまで露骨なアレになってしまったら、男子たちの視線も集まってしまうのもまあ……致し方ない事ではあった。
だって、Lカップだし。そんなん、どうにもならないやん?
そりゃあ、子どもだって見ちゃいますよ。そこに男女の区別なく、女子は女子で『本当に大きい……!』と呆気に取られる者も……まあ、しかし、だ。
その結果、どうなったかと言うと。
「……あの、秋山さん。ちょっと、その恰好は刺激的過ぎるというか……」
「ええ!? 体操服なんですけど!?」
「それは、そうなんですけど……」
「ただの体操服なのに……!!!」
「う、う~ん、そう言われてしまいますと……」
教師から、中止命令が出されたのであった。
ただし、露出が激しいわけでもない普通の恰好ではあるから、かなり無理筋な命令だけれども。
……ちなみに、だ。
そうやって注意をする教師の視線は、千賀子の顔と胸とブルマと太ももを激しく上下していたりする。
もちろん、当人はしっかり隠しているつもりだが……残念ながら、意思の力一つで千賀子の『魅力』から逃れるのは難しい。
(──っ!? お、おぱ、でっか!!! す、すっごい良い匂い……!!!)
そのうえ、注意をするために近付けば近付くほどに、全身エッチ人間みたいな千賀子のボディをはっきり目視することになるわけだ。
遠目からでも分かってはいたけど、間近だと、その威力ときたら……話が逸れてきているので戻すが、とにかく、教師の言い分は無理筋であった。
「……先生、よく見たら生徒の人数が奇数ですけど、もしかして今日は子どもが一人欠席しているのですか?」
「え? あ、はい、そうですね、女子が風邪で休んでいますが……」
「では、男子生徒が一人余りますでしょう?」
「はあ、そうなりますけど、それがなにか?」
「先生のお手を煩わせません。せっかくです、私が数合わせになりましょう!」
「は?」
対して、千賀子の方は無理を押し通すことに慣れていた。
それはもう、冷静に考えたらめちゃくちゃだろとツッコまれるような話でも、関係なかった。
そう、千賀子はこういう時、あまりにも大人げないというか、もしもこの場にロウシが居たら手水舎に叩き込まれているようなバカなことをしでかす女である。
忘れてはいけない、なんだかんだ言いつつも、あの女神様を相手に精神をぶっ壊さず付き合い続けられている女だという事を。
千賀子からすれば、エマの雄姿を近くで確認しながら同じ空気を楽しめるし、先生からしてもアシストが入るから楽だろう……そういう感覚であった。
もちろん、最初は教師も『こいつ何を言っているんだ?』みたいな反応だったけど……途中から、目がグルグルし始め、気付けば少しの間だけならば、となった。
千賀子が授業参加することが教師より話された時、エマは……けっこう気恥ずかしそうにしていたけど、エマはエマでママが大好きだから、なんとも複雑な気持ちであった。
……そうして始まった、体育の授業。
一緒にストレッチを行った後で、その後1試合だけドッチボールに参加という形になったわけだが……ここで、問題が一つ生じていた。
「ごめんねえ、こんなおばちゃんが相手で」
「い、いえ! お構いなく!」
余った男子と組んだ千賀子は、二人でストレッチをするのだけども……これがまあ、あまりにも刺激的であった。
具体的には、床に座った状態で前屈を行っている男子の背中に圧し掛かってアシストするわけだが……これがまあ、うん。
背中いっぱいに、当たるわけだ。そのうえ、ものすごく良い匂いがするわけだ。
そりゃあ、男子の声も上ずって片言にもなる。他の男子たちからの視線もまた厳しくなるわけで……そして、逆になっても同じであった。
「もっと体重掛けても大丈夫だよ、おばさん、とっても身体が柔らかいから痛くないよ」
「は、はい!!」
今度は反対に、男子が千賀子の背中に圧し掛かるわけだが……これがまあ、色々と体温やら何やらを感じ取るわけで。
「はい、頑張って……1、2。1、2。良く伸びているよ」
「ふぁ、ふぁい……」
そして、こういう時の千賀子は手を抜かない。手を抜いて子どもが怪我をする方が嫌だからだ。
手を抜かないということは、きっちり密着して安全に行うわけで……こう、色々とぷにぷに触れるわけで。
終わる頃には、鼻血を吹かないのがスゴイというぐらいに、男子は色々な意味でふにゃふにゃになっていた。
……そして、ドッチボールが始まれば始まったところで、これがまあ目に毒であった。
具体的には、めっちゃ揺れる。それはもう、たぷんたぷんと弾むし揺れるし震える。
あと、普通に強い。
男子の全力投球を真正面から受け止めても──その際、ぽよよよんとナニカが激しく弾んだが……まあ、何が言いたいのかと言うと。
この日……この光景を見ていたほとんどの人たちの心に消えない光景を残し……無垢な心に、刻み込まれたのであった。
……。
……。
…………なお、その後。
この光景を見られなかった、同じ学校の男子たちから……それはもう嫉妬の眼差しを向けられまくる事になろうとは。
まだ、誰もが知る由もない事であった。