ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話 作:葛城
「マスター、月面に植物の発生を確認しました」
「は?」
「宇宙空間の環境に耐えられずすぐに枯れたようですが、快挙です」
「いや、快挙って言われても……え、そもそもなんで植物が? 種があっても絶対に育たないでしょ?」
「それは、マスターが『魅力』を開放したおかげです。どうやら月がマスターの魅力を受けて発情し、想像妊娠を経て命を身ごもり、植物が芽生えた……とのことです」
「?????? (何を言っているの、みたいな目)」
「おや、説明が足りませんかな?」
「説明も何も、それでいったい誰が納得するというのかな?????」
『──(=^ω^=)セツメイシマショウ』
「うわ、出たな」
心底、意味が分からないと首を傾げる千賀子に対して、ニュウっと顔を近づけてきた女神様……その説明を分かりやすくまとめると、だ。
まず、千賀子の『魅力』はあらゆる存在を発情させる力を持っていて、その影響は男女の性別を選ばない。
言うなれば、美しく魅力的な女性を見て思わず性的興奮を覚えたり、逞しい男性を見て胸を高鳴らせたり、それの超強力な状態と思ってくれたらいい。
そして、千賀子が維持できる『魅力』の最大値の今、その影響は……異種族だけでなく、なんと無機物にまで及ぶのだという。
つまり、月は千賀子の『魅力』を受けて発情してしまい、妊娠し、生まれるはずがなかった生命が月面に誕生した、というわけだ。
もちろん、それはあくまでも一時的な事だ。
妊娠出産までは千賀子の影響によって成すことは出来ても、そこから先はまた別の話……ましてや、月は生物が生存できる環境ではない。
千賀子が少しでも『魅力』を抑えてしまえば、あっという間に閉経してしまう。
あまり知られていないが、月はメスなのだ。
察しが良い読者は既に気付いていると思うが、もしも月がオスだったならば、千賀子が月面に居るだけでも影響を受けて噴火の一つや二つが起こっていても不思議ではなかったのだ。
ギリギリ、月がメスだったからこそ、地球の平穏は保たれていた、というわけである。
で、だ。
閉経してしまえば、さすがの月もホルモンバランスの関係から、生命の保全を成すことは出来ず……生まれた命はすべて枯れてしまう、というわけだ。
……冷静に考えれば、そうなっても致し方ない。
月面でやっていたからその程度で済んでいたが、もしも地上で千賀子が『魅力』を全開放していたら、事はそんな生易しいレベルでは終わらなかった。
文字通り、地球上の全生物……その中でも、だ。
男子は例外なく、年齢の区別すら飛び越えて、全生命力を精力に変換して、すべてを放出してしまい。
女子は例外なく、年齢の区別すら飛び越えて、全生命力を妊娠出産能力へと注がれ、想像妊娠を起こしてしまう。
なお、そこで普通に妊娠しないのは、女神様的には愛し子以外の生命体の区別がうまくついていないから……である。
当然ながら、このタイミングで性行為を行えば妊娠確率100%。
避妊具を使用しても不思議な事が起こって必ず避妊失敗になるという女神的サプライズが隠されている。
ちなみに、宇宙線と質量の関係から生命が芽生えない月面ですら、想像妊娠の果てに存在しなかった植物が発生した……それを、地上で行っていたら、植物はどうなっていたか。
まあ、軽く考えて、地球上の全植物が一斉に実りの秋を迎えて大量の食糧を生み出し……そして、一斉に食糧供給が途絶えて未曽有の食糧危機が発生していた、だろうか。
なにせ、春夏秋冬の区別なく、同じタイミングで一斉に実ってしまうのだ。
とてもではないが、そんな量を全て腐らせずに加工して保管なんて出来るわけがなく、そのほとんどは腐らせ……で、だ。
「???????」
ひととおり、女神様より説明を受けた千賀子は……うまくかみ砕いて理解することができず、困惑しっぱなしであった。
なお、女神様から同様の説明を受けていたロボ子も、「?????」といった感じで困惑しっぱなしであり。
分身たちもまた、「?????」といった感じで首を傾げていた。
……。
……。
…………さて、話を戻すが。
どうやら女神様に真正面からの『魅力』では歯が立たない事が判明した千賀子は、新たな作戦を考える必要が出てきた。
「作戦タイム!」
『──(=^ω^=)ミトメマショウ』
今回も非常に機嫌良さそうだったので、こいつの余裕を引っぺがしてやるぞと意気込みつつ……千賀子は分身たちも集め、彼女も参加させて……『千賀子会議』を開いた。
内容はまあ、わざわざ語るまでも無いだろう。
やった事は、情報共有も兼ねた話し合いであり、少しでも思いついたら……と、前置きをした後で。
「セクシーな服を着てみたら? 女神が服とか下着とか用意しているんでしょ?」
今度は、恐怖の大王である彼女がそんな意見を出した。
一瞬、そんな方法が通じると思っているのかと思ったが、少し考えてみて……いや、意外に効果があるかもと考えを改めた。
と、いうのも、だ。
女神様は基本的に例外なく千賀子のやる事なす事、なんなら大怪我を負って死にかけていても感動して興奮してしまうヤベーやつである。
言い換えれば、そんな女神様からすれば……贈り物を千賀子が着ていたら、どう思うか?
「あれ、でも、下着とか衣服はけっこう普通に着ているのだけど、いまさら?」
意外と良いんじゃないかと思ったけど、ふと、その事を思い出した千賀子は……が、しかし。
「ああ、本体の私。着ていないのがあるでしょ、派手派手&スケスケセクシーなやつが」
「……ああ、アレか」
そう言われてしまえば、千賀子はそれ以上何も言えなかった。
分身が語る『派手派手&スケスケセクシーなやつ』とは、日常で使うにはあまりにも……という感じの衣服や下着の事だ。
単純に見た目がセクシーなだけならば、まだマシなのだが……問題なのは、そういったやつに限って何かしらの副作用が隠されているということだ。
例えば、肝心な部分が一切隠されていないパンツ。
これがまあ完全にそっち系なやつで、普通に装着すると……性器が丸出しになってしまう。うっかり見えちゃうとかそれ以前の開放っぷりである。
しかも、問題なのは細かく刺繍が施されたセクシーな見た目だけではなく……それ、装着すると千賀子自身が発情してしまうのだ。
具体的に言えば、興奮し始める。
なんなら装着したから汚れるとかいう本末転倒なアレだから、まるで使い物にならないとかいうアレなのだ。
他にも、セクシーな見た目な点を除けば着心地はとても良いブラジャー、服の下なので隠せるのだけど。
装着すると強制的に6時間外せず、しかも、その間ブラの内側が絶妙な動きで乳房を刺激し、豊胸&開発を行うとかいう……ん?
なんで、そんなのあるのかを知っているのかって?
そりゃあ、実際に試して失敗を経験しているからである。主に分身たちが装着して、身をもって犠牲となったおかげである。
……で、またまた話を戻すけど、今回装着する可能性が出て来たのは、そういった下着や衣服である。
女神様は基本的に着られようが来てくれようが、それはそれで喜ぶのだけど……やはり、着た方が喜ぶ可能性はあると思う。
その中でも、副作用が危険過ぎたので拒否していた衣服(主に、ヤバい系)を装着したら……尊死、あるいはそれに近しいところまで行くのではないか?
そう、悩みに悩んだ千賀子は……最終的には試すべきだと決断し、押し入れの奥深くに仕舞ったそれらを引っ張り出したのであった。
……というわけで、だ。
一番数が多いのが、肝心な部分開放型の下着。
ブラもパンツも肝心な部分に布地が無かったり、あるいはそこだけ透明になっていたり……で、だ。
とりあえず、その中でも比較的副作用が弱いやつを、千賀子は装着した。
なお、そのブラとパンツの外見は、肝心な部分が透明になっていて、外から確認できる造形であった。
「どうかな、女神様!? グッとくる?」
『──(=^ω^=)オ~、イエス』
先に言っておくけど、千賀子は別に露出狂ではないから、普通に恥ずかしい。
なんと言えば良いのか、これなら裸でいる方がまだマシだって感覚なので、顔どころか首筋まで真っ赤になっていた。
……ちなみに、だ。
千賀子が真っ赤になっているのは、単純に羞恥心だけが理由ではない。それよりも影響を与えているのは、透明な部分。
なんと、この下着。
透明な部分の内側なのだが、装着すると特殊な液体が内側に精製され……つまり、マジもんのエロ下着。
これでもまだヤバいやつの中ではマシで……それでもなお、千賀子自身の耐性を突破してくるのだから、えげつない。
言い換えれば、押し入れの奥深くに仕舞っているやつは例外なく千賀子の耐性を突破してくるやつなのだけど……で、だ。
「どうだ!?」
『──(=^ω^=)オ~、イエス』
効果はあったのだけど、思っていたほどではなかった。
なので、千賀子は頑張った。
他にも色々なやつを身にまとって、セクシーなポーズを取ったり、大胆な動きをしてみせたり、それはもう……羞恥心を堪えて頑張った。
でも、さすがは女神様というべきか。
とても喜んでいたり、途中で尊いと涙を流しはするものの、とてもではないが『尊死』とまでは至らず。
結局、お披露目を終えてから半日以上、千賀子が自室より出られなくなっただけに終わったのであった。
……。
……。
…………そんな千賀子は、気付いていなかった。
そう、千賀子はもうすっかり忘れ去っているけれども、実は千賀子のその時の姿……とある自販機へと自動収録されているということを。
普段、この自販機によって多くの青少年たちの性癖を捻じ曲げてしまい、犠牲者を生み出していたのだけど。
「う、うわぁぁぁあああああ!?!?!?」
「oh my god!!!! oh my god!!!! oh my god!!!!」
「太色了!! 太色了!! 太色了!!」
この時の千賀子の恰好やポーズを絶妙な角度にて映し出された写真集……それによって。
もはや、ソレ以外ではどうにもならない悪影響を日本のみならず、世界中で発生させていたのだが。
残念ながら、あるいは幸運なことに、千賀子は何一つ気付いておらず、知らないままであった。