ピックアップガチャ(固定)スキル持ちの転生TS美少女が行く、激動昭和なお話   作:葛城

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第58話: 結局、苦しくてほとんど食えず、帰ってから茶漬けで済ませた馬主が一人いたとか

 

 

 

 1966年6月末。

 

 

 数字で見ればそれだけだが、その日付は日本にとっては、とても重大な出来事が起こった年でもある。

 

 いったいなにか……それは、前世の世界においては音楽史に名を残し、この世界でもまた伝説を残し続けている、イギリス出身のロックバンドグループ。

 

 ビートルズ……ではなく、この世界では『ビードルズ』と呼ばれている世界の大スターが来日した日であった。

 

 この時の盛り上がりと来たら、令和では些か想像が出来ないぐらいの盛り上がりである。

 

 どれぐらいかって、真偽不明のメンバーのサインが普通に出回り、なんなら『秘蔵の生写真(当然、偽物)』とやらが本物だと言われて売られていたぐらいである。

 

 それどころか、メンバーが止まるホテルの情報(有料)だとか、チケット(偽物)が高値に取引だとか、移動経路の情報だとか、そりゃあもう凄い有様であった。

 

 そして、この盛り上がりの最大の特徴は、この後で空前のブームを生み出した事だろう。

 

 

 テレビも新聞も何もかもが、ビードルズ。

 

 

 若者たちはこぞってビードルズのようなギタリストを夢見て音楽にのめり込み、日本歌謡など古臭いとせせら笑って、伝統とやらを蔑む者が増えるキッカケとなった。

 

 別に、ビードルズがナニカをしたわけではない。

 

 ただ、当時の若者たちからすれば、遠い異国の地よりやってきたロック音楽は新しい時代の象徴であり、イマドキというやつをこれでもかと表していたので。

 

 良くも悪くも、当時の若者の大半はあっさり西洋音楽に流され、それに追い付こうとしていたのである。

 

 ……で、まあ、そんな大スターが来たおかげで、東京の……ではなく、郊外にある老舗旅館。

 

 いわゆる、知る人ぞ知る、というやつだろう。

 

 温泉が有って、寝泊まり出来る設備が有って、娯楽設備が有って……そのうえ、授業員たちもそうだが、プライバシーも強固に守られている。

 

 そういう施設をこそ求めている人たちにとっては、嬉しい事ではある。

 

 というのも、この時期はとにかく西洋を意識させるモノ(ホテルとかもそう)が流行だったため、そういう昔ながらの日本を意識させるモノはちょっと下火になっていたから。

 

 まあ、下火とはいっても、言うなれば、客層の中では中間より下の人達の足が遠のいただけであり、人気が落ちたわけではない。

 

 むしろ、不躾な騒がしさを嫌う一定の人達には好評で……なんとも皮肉な話だが、それはそれでバランスが取れているのであった。

 

 

 ……さて、だ。

 

 

 今日、その日、その旅館の一室では、『東京優駿』の勝利を祝うためのパーティーが開かれようとしていた。

 

 本当なら洋式でやれる会場を借りるなりした方が効率性は良いし色々と楽な面はあるのだが、ビードルズ来日のおかげで、とにかく東京は騒がしい。

 

 そういう会場はまだまだ数少ないし、既に予約されている。また、どこにパパラッチが潜んでいるか分からないので、ここになったわけである。

 

 千賀子からすれば、ビードルズにみんな夢中だから、気にし過ぎじゃないかと思ったが……タダで高級な飯を食えるから、あえてそれを指摘しようとは思わなかった。

 

 

「……道子、正装って息苦しいんだね」

「そうだよ~、でもまあ、こういうのもマナーだからね~」

 

 

 まあそれは、指摘する余裕が無かったから……という理由もあるのだけれども。

 

 いったいなにが……答えは、千賀子の服装にあった。

 

 

 一言でいえば、和服である。言い換えれば、着物だ。

 

 

 お祝いに御呼ばれ……というか、主役なので行かない選択肢がないわけだが、そこで問題が一つ発生した。

 

 

 それは──正装を千賀子が持っていない、ということだ。

 

 

 いちおう、学生や未成年に限り、学生服=正装という扱いはこの頃でも変わらず、よほどな場所や会場でなければ問題にはならない。

 

 だが、問題の有無とは別に、他人の目というのはけっこう厄介だ。

 

 なにせ、今宵の場は大人の世界であり、それも一般の庶民がやるようなお祝いの場ではない。

 

 学生で未成年ではあるけれども、制服とは別に特注の正装(着物でもスーツでも)を用意している道子が参加するレベル……といえば、想像しやすいだろうか。

 

 もちろん、制服で来てもなんの問題もないし、咎める方が不自然だ……が、やはり、そういう場でポツンと学生服なのは、どうしても目立ってしまう。

 

 現代(前世の話)では様々な制度が出来て敷居が低くなった馬主の世界だが、この頃はまだまだ上流階級の世界。

 

 

 特に、『東京優駿』に出られるような馬主ともなれば、なおさらで。

 

 

 なので、最初は道子の方から『せっかくだし、一緒に学生服で行こうか?』と提案され、実際にそうなりかけた……のだが。

 

 千賀子の方から、『それでもいいけど、服を貸してくれるならそっちの方が……』と促し……最終的には、2人とも和服で出席の運びとなった。

 

 

「ごめんね~、気を使わせちゃって~」

「ううん、こっちこそ……いや、でも、着物って苦しいね、まともにご飯が食べられないよ、これじゃあ……」

「千賀子は胸が大きくて腰が細いからね~、私もそれだけいっぱい詰め物をされる人は初めて見たよ~」

 

 

 詰め物とは、和服などを着る際に中に入れる、タオルや布きれの事。

 

 基本的に和服というやつは、体形にメリハリがあると不恰好になりやすい。

 

 腰に帯を巻くため、それに合わせて太って見えやすくなるうえに、着崩れしやすく、柄にシワが寄ってしまう。

 

 西洋ドレスが曲線の美を表しているならば、日本の和装というは、言うなれば直線の美。

 

 柄の美しさとは別に、直線の美もまた大事だとされている。それゆえに、その美を映えるために詰め物などで直線を意図的に作り出すのである。

 

 

「……それに関しては、道子も大概だと思うのだけど?」

「私はもう慣れているから。慣れると、けっこう平気なんだよね~」

 

 

 老舗旅館なだけあって、会場は大広間の和室。定期的に畳を入れ替えているようで、イグサの香りがうっすらとしている。

 

 

「あれ、まだ誰も来ていないの?」

「余裕を持って早めに来たからね~。パパたちは、会場に入る前に挨拶周りとかで忙しないから、後から来ると思うよ~」

「え? それじゃあ私に構わず一緒に行った方がいいんじゃないの?」

「今回はそういう場じゃないから、私が行くのは逆に失礼なの~。だから、気にしなくていいよ~」

「そ、そう? それならいいんだけど……」

 

 

 道子の言う通り、今回、千賀子たちは他の者たちよりも早めに来ている。

 

 理由は、正装(この場合、着物)に着替えるためだ。

 

 自宅から着て行くのが普通だが、千賀子は着付けが出来ない。

 

 また、慣れてないゆえ息苦しいだろうという配慮から、一室を借りて着替えることになった。

 

 ちなみに、場によっては和装の方が良いらしいが、今回はお祝いの席なので、そういう場で使うやつよりも地味な柄だ。

 

 

 さて、と。

 

 

 視点を変えて、綺麗に掃除された畳が綺麗な、室内へ。

 

 部屋の一番奥には、『優勝 第33回 日本ダービー』の文字が刺繍された、優勝レイがきらびやかに飾られ──というか、ライトを向けられている。

 

 視線を戻せば、黒光りするテーブルを繋げて並べ、それが三つ。

 

 テーブルには既に料理と食器が綺麗に並べられており、旅館とかではおなじみの、個別用の小さな鍋とコンロが設置され、従業員が手作業でコンロに燃料をセットしていた。

 

 

 ……そう、実は現代ではこれまたおなじみな形の固形燃料が登場するのは、今よりずっと後のこと。

 

 

 1966年のこの頃は丸い缶詰などに入れられていて、使う分だけを銀皿などに移して使用するのが一般的であった。

 

 ちなみに、入れる量や成分のムラによって火力や燃焼時間に差が生じるうえに、肌に触れると赤く腫れたり、衣服などに付くと変色したりするうえに。

 

 見た目が鮮やかな色合いなので、子供が謝って誤飲したり、玩具と勘違いしたり、手遊びに使ってしまうこともあったらしい。

 

 

「あれ、一つずつスプーンで入れているんだ」

 

 

 そして、千賀子の実家では取り扱っていない(あったかもしれないが、記憶に有る限りは覚えがない)商品なので、千賀子は率直に固形燃料が粉であることに驚いた。

 

 

「千賀子は初めて見るの~? 使う機会が無ければ、まず見掛けないものね~」

 

 

 それを見て、道子は納得して頷いた──が、直後。

 

 

「いや、石鹸みたいに固めちゃえば楽だよな~って思っただけ」

 

 

 何気なく呟かれた千賀子のその言葉に、ギョッと目を見開き──直後、周囲にまだ人が来ていないのを確認した道子は、そっと声を忍ばせた。

 

 

『千賀子ちゃん、後でその話を詳しくね』

『なに、ちゃんって? え、なにが?』

『今の固形燃料の話……ね、誰にも言わないでね? ね?』

『わ、分かった、分かったから、怖いよ……』

 

 

 妙な迫力にちょっと押され気味な千賀子は、とりあえず、そのまま指定されている席を……見て、一つ息を吐く。

 

 置かれている名札を手に取り……少しばかり離れている席に置かれている名札と入れ替えると、そこによっこらせと腰を下ろした。

 

 途端、着慣れないのに加えて、千賀子のような体形特有の窮屈さに、おもわずウククっと息を詰まらせた。

 

 ……一瞬、制服で来た方が良かったかもと思ったが、まあ、後の祭りだ。

 

 これもまたTPO……そんな思いでふうっと息を付くと、ねえと目を瞬かせている道子に肩を叩かれた。

 

 

「??? なにをしているの?」

 

 

 首を傾げる道子に、千賀子はキッパリと答えた。

 

 

「なにって、上座の席を入れ替えただけだよ」

「え?」

「私が座っていい席じゃないでしょ、そこ」

 

 

 キョトン、としている道子に、なおもキッパリと言葉を続けた。

 

 

「テイトオーを見出したのも、育てたのも、鍛えたのも、走らせたのも、私じゃないでしょ?」

「……??? でも、テイトオーは千賀子の馬だよ?」

「そりゃあ、そうでしょうね」

 

 

 そう、千賀子が話を終えてすぐ、ゾロゾロと……大人たちが入って来た。

 

 誰しもが、身なりの良い格好だ。

 

 見覚えがある者も居れば、見覚えの無い者も居る。

 

 まあ、千賀子が競馬関係の者たちに接する事はほとんど無いし、神通力で誤魔化せる範囲には限界があるからなのだが……で、だ。

 

 するり、と。

 

 道子より伸ばされた手を使って立ち上がろうとする……が、上手く出来ない。

 

 着慣れない服装ゆえに、着物を変に崩さないように立ち上がろうとすると、どうにも勝手が違うというか……それは、相手にも通じたのだろう。

 

 

「ああ、いいですよ、そのままで」

 

 

 そう言ってくれたので、申しわけないとは思ったが、厚意に甘える事にした。

 

 実際、見た目には分からないが、中は詰め物でパンパンだ。

 

 ただでさえ帯でキツク締めているというのに、詰め物の相乗効果も合わさって、今ならナイフで腹を刺されても大丈夫だと思えるぐらいで……つまり、それだけ動き辛いのだ。

 

 なので、誰も彼もがそんな千賀子の状態を察して……着慣れないから動き辛いと誤解しているだけで、実際は千賀子のスタイルが良過ぎるせいなのだが……とにかく、察してくれたおかげで、挨拶はスムーズに進んだ。

 

 

 ……。

 

 ……。

 

 …………が、それも、3分と持たなかった。

 

 

 何故なら、本来であれば馬主である千賀子が、上座以外の場所に座っているからだ。

 

 現代であれば、比較的そういう考えが薄れ始めているが、この頃はそういったマナーは非常に重視され、下手すれば大失態レベルの話である。

 

 そして、当然ながら、この場に来ている者はみな、そういったマナーを熟知している者たちだけ。

 

 

 客観的に考えれば、だ。

 

 

 相手が未成年とはいえ、この場の主役は千賀子だ。

 

 その千賀子が、上座以外の場所に座っていたら、そりゃあ『どうしようか……』と困ってしまうのは当たり前だ。

 

 マナー違反を指摘することもまた、マナー違反。

 

 千賀子がそれで良いというならばそれで良いのだが、あまり分かっておらずそうしているならば……放置するのもまた、よろしくない。

 

 誰も彼もが、困った様子で千賀子を……そして、傍の道子へ視線を向ける。

 

 その道子からも困った様子で視線を向けられた千賀子は……そんな彼ら彼女らに曖昧に笑みを向けつつ……ふと、目当ての人物を見付けると、道子の手を借りて立ち上がった。

 

 

「北斑さん」

「──っ、あ、秋山オーナー……」

 

 

 そうして、近寄れば……気付いた北斑平八は……そう、テイトオーの前馬主である彼は、強張った顔で静かに俯いた。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 …………冷静に考えて、だ。

 

 

 北斑をこの場に呼ぶのは、中々に判断が難しいところだろう。

 

 確かに、テイトオーを見出してお金を出したのは北斑だ。だが、その途中で馬主としての権利を金銭で……不本意な形だとしても、譲渡したわけだ。

 

 道子たちにとっては恩人だとしても、千賀子にとっては数回顔を合わせただけの人。関係者と呼べなくもないが、なんとも微妙なラインだ。

 

 加えて、千賀子は馬主になっているわけだが、その実情は一般的な馬主とは些か言い難い。

 

 なにせ、千賀子は成り行きというか、義理やら友情やらでテイトオーを手に入れただけで、そもそも競馬の世界とは無縁である。

 

 道子たち以外の馬主仲間と顔合わせなどしたことが無いし、特に挨拶されたこともない。

 

 まあ、それは、千賀子が競馬場に行かない事に加え、千賀子自身が相応の収入を得ているわけでもなく、また、特に競馬の世界に関わろうとはしていないからだ。

 

 いちおう、『双の葉牧場』を通じて、『動物の異常を天性の勘で見分ける女がいる』という話が極々一部では広まっているらしいが……言うまでもなく、眉唾扱いである。

 

 あくまでも馬主の立場を得ているだけで、競馬関係は9割9分ノータッチ。冗談ではなく、どのレースに出すのかどうか、それすら千賀子からは言わない。

 

 ──テイトオーの新しい馬主は、レースに全く興味が無い。

 

 それを人伝で聞いているからこそ、周囲もどう触れたら良いか分からず、かといって、口出しするのも……というのが、テイトオー周辺に関する、周りの評価であった。

 

 

「その、秋山オーナー。その、俺は……俺は……」

 

 

 そして、現馬主に声を掛けられた全馬主の北斑も、複雑な……その顔は、緊張で強張っているように見えるだろう。

 

 実際、周囲からの反応は、さもありなんといった感じで、成り行きを見守るといった雰囲気であった。

 

 

(……あ~、これはクロですな)

 

 

 だが、千賀子だけは……もしかしたら、千賀子以外にも分かっている人が居たかもしれないが、とにかく、千賀子は言葉を詰まらせる理由を察していた。

 

 千賀子は別に、北斑を問い質すために出席の許可を出したわけでも、出席したわけでもない。

 

 というか、千賀子は別に北斑を恨んでもいないし、怒ってもいない。ましてや、呼びつけてもいない。

 

 もしも己が北斑平八の立ち位置だったならば……それを想像すれば、千賀子の気持ちとしては、あまり強くは言えなかった。

 

 

(ていうか、どうしよう……これ、下手すると北斑さんが自殺しそうな気配を醸し出しているんだけど……)

 

 

 ただ、せっかく来るのであれば、確認だけしておこうという思いがあったわけだが……一目見て、分かった。

 

 

 ──あ、この人、放火(未遂だとしても)したこと滅茶苦茶後悔している……って。

 

 

 巫女としての能力があるからこそ、余計に分かる。

 

 この人、誇張抜きでとんでもなく後悔している。

 

 今はまだ表面上は平静を保てているが、そのうち膨れ上がった罪悪感に押し負けて酒浸りの生活を送りそうな気配がビンビンしている。

 

 

 ……まあ、その、うん。

 

 

 テイトオーを売る時だって、心の底から葛藤していたのは分かっていたし、家族や従業員を守るためにも売らざるを得なかったのは分かっていた。

 

 別に弱みに付け込んだわけではないし、最終的に選んだのは彼自身だが……それでも、という事なのだろう。

 

 

(たぶん、謝りたい一心で来たんだろうけど、それをしちゃうと、せっかく守ったモノが台無しになりかねない……それも分かっているけど、それでも……といった感じだな)

 

 

 このまま黙っているのはマズイが、かといってどう言葉を掛けたら良いのか。

 

 しばし迷った千賀子は……結局、考えたところでどうにもならんと匙を投げると、思うがままに決めていた事を進めることにした。

 

 

「北斑さん、どうぞこちらへ」

「──そ、そこは」

「この席は、北斑さんが座るべき席ですから」

 

 

 それは、北斑平八を上座に案内する……ということの他に、後一つ。

 

 

「おめでとうございます、北斑さん。貴方の馬が、貴方が見出した馬が、ダービー馬になりました」

「そ、そんな、テイトオーは、貴女の……」

「名前を書き替えただけの私が、ダービー馬のオーナー? 有名人と一緒に遊んだだけの娘は、有名人と遊んだだけの娘でしかありませんのよ」

 

 

 それは、直接千賀子の考えを伝えたかったということ。

 

 唖然とするのは、北斑だけではない。

 

 成り行きを見守っていた周囲も、どうするのかと様子を伺っていた道子も……いや、道子は何とも表現し難い苦笑を零していたが、構わない。

 

 するり、と。

 

 飾られた優勝レイを取り外すと、それを──千賀子は、北斑の肩に掛ける。大きく目を見開き、硬直する……テイトオーの馬主に、千賀子は淡く微笑んだ。

 

 

「いいんです」

「え?」

「いいんです、何も言わなくても、分かっていますから」

「──っ!!」

「改めて──第33回日本ダービー優勝、おめでとうございます!」

 

 

 そして、部屋中に響くぐらいに大きく拍手をした。

 

 それは、千賀子だけだったが──すぐに、道子も拍手を始め。つられて、1人、また1人、拍手をし始める者が増え始め。

 

 

『おめでとうございます、北斑さん!』

 

『優勝おめでとう! 念願のダービー馬ですね!!』

 

『ついにやりましたな、北斑さん!』

 

 

 ついには、職員までもが一時作業を止めて拍手を行い──そうして、周りから祝福された、北斑平八は。

 

 

「……、あ、ありがとうございます。本当に、ありがとうございます……!」

 

 

 ポロポロ、と。

 

 ギュッと肩に掛かる優勝レイを握り締めて……男泣きをしたのであった。

 

 

 

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