ゲーム実況者 百合園セイア   作:シフィ

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なんとか生放送に間に合ったぜ

ブルアカアニメは先生も出てくるようで一安心ですね。
プロローグはやるのかな……?

追記

実装されませんでしたね……(3/24)
サプライズ実装逃したらいつ実装されるんだ……文化祭か?


【ポムワールド】#1 話題作を遊んでみる。【ミレ鯖】その2

 

 

 

 

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 さ え お ・ライブ

 ろ わ だ 

#生シマエナガ #ミレ鯖

【ポムワールド】#1 話題作を遊んでみる。【ミレ鯖】

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 ワープポイントから山を下り、湖のほとりに存在する開けた土地に辿り着いた。

 道中でアースモス*1という巨大な象に襲われたが、直感で回避のタイミングはわかるからね。

 然して問題とならなかった。

 

 避けるのにコツのいる攻撃は私の苦手とするものだが、大振りであれば些事に等しい。

 

 

「あれがゲーム開発部の拠点のようだね。

 モモイとのチャットではこの世界で一番立派な建物を作って待っている、とあったが

 成程、確かに立派な、巨大な塔だ。

 一面木製で窓もない変な塔だけど、装飾が何も施されていないのは建築中ということだろう」

 

 

 チャット 
  ×

 縦に長い豆腐

 初日にこの大きさの建物作るんだ

 ¥500

 窓なぁあああああい! セイアちゃああああん! まど、なぁあああああい!  ULT

 人間ぶっ殺しゾーンありそう

 わたくしの慧眼が20階はあると見ましたわ

 

 

 塔の上からパラグライダーに乗って藍色の髪のキャラ*2がほっほーい、と声を上げながら降りてくる。

 パラグライダーがあることは知っていたが、作成するにはレベルが足りない。

 

 建物といい万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)よりはるかに進んでいるようだね。

 

 

「ふっふっふ、セイアよ、よくぞこのドルマーガの塔に辿り着いた。しかし、この塔に入るにはゆきぐもの杖とつきのいし、勇者のしるしが必要じゃ。

 でも、セイアはアリスの仲間なので問題ありません。パーティーを組めば入場用のアイテムは一つで良いということを学びました!」

 

「やあ、アリス。遅れてしまってすまない」

 

「大丈夫です、モモイもよく寝坊するので慣れてます!」

 

 

 ピコン、とギルドに招待された通知が鳴る。

 ギルド名は「勇者アリスと導かれし者たち」

 ゼルナの伝説なり、ドルマーガの塔なり、ドラゴンテストなり……このゲームと同じようにゲームネタ塗れだ。

 

 招待を承認してアリスのギルドに入る。

 ……思っていたよりメンバーが多い。私を含めて8名が「勇者アリスと導かれし者たち」に参加している。

 

 

「こっちですセイア、まだ作成中ですが、ドルマーガの塔を案内します!」

 

「ドルマーガの塔は固定なんだね……」

 

 

 

 

 

 木製のドルマーガの塔の裏側ではポムたちが汗水流してあくせくと働いていた。

 紫の鹿のポムは木を伐り、白い象のポムは畑に水を、道中でも見かけた二足歩行の猫のポムは装飾品を建築していたり様々な作業を行っている。

 

 忙しなく動くポムと人の姿を見る限り、この人数を持ってしても仕事は山積みのようだ。

 

 

「ここでアイテムの生産をします、それと、あそこにあるお家はドルマーガの塔が完成したらお引越しする予定ですが、

 みんなで最初に作ったお家なので残しておきたいなとアリスは思っています」

 

「バルコニーまでついた素敵な家だと思うが、確かにこの人数で住むには手狭だろうね」

 

 

 視線の先にある小さな家から金髪の巨漢*3が姿を現した。ネームプレートにはDeathMomoi(デスモモイ)と書かれている。

 万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)のマコトのキャラよりは小さいが、何かを憎むような鋭い眼光に、筋骨隆々の身体とキャラが濃い。

 

 

「あっ、セイアじゃん! もー遅いよー、セイアがいない間にレベル10になっちゃったよ!」

 

「すまない、IPアドレスを打ち間違っていることに気づかなくてね……それでモモイは今何をしているところなんだい?」

 

「今? アイテムの整理中だったんだけど、めんどくさくて抜け出してきたとこ。

 ユウカとケイがうるさくてさー、整理整頓は効率化の基本です。なーんて言っちゃってさ。拠点内ならどこでもアイテムは取り出せるんだしそんな細かいこと気にしなくても良いのに」

 

「理解不能。モモイ、訂正、ゲーム開発部の欠点はマイクロマネジメントを疎かにすることです。王女の見本となる貴方たちがその調子では見過ごすことはできません。

 部室の掃除を疎かにした結果、ゴキブリが出た事を忘れたのですか?」

 

「げぇっ! ケイ!?」

 

 

 塔の上からパラグライダーを使い、アリスと同じように藍色の髪の女キャラが降ってきた。

 

 

 

 チャット 
  ×

 汚っ

 ごきぶり、とは何でしょうか? 

 ミレニアムでゴキブリ出るのやばいでしょ

 

 

 

「その話を聞くと部室に行く気が失せるね。

 ミレニアムなら自動掃除機くらいあるだろう? その、アレが出るほど汚れているのはどうなんだい。

 不衛生にすぎるし、精神的にも肉体的にも悪いだろう」

 

「自動掃除機はタッチペン吸っちゃうし……で、でもでもゴキを見たのなんて1回だけだよ!? 

 1匹見れば〜なんて言うけど、あれ以来見た事ないし!」

 

「見つけたらアリスがお外に逃がしてます!」

 

「「えっ」」

 

アリス? 

 

 

 その発言は何匹か見たことがあるということと同義で。

 ……黒光りするアレ(ゴキブリ)をアリスが手掴みして外に投げる姿が一瞬見えてしまった。

 

 アレを殺さずに逃す善性は美徳であり賞賛されるべきことだが、由々しき事態である。

 

 

「……整理整頓をする理由が見つかったようだね?」

 

「ゲーム内の掃除じゃなくて部屋の掃除の方がしたいよっ!!」

 

 

 


 

 

 

 部屋の汚いゲーム開発部とアイテムの整理を終わらせて、自己紹介のためドルマーガの塔の一室に私、ユズ、モモイ、ミドリ、アリス、ケイ、ユウカにコユキと8人のメンバーが集まった。

 外観に対して内装はある程度整えられており、食卓らしき長方形の机に、幾つかの椅子、貴重品の収納された棚などが揃っている。

 

 

「では、パーティーの新たな仲間を紹介します、踊り子兼占い師のセイアです!」

 

「セクシーセイアですまない」

 

 

 ゲーム内で万歳をするエモートを実行し、ワイプに映るように腕を頭の後ろに持ち上げ、腰をセクシーに捻る。

 さらにウインクをカメラに向けてして見せるとチャットが熱狂に包まれた。

 

 

 チャット 
  ×

 えっっっっっっ

 えええええっちなのはダメ!!! 死刑!!!!! 犯罪!! エッチなのダメったらダメ! 

 鼻血でてきた

 えっっっっ

 かわいい

 ¥50,000

 たすかる  ⭐︎Mika⭐︎

 ¥5,000

 たすかる teacher 

 ¥6,900

 江戸(えど、旧字体:江戶) [1]は、現在の百鬼夜行連合学園の前身・原型に当たる都市を指し、その旧称である。現在の百鬼夜行自治部の中央部に位置した。

 〜〜時代後期に海祇湾の日比谷入江に面する小地名として現れ(武蔵国豊島郡内)、そこに秩父氏の一族が移り住んで江戸氏を名乗り勢力を伸ばし、江戸郷と呼ばれることとなった。 

 大胆すぎます……!?  どんな時にも紅茶を

 切り抜き不可避

 ベッドに押し倒して、まるで今にも◯◯◯をしそうな体勢ですね♡ クリームパイ

 うっ、ふぅ

 

 

 

「あっははははっ、せ、セクシーセイアw 腕上げてるだけじゃん」

 

「ふむ、配信では大好評なのだけどね」

 

「ええー?」

 

 

 万魔殿(パンデモニウム・ソサエティー)の催眠術にも負けず劣らず、私の色気に魅了された視聴者の投げ銭が飛び交う。

 あの一瞬で数十万を稼いだと思うと金銭感覚が狂いそうだ。

 

 

「そのくらいなら私だってできますよー、セクシーコユキ〜、

 あっ、先生スパチャありが……たすかる? や、やっぱりあの本といいそういう趣味……!?」

 

「せ、先生!? なんで投げ銭を、交際費だから、じゃないです! そんな理由で落ちるわけないじゃないですか! それにあの本って一体何の話」

 

「えーっとあれをバラすのはちょ〜っとまずいんじゃないかなーと思うんですよねー……」

 

「配信を見ていなかったのが口惜しい。絶対良い資料になったのに」

 

「すごい、もう切り抜き上がってる」

 

「早っ、えっ? 待って1分も経ってないはず。あの一瞬で動画にしたの?」

 

「セクシーアリスです! (万歳エモート)」

 

「王女、はしたないです。……はい? 私の万歳も見たい? 何を言っているんですかこの大人は」

 

 

 もしや全窓*4しているのかい? 如何にも先生らしいが……

 他の配信でも同じようにスパチャしているのであれば懐事情が心配になるね。

 

 

「これじゃ収拾がつかないじゃないの、私に言ってくれても良いのに……

 コホン! 何度かお会いしたことがありますし、自己紹介は不要かもしれませんが、セミナー*5の早瀬ユウカです。今回のミレ鯖 ポムワールドの管理人も兼任しています。

 それでセイアさんは何かやりたいことはありますか?」

 

「まずはジュナイガー、間違った。フェザリオ*6の捕獲をしたくてね。そのためにもレベル上げに励もうと考えている」

 

「橋の向こう岸にいるクラスター爆弾を撃ってくるポムね。近場だしレベルさえあれば簡単に思えるけど」

 

に・は・は・は・は! *7そういうことなら私に任せてください! 

 成功すれば一攫千金、万事解決の狩場を知ってます! 

 セイアさんってゲーム上手いんですよね? ならきっといけちゃいますよ!」

 

「ターン制のゲームなら負けたことがないね。アクションゲームは」

 

「なら大丈夫ですね、こっちでーす! 早く来ないと置いてっちゃいますよ〜っ!」

 

 

 そう言い残し、ピンク髪の華奢な女キャラが部屋を飛び出して行った。

 了承したつもりはないのだけどね……まあいい、これまでの経験からも、そして私の直感も着いていけば撮れ高があると囁いている。

 

 行ってくると挨拶を残し、コユキの後をついていくことにした。

 

 

「行っちゃった。このゲーム一攫千金みたいな狩場あったっけ? ポムの乱獲くらいしかなくない?」

 

「うん、それにあの方向って……アースモスの……」

 

 

 


 

 

 

 

 数分後……

 

 

「……あれ? セイアさん? もう終わったんですか? 早かった……あの、装備はどうしたんですか?」

 

「見ての通り、と言ったところだ。三途の渡賃に取り上げられてしまってね。ユズ、予備の装備があれば貸してもらいたいのだが」

 

 

 旅立つ前に装備していた弓や服は死亡地点に落としてきてしまった。

 持っているポムは落とさない設定なのは幸いではあったが、これからの展開に装備は必須だ。

 

 裸一貫であの巨獣に立ち向かうのは無謀と言わざる他ない。

 

 

「私のでよければ喜んで、布の服と三連弓ですし、セイアさんのレベル帯ともあっていると思いますから。

 ……やっぱり、アースモスに挑んだんですか?」

 

「うん。一撃でやられてしまったよ。逃げる分には兎も角、立ち向かうには慣れる必要があるね。

 コユキもそろそろ帰ってくる頃合いだと思うが……」

 

 

 近くにいたアビドスの生徒も巻き込んでしまったし、到着時間は少し変わるかもしれない。

 

 

「わかりました。とりあえず装備を渡すのでついてきてください」

 

「恩に着るよ」

 

 

 

 

 


 

 

 

うあぁああああ━━なんで━━! *8

 

ひぃいいん! たーすーけーてぇー!! ホシノちゃーん! *9

 

 

「予想はしていたが、酷い有様だね……」

 

 

 広い平原の先で、2人のキャラクターが巨大な象のポム、アースモスに襲われている。

 

 巻き起こる竜巻と衝撃波を避け、必死にこの塔へ向かって逃げている。

 一緒にいたアビドスの面々はいなくなっており、生徒会長であるユメだけが生き残ったようだ。

 

 

 チャット 
  ×

 こっち来てるwwww

 草

 残当

 こっち来んな

 草

 MPK? oh,bad manner

 これヤバくない? 

 ¥50,000

 仇撃ちのチャンスだよ、セイアちゃん!  ⭐︎⭐︎Mika⭐︎⭐︎

 

 

「アリス知ってます! あれはトレイン*10です!」

 

「そうだよ、アリス。キヴォトスでトレインは恥ずかしいことなんだよ!」

 

「そんなことより、このままじゃまずい。このルートだと塔にぶつかる。敵対ポムの攻撃は建築物にも当たるから……」

 

「塔が壊れるってこと!? ダメよそんなの、折角みんなで作ったのに! 

 コユキ! こっちに来ないで!! 

 

 

 

なんてこと言うんですかぁ!? ユウカ先輩の鬼ぃ! 悪魔ぁ! 体重100キロ! 

 

体重100キロなのっ!? 

 

「100キロじゃないわよ!!!」

 

 

 

 チャット 
  ×

 デブじゃん

 ※ミレニアムの生徒データが流出する事件があった際、セミナー会計 早瀬ユウカの体重が100kgであることが判明した

 草

 解説助かる

 体重100ってすごいね

 ユウカさんとは何度も会っていますが、そのようには見えませんでした どんな時にも紅茶を

 紅茶さんがそう言うなら……

 晄輪大祭*11で走る姿を見ましたが、確かに100kgはなさそうでしたわね

 100kgだった方が面白いのでヨシ! 

 ¥50,000

 アリスちゃんとの綱引きは大変だったなあ、綱千切れちゃったもん  ⭐︎Mika⭐︎

 

 

「……これ、配信してますよね?」

 

「アーカイブにはこちらで訂正の字幕をつけておこう。それで問題ないかい?」

 

「ありがとうございます、……後で叱っておかないと

 

 

 気がつけば、巨象は塔のすぐ側にまで迫ってきていた。

 竜巻が大量のヒットエフェクトを残し、外壁のHPを削る。

 一刻も早くあのポムを引き剥がさなければ拠点は滅茶苦茶にされてしまうだろう。

 

 

「ボス戦です!」

 

「……アリスちゃん?」

 

「アリスはあの象を一目見た時に、いつか倒すと決めていました。

 序盤の負けイベントに勝つことはとても難しいですが……今のアリスには仲間がいます! 

 戦士のモモイ、僧侶のミドリ、武闘家のユズ、魔法使いのケイに商人のユウカと遊び人のコユキ。そして占い師で踊り子のセイアもいれば無敵です!」

 

トルヌコ(商人)のユウカ? ……ぶふっ、そ、そろばんで殴ってくるの想像しちゃった

 

「お姉ちゃん、そろばんじゃなくて電卓……っぷ

 

ぷっ、あっはははは! わ、笑わせないでよ! 電卓で殴るユウカっ、あははっ! 

 

モモイ? ミドリ? 

 

「「ひぃっ!?」」

 

 

 2人の悲鳴と共に、外壁が破壊された。

 外壁の隙間から巨象が姿を現す。

 

 

「……やあ、さっきぶりだね」

 

 

 画面上部に表示されるlv38 アースモス HP5000という文字。

 私たちの中で1番レベルが高いのはlv16のユズくんだが、ダメージは1桁しか通らない。

 

 しかし、最低でも1ダメージは入る。

 つまり5000回攻撃してしまえば倒せるというわけだ。

 

 アビドス生徒会長のユメを含めて9名もいれば勝つことは容易だろう。

 

 

「行きましょう!」

 

 

 


 

 

 

 

「に・は・は! チョロいチョロい! ばぁん!」

 

「わかりやすく調子に乗ってるわね……」

 

「えー? だってハマってますよ? こんなの足を踏み外して落っこちない限り、わぁっ!? 

 

 

 戦闘用に設置した足場が破壊され、コユキが下に落ちた。

 そのまま竜巻に巻き込まれて即死。

 

 わかりやすくフラグを回収したね……。

 

 

ああっ、コユキちゃーん! って、私の足場も……ひぃん

 

「こちらに飛び移りたまえ。矢の貯蔵は問題ないかい?」

 

「セイアちゃんありがと〜、矢はえっと、50だけどラムちゃん(ポムの名前)が生き残ってるから大丈夫!」

 

「そうか……しかし、悪かったね。私たちの戦闘に巻き込んでしまって」

 

「ふへへ〜、いいよ〜楽しかったもん!」

 

 

 他のみんながやられちゃったのは残念だけど、と溢す。

 ユメ以外のアビドスの生徒はやられた地点に向かい、アイテムを回収してからこちらにやってくるとのことだ。

 

 アースモスの残りHPは1000を切った。

 

 拠点の外周に張られた壁はほとんど壊されてしまったが、塔本体への被害は微小だ。

 危なげない勝利と言っていい。

 

 

 

「いっけえ! ブルーボール!」

 

 

 モモイの投げた最もランクの低い捕獲用のボール*12が、アースモスにぶつかり、弾かれる。

 

 

「お姉ちゃん、早すぎ。もっと削ってからじゃないと捕まらない」

 

「やってみなくちゃわかんないでしょ? まあダメだったんだけどさ。

 あいつを捕まえればこのサーバーで最強になれると思うんだよねっ

 捕まえるのは私だからミドリはボール投げないでよ?」

 

「やだ。そもそもお姉ちゃんのポムは全滅してるし、この中で1番活躍してない」

 

「はあ!? コユキよりぜーったい活躍してるよ! まだ一回しか死んでないし!」

 

「なんで私に飛び火したんですかっ!? 

 ふん、別にいいですよ〜、ユズのチェストからイエローボール持ってきたので。

 これでアースモスだってイチコロです。にははははは! 

 

 

 チャット 
  ×

 普通に泥棒じゃん

 草 ULT

 イチコロ(ゲット率6%)

 あのUZQueenのアイテム盗むとか猛者だろ

 このコユキという人はゲヘナ生ですか? 

 ちょくちょくいるポムワールドガチ有識勢はなに? 

 

 

「ボールがないと思ったら……パスワードかけてたのに*13

 

「あんなのちょちょいのちょい、ですよ」

 

コ〜ユ〜キぃ〜! 今すぐユズに返しなさい! 

 

ひっ、な、なんですか? これ終わったら返しますし、ギルドの持ち物は共用なんですよね!? 

 私は悪くないです! わかるようなパスワードかけておく方が悪、

 ……あの、ノア先輩? その顔で背後に立たれるの怖いからやめてください……

 

 

 コユキからアイテム袋が落ちる。

 内容を見てはいないが、恐らくユズのイエローボールだろう。

 

 倫理観の薄い子だとは知っていたが、同居するとなると少々厄介だね……

 塔の中に隠し部屋を作るべきだろうか。

 

 

「あ、あの。ただの消耗品ですし、誰が投げても結果は同じなので……返してもらわなくても大丈夫ですっ」

 

「ダメです、前にゲーム開発部のみんなでバイトをした時にユウカから聞きました。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 そのボールはユズが頑張って集めたものなので、ユズが使うべきです!」

 

「アリスちゃん……」

 

「その通りだよ、ユズ! 私たちがあの象を削るから、ユズはそのボールであいつを捕まえてよ!」

 

「うん。部長が1番強い方が私たちも燃える」

 

「合理的な判断です。倒してしまっては捕えることができません。その点、ユズの反射神経であれば確実なタイミングでボールを当てることができるでしょう」

 

「……わかった!」

 

 

 私たちの配役は決まった。

 ユズがアースモスを捕まえることができるよう、ギリギリまでHPを削ること。

 

 隣に立ったユメと一緒に弓を構え……

 遠くから駆け寄ってくる人影が見えた。

 

 

「ふっふっふ、いいねっ! 年になるとこういうのに涙脆くてねえ……私にもこんな時期があったなあって……」

 

「うへ、ユメ先輩はまだそんな年じゃないでしょー?」

 

「ホシノちゃん! それにみんなも!」

 

「ん、でも留年してるから、この中じゃ1番年寄り」

 

ひぃぃん……年寄りは傷ついちゃう……

 

「あはは……来るタイミングはもう少し後の方がよかったでしょうか?」

 

「いや、構わないよ。ただ、挨拶は待って欲しい。後少しで我々の仇が捕まりそうだからね」

 

 

 アヤネくんの質問にそう返し、目の前の仇に視線を戻す。

 

 アースモスは自らの死期を悟ったのか、最後の抵抗だと言わんばかりに暴れ回る。

 

 拠点のポムたちが吹き飛ばされる中、矢を当て続けじわり、じわりと真綿で首を絞めるように体力を奪っていく。

 

 

「今っ!」

 

 

 黄色いボールがアースモスにぶつかる。……残りHPは24。

 状態異常にもかかっていないし、これ以上ないタイミングだ。

 

 ボールから飛び出した瞬間に倒してしまわないよう、出しているポムを手持ちにしまうようにモモイから指示が飛ぶ。

 ペンチャマを手持ちに戻して事態を静観する。

 

 捕獲確率は6%。ボールが2度揺れれば私たちの勝利。

 

 揺れる。1度目。

 効果音と共に、ごくりと唾を飲み込む音が聞こえそうなほど、空気が緊迫する。

 

 ……ボールからアースモスが飛び出す! 

 

 

「次っ!」

 

 

 その巨体が地面に着地するか否かという瞬間に、また黄色いボールの中に収まる。

 

 

 

 チャット 
  ×

 ああっ

 惜しい

 投げ直すのはっや

 

 

「ユズっ、あと何個!?」

 

「3個。グリーンはたくさんあるから大丈夫」

 

 

 ……一度も揺れずまたしても飛び出す。

 

 

「まだっ!」

 

 

 ……揺れる

 

 そしてもう一度、揺れた

 

 

「やったっ!?」

 

「うっそだあ! 豪運すぎでしょ!? 6パーですよ、6パー!!」

 

 

 

 チャット 
  ×

 ¥3,000

 3%じゃないだけ……でもすごいね。6%で3回目か…… teacher 

 うおおおおおお! 

 っぱUZQueenですわ

 なぜか先生から哀愁を感じます…… どんな時にも紅茶を

 

 

 

「ユズっ、早く見たいです! 絶対強いです!」

 

「うん、ボックスから出してみるね」

 

 

 そう言って戦闘用に組んだ足場からゲーム開発部の5人は立ち去る。それに追従するようにユメとアビドスの面々が離れていった。

 ……これで一区切りだろう。

 

 大量の経験値も手に入って1つレベルが上がった。

 

 

「ふう……コユキ?」

 

「は、はい? な、なんですか? あの象も捕まって、一攫千金、万事解決だったじゃないですか! 

 私の言った通りだったでしょ? そ、それとノア先輩もそろそろ離れて欲しいな〜って。あっ、すみません。ごめんなさい。私が悪かったのでその顔はやめてください。

 ……はっ、せ、セイアさんなら私の事見捨てないですよね!? そうですよねっ!?」

 

 

「君の所業は目に余るものがあるからね、私のアイテムも取られかねないし、叱られた方が君のためになるだろう。

 それと、占い師として一つだけ。

 

 コユキがあのボールを投げていた場合、アースモスは捕まっていなかったよ」

 

 

ぐはぁっ!? 

 

「では、コユキと私は少しの間離席するので、ゲーム開発部の事をよろしくお願いしますね」

 

「ああ、任せるといい」

 

 

 2人の姿が消える。

 ログアウトしたのだろう、少しの間とは言っていたが少々長引きそうだね。

 

 

 チャット 
  ×

 コユキがボールを使っていたら捕まらなかったのは本当?  teacher

 

 

「……さあ? どうだろう。予知ではなく、ただの直感だからね。

 私がただ、そうであれば良いと思っただけなのかもしれない。当たるも八卦当たらぬも八卦と言うからね」

 

 

 

*1
アースモス ポムワールドを始めたプレイヤーが最初に出会う強力なポム。レベル38 こっちの攻撃はまず通らず、こちらは1発で即死する。喧嘩を売ってはいけない。

*2
アリス 藍色の髪の女キャラ

*3
モモイ 金髪の巨漢

*4
全窓 複数の配信を同時に視聴すること。先生は生徒に優劣をつけないので絶対やる。バレンタインデーに全生徒のチョコ貰いに行く大人なので

*5
セミナー ミレニアムサイエンススクールの生徒会 ユウカとコユキはここの所属。 爆発事故が絶えず、意味のわからない発明品で予算を食い潰す部活が多く、その上で横領経験者が半数を占めるセミナーで財政を破綻させずに乗り切っているユウカはすごい。

*6
フェザリオ ヘアッ! と叫びながら種のようなクラスター爆弾を投げつけてくる凶悪な人型ポム。当たると恐ろしい勢いでHPが減る。

*7
XD

*8

*9
>ᯅ<

*10
モンスタートレイン オンラインゲームなどで敵対モンスターを連れ回す行為。列車の名の通り、巻き込まれると死ぬ。

*11
晄輪大祭 キヴォトスのでっかい体育祭。各学園合同で行われる。ヤケクソ補填のタイミングで始めた先生は多いとか。 この世界の晄輪大祭はユウカ、アコ、ハスミではなく、リオ、マコト+イブキ、ナギサが実行委員会となっている

*12
ボール ポムを捕獲するためのボール 捕獲パワーは次の通り ブルー<グリーン<イエロー<レッド<ピンク<パープル

*13
パスワード ポムワールドではチェストに他のプレイヤーがアクセスできないようパスワードをかけることができる。 暗号化技術に関して特効を持つコユキにとっては意味がない。





これで一旦一区切りとなります。

まだまだ書けそうなので気が向いたら、評価がどえらいことになるか、要望があれば続きを書こうと思っています。


この世界の世界線は作者の「ラスボスが増えてるブルーアーカイブ」と同一の世界線なので、気になる方はどうぞ。ーあっちは前半部分書き直したいんですけどね……
https://syosetu.org/novel/321966/

……まあ、まだ原作開始前でユメ先輩もケイも出てこれてないんですが。



とりあえずセイアちゃんを実装してくれ、実装祈願小説とかいうタイトルを実装記念小説にさせてくれ……

セイアちゃんに実況してほしいゲーム

  • ポムワールド(これの続き)
  • SEKIRO 忍術研究部コラボ
  • Among Us
  • パケモン大会
  • スマッシュシスターズ
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