ビューティダンガンロンパ女学園 咲き誇る花園と這い寄る絶望   作:カセットコンロォで焼いた豚

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《注意》この小説は以下の要素を含みます。

・超高校級のネタバレ
・女性主人公
・残酷な描写
・執筆者の性癖が詰まったキャラ

この要素が苦手だという方はブラウザバックを推奨します。
それでも読みたいという方は――絶望に染まることを、心から歓迎いたします。


第一章②

 一人目は伽前さん。私の部屋の左隣で、食堂から一番近い部屋。

 

 伽前さんの似顔絵が貼られてある部屋のインターホンを鳴らす。すると昨日のように凛々しい少女が出てきた。

 

「……何の用かしら」

 

「朝ご飯、一緒に食べませんか?」

 

「……」

 

 伽前さんが顔をしかめる。どうやら疑われているようだ。

 

 別に罠でもなんでも無いのだけれど……。

 

「はぁ……しょうがないわね。食堂に向かえば良いのかしら」

 

「ありがとうございます!はい、食堂でみんなと食べようって話でして」

 

「……私は向こうから呼んで周るわ。早く朝食を食べたいし。あ、別に貴女の為とかじゃないから!」

 

「!ありがとうございます!」

 

 やはりツンデレなのだろうか。あからさま過ぎて逆に怪しい。

 

「……にしてもみんなと、ね。まぁいいわ」

 

 去り際に不機嫌そうに呟いた伽前さんの気持ちを、私は知る由もなかった。

 

 

 その後も近い部屋から園神さん、黄楊さん、佐藤さんと順々にOKしてくれた。佐藤さんは小島さんを呼んでから向かうらしい。

 

「次は……中谷(なかたに)さんかな」

 

 見覚えのない苗字だったが考えても仕方が無いのでインターホンを鳴らす。

 

「はいは〜い。どげんかしたと?」

 

 どうやら中谷さんはあの雪の髪の少女の事だったらしい。

 

 部屋からツインテールの天使が出てきた。

 

 私は思わず涙を流し、その場にひれ伏していた。

 

「ちょっ!?やめてやめて!は、恥ずかしいけんやめて〜〜!!」

 

「おお、二人共朝から元気だね」

 

 隣の部屋の扉からはフードを被った少女が出てきた。涙でよく見えないのとフードの色が相まってさながら悪魔のようにみえる。

 

「悪魔っ!?」

 

「……悪魔じゃないよー、三山(みつやま)だよー。"超高校級のゲームクリエイター"だよー」

 

 

「ゲームクリエイター……三山……まさか、三山春百(はるも)先生!?」

 

「え、誰?ウチそういうの詳しくないけんわからんのやけど」

 

「えっと、三山春百先生はRPGゲームから2Dアクションゲームまで色んなジャンル……いえ、オールジャンルの作品のシナリオや演出、キャラクターデザインまでもを自分で手掛けている大先生なんですよ!!」

 

「は、はわわ……よくわからんけどつまりはAVの男優も監督も脚本もカメラもぜーんぶ一人でやっとるみたいなもんであっとるよね?」

 

「……褒められるのは嬉しいけど例えが酷くない?」

 

 三山春百先生はなんとも言えない表情でのまま話を続ける。

 

「……それで、朝からどうしたの?脱出の糸口が見つかったとか?」

 

「ああいえ、そういうわけではなくて……。車田さんが皆さんの分の朝ご飯を作ってくれたので全員揃って食べたいと思い、誘いに来たんです」

 

「朝ご飯!ウチ着替えてくる!先行っとって!」

 

「あっ中谷さん!……行ってしまいました」

 

「……速いね。じゃあ私も折角だし貰おうかな。こういう体験はゲーム制作にも活かせるだろうし」

 

 この人は頭の中がゲームで埋まっているのだろうか。

 

 こんな状況でもゲームのことを考えている三山春百先生に別れを告げて、次の人を呼びに行く。

 

 

 

 

「次は……戛戛さん?なんて読むんでしょうか」

 

 名前はわからないがとにかくインターホンを鳴らした。何度も鳴らしているうちに慣れてしまったのか、最初の緊張感が殆ど無い。

 

「んあー……何」

 

 扉が開き、中から眠たげな声がする。しかし姿が見えない。

 

「こっちこっち」

 

「え?……あっ!すみません!!」

 

 視線を少し下にやると、そこには小さい少女が目をこすりながら立っていた。

 

「別に、いつものことなので気にしてないでござるよ。……気にしてないでござるよ!」

 

 こちらを睨んでいることから嘘であることがわかる。正直可愛くてそんなに怖くないのだが、本人本人に言ったら余計起こりそうなのでやめておくことにした。

 

「いや、ホントにすみません。あの、車田さんが朝ご飯を作ったので良ければ食べませんか?」

 

「亜矢殿のご飯でござるか!!食べるでござる!

 

 あ、そういえば自己紹介を忘れていたでござる。

 

 戛戛(かつかつ) 担々(たんたん)、"超高校級の昔あそび"でござる。拙者は昔あそび……もとい、日本の文化が大好きで、それがあって始めたのだが……まさかあの希望ヶ峰学園にその愛が認められるとは思わなかったでござる!

 

 では、拙者はこれにて」

 

 風のように一方的に自己紹介をし、風のように去っていった。 最早突風というより嵐の部類だ。

 

「……日本の文化が過ぎ好き過ぎるとあんなふうにござる口調になるんですかね」

 

 食堂目掛けて駆ける戛戛さんを見届け、次へ行こうと振り返ろうとした瞬間に右肩が叩かれた。

 

「取り敢えずこっちは全員食堂に行くように言ったわ」

 

「ありがとうございます。じゃあ私達も行きましょう!」

 

 二人で食堂へ向かうことにした。

 

「これで全員っすね。準備はできてるっすよー!」

 

 久岡さんが私達を奥の席を指差す。軽く感謝の言葉を伝え、席についた。

 

 

『いただきます』

 

 

 焼き鮭に目玉焼きに白ご飯、アサリの味噌汁と海藻サラダ。メニューはごくごく普通なものだった。

 

「んー!めっちゃ美味いやんか!」

 

「かはー!冗談抜きで亜弥さんに毎日味噌汁を作ってほしいレベルっすね!」

 

「車田さんが作る料理は美味かー!味はしっかりしとるし、それでいて濃すぎもクドくもない……ウチの家の味とはまた違うけどめっちゃ好きばい!」

 

「みんな褒めすぎよ〜」

 

「でもホントに美味しいです!ね、伽前さん」

 

「なんでそこで私に話を振るのよ。まぁ、不味くはないんじゃないかしら」

 

「素直じゃないなぁトギマエは。あれ?あの〜ツンドラってやつ?」

 

「……それはツンドラじゃくてツンデレじゃないかな。……ツンデレヒロインの伽前さん……ごちそうさま」

 

「……」

 

「ガチ睨みやめて!怖いって!ほら、アンタからめなんか言ってよ」

 

「ひぅ!な、なんでそこで私なんですかぁ!」

 

「騒々しいでござるな。ま、たまにはこういうのも一興というものでござるか」

 

 まるで昨日初めて出会ったとは思えないほどに打ち解けた16人。もちろんそんな皆が囲む食卓は賑やかで、これがコロシアイの最中だなんて全員が忘れていただろう。

 

 私の眼の前ではファングスタさんと黄楊さんが雑談をしているようだ。

 

「これが日本の味という物ですか……悪くないですね」

 

「おや、そこの君。仮面を付けたままだと食べづらく無いかい?」

 

「フフフ、この仮面は口元が開くようになってますので」

 

「そこまでして隠したいとは……!いいね、ゾクゾクするよ。いつかその素顔を拝める時が来るのを待っているよ」

 

「それまでに生きていればいいですね、ウフフ」

 

 ファングスタさんの言葉で現実に引き戻される。

 

「詳しく解剖したわけではないけど、それでもわかるのは『モノクマには逆らわないほうがいい』『あの扉は壊せない』の2点。つまりは外からの助けを持つか……」 

 

「……殺し合うか、というわけですね。あぁ、そういえば殺し合えとは言いましたが具体的なルールについては教えてもらっていませんでしたね。

 

 モノクマ!」

 

 ファングスタさんはまるで執事を呼ぶかのようにモノクマの名前を叫ぶ。その後ろから待機していたと言わんばかりの勢いでモノクマが飛び出してきた。

 

『お呼びでしょうか!』

 

「あれ、モノクマだ。なんで来たの」

 

「きっとワタシ様に会いたくて仕方がなかったんだろ!なんてったってワタシ様だからな!」

 

「……松風ちゃん、私の分も食べて良いからちょっと黙ってようね」

 

 松風さんを除いた全員の視線がモノクマへと向く。

 

『それで、なんの用なのさ』

 

「ああいえ、コロシアイの詳しいルールを聞いていなかったのでそれを教えていただきたいだけです」

 

『な〜んだ。そんな事だったんたね』

 

「そんな事って……まじふざけんなよ!そもそもカリンはコロシアイだとかここで一生を過ごすだとか受け入れたつもりはねーから!」 

 

 勢いよく立ち上がった事で椅子が飛んでゆく。

 

「落ち着きぃ果凛。もちろんオレもムカついとるけど、今手ぇ出したらオレらが殺されるだけや。ルールを受け入れないのは自由やけど、流石に力の差ぐらいは理解出来とるやろ?」

 

「ちっ……!」

 

 西田さんは納得いかないといわんばかりの顔で渋々飛んでいった椅子を回収しに行った。

 

「……モノクマ、話の続きをしてください」

 

『はいはい……えっとね、まずオマエラがやるのは武器を使ったコロシアイ!……みたいなつまらないものじゃないんだよ』

 

 それについては6つ目の校則……『誰にもバレずに』殺せという部分、そして武器などが支給されていない事から想像はついていた。まぁこれも昨日伽前さんが言ってたことなんだけどね……。

 

『詳しいことは今は言えないけど……ここにあるものを使って殺しちゃってくださいな!殺り方については問わないよ。ヤッて殺ってやりまくっちゃえ!!』

 

「やりまくったら校則違反で死ぬばい!?」

 

「校則違反……そういえば1人が殺せるのは二人までと決まってたね。すっかり忘れてたよ。あ、小島さんコレ」

 

「……あ……う」

 

 佐藤さんが補足をしつつ、小島さんに食べさせている。小島さん、超高校級の引きこもりとは聞いていたけどいくらなんでも自堕落過ぎやしないか……?

 

 というか、この距離でも聞こえないほどの声量……入蠱さんもおどおどしてる人だとは思ったけど、小島さんはそれ以上かもしれない。

 

「しかし一生を過ごすとは言われましても、外からの救助が来るでしょうし……貴方のメリットが一切ないように思えるのですが」

 

「私も流石にみんなを危険に晒したくないし、何が目的かぐらいは教えてほしいわ〜」

 

『えー。もうしょうがないなぁ……。そこまで言うのなら教えてあげま……せん!真実がそんなに気になるのなら卒業すればいいだけだしね!うぷぷ……』

 

「あっ、待てコラ〜!……ばり速い動きで逃げて行きよったばい」

 

「流石のワタシ様でもアレは追えないぜ?アレ人間じゃねーんだし」

 

「結局助け待つしか無いってことになんの?これ」

 

 西田さんはふてくされながら文句を垂れる。

 

「それしか無いと思います……。早く出たいですけど、私達で出来ることが限られすぎていますし、逆らったりでもしたら下手すると……」

 

「ララちゃん不安煽ってどうするんっすか!?」

 

「あ、すみません!いつものクセで……」

 

 謝りはしたが、私が声に出すまでも無く全員が思っていたのだろう。殆どの人が意気消沈といった状態だ。

 

 

 この生活が始まって2日。

 

 1人1人の考えや性格は違えど、今はまだ『ここから出る』『コロシアイをしない』という2点は全員が共有しているのだろう。

 

 しかしそれも時間の問題。時が経てば全員がそれぞれ別の方向を向き始めるのだろう。

 

 こんな状況で、しかも超高校級だなんて尖った才能の持ち主の集まりなのだから尚更だ。

 

 

 

 朝食会が終わり解散した後、それぞれが動き始める。

 

 脱出の糸口を探すのか、不安を紛らわせるために人と交流をするのか、はたまたいざという時のための殺人の準備か……。

 

 絶望の影はゆっくりと、しかし確実に近づいてくるのだった




天海クン……なんで図書館なんかに行ったんすかホント
初恋の相手だったのに(偽証)

生き残りメンバー予想(超高校級の才能については本編のプロローグ時点で判明しているものを、名前は判明していないものも含めて記載されています。)

  • 入蠱陀子  超高校級の???
  • 戛戛担々  超高校級の???
  • 霧ヶ原ララ  超高校級のそれなり
  • 車田亜矢  超高校級のスケバン
  • 小島和歌子  超高校級のスネカジリ
  • 佐藤詩織  超高校級の痴女
  • 秋文字咲  超高校級の???
  • 園神もえ  超高校級の大食い
  • 黄楊陽子  超高校級の科学者
  • 伽前ナコト  超高校級の幸運
  • 中谷恋雪  超高校級の???
  • 西田果凛  超高校級の指揮者
  • 久岡優月  超高校級のダンサー
  • シュシュ・ファングスタ  超高校級の商人
  • 松風耀  超高校級の見様見真似
  • 三山春百  超高校級の???
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