カリカリカリカリ・・・
「おいオヤジ、お前少し菓子食い過ぎじゃね?俺たちにも分けろよ。」
「なら少しは自分で買うかいくらかカンパしろっつーの。タダじゃねぇんだぞ。」
カリカリカリカリ・・・・
「えー、でもゲーセンで取った景品でしょ?ならケチケチしないでボクたちも食べて良いよね?」
「それとこれとは話が別。いくらクレーンで取ったといえどもタダじゃねぇんだよ。欲しけりゃ200円ぐらい払ってくれればまた増やしってやっからよ。」
カリカリ・・・パタン
「あっ、どうせならこれからお茶でも買いに」
「お前ら少しは自重する事を覚えろやーーーー!!!!!」
俺の心からの叫びが放課後の生徒会室に響いた。
初日から既に3週間が経過し、無事選挙にも全員当選した。初対面だった時から比べれば随分素が出てきたというか緊張感や警戒感が無くなっていた。別にそのことに対してはなんら不満もなく、むしろ良い事なのだが
「まさか会計はここまで忙しいとはな…」
「先輩が言ってたじゃん?会計は忙しい役職だって」
そう。俺、というよりも会計の稼働率が半端ない。
元々初日から説明は受けていたが、生徒会の役職は4種類である。
会長は行事や生徒総会、卒業式などで生徒代表として表に出る事はあるが、それ以外にはほとんど仕事は無い。一応生徒会内における元締めでもあるが、木ノ原では本人のキャラか単に力不足なのかあまり役に立っていない。
副会長は更に仕事が無い。なんといっても会長の代理なので会長が居ない場合のみ正規の仕事があるが、その本人があまり忙しくない為当然暇なのだ。時期によっては仕事が有るらしいが、普通の日は全く仕事が無いのが現状だ。
庶務は『会長、副会長、会計以外の仕事』とされており、ぶっちゃけると雑務である。これに関しては岸が自分の趣味と実益(?)を両方叶えており、なんとパソコンを自分で組み立てようとしている。俺にはサッパリ何のことを言っているかわからないが、要するに今生徒会室にあるパソコンはあまり質の良いものではないらしい。よって執行部の予算から新しいパソコンを購入しようと考え現在先生方と交渉している。
余談ではあるが、木ノ原、西川の二人もすることが無いため庶務の仕事を手伝っている。
そして、会計は大体いつも仕事がある。仕事量は日によって違うが、昼休みも放課後も部活動からの会計書類が舞い込んでくる。そもそもその書類が生徒会室にあり、どの書類がどこにあるのかを俺と戸羽以外把握できていない。よって二人が居ない時は先輩が居ればいいが、居ない時は俺を呼びに来る。いい加減そのくらいは覚えてほしい。
本来なら俺だけではなく戸羽も仕事がこなせるはずだが、奴は物理部に所属しているため放課後は来ない。更に田辺先輩は俺たちに職務を一通り教えた後
「じゃあもう大丈夫だね。後はお二人に任せたよ~。あっ、でも分からない事があったら教室に来てもらえれば教えるから~。」
と言って去ってしまわれた。
…たしか先輩もまだ役員のはずなのだが、もう重要な時以外来ないつもりなのだろうか。
そんなこんなで、見事に仕事の配分が人によってバラバラなのである。まぁ、個人的には苦手なデジタル操作よりも得意な事務作業をやっている方が気が楽だし、やることは提出された会計済みの書類に不備が無いか、予算範囲内かどうかをチェックした上で簿記に記入しチェック済みの書類を生徒部に提出するだけである。・・・まとめると案外、というよりやっぱかなり仕事多いな。
しかし、俺が腹立たしく思っている事はもう一つある。それは仕事が無い連中が生徒会室を溜まり場にして騒いでいる事である。
うちの学校は校則が比較的緩い事に定評がある。故にカップ麺を持参し学校で食べる生徒が居るが生徒が使うお湯は生徒会室限定の配布だ。その為生徒会室入ってすぐの受付には常に2、3個のポットが用意されている。
ここまでは良いのだが、
①お湯があり、持参したコップがある
②役員は生徒会室に自由にいられる
③本や遊具等を持ち込み保管できるスペースがある
・・・・・
もう、おわかりだろう。
俺以外の役員らが半引きこもりになり始めている現実を。
実際俺自身もその恩恵を多少なりとも受けているから強くは言えないのだが、それにしてもこれではあまりにもお粗末だろう。会計用紙を取りに来る部活動の人がその様子をみて苦笑いしたり怪訝な目で見る事もある。
役員の中でも大人しいのは戸羽と西川で、二人は黙々と読書や自習をしている。木ノ原はよく菓子を持ち込んだりしているが、食べたらそのまま放置することが多く俺を含めた面子に叱られている。そして最もうるさいのが・・・
「ほ~ら、オヤジのせいで怒られたじゃねぇかよこのメタボ!」
「誰がメタボだ!っつーかオメーは役員でもないのに入り浸ってんじゃねーよバカ!」
このバカ達である。この状況を打破する為に今度先輩に相談しようと決断しながら、とりあえず騒いでいる二人を拳骨で沈めた。
__________
「それで私たちのところに?」
「はい。俺だけではもうどうしようもならなくて…どうにかできないでしょうか?」
「うーん…たぶんできない事はないよ。ねぇガッキー、まりまり。」
後日、俺は3人の先輩に生徒会室の現状、もとい惨状を説明し協力を仰いだ。今話している人の名前は川島ちなみ(かわしま ちなみ)先輩。原田を田辺先輩とボコしていた張本人だ。川島先輩は直接生徒会とは関わりは無いらしいが、去年先輩の知り合いの多くが生徒会執行部に居たらしい。曰く『生徒会の住人』とのこと。つまり、今の原田ポジションである。そういった人が注意すれば説得力があるし、原田に至っては一度調教…もとい注意されたことがあるので、俺が注意するよりも効果的だろう。
しかし…
「じゃあ、今度はどんな方法でいたぶろうか?」
「どうしよーかねー」
この御二方(田辺先輩、川島先輩)は何故そこまで殺る気満々なのでしょうか?
「いや、普通の方法でも「「そんなこと言ってるからなめられるんだよ!」」…ハイ」
恐ろしい・・・田辺先輩は腹黒っぽい恐ろしさを醸し出し、川島先輩は加虐性をオーラとして出している感じだ。唯一まとも(?)な新垣先輩は諦め半分呆れ半分といった感じでため息をついている。
「じゃあ、明日私たち二人が直接見に行ってみるよ」
「相澤君は西川君と戸羽君に『明日は来なくていいよー』って伝えておいて」
・・・俺は頷く以外術が無かった。許せ三馬鹿。骨は拾ってやる。
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その後三人がどのような目にあったのかは良く知らない。ただ分かっている事は普段はあまり騒がなくなったこと。そして先輩の前では物凄く礼儀正しくなった事だけであった。
けっこうダラダラとこの学校の生徒会室の空気は流れていきます。
舞台は生徒会室がメインですが、時折授業や行事なども作品の中に入れたいなと考えています。