有職転生〜異世界行ったら…え?三歳で剣を振るんですか?〜   作:KEN・JACK

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お久しぶりです…次回から作者と読者の間で期待値に差のある学園編的な奴が始まると思います…冒険パートはもうネタ切れです…


これから

 

その後の展開は早かった。

 

リーリャとアイシャは即座にパウロの元に送られる事になり、パックスも留学という形の国外追放の措置が取られるそうだ。

 

世間知らずの王子様にとっては知らない国で学ぶというのは中々厳しい事になるかもしれないが…乗り越えればきっと良い為政者になる事だろう

 

「お母さんからは王宮でも働けるくらいにはなってるって言われてます!」

 

そして翌朝の旅立ちの準備を待つ間、俺とサラはアイシャの面倒を見ていた。面倒を見ると言ってもアイシャは何というか非常に大人びている…

 

リーリャによく似て顔立ちは整っているし、言葉や動作にもかなりの知性が感じられる…服装も2人揃ってメイド服だし、本人曰く王宮でも働けるという…

 

何か妾感が凄いな。パウロの話を聞くにそんな風な感じはしなかったのだが

 

「凄い…これが上流階級…」

 

サラは5歳にしてあまりに教育の行き届いたアイシャに絶句していた。彼女のいた村では走り回って体力を錬成していたような時期だし、それも仕方ないだろう

 

「変な事聞くけど、アイシャは本当に5歳?」

 

「5歳ですよ?そんなにお姉さんに見えますか?」

 

そういう返答が5歳に見えないんだけどな…という言葉は引っ込めた。もしや転生者かと思ったが…歳相応の顔を見せる時もあれば、それが演技だとも思えない

 

「…私もジノさんみたいなお兄ちゃんが欲しかったなぁ」

 

アイシャは話しかけた俺の顔をじっと見つめると、そんな事をぼやいた。

 

「どうして?アイシャちゃんにもお兄ちゃんがいるんでしょ?ちょうどジノと同じくらいの」

 

サラの言う通り、パウロの話では非常に優秀な兄貴が居るはずだ。それこそ偉人と言って差し支えない経歴を持つ凄まじい兄貴が

 

「お母さんや皆んなは兄のことを凄い凄いって言うけど…尊敬に値する人じゃ無いと思うんです」

 

「…それはどうして?」

 

聡明なアイシャの事だ、兄の凄さが理解できないという訳ではないだろう。それ以外に何か問題点があるのか?

 

「話があまりにも信じられないからです!3歳で中級魔術が使えたとか!5歳で水聖級魔術師になったとか!挙げ句の果てには7歳で領主の娘の家庭教師ですよ!?私に盲目的に凄いという思い込みを植え付けようとしてるんです!」

 

「目の前にそれの剣士版みたいな人が居るけど…」

 

サラが不思議そうな顔で突っ込んでいた。やめなさいサラ、確かにそうかもしれないけどアイシャは何も間違ったことは言ってないんだよ?俺とそのルーデウス氏が異常なんだ

 

俺はともかく普通に生まれてそうなったルーデウス君の方が異常値は高そうだけどね…

 

「いや、まぁそれに関しては確かに信憑性は上がりましたけど…それだけじゃありません!家には絶対に触っては行けないと言われている兄が大切にしていた小箱があります…その中に何が入っていたと思いますか!?」

 

「き、貴重な魔石とか…?」

 

あまりの剣幕に何も考えず答えてしまったが、それならここまで兄のネガキャンはしないだろう。精々若くして金の亡者ってくらいだし

 

「パンツです!女物の!しかもサイズ的には14歳くらいの子の物です。家にはそんな年の人居ませんでしたから、恐らく家庭教師をしていたロキシーという人物の物だと思います。兄は4.5歳という年で年上の女性のパンツを後生大事にしていたんです!」

 

「…最低」

 

サラがドン引いてる…いやまぁそりゃそうだな、様々なフォローをしてきた俺でさえ男物じゃなくて良かったじゃんとかいうカスみたいなフォローしか出てこないくらいだし

 

「何かの勘違いとかじゃなく?」

 

「いいえ、さりげなく母に裏を取りました。兄はそのロキシーという女性の水浴びを覗いたり、父と奥方様の情事を覗いたりと、やりたい放題だったみたいです。お母さんは隠しているようですが、間違いありません。

兄は紛うことなき変態です!」

 

部屋にアイシャの変態宣言が響き渡る。5歳の女児が情事とか言ってるのも相当変態臭がするが…アイシャは賢い、恐らくこれは事実なのだろう

 

「…まぁ、英雄色を好むって言うし?成長が色々と早かったんじゃない?」

 

「えっ」

 

顔も知らない男のフォローをしたらサラにお前もパンツを持っているのかみたいな表情をされた、持ってねえよ。

 

「それにしたって限度があります!たがらジノさん…私を妹にしてくれませんか?母は何故か兄を敬うよう言っていて、このままじゃ私もきっと兄の慰み物に…」

 

「ジノ!アイシャちゃんを連れて逃げよう!今なら出来るよ!」

 

アイシャの上目遣いがよほど聞いたのか、サラは一転して真剣な表情で誘拐を画策し始める。同じ女性として嫌な気持ちが共感出来るのは分かるが…ここで誘拐したら全部がパァだよ

 

「助けに来た俺達が誘拐しちゃ意味ないよ…大丈夫。流石に妹には手を出せないって」

 

「いやでも!アスラ貴族は…」

 

「失礼します、出発の準備が整いました」

 

アイシャが粘って話が拗れそうなタイミングで、運良くジンジャーが部屋に入ってくる。このままではごり押されそうな予感がしていたので助かった

 

「時間切れかぁ、残念」

 

そう呟いたアイシャに…俺は彼女の底知れなさを垣間見た気がした

 

〜〜~

 

「改めて何とお礼を申し上げたら良いか…」

 

俺達も出発の準備を終え、出発地点の前で全員集合したところで再びリーリャが深々と頭を下げる。改めて見てもアイシャとそっくりである

 

「困ってる人は助けなさいという母の教えですから、気にしなくても大丈夫ですよ。パウロさんにはご馳走になりましたしね」

 

全部ヒトガミの手のひらっぽいのがあまり気に食わないが、悪徳王子を成敗して人助けというのは何とも主人公っぽくて気持ちがいい。折角強くなったんだしね

 

「…本当にジノ様は、ルーデウス様にそっくりですね。不気味なまでに大人びておられます」

 

パンツの話を聞いた後だと褒められているのか微妙な気分になるが、アイシャの話だとリーリャはルーデウスを本気で敬っているそうだし…まぁ素直に受け取っておこう

 

「いい?アイシャ、無理やり襲われそうになったらあの技を使うのよ」

 

「ありがとうございますサラさん!これで兄を撃退出来そうです!」

 

横ではサラとアイシャが何やら物騒な会話をしていた。大体想像は付くが、サラがアイシャに仕込んだらしい…ルーデウスは魔術師だ、非常に効果的であるだろう

 

「このお礼はいつか必ず致しますので…」

 

最後にリーリャがそう伝えると、馬車に乗り込み、俺達とは反対の方向へと走り出した

 

「我々も行きましょうか」

 

アレックスの一言で、俺達の蜥蜴車もアスラへ向けて走り出した

 

こうして俺達のシーローンでの1件は幕を閉じた。また帝級の誰かと戦う事になるのかと思ったが、今回は平和に終わって何よりだ

 

「…パンツ、持ってないよね?」

 

「持ってないって…」

 

訝しげな目を向けるサラに対して弁明をする羽目になったのは少しだけ平和じゃなかったかもしれない。

 

流石にこの年齢だからって14歳のパンツを大事に箱にしまっとく何て変態的な行為はしません

 

ジト目無愛想な青髪美少女合法ロリでも無い限りね

 

〜〜~

 

長い旅もそろそろ終盤に差し掛かった。

 

シーローン王国を出た後も特にトラブルのようなものも無く、平和な道のりが続いていた

 

途中赤龍の下顎でメルエムが死にかけたくらいだろうか。アレックスが取り出した不思議な魔道具で事なきを得たが、やはりドラゴンタイプに氷タイプは効果抜群らしい

 

現在はアスラ王国領へとようやく入り、訓練も終わってアレックスと二人で焚き火を囲んでいた。

 

サラはいつも一足先に眠ってしまう。それもそのはず、無理はしなくていいと言っても俺とアレックスの訓練に無理やり参加するからだ

 

「…もうすぐアスラに着きますが、これからどうするつもりなのですか?」

 

問われて、ふと考える。本来であれば俺はサラを助け出した後はレイダの元へ戻るつもりだったのだ…それからどうしようとも考えてなかったが

 

「とりあえずは水神流の本家へ戻ります。皆も心配してるでしょうし」

 

イゾルテ辺りには泣いてハグされるくらいの歓迎は期待してしまうが、間違いなく安否くらいは気にかけてくれているはずだ…多分

 

「なるほど、ではサラのことはどうするのですか?サラはジノに付いていくと言っていましたが…貴方とは違って水神流で花を咲かせる事も難しいでしょう」

 

サラか…彼女には現状俺しか居ないというのは事実だ。けどそれはたまたま俺が助けたというだけで、彼女の生き方を縛りたくは無い。

 

そんな大それた恩義は感じて欲しくないし…気にせず自由に生きて行って欲しいと思う

 

「正直、このままでは良くないと思ってはいます。今のサラは俺に依存し過ぎてますし」

 

「そうですね…ジノが言うなら、で全て決めてしまうというのは、あまり健全とは言えません」

 

かと言ってどうしようという考えもない。今のうちにアレックスに言伝を頼んで俺が消えれば解決するのかと言えば、そんな事も無いだろう

 

解決どころかサラに取り返しのつかない傷を負わせてしまうかもしれない

育児放棄って訳じゃないけど、そこまではしなくても良い筈だ

 

「かと言ってどうすれば良いかは分からないですけど…このまま冒険者になってもそれが改善するかどうか」

 

「このままジノがサラと人生を添い遂げるというなら、或はそれで良いかも知れませんけどね」

 

それもまた難しい問題だ。サラの気持ちに気付いてない何て言わないが…正直今は保護者として見てしまう部分があるし、サラの俺に対する気持ちが恩返しでは無いと言う保証は無い

 

「…ジノはサラにどうして欲しいのですか?」

 

返答を渋る俺にアレックスはそう問いかける。好きなように生きて欲しいというのが偽りの無い本音だが、今のサラにそう言うと俺に付いていくと言うのは目に見えている

 

「俺の事を気にせず、もっと色んな人に会って、色んなものを見て、純粋に自分の意思でこれからの事を決めて欲しいと思います」

 

その為にどうするかを聞いているのは分かっているが、正直お手上げだ。この世界に来てから剣の修行と冒険しかして居ない…強い剣士との繋がりは無駄に多いけどね…

 

「ならば1つの案として、学校に行く事を提案しておきましょう。表向きは魔法の大学ですが魔法以外の幅広い学問を取り扱っていますし、ジノであれば特待生として入れるかも知れませんしね」

 

学校…!転移事件で忘れていたが、そういえばここは剣と魔法の世界。俺は魔法の事を学べるし、サラは交流を増やせて教育も受けれる…完璧じゃないか

 

「特待生…?俺がですか?特にこれと言って秀でた知識は無いですけど」

 

「そこは有名人ならとりあえず在籍だけでもしておかないかと声をかける所ですから。ジノくらいの知名度があれば可能性は十分にあります」

 

○稲田の一芸入試みたいなもんか、だとしたら頷けるな。問題は学費とかの話だが…

 

「仮に俺が特待生だとして、サラが入学するにはどれくらいの金額がいるんですか?」

 

「詳しくは分かりませんが…まぁアスラ金貨三枚程度あれば卒業出来るまで事足りると思いますよ」

 

それなら二人分払うことになったとしても問題ないな。やってて良かったレイダの弟子ってね

 

「その大学はどこに?」

 

俺の中で次の目的地はほぼ決まったようなものだった。アレックスは俺が何と言おうとこの選択肢を提示していたような気がするが…まぁそれは良い、何せ先生だからなこの人は

 

「名前はラノア魔法大学…名の通りラノア王国の都市シャリーアにある学校です」

 

 

 

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