え、龍園? いやCクラスの王は別人です   作:キノピオ隊長

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アンケートは、後1・2話分様子見て終了しようと思ってます。




No.4「北条 VS 龍園」

 

粗野な現実世界では悪人は罰せられず、善人は報われない。強者に成功が与えられ、弱者に失敗が押しつけられる。それがすべてだ。

 

19世紀末文学の旗手───Oscar Wilde(オスカー・ワイルド)

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「ちょっと顔貸せよ、北条……龍園さんがお呼びだ」

 

入学式から1週間がたった頃、いつものように授業を終えた将人にクラスメイトから声がかかった。だが、その内容は普段とは異なるものだった。

 

「龍園? 誰だよ、そいつ……用があるなら自分で来いよ」

 

「チッ……いいから来いよ」

ガシッ!

 

当然のごとく心当たりのない人物の名前を聞いて戸惑う様子を見せると、男子生徒は少しイラついた様子で舌打ちをした。そして強引に腕を掴むと、半ば引きずるようにして教室の外へと連れて行こうとする。

 

「その様な、強引な事は辞めてください! 」

「そいつ……勝手に連れてかれると困るんだけど」

 

椎名と伊吹の2人が同時に立ち上がり抗議の声を上げると、流石に2人の女子相手に強く出ることは出来ないのか、どうするべきか戸惑っている様子だったが……。やがて決心したようにこちらを向くと口を開く。

 

「だ、黙ってついてくればいいんだよ。逆らうんじゃねぇぞ!テメェらも!」

 

脅すように睨みつけてくる男。どうやらこれ以上抵抗すれば暴力も辞さない構えのようだ。

 

「てかさぁ、何処に連れてくつもりだよ? それぐらいは教えろよ」

「……特別棟の屋上だよ!だから早くしろって言ってんだろ!!」

 

面倒くさそうな態度を見せる彼に苛立ったのか、大声で怒鳴りつけてくる。何処か、焦っている様な男の様子を見て将人は内心でほくそ笑む。

 

(怯えてる?………暴力に由来する恐怖か? つまり、龍園ってやつは暴力により他人を支配する奴って事だ)

 

「わーったよ、着いていくから、その前に連絡だけさせてくれよ。今日は3年の先輩とデートの予定だったてのに……」

「……それだけ済ませたら、直ぐ行くぞ!」

 

将人がデバイスを取り出し操作を始めると、男はイライラした様子を隠そうともせずに、吐き捨てるように言った。それを受け、軽く肩を竦める事で返事の代わりにすると手早くメッセージを送信しポケットに仕舞う。

 

「良しっと、じゃあ、行こうぜ……龍園クンの所にさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、この場合どうすればいいのでしょう……伊吹さん?」

 

(3年の先輩とデート?……アイツ、今日は他クラスを見て回るって言ってたわよね……)

 

突然の騒動を前にして、困惑している椎名を他所に伊吹は思考を巡らせる。恐らく、デート云々は嘘だろう……しかし、そうだと仮定して何故そんな事をする必要がある?

 

この状況には違和感がある……そう思いつつも考えるだけでは答えは出ないためひとまずこっそりと追いかけて見ることにした。

 

(北条は、監視カメラのある場所を把握してる。私も確認している時、一緒にいたからそれは間違いない。………特別棟屋上に監視カメラが無いことも知ってるはずでしょ

 

その様な場所にノコノコと何の策も無く、出向く様な男では無いことを……この1週間、北条に密着していた伊吹は理解していた。

 

それ故に、読めないのだ……あの男の考えが。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「ここだ……さっさと入れよ」

「はーい、お邪魔しますよーっと」

 

そう言いながら扉を開けて屋上に出る男子生徒。それに続き将人も足を踏み入れる。屋上では、ここ1週間、将人に度々視線を向けていたロン毛の男とガタイのいい黒人風の男が立って待ち構えていた。

 

「遅かったじゃねぇか、待ちくたびれたぜ?……北条」

「いやいや、急に呼び出された身としてはこれでも急いだ方だぞ? あ、手土産は無いぜ?龍園クン」

 

ニヤついた笑みを浮かべながら将人に話しかける龍園と呼ばれた男に、同じくニヤニヤとした笑みを浮かべつつ答える将人。

 

両者の間には一触即発の空気が流れている様に見えたが、特に気にする様子もない。むしろ、どこか楽しげな雰囲気すら感じられる程だった。

 

「ククッ、まぁいいさ。早速本題に入るが……俺の下につけ北条、お前は使える男だ」

「おいおい、いきなりだなー……何で俺がお前に従わないといけないんだよ」

「簡単な話だ、俺はお前の頭脳と持っている情報が欲しい。俺も、幾らか推測はしてるが……正確性に欠ける」

「なるほど……坂上との問答や2日目以降の俺の行動を見て、お前の知らない“何か”を掴んだと思ったわけだ」

 

ニヤリと笑う龍園に対し、やれやれといった様子で両手を上げながら首を横に振る将人。その様子を見た龍園は小さく鼻を鳴らすと話を続けることにしたようだ。

 

「……で?どうなんだよ?返事は?まさか嫌とは言わないよな?」

「はっ……嫌だね、俺は誰の指図も受けない」

「……ァン?

 

予想外の答えだったのか、一瞬呆気にとられたような顔を見せたが直ぐに表情を戻すとドスを利かせた声で威圧してくる。そんな龍園に対して全く動じることなく将人は不敵な笑みを浮かべたまま言葉を続けた。

 

「お山の大将に付く気は無い……それだけだ、勘違いすんなよ? 情報握ってんのはこっちだ」

「……テメェ、立場分かってんのかよ?」

 

その言葉を聞いた瞬間、龍園の元々吊り目がちな目が更に鋭くなり将人を睨みつけてくる。その視線を受けるものの相変わらず余裕の態度を崩さない。それどころか笑みを深くする始末だ。

 

「怖いなぁ、そんなに睨むなよ。 教えて欲しけりゃ、お前が俺の下につけば良い……そうだろ? 」

「そうか、なら仕方ねぇな……やれ、アルベルト、石崎」

 

その言葉を聞き、それまで沈黙を守っていた巨漢の男アルベルトと、将人を連れてきた男石崎に指示を出す龍園。

 

「Yes boss」

「悪いな、北条……そういう事だ!」

 

指示を受けた2人はすぐさま動き出し、それぞれ拳を振りかぶって北条へと襲いかかる。

 

 

 

 

 

 

 

龍園との話の最中、実は将人のデバイスに通話コールのバイブがあった。ポケットに手を突っ込んでいた将人は、直ぐにバイブを止めることが出来たので周りに音が漏れることは無かったが……。

 

(さーて、準備完了っと……)

 

暴力を前にして尚、北条将人の余裕は揺るがない。

 

 





VS龍園は2話に分けまス、その方が書きやすいので。

内定している椎名・伊吹以外でヒロインを増やすなら? ※参考にさせてもらいますが、実際結果が反映されるかは分かりません。

  • 堀北鈴音
  • 櫛田桔梗
  • 松下千秋
  • 一之瀬帆波
  • 姫野ユキ
  • 坂柳有栖
  • 神室真澄
  • 朝比奈なずな
  • 鬼龍院楓花
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