え、龍園? いやCクラスの王は別人です   作:キノピオ隊長

7 / 9

アンケート、何と総票数828票! 多くの人の意見が集まったのでより参考にしやすいので助かります。

1位 一之瀬帆波/186票
2位 (同率)櫛田桔梗 & 鬼龍院楓花/121票
4位 神室真澄/102票

ここまでが100票越えのメンバー達です。
一之瀬に関しては、こんだけ断トツの結果だったのでリクエストに応えて、ヒロインに組み込もうと思うんですが、他の3人は候補として考えますが物語の展開次第なのでどうなるか……分かりません!

ですが、一先ず、ご協力ありがとうございました。
m(_ _)m




No.7「情報開示」

 

 

 

私はいい娘だけど、天使じゃない。

罪を犯すけど、悪魔じゃない。

ただ愛する人を見つけようとしている小さな女の子に過ぎないの。

 

大女優───Marilyn Monroe(マリリン・モンロー)

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

5月1日。

Cクラス教室は、異様な雰囲気に包まれいた。何故なら今日は、ポイントが振り込まれる日だからである。

 

「マジで支給ポイント減ってたね!」

「な、北条の言う通りだった!」

「ヤバすぎでしょ!? ウチらのリーダー、天才じゃん!」

「……なんか、あの姿もアンニュイな感じでかっこいいかも」

 

 

(賭博場は閉店かなぁ……1752005ppt。結構、貯めれたほうか)

 

クラスメイトの間で、こんな会話が繰り広げられているのを傍目に、当の本人は涼しい顔で自分の端末を眺めていた。その姿からは、支給ポイントの減少に対する焦りは一切伺えない。

 

 

 

 

そして、担任である坂上先生が入室してくると同時に、生徒たちは一斉に席についた。

 

「全員、揃っていますね」

 

教壇に立った先生は、いつも通り落ち着いた声色で話し始める。生徒達もその声を静かに聞いている。

 

「ふむ?……てっきりどうして10万ポイント振り込まれてないのかと騒いでいると思いましたが、その様子では心配なかったようですね」

 

感心するように言う先生の言葉に、少し動揺する者もいるが、直ぐに平静を取り戻す。

 

「さて……では、説明を始めます。これを見てください」

 

そう言うと先生は、大きな用紙をボードに貼り出した。そこにはD〜Aの順でクラスと、横に数字が書かれていた。

 

 

 Aクラス 940cp

 Bクラス 650cp

 Cクラス 810cp

 Dクラス 0cp

 

「先ずは、賞賛しましょう……貴方達は、歴代Cクラスの中でも最も多くcpを残すことに成功しました。素晴らしい結果です。反応を見るに、皆さん……既にご存知の様ですが念の為、クラスポイントのシステムについてご説明します」

 

 

クラスポイント(CP)── 各クラスの評価を数値化したモノ。入学したばかりの頃は全クラス共に1000cpがある。

 

それが生活・授業態度・試験結果……等に応じて、減少していく仕組みとなっている。

 

つまり、“クラスポイントが高い = 優秀”と言うことであり、下位クラスの生徒は低い傾向にあると言えるだろう。

 

「この数値が現時点で他のクラスを超えていた場合、クラスの入れ替わりが起こります……つまり、君達は今日からBクラスへと昇格したことになります。5月時点での入れ替わりは、創立以来初の偉業と言えます」

 

教室内が再びざわつき始める。中には喜びのあまり叫び出す者もいたほどだ。一方で将人の表情に変化はなく、淡々と話を聞き続けていた。

 

(……全て、情報通りだな)

 

そうして一通りの説明が終わると、最後にこう締め括った。

 

進学、就職率、100%。

その恩恵を受けられるのはAクラスで卒業した者のみ、と。

 

 

教師より確かな情報として言葉を聞き、不安を抱いた生徒達の視線は、一点に集まっていた。開示された全ての情報を事前に掴み、行動していた……北条将人という男の元に…。

 

「はっ、心配すんな、俺がお前達をAクラスで卒業させてやる。打倒Aクラス? 上等上等………安心しろよ、楽勝さ」

 

不敵な笑みを浮かべる彼の言葉によって、不安を抱いていた生徒達の表情が徐々に和らいでいく。彼の実績を知っているからこそ、その言葉を信用することが出来るのだ。女子の中には、顔を赤らめている者もいる。

 

 

そんな様子を見ていた伊吹は、不貞腐れた顔で誰にも聞こえないような声で小さく呟いた。

 

「……私が,最初に目をつけたんだから」

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

「やっべぇ……もし、勃ったらどうしたらいいっすか龍園さん!」

「気持ち悪ぃな……死ねよ、石崎」

You Calm down(お前 落ち着け)

 

 

水泳後の自由時間。

これも当然の反応とも言える、思春期真っ盛りな高校生にとって異性の水着姿というのは、刺激的なものなのだから。

 

そんな中で、注目を集めているのが伊吹澪(いぶき みお)椎名(しいな)ひより・西野武子(にしの たけこ)真鍋志保(まなべ しほ)……レベルの高い、この学校でも容姿端麗だと断言出来る、美少女達だ。

 

 

(う〜ん、脚……いや腰も良いな)

 

至極真面目な顔で、ろくでもないことを考えていた将人。だが、突如後ろから声をかけられたことで思考を中断させられる。振り返るとそこには、椎名が立っていた。

 

「すみません…」

「ん、何か用? ひよりちゃん」

「えっと、実は私、泳ぐのが苦手でして……この自由時間の間、教えて頂けませんか?」

 

そう言って恥ずかしげに俯く彼女に対し、彼は笑いかけながら答えた。

 

「もちろんだよ!こっちおいで」

「……ありがとうございますっ!」

 

(可愛い……天使だな、大天使ヒヨリエル)

 

そう心の中で呟きながらも優しい笑顔を作ることを忘れずに、手招きをする彼の元へ歩み寄る椎名。

 

そして2人で空いているレーンまで移動すると、彼女は準備体操を始めた。

 

「…はい、これで大丈夫だと思います」

「大事だよね、準備体操。ひよりちゃんはしっかりしてるね」

「いえいえ、そんなことはありません……では、よろしくお願いしますね」

「うん、任せて」

 

そう答えると、早速泳ぎの指導を始めるべく彼女の手を取りスタート台へ向かう将人。その距離は肩が触れ合うほどに近いが、特に気にする様子はない。

 

そして、彼が優しく手を取って先導し、ゆっくりと水に浸からせていく。

 

(……思っていたよりも気持ちいいです)

 

水面に浮かんだ状態で軽く身体を動かすと、程よい抵抗感があり心地よい感覚が伝わってくる。それに加え、適温の水温が身体を包み込む。

 

2人は暫くの間は水中でゆったりと過ごした後、いよいよ本格的に練習を開始することにした。まずはクロール、基礎中の基礎を丁寧に教え込む。

 

最初はぎこちなく手足を動かしていたが、何度か繰り返すうちにコツを掴んだようで少しスムーズに動けるようになってきたようだ。

 

「そうそう、その調子!上手になってきたね〜、さっすが」

「……本当ですか? 嬉しいです!」

 

そんなやり取りをしていると、不機嫌そうな顔をした伊吹がやってきた。自分が仲間外れになっているのが気に入らない様子だろうか。そんな彼女に対して将人が声をかける。

 

「おー、澪ちゃんじゃん。どうした?指導希望?」

「は、はあ!? なんで私が……私は別に泳げないわけじゃないんだけど」

「まぁいいじゃん。折角だし一緒にやろうぜ〜」

「ちょ、ちょっと……引っ張らないでよっ……!」

 

半ば強引に引っ張られて引きずり込まれた伊吹は、ブツブツ文句を言いながらも大人しく従うことに決めたらしい。

 

 

 

 

それからしばらく3人で泳いでいたが、やがて休憩のために一度上がることになった。プールサイドに上がり、それぞれ水分補給を行う。

 

片膝を立てて座る将人の隣で、体育座りしている伊吹は、少し不機嫌そうにしながらも彼に尋ねる。

 

「ねぇ……アンタって本当に何者なわけ? 絶対普通じゃないでしょ」

 

その言葉を聞いた将人の表情が一瞬強張ったように見えたが、すぐにいつも通りの飄々とした顔に戻る。しかし、僅かに動揺したのは間違いないだろう。その証拠に、口元が少し引き攣っているようにも見える。

 

「…どうして、そう思う?」

「だっておかしいでしょ。今朝、返された小テストは満点、さっきの水泳競争でも男子で断トツ1位。それに、あの腕っ節の強さ……絶対に只者じゃない」

「へぇ〜…澪ちゃんは、俺の事をじっくり観察してたんだ」

 

ニヤニヤしながら返答する彼を他所に、伊吹は言葉を続ける。

 

「茶化さないで。真面目に答えてよ……それとも何、私には言えないわけ?」

「いや、そういう訳じゃないんだけどね……」

「……じゃあ何よ」

 

問い詰めるような口調と鋭い目つきを向ける彼女に観念したのか、将人は大きく息を吐き出すと静かに語り始めた。その表情からは先程までのふざけた雰囲気が消えており、真剣さが窺える。

 

「はぁ……日本有数の旧家であり、総資産270兆円、財閥の1つと称される『北条グループ』の本家本流の次男坊…それが俺。俺の能力は、物心つく前から施されてきた教育の賜物ってわけ。様々な分野の知識を詰め込まれ、一流の教育係たちによって鍛えられてきたんだよ」

「……嘘でしょ」

「はは、コレがマジなのよ」

 

驚きのあまり言葉を失う伊吹だったが、無理もないことだろう。目の前にいる同級生の男には、想像以上の背景があったのだから。一方で、将人は笑いながら言葉を続けた。

 

「ま、俺は今やこんな感じの放蕩息子だし、兄貴も優秀で跡取り確定だから、そこそこ自由にやらせてもらってるけどねー」

 

ヘラっと笑う彼を見て、思わず毒気を抜かれてしまう。同時に、この男の底知れなさを感じ取っていた。

 

(こいつ……なんでCクラス配属なの?)

 

心の中で呟く伊吹だが、当の本人はそれを知ってか知らずか呑気に笑っている。そんな彼の様子を見ていると何だか馬鹿らしく思えてきて、これ以上追求しても無駄だと思い諦めたのだった。

 

 

 

そんな2人を遠目に聞き耳を立てていた椎名はその後も暫くの間、彼らの仲良く過ごす様子を羨ましそうに見つめていた。

 

(……北条くんがどこの誰であろうと、私ももっと仲良くなりたいです)

 

そう思いながらも、どうすれば良いのかが分からない椎名であった。

 





ようやく、データベース公開できる……。


高度育成高等学校データベース
氏名:北条将人
学籍番号:xxxxxxxxxxxx
部活:無所属
誕生日:12月24日

学力:A
知性:A+
判断力:A+
身体能力:A
協調性:B


『面接官のコメント』
学力、知性、判断力、身体能力、が特に突出しており、協調性においても学校生活において何の問題も無いレベル。総合力は歴代生徒の中でも非常に高く、Aクラス配属が妥当であると判断するが、面接での軽薄な態度といい加減な受け答えに加え、中学時代に度重なる深夜外出が原因で補導歴がついてしまっている事から、社会的道徳性に大きな懸念があると判断、Cクラスへの配属で様子を見るとする。

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