魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(話が中々進まないので)初投稿です。



Record2 DAY.4~DAY.5

 

 

 

 

 

 

 仲間を集める実況、はーじまーるよー。

 

 

 

 

 

 

 

 前回はやちよさんに協力を一瞬で断られたところでしたね。今回はその続きから。

 

 

 

 では、さっそく説得していきましょう。

 

 にしても、何でこんなすぐ断られたんでしょう。

 好感度によってはこうなることもあるのですが、ユリちゃんの好感度では無碍にされないことがほとんどでしたので。

 それに、会うこと自体は割とあっさりオーケーしてくれたので、好感度が低いわけではないんでしょうが……。

 

 とにかく、やちよさんを引き留めましょう。

 

 ちょちょちょっと待ってください! 待って! お願いします!

 

「無理な相談ね。どんな事情か知らないけど、私はあなたに手を貸すつもりはないから」

 

 そんなこと言わないでさ~、頼むよ~。

 

「諦めてちょうだい。そんなに助けがいるなら、ももことか鶴乃がいるでしょ? 悪いけど、そっちを頼ってくれる?」

 

 ……ダメみたいですね。(諦念)

 仕方ありません。やちよさんが完全にツンツンモードに入ってしまったので、ここはやちよさんの良心に揺さぶりをかけましょう。

 

 実は、このままだと数千人が死ぬんですよ。

 

「……どういうこと?」

 

 お、食いついた。やっぱ優しさが捨てきれてないですね。ここで押し込みましょう。

 

 今から約1ヶ月後に、見滝原にワルプルギスの夜がやってくるらしいゾ。でも、自分たちだけじゃどうしようもないから、助けてほしいゾ。

 

「待って。1ヶ月後? どうやってそんな情報を……」

 

 ここにいるほむらちゃんが教えてくれたゾ。ほむらちゃん、時間遡行者なんだって。

 

「え? 時間遡行? ちょっと待って、頭が追いつかないんだけど」

 

 しょうがねえなぁ。(悟空)

 ようは、かくかくしかじか、ということだゾ。

 

「……つまり、その子は未来から来た魔法少女で、ワルプルギスの夜に見滝原を滅ぼされる未来を変えるために、何度も時間をやり直しているってこと?」

 

 そうだよ。(便乗)

 

「……はあ、頭が痛くなってきた。そもそも、その子の話、本当なの? いくら、魔法少女が奇跡を起こす存在だとしても、口では何とでも言えるわよ」

 

 そのために、自分でも確かめたし、ここにはそれを証明するのにピッタリの魔法少女がいるじゃないですか。

 

「ああ、そういうこと。だから、待ち合わせ場所が調整屋だったのね」

 

 理解が早くて助かるゾ。

 

「というわけで、みたま。どうなの?」

「う~ん……、本当は言っちゃいけないんだけど……。ほむらちゃん、どうかしらぁ?」

「確か、ソウルジェムに触れるとその人の記憶が見えてしまうのよね?」

「ええ。もちろん、そこで見たことは誰にも言わないし、悪用もしないわぁ。調整屋は信頼が第一だから」

「そう。なら構わないわ。もう見られてしまったのなら、隠したところで特にメリットもない」

「ありがとう、ほむらちゃん。それなら言わせてもらうけど、凜ちゃんの言ってることは本当よ、やちよさん。彼女は何度も時間をやり直している」

「……そう。みたまが言うなら、そうなんでしょうね」

 

 信用、ヨシ!(現場猫)

 

 ということで、これが調整屋に来たもう一つの理由です。

 なにせ、どう頑張っても、ほむらちゃんが時間遡行をした証拠というのは存在しません。そのため、信頼を勝ち取るのは難しいのですが、そこで調整の出番です。

 調整はソウルジェムに触れることで、その人の記憶を垣間見ます。ある意味、読心魔法と似たようなことが出来るんですね。

 それを利用して、今回はみたまさんにほむらちゃんの言葉の裏付けをしてもらいました。普段なら喋ってくれませんが、今回は事態が事態ですからね。ほむらちゃんの許可も取れたので、みたまさんも喋ってくれました。

 

「まあ、それを証明されたとしても、私が手伝う理由にはならないわ」

 

 

 

 

 

 

 

 は?(猫ミーム)

 

 ふざけんじゃねえよお前!

 

「ふざけてなんかないわ。なんで仲間でもないあなたのために戦わなくちゃいけないのよ。それに、他の魔法少女の縄張りで活動なんて、争いの火種になるだけよ」

 

 確かに。(手のひら返し)

 

「分かったら、帰ってちょうだい。協力者なら他を当たることね」

 

 うーん、頑なですねぇ。なんでこんなに……。

 

 

 

 

 

 

 ……あ。

 

 もしかしたら、こっちの選択肢が正解かもしれません。ちょっとやってみましょう。

 

(態度が)硬くなってんぜ? みふゆさん殺したことが、やっぱショックだったんすねぇ。

 

「っ!? あなた、なんでそのことを……! ……それも、暁美さんから?」

 

 そうだよ。(適当)

 

「……でも、みふゆのことは関係ないわ」

 

 ウソつけ、絶対関係あるゾ。

 多分、やちよさんなりの心配だと思うんですけど……。(名推理)

 

「そんなわけないでしょ。あなたのことなんて……」

 

 だとしたら、そもそも会うこと自体しないはずだゾ。

 こんなに突き放してくるのに、会うことはしてくれるってことは、ユリちゃんの様子を気にかけてくれたって、ハッキリ分かんだね。

 

「……」

 

 別に仲間じゃなくてもいいゾ。こっちとしては戦力が一人でも欲しいだけだし、元々死ぬ可能性のほうが高い戦いだからね。

 

「……はぁ。分かったわよ。協力者にはなってあげる」

 

 ありがとナス!

 

 

 

 やっと折れてくれた……。チカレタ……。(小声)

 

 

 

 えー、どういうことか説明しますと、どうやらやちよさん、ユリちゃんのことがただ好きなだけではなく、庇護対象としての側面が強い後輩として見ていたみたいです。

 

 何があったかは知りませんが、庇護対象として見られていると、今のやちよさんは特に自分から遠ざけようとする行動を取りやすくなります。

 この時期のやちよさんは、自分の固有魔法を『仲間を犠牲にして、リーダーとして生き残る』魔法だと信じ切っています。つまり、自分の魔法で仲間を死なせてしまうと思っている訳ですね。

 そのため、凜ちゃんが庇護対象だと、自分の固有魔法で死なせたくないから、何としても遠ざけようとします。

 だから、ユリちゃんが困っていると言っても、応じてくれなかったんです。自分が近づくことで死ぬ可能性があるなら、例え嫌われても生きてほしいと思うからですね。

 

 なので、自身とユリちゃんが死ぬ可能性を餌に釣りました。

 今のやちよさんは心が荒みきっています。それこそ、死を選ぶことを考えるくらいには。なにせ、大切な親友を手にかけたので。

 そこで、ワルプルギスの夜との戦いで死ぬ可能性をチラつかせることで、後輩を助けて死ねる、という考えをよぎらせることが可能です。

 もう今のやちよさんには生きる気力があまりないので、こうすることでやちよさんは逆に話に乗ってきてくれます。

 それに、どんなに心が荒んでいても、やちよさんは優しい人です。先ほど言った通り、突き放す選択するくせに、ユリちゃんが元気かを確認するために会ってくれるくらいですから。なので、ユリちゃんが死ぬ可能性が高いことを伝えれば、やちよさんは見て見ぬ振りを出来なくなります。

 つまり、やちよさんの人の良さに付け込んだ、合理的作戦というわけです。

 

 

 人の心とかないんか?

 

 

 

「とりあえず、大学とか仕事の調整があるから、来週そっちに行くわ。それまでに、そっちの魔法少女の許可は取っておいてよ」

 

 かしこまり!

 

 あとは、細かいことを簡単に決めたら、やちよさんとは一度お別れです。

 

 やちよさん、今日はありがとナス! これからよろしくナス!

 

「……ええ、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、やちよさんが帰ったら、ユリちゃんたちも動きましょう。

 

 次に向かうは万々歳。鶴乃ちゃんの勧誘です。

 

 というわけで、みたまさんもありがとナス! 今後も何度か利用すると思うから、よろしくナス!

 

「ええ。待ってるわぁ」

 

 じゃあ俺、ギャラ貰って帰るから……。

 

「あ、ほむらちゃん、ちょっと……」

「? 何かしら?」

「……いいえ。何でもないわ」

「……? そう」

 

 はい、今一瞬、みたまさんの意味深な発言が挟まりましたね。

 

 今のが何だったのかは後々解説しますが、簡単に説明すればまばゆちゃんを仲間にするフラグの一つです。これが後々、まばゆちゃんを勧誘するのに役立ってきます。

 

 

 

 

 

 さて、そんなことは置いておいて、さっそく万々歳に向かいましょう。

 

「万々歳?」

 

 ユリちゃんの師匠の実家兼お店だゾ。メッチャいい人だから、緊張すんなよ~。

 

「別に緊張はしてないけど……。まあ、あなたが言うのなら、いい人なんでしょうね」

 

 

 

 

 さて、ほむらちゃんと万々歳に行くまで特に何もないので、倍速。

 

 この間に、先ほどのやちよさんの固有魔法について説明でもしましょうかね。

 

 先ほど言った通り、やちよさんは自分の固有魔法を『仲間を犠牲にして、リーダーとして生き残る』魔法だと思っています。

 

 が、実際は『魔法少女の希望を受け継ぐ』魔法です。

 これは、仲間が死ぬ度に、その仲間の希望がやちよさんのソウルジェムに受け継がれるものとなっております。

 通常、魔法少女は年齢を重ねれば重ねるほど弱くなっていきますが、やちよさんはこの固有魔法によって、弱体化どころか強化されています。

 

 その性質はこのゲームでも健在で、彼女の仲間の魔法少女が死ぬ度に、やちよさんのステータスはどんどん上昇していきます。

 そのため、今の時点で、かなえさん、メルちゃん、みふゆさんの三人が亡くなっているので、三人分の強化がされています。

 二人の時点で、マギレコ本編並の強さなのに、今は三人なので、現代の魔法少女でやちよさんに勝てる魔法少女は存在しなくなりました。

 元々原作の時点で、多勢に無勢の中、ウワサで強化されたマミさんに勝っているので、アホほど強いんですけどね。ここまで来ると、ワルプルギスの夜以外に負けはしません。

 

 

 

 ただ、この固有魔法が強いかと言われると、否定せざるを得ません。というか、ぶっちゃけ産廃です。

 というのも、この魔法は魔法少女から希望を受け継ぐことで発動するものです。誰が死んでも勝手に発動するものではありません。そのため、仲間を駒くらいにしか思ってないヤツが持っていても、発動しないんです。

 なぜなら、周りが希望を託してくれないから。

 そのため、この魔法を使うには、仲間思いで仲間からも慕われるような子じゃないと使えません。しかし、そのような子は仲間の死にとてもショックを受けるので、仲間が次々と死ねば、本人も絶望して魔女になってしまいます。

 

 なので、魔法による強化がいくら強くても、その強化した力を振るう前に死んでしまうことが多いんです。あまりにも産廃すぎる……。こんなんじゃ商品になんないよ……。

 

 

 

 とまあ、やちよさんぐらいメンタルがタフじゃないと絶対に使いこなせない魔法なんです。マミさん程度では話にもなりません。タフって言葉は、七海やちよの為にある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、そんなことを言っている間に、万々歳に到着です。

 では、さっそく入店しましょう。

 

 お、開いてんじゃ~ん。

 

「いらっしゃ……、って、凜!?」

 

 鶴乃ちゃん、オッスオッス。

 

「え、引っ越したんじゃないの!? どうしてここに!? というか、後ろの子、誰!?」

 

 質問が多い、多くない?

 順々に話すから、とりあえず座っていい?

 

「あ、ごめん。嬉しくって、つい……。それじゃあ、二名様ご案内~!」

 

 さて、席にも座れて注文もしたことで、さっそく鶴乃ちゃんと会話をしましょう。

 

「それじゃ、まずは凜の隣の子について教えてくれる?」

 

 暁美ほむらちゃんだゾ。見滝原で出来た友達。

 

「え? 私、もう友達扱いなの?」

 

 こうやって一緒に行動してるんだから、当たり前だよなぁ? 逆にほむらちゃんは友達じゃないと思ってたんですか?

 

「いや、そういうわけじゃ……。……そうね。友達ね」

「そうか~。凜にもちゃんと友達が出来たようで良かった。私も嬉しいよ!」

「それで、あなたは?」

「私? 私は由比鶴乃! この万々歳の看板娘にして最強魔法少女だよ! よろしくね、ほむらちゃん!」

 

 ビシッと決めポーズを決める鶴乃ちゃん。はえー、可愛い。

 

「よ、よろしく……。というか、最強魔法少女って……」

 

 お、そうだな。ユリちゃんの師匠だゾ。

 

「うん! 一年くらいだけどね。一緒に組んで魔女退治したり、特訓してたりしてたんだ」

 

 鶴乃ちゃんがユリちゃんとの思い出を語っていますね。

 まあ分かっていましたが、やっぱり鶴乃ちゃんに師事していたっぽいですね。これなら、序盤のステータスの高さも納得です。

 

 さて、それじゃあそろそろ、ワルプルギスの夜討伐に協力してもらうために……。

 

 

 

 

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 

 

 

 おかしいですね。鶴乃ちゃんを仲間に誘う選択肢が出てきません。

 鶴乃ちゃんとの好感度なら、間違いなく選択肢に出てくると思うんですけどね。情報が足りない訳でも無いですし。

 

 

 

 

 

 

 ……考えられる可能性としては、ユリちゃんと鶴乃ちゃんとの間に、何かのフラグが足りないか、もしくは立っているフラグを解決していないためイベントを進められないかのどちらかですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ハァ~~~~。(クソデカため息)

 

 あ ほ く さ。

 

 

 こんなところでガバるとかさぁ……。

 まあ、この周でもワルプルギスの夜には勝てないので、最悪鶴乃ちゃんがいなくても何とかなりますが、次の周はそうもいきませんし……。

 とりあえず、原因を探りながら進めるしかありませんね。もし原因がユリちゃんだった場合、ユリちゃんがいくら行動しても、根本的な解決にはならないので、協力者が必要になってきます。

 そこら辺も考えつつ、進めるしかありません。一応、リカバリー案は思いついたので、それをやってみましょうかね。

 

 にしても、せっかく1周目はガバとか無かったのに……。どうしてくれんの、これ?

 

 

 

 

 

 

 結局、鶴乃ちゃんとは楽しくお話しただけで終わりました。(前の周から)何も成長していない……。それしか出来んのかこの猿ぅ!

 

 ほら、ほむらちゃんも疑問に思ってるじゃないですか。

 

「あの人、なんで誘わなかったの? 事情を話せば、七海さんより協力してくれそうな雰囲気だったけど……」

 

 ここ、ユリちゃんがなんて返すか気になりますね。こういう会話にヒントがあることもあるので。

 

 なになに……。

 

 

『師匠はたくさん苦労していて、ギリギリの人だから。頼るわけにはいかない』

 

 

 

 

 

 

 ……スゥ、フゥーーーー。

 

 どうやらリカバリー案で行くことは確定みたいです。

 

 

 

 今の会話、どういうことか説明しますと、簡単に言えばユリちゃんが鶴乃ちゃんの本質に気づいていることを示唆するものです。

 鶴乃ちゃんの本質とは、前にも話したかもしれませんが、明るく元気な由比鶴乃はある種の仮面なんです。鶴乃ちゃん自身、元気な子であることは間違いないのですが、彼女は優しく、そして賢いので、周りが落ち込んでいると自分の心を殺してまで明るく振る舞おうとしてしまいます。

 この二面性には、付き合いの長いやちよさんも全く気づいていませんでした。

 

 ですが、どうやらユリちゃんはその二面性を知っている様子。鶴乃ちゃんから聞かされたのか、それともユリちゃんが自分で気づいたのかは分かりませんが、これで誘えなかった理由もある程度分かりました。

 

 恐らくユリちゃんは、溜め込みやすい鶴乃ちゃんに頼りたくないんだと思います。ユリちゃんは闇の深い過去を抱えてそうですし、そこに生来の優しさが加わって、鶴乃ちゃんを戦いに巻き込む選択肢が取れないようです。

 

 こうなると、ユリちゃんがいくら動いても直接的な解決は不可能です。だって、ユリちゃんが全く頼る気がないので。

 

 そのため、まずはユリちゃんの考えを変えないといけないのですが、さすがに今回の周だけでは時間も人手も足りません。

 なので、この問題は次周まで時間をかけて解決しましょう。

 

 

 では、神浜市での用事も終わったので日付を進めましょう。

 

 次はマミさんの説得です。ま、こっちはすぐ終わりますが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.5

 

 

 

 さて、5日目。今日はマミさんとほむらちゃんの顔合わせです。

 

 マミさんには昨日連絡をしたので、さっそくマミさんの家へ、ゴー。

 

 

 

 

「いらっしゃい、夕凪さん。……後ろの子が、昨日言ってた新しい魔法少女の子?」

 

 そうだよ。(便乗)

 

「暁美ほむらよ。よろしく」

「暁美さんね。私は巴マミ。見滝原を縄張りに活動しているわ。よろしくね」

 

 とりあえず、挨拶はまずまずですね。

 

 それでは、ここからが本番です。

 マミさんお手製のケーキを食べながら、ほむらちゃんの事情を話していきましょう。

 あ、この時、ほむらちゃんには事情を話すことは言わないでおきましょう。こちらが示し合わせていると、ほむらちゃんがなぜか、原作の怪しい転校生ムーヴをかましてマミさんの不信感を煽るだけなので。

 

 あ、そうだ。(唐突)

 マミさん、ほむらちゃんなんだけど、ワルプルギスの夜からこの街の壊滅を防ぐためにやって来た時間遡行者だから、ハイ、ヨロシクゥ!

 

「え? は、え?」

「ちょ、あなたまた……!」

 

 秘密は無いほうがいいって、それ一番言われているから。

 ほむらちゃんも諦めてクレメンス。

 

「はあ……。もうツッコむのも疲れたわよ」

「えっ? 本当なの? 私をからかっている訳じゃなくて?」

 

 だからそう言ってんじゃんアゼルバイジャン。

 

 こんな感じで、マミさんにもほむらちゃんの事情を出来る限り明かしましょう。さすがに、ほむらちゃんの願い事とかもバラすと好感度が下がりますが、ワルプルギスの夜やループのことなら大丈夫です。

 

 すると……。

 

「……まあ、とりあえず事情は分かったわ。色々と気になることはあるけれど、一緒に戦ってくれる仲間が増えるのは大歓迎よ。これからよろしくね、暁美さん」

「……ええ、よろしく」

 

 と、こんな感じでとりあえずの仲は取り持つことが出来ます。

 よかったね、ほむらちゃん!

 

 

 

 

 

 

 なにはともあれ、これでマミさんとも共同戦線を張れるようになったので、明日からはマミさんも魔女退治に加わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.4 Side YN

 

 

 

 

「久しぶりですね、やちよ先輩」

「……ええ、久しぶり」

 

 その日、久しぶりに会った凜は、以前より少し成長していて、でも以前と変わらぬ声で私の名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凜と出会った日のことは、よく覚えている。

 

 メルがチームに慣れてきた頃、私たちはいつも通りパトロールをしていた。

 

 その時に見つけた魔女の結界。その中では、一人の魔法少女が苦戦していた。

 契約して日が浅いのか、動きに無駄が多い彼女を見て、私たちは援護に入った。

 

 

 

 

 私たちが加わってから、魔女は比較的簡単に倒せた。

 グリーフシードに余裕はあったから、最初に戦っていた子に譲り、その場を去ろうとしたときだった。

 

「あ、あの! 私もチームに加えてくれませんか!」

 

 助けた子がそう言ってきたのだ。

 

「わ、私、夕凪凜っていいます。つい一昨日契約したばっかりで、右も左も分からないんです。だから、先輩たちと一緒に戦わせてほしいんです!」

 

 私たちは話し合って、彼女を仲間に加えることにした。

 

「それじゃあ、これからよろしくね、夕凪さん」

「はい! よろしくお願いします、やちよ先輩!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 凜は、チームにすぐに馴染んでいた。

 

 鶴乃は、自分に出来た後輩に自身の武勇伝を語り、凜もそれに素直に驚いていた。若干ツッコミ不在の会話のようだったが、二人はとても楽しそうだった。

 

 ももこは、凜を連れ出して一緒に遊んでいた。面倒見のいい彼女らしくて、凜もかなり信頼していたと思う。

 

 メルは同年代ということもあって、よく話していた。彼女の占いを、凜はとても楽しそうに見ていた。

 

 みふゆには、魔法少女の活動など、色々と相談をしていたようだった。柔らかい雰囲気の彼女に、凜も懐いていた。

 

 私にも、それなりには懐いてくれていた……、と思う。私が家事をしていると、よく手伝ってくれた。一緒に夕飯を作った回数は、間違いなくみふゆより多い。

 

 

 

 魔女退治も、すぐに上達していった。彼女は筋が良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな日々が1ヶ月続いた頃だった。

 

 凜がみかづき荘に来る頻度が減ったのだ。それまではほぼ毎日のように来ていたから、何があったのか心配になって、私は凜に尋ねた。

 

「凜、何かあった? 最近、みかづき荘に来てないけど……」

 

 その問いに、凜は苦笑いで答えた。

 

「あ、ああー……。いや、ちょっと家が忙しくなっちゃって。それの関係で、しばらくみかづき荘に行ける頻度が減るかもです」

 

 その時はそれで終わった。

 けれど、今思えば、なんであそこで引き留めなかったのかと思う。凜の態度に違和感を感じていたのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時は急にやって来た。

 

 あの会話から、さらに1ヶ月後のこと。凜が来る頻度はさらに減り、もう二週間もみかづき荘に来ていなかった。

 さすがにおかしいとなり、チーム全員がみかづき荘に集まっていた。

 

「で、鶴乃。どうだった?」

 

 私の問いに、鶴乃は首を横に振る。

 

「ううん、ダメだった。家に行っても、お父さんが出てくるだけで、忙しいからって言われて会えなかったよ。ほとんど門前払い」

「それってなんか怪しくないか?」

「ボクもそう思うです。忙しいからって、娘の友達をそんなに雑に対応するですか?」

「ワタシもそう思います。それに、凜さんが顔を出さないのも気になります」

「気になるわね……。ただ、どう動くべきか……」

 

 私たちはいくつものアイディアを出して、何とか凜に会えるように作戦を立てていた。

 

 

 その話し合いも一段落し、休憩としてお茶を飲みながらテレビを付けたときだ。

 

『続いてのニュースです。

 娘に虐待をしていたとして、両親が逮捕されました。

 

 昨夜8時ごろ、神浜市新西区の住宅街で騒ぎ声がすると警察に通報が入りました。警察官が駆けつけると、14歳の娘に刃物を向ける夕凪司容疑者と、その妻の鈴容疑者を発見。二人はその場で、殺人未遂の容疑で逮捕されました。

 暴行を受けていた司容疑者の娘には、いくつもの怪我があり、その中には古いものもあり、日常的に虐待が行われていた可能性があるとして、警察は捜査を続けています』

 

 

 

 そのニュースを聞いたとき、私は時が止まる感覚を味わった。

 

(今、夕凪って言った?)

 

 まさかとは思ったが、直後、鶴乃が口を開く。

 

「さっきの映像、凜の家、だよ……」

 

 その言葉で、全員が確信に至る。

 

(凜が最近来なかった理由って……)

 

 私は指が白くなるほど強く、拳を握りしめていた。

 

 

 

 

 

 

 その後、警察に保護された凜に会いに行った私たちだったが、当然の如く会わせてもらえなかった。

 当然といえば当然だ。私たちは、彼女の親族ではない。仲が良いと言っても、端から見れば、私たちはただの先輩で、友達でしかない。そんな間柄の人たちに、事件の被害者を会わせられないのは当然だろう。

 

 

 結局、私たちが凜に再び会えたのは、事件のニュースを見てから三日後のことだった。

 

 

 

 

 

 

 その日、久しぶりに会った凜は、以前とは別人と思えるほど、やつれていた。

 

「あ、あはは……。お久しぶり、です……」

 

 愛想笑いを浮かべる凜だったけど、私たちの雰囲気に、自分の事情が知られているのはすぐに気づいたようだった。

 

「皆さん、ニュースは見て……、ますよね」

 

 どう説明しようかな、なんて頬を掻く凜に近づき、私は凜を抱きしめた。

 

「えっ? や、やちよ先輩?」

「ごめんなさい」

「はえ?」

「もっと私が、早く気づいてたら、あなたにこんな辛い思いはさせなかった。もっと早く手を伸ばしていたら、こんなことには……」

 

 私は凜を強く抱きしめながら言う。

 

「ごめんね、凜」

 

 しかし、私の言葉に、凜は訳が分からないといった顔で言った。

 

「えっと……、なんで先輩が謝るんです?」

「だって、あなたが虐待されてたのに、私たちはなにも……」

「あれは、私がされて当然のことなんです。私がいたから、お父さんもお母さんもおかしくなったんです。だから、二人が逮捕されたのだって、元を辿れば私のせいですから」

「あなた、何を言って……」

「それに、やちよ先輩たちは何も悪くありませんよ。だって私、先輩たちに何も言わなかったじゃないですか。それで気づくほうが難しいですよ。だから、先輩たちが謝ることは何もありません。これも、心配をかけた私のほうが悪いんです」

「凜……」

 

 このとき、私は一瞬、凜を怖いと思ってしまった。降りかかった不幸の原因は、相手を不快にさせた原因は、当然のように自分だと言えてしまう凜の心の闇を、私は初めて垣間見た。

 

 

「そうだ。私、謝りにきたんです。もしかしたら気にしてなかったかもですけど、無断でずっと休んですみませんでした。これからは、前と同じように魔女退治頑張りますから」

 

 そう言う凜の瞳は不安に揺れていて、この状況でも、彼女が恐れていることは私たちの機嫌を損ねることのようだった。

 

 その顔で、私は耐えられなかった。

 私は彼女の言葉をかき消すように、それでも彼女を怯えさせない範囲の声で、私は彼女の言葉を否定した。安心できるように、彼女の背をさすりながら。

 

「いいのよ、もう。頑張らなくて」

「え、でも……」

「今のあなたに、頑張ることを強制する人はここにはいない。辛かったら辛いって言っていいの。寂しかったら寂しいって言っていいの。あなたが弱さを見せたって、私たちはあなたに失望することなんてない。大丈夫、ここはあなたが寄りかかってもいい場所だから」

「でも、だって……」

 

 それでも、私たちの手を取ろうとしない凜。それほどまで植え付けられた自己肯定感は低いのだろう。

 そんな凜に声をかけたのは、みふゆだった。

 

「凜さん。あなたは周りの期待に応えようとしてたんですよね? 一緒にいたときのあの必死さは、期待に応えないといけないと思ってのことだったんじゃないですか?」

「……はい。だって、そうじゃないと私の価値は……」

「凜さん。ワタシたちはそんなことであなたの価値を決めようなんて思っていません。ここでの暮らしで見せてくれた、あなた自身が好きだから一緒にいたいって思ったんです。それとも、あの生活も全部、ウソだったんですか?」

「それは違います! 先輩たちとの生活は全部楽しくて……」

「分かってますよ。そうじゃなきゃ、毎日来ませんもの。私たちはそんなあなたを見て、好きになったんです。ですから、役に立つとかは関係ありません。強いて言うなら、あなたがいてくれること自体に価値があるんです」

「みふゆ先輩……」

「みふゆの言うとおりだよ!」

 

 みふゆに続いたのは、鶴乃だった。

 

「私たちの前でまで、頑張らなくていいんだよ! ほら、ずっと元気でいるって疲れちゃうでしょ?」

「あなたが言うと説得力ないわね……」

「もー! 師匠、今いいところんなんだから、邪魔しないでよー!」

 

 頬を膨らませる鶴乃だったが、すぐに話を元に戻す。

 

「えっとね、つまり何が言いたいかっていうと、私たちはまた一緒に凜と過ごしたいなって話」

 

 鶴乃の言葉に、ももことメルも頷く。

 

 

 

 

 

 それが、限界だったのだろう。

 

「あ、あれ?」

 

 ポロポロと涙をこぼし始めた凜。その涙はすぐに滝のように、止めどなく溢れた。

 

 私はその姿に、ちょっと不謹慎だけど、安心してしまった。

 

(ああ、やっと泣いてくれた)

 

 感情を殺すことが当たり前のようになってしまっていた凜に、温もりが戻ってきた気がして、私は凜を抱きしめながら、優しく、そして何度も頭を撫でた。

 

「よしよし。もう大丈夫よ。あなたはここにいていいからね」

「うううう……! グスッ、あああああああ……!」

 

 

 感情が決壊したかのように泣く凜。私たちは彼女が泣き止むまでずっと側にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 それからは、凜はみかづき荘に住むことになった。

 親戚の人が凜を引き取ったのだが、凜自身がこちらに住みたいと言ってきたのだ。

 その親戚の人の許可も得られたので、凜はみかづき荘久しぶりの住人となった。

 

 そこでの日々は本当に楽しかった。

 凜が加わったことで、私たちも少し変化があったと思う。

 

 特にメルは、同年代の友達が出来たからか、前より明るくなった。前ほど、学校に行きたくないと言うことが少なくなった。凜は確実に、メルの居場所になっていたと思う。

 

 そんな光景を見て、ああ、ずっとこれが続けばいいのに、って思ったことはよく覚えている。

 仲間の女の子が実は虐待を受けていて、その子との生活を重ねるうちに、その子も楽しい日々が送れるようになった。映画だったら、ここでエンドロールが流れてハッピーエンドだろう。

 

 

 

 

 でも、現実はそれで終わらせてはくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「凜! メルの怪我は任せたわ! ももことみふゆはメルと凜を守って!」

「待ってくれ、やちよさん! 魔女は!?」

「魔女は私が引きつけるわ!」

「無茶です! いくらやっちゃんでも危険すぎます!」

 

 私たちは別の縄張りからやって来た魔女に追い詰められてしまった。

 

 この中で、唯一の後衛であるメルが狙われ、それを庇った凜もろとも負傷。とりあえず、回復の魔法が使える凜にメルの治療を任せ、その後に凜自身の治療をする。それが終われば、撤退だ。

 今のままだと、泥沼の戦いになって、こちらに死者が出かねない。

 

 私は凜の回復が終わるまで、何とか時間を稼がなければいけなかった。

 

 

 

 だが。

 

 

 

「七海先輩!」

 

 

 

 一瞬の油断だった。

 

 魔女の死角からの一撃に気づくのが遅れた私は、ガードも間に合わず、魔女の攻撃を受ける。

 

 

 

 

 はずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メル! メル、しっかりして!」

 

 私はメルに必死に呼びかけていた。私のことを魔女の攻撃から庇ったのだ。傷が治ったばかりだったのに、私と魔女の攻撃に無理やり割り込んだのだ。

 

「何がラッキーデイよ……! 最悪じゃない……!」

「ラッキーデイ、ですよ……。尊敬する先輩を守れたんですから……」

 

 そう言って弱々しく笑うメルは、私の手を掴む。

 

「それと、七海先輩……。凜のこと、お願いする、です……」

 

 

 

 

 その言葉と同時に、メルのソウルジェムはグリーフシードへと変わり、メルは魔女へとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それ、どういうことですか……?」

「どうもこうも、言った通りよ。チームは解散。もう一緒に戦うつもりはないわ」

 

 凜の問いに、私は努めて冷たい声で答える。

 

 メルの死からしばらく経った頃。

 みふゆはみかづき荘に来なくなり、チームの空気も以前より暗いものだった。そこで、私は前々から考えていた、チームの解散を発表した。

 

「ちょっと待てよ、やちよさん! そんないきなり……。せめて理由を説明してくれ!」

「嫌よ。もう仲間でもない人たちに話すことなんてないわ」

「なんだよ、それ! つい昨日まで一緒に戦ってたじゃないか!」

「飲み込みが悪いわね、ももこ。じゃあ言ってあげましょうか? あなたたちは足手まといなのよ。あの魔女だって一人で戦っていたら勝てていたわ。あなたたちを庇ったから、逃げられたのよ」

「……それ、本気で言ってんのか?」

「ええ」

「っ!!」

 

 ももこに思い切り殴られる。平手じゃない、拳の本気のヤツ。

 

「もういい。あんたには失望した」

「も、ももこ!」

 

 呼び止める鶴乃の声を無視して、ももこはみかづき荘を出ていった。

 

 その背をボーッと見ていると、凜が遠慮がちに、……いや、何かに怯えるように口を開いた。

 

「あの、私も、足手まとい、ですよね?」

「……ええ。そうね」

「……っ。……分かりました。今まで迷惑かけてごめんなさい。荷物はすぐ片付けますから……」

 

 あの時と同じ。感情を殺した笑顔で、凜は自室へと向かった。

 

「……やちよ、凜に何言ったか分かってる?」

「承知の上よ」

「そっか……」

 

 鶴乃はどこか諦めたような、それでいて悲しそうな顔で玄関に向かう。

 

「また、来るから」

 

 そう言って、鶴乃は玄関から出て行った。

 

 後を追うように、凜も荷物を持って、玄関から出ていった。

 

「ごめんなさい」

 

 そう、一言残して。

 

 

 

 

 

 

 -仕方なかった。

 -ああするしかなかった。

 

 私の心は、そんな自己弁護の言い訳でいっぱいだった。

 

(だって仕方ないじゃない。私といると、私の魔法が皆を殺してしまう)

 

 メルの件で気づいたことがある。

 

 それは、私の固有魔法だ。

 今まで、私の固有魔法は良く分かっていなかった。だが、かなえ、メルと続けば、嫌でも分かる。

 固有魔法は魔法少女になったときの願いに左右される。そして、私の願い事は『リーダーとして生き残りたい』だ。

 となれば、考えられる可能性は一つ。私の魔法は『他者を犠牲にして、リーダーである自分が助かる』魔法だ。

 

 

 

 

 

 皆と離れるのはもちろん嫌だ。

 それでも、私はチームのリーダーとして、あの子たちを守る義務がある。私が近くにいることが、あの子たちの危険に繋がるなら、私は喜んであの子たちから離れる。

 

 それに、私がいなくても、もうあの子たちはやっていけるだけの実力はついている。

 ももこは、元々リーダー気質だし、面倒見もいいから、きっとすぐに新しいチームを作れるだろう。

 鶴乃も、底なしの明るさと元気がある。今は落ち込んでも、きっとすぐに立ち直って、またいつもの鶴乃に戻るだろう。

 

 

 

 唯一の心残りは、凜だ。あの子は明るくなったとはいえ、まだ不安定なところがあった。このことがショックで、穢れを溜め込まなければいいのだが。

 

 本当はあんな強い言い方はしたくなかった。でも、私が真実を話したところで、あの子たちは一緒にいると言ってしまうだろう。

 それくらい、あの子たちは優しいから。でも、この問題はその優しさで解決できるものではない。

 だから、突き放す必要があった。特に凜は、私の犠牲になると聞いても、それなら本望です、なんて言いかねない危うさがあった。

 

 せっかく虐待から解放されたのに、私のために死なせるのは、私自身が一番許せなかった。

 

 だから、あそこまで強く突き放したのだ。もう二度と関わりたくないと思われても構わない。

 それでも、あの子には生きてほしかった。世界にはきっと、あの子の居場所があるはずだから。

 

 

 

 

 

「ごめんなさい……。みんな……」

 

 そんな権利なんて無いと分かっていても、私は溢れる涙を止められなかった。漏れる嗚咽がいやに響くのが、皆がいなくなったことを突きつけられているようで、余計悲しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからの凜については、鶴乃と組んでいると、ももこや鶴乃自身から聞いていた。あの子も何とかやっていけているようだ、と安心したことを覚えている。

 鶴乃なら、あの明るさで凜を照らしてくれるだろうし、良い組み合わせだと、自分で突き放しておきながら、図々しく考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、久しぶりに会った凜は、少しだけ身長が伸びていて、雰囲気もちょっと違った。

 

「やちよ先輩、協力してほしいことがあるんです」

「そう。なら悪いけど、断らせてもらうわ」

 

 久しぶりの連絡で、会いたいと言われ、なにかと思って来てみれば、そういうことか。

 私はすぐに断って帰ることにした。あの子が元気にやっているのは確認できた。なら、ここに留まる理由はもうない。

 

 だが、凜は食い下がってきた。

 

「待ってください、やちよ先輩。少しでも、話を聞いてくれませんか?」

「無理な相談ね。どんな事情か知らないけど、私はあなたに手を貸すつもりはないから」

 

 私は諦めてほしくて、彼女の提案を断り続けた。

 問答の中で、彼女が連れてきていた魔法少女、暁美さんが運命を変えるために未来から来た魔法少女だという、衝撃的な事実が分かったが、それでも私の意思は変わらないはずだった。

 

 しかし……。

 

「やちよ先輩。行方不明だったみふゆ先輩、殺したんでしょ? 魔女になったから」

「っ!? あなた、なんでそのことを……! ……それも、暁美さんから?」

「ええ。正確に言うと、ほむらに情報を託した、前の時間軸の私から」

「でも、みふゆのことは関係ないわ」

 

 私は動揺を隠しつつ、冷静に対応しようとした。でも……。

 

「いや、ありますよ。私と会ってくれたことが証拠です。不安になったんですよね? 私が無事にやっているかどうか。もし私が嫌いなら、会うことすらしないはずでしょうし……」

「そんなわけないでしょ。あなたのことなんて……」

「そうやって、また突き放すつもりですか?」

 

 彼女は、カツカツと私に近寄り、顔が触れてしまいそうな距離まで迫ってくる。

 

「ちょ……」

「やちよ先輩、なんかヤケになってません? 自分はもう嫌われていいとか……」

 

 彼女は顔をグッと近づけ、縮んだ身長差で私に耳打ちをする。

 

「もう死んでもいい、とか思ってますよね」

「っ!?」

 

 図星だった。

 

「その死に場所、私たちが提供できますよ。ワルプルギスの夜との戦いは死ぬ確率がかなり高い戦いです。私たち二人だと、確実に死にます。終わるには持ってこいの戦場でしょ?」

 

 そう言って笑う彼女の笑顔は、少し不気味だった。

 

「死にたいなんて、そんなこと……」

 

 考えてない、とは言えなかった。

 凜の言っていることは当たっていた。私自身、疲れてしまった。なんだか、全てがどうでも良くなってきてしまっていた。

 

(だからって、死に場所なんて……)

 

 だが、この時点で私は凜の策にまんまと嵌まっていた。

 

「別にやちよさんが嫌ならこれ以上は言いません。それなら、私の寿命があと1ヶ月になるだけですから」

 

 凜が死ぬ可能性が高いことを聞かされた時点で、私の選択肢は実質一択になっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 結局、私は戦うことをオーケーしてしまった。

 

 私は、凜を見捨てるという選択肢を選べなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 調整屋を出た後、私は大きく息を吐いた。

 知らない仲でもないのに、仕事で知らない人と話すより疲れた気がする。

 

 とはいえ。

 

(あの子をあそこまで追い込んだのは、私だものね)

 

 凜を身勝手な理由で突き放したのは、他ならぬ私自身だ。それが、あの子をあそこまで追い込んだのなら、助けに応じるのが私に課せられた責任だ。

 

 もう二度と仲間にはなれない後輩への、先輩から唯一してあげられることだ。

 

 あの子の心を歪めてしまったことへの、私なりの贖罪だ。

 

 

 

 

 

 ……歪んでいるといえば。

 

 先ほど凜と会った時、私は疑問に思ったことがあった。

 

(あの子……、あんな感じだったかしら?)

 

 確かに私に耳打ちをしてきたときは不気味だと思ったが、彼女の闇の深さと私がしてきた態度を考えれば、納得できる範疇のものだった。

 

 

 

 

 問題はむしろ、暁美さんと話していたときの態度だ。あれはまるで……。

 

「……鶴乃?」

 

 暁美さんと話す凜の態度や仕草は、背中がゾワッとするほど、鶴乃のようだった。

 

 

 

 

 




やちよさんの過去編が大分長くなってしまいました。
多分、こんな長いのはしばらく書かないと思います。チカレタ……。
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