魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(最近クッソ暑いので)初投稿です。



Record2 DAY.19~DAY.25

 

 

 

 

 

 下準備を進める実況、はーじまーるよー。

 

 

 

 

 前回はまばゆちゃんの記憶を戻し、メンタルケアを行ったところでした。

 今回はその続きから。

 

 

 

 

 

 

 DAY.19

 

 

 

 昨日はまばゆちゃんのメンタルケアを行い、無事上手くいきました。その様子は横に倍速で流しておきますね。

 

「あ、おはようございます、凜さん」

 

 お、まばゆちゃん。オッハー!(クソデカボイス)

 

「あ、朝から元気ですね……。その……、昨日はありがとうございました。あんな姿見せちゃって、ちょっと恥ずかしいですが……」

 

 気にすんなって。まばゆちゃんが元気になってくれて嬉しいゾ。

 

「……おはよう」

 

 お、フェリシアちゃん。オハヨー。

 

「おい、凜。今日、ちょっと一緒に来てくれ」

 

 ん? いいけど、どうしたの。

 

「行けばわかる」

 

 ふーん。まあええわ。ついてったる。

 

「ああ」

 

 

 

 ……フェリシアちゃん、こんなに無口なキャラでしたっけ? こんなイベントもあった記憶がありませんね。なにかありましたっけ。

 

 あ、あとまばゆちゃんを他の魔法少女にも紹介しなきゃいけないから、まばゆちゃんは今日もちょっと付き合ってもらうよ。

 

「え、ああ、そうですね。お願いします」

 

 それじゃあ朝食を取ったら、まずはフェリシアちゃんのイベントから片づけましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、フェリシアちゃん? どこに向かってるの。

 

「もう少しだ。そこの路地裏が待ち合わせ場所なんだ」

 

 待ち合わせ?

 

 

 

「お、来たか。迷って来れねーかと思ったぞ」

「んなわけーねだろ、赤いねーちゃん。オレが道に迷うわけないだろ」

 

 

 

 

 

 ファッ!? 杏子ちゃん!?

 

 

「あー……、よお。あんとき以来だな」

 

 なんで杏子ちゃんが!?

 

「まぁ、なんだ。あんときは悪かったな。事情も大して知らずに突っかかちまって」

 

 しかも謝った! 一体何が始まるんです!?

 

「昨日、オレが言いに行ったんだ、赤いねーちゃんに。凜はオレのこと助けてくれてるだけで、赤いねーちゃんが言ってたみたいなことはやってねーって。んで、誤解を解いたってワケだ」

 

 

 こマ? フェリシアちゃん、優秀スギィ! 

 

 

 

 それはさておき、このイベントでしたか。すっかり忘れていました。

 これはフェリシアちゃんと杏子ちゃんが知り合うと一定確率で発生するイベントです。

 

 内容としましては、杏子ちゃんがフェリシアちゃんを誘って話す、原作でいうところの、杏子ちゃんとさやかちゃんの教会での会話みたいなものですね。

 あれをフェリシアちゃんとする、というものです。

 

 さやかちゃんとは上手くいきませんでしたが、これをフェリシアちゃんでやるとすごく上手くいくので、フェリシアちゃんを使った攻略をしたい方は絶対起こしたほうがいいイベントです。

 

 とはいえ、これをフェリシアちゃん単独で成功させる確率はそんなに高くないのですが……、やっぱり運ゲーを、最高やな!

 

 

 このイベントをこなしたことで、杏子ちゃんの好感度も普通に戻ったようですね。

 

 ちなみにここまで上手くいくのは、杏子ちゃんとフェリシアちゃんの相性がいいからです。アニメ版マギアレコードで特に描かれていましたが、杏子ちゃんの「自分のために生きる」という精神は、フェリシアちゃんを復讐心から少し解放するキッカケになります。

 そのため、杏子ちゃんとフェリシアちゃんは、一緒にしておけば大体仲良くなります。それこそ、前みたいに険悪になることが稀です。

 

 

「どーだ。オレも役に立つだろ?」

 

 ほんそれ。これって……、勲章ものですよ?

 

 それにしても杏子ちゃんが仲間に加わってくれるとは……。

 今回はダメかと予想していたので、これは嬉しい誤算です。

 

 ま、杏子ちゃんが加わったくらいでワルプルギスの夜に勝てるようになるわけじゃないんですけどね。(ゲス)

 

 

 それでも全く無駄というワケでもありません。杏子ちゃんとフェリシアちゃんの相性が良いことは次周に引き継げる有用な情報ですので、これは有効活用させてもらいましょう。

 

 

 

 じゃあ、まばゆちゃんのことも含め、マミさんに報告しにいきますか。

 

「え、マミのとこ行くのか……?」

 

 ワルプルギスの夜と一緒に戦うことになるんだから、当たり前だよなぁ?

 

「はぁ、気まず……」

 

 まあ、そんなこと言わないで。多分、まばゆちゃんのほうが気まずいから。

 

 ほら、メッチャバツの悪そうな顔してる。

 

 

 とはいえ、紹介しなきゃいけないので、行きますよ~、イクイク。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと、つまり愛生さんと佐倉さんも一緒に戦うことになったってことでいいのかしら? 他のことは何だかよく分からないけれど……」

 

 またしても何も知らない巴マミさん(15)

 

 

 そんなわけだから、よろしくお願いさしすせそ。

 

「私としては一緒に戦ってくれるなら問題ないわ。特に佐倉さん。また一緒に戦えて嬉しいわ」

「勘違いすんな。今回だけだ」

 

 うんうん、息ピッタリだな~。

 

 

 

 

 さて、それじゃあ、まばゆちゃんとフェリシアちゃんにはユリちゃんと一緒に来てもらうゾ。

 

「え? わ、私ですか?」

 

 特訓の約束したでしょ?

 

「あ、あー……。そ、そうだ! 私、これから用事が……」

 

 じゃあ、行こうか。(暗黒微笑)

 

「うぎゃあああ! イヤですーーーーーー!」

 

 暴れんなよ、暴れんなよ……。

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、今日からまばゆちゃんの特訓を行います。

 

 理由は単純。まばゆちゃんを強くするためです。

 通常、時間を巻き戻すと、前の周のキャラがどんなステータスでも、ループ開始日と同じステータスにリセットされます。

 ただし、ほむらちゃんとまばゆちゃんは例外で、記憶を持ち越せるという特性上、ステータスこそ元に戻ってしまいますが、前の周で覚えたスキルや技は記憶扱いで次の周へ持ち越せるんですね。

 そのため、まばゆちゃんに戦いで使えるスキルや固有魔法の強化を指導すれば、次周スタート時に、まばゆちゃんを多少なりとも強くすることができます。

 

 というか、まばゆちゃんのそこら辺を強化している時間が次周にはないので、ここでやっちゃいたいんですよね。

 3周目に突入したら改めて説明しますが、次の時間軸では仲間集めだけでなく、ユリちゃん自身の強化も同時進行で行わなければいけないので。

 

 

 

 

 じゃけん、まばゆちゃんにはここで出来るだけ強くなってもらいましょうね。

 

「そ、それで私は何を……」

 

 何って、それはもちろん実戦あるのみだゾ。

 

「へ?」

 

 というわけで、フェリシアちゃんも交えた模擬戦をひたすら繰り返します。これをやれば、ユリちゃん自身のレベルも上がりますし、一石二鳥です。

 今回のワルプル戦でユリちゃんには「ある事」をやってもらうので、それを成功させる確率を少しでも上げるためのレベリングは必要です。

 

 というわけで、イクゾー!

 

「よっしゃ! 久々に戦いだー!」

「え、ちょ、まっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドカーーーン!!」

 

 はいパリィ。

 

「ぬおっ!?」

 

 そんなんじゃ虫も殺せねえぞお前ら。(余裕の笑み)

 

「クッソー! まだまだ!」

「う、うおりゃー!」

 

 カスが効かねえんだよ。(天下無双)

 

 お返しにマギアをぶち込んでやるぜ!

 

「うぎゃあああ! り、凜さん! もも、もうちょっと手加減……」

 

 手加減ってなんだぁ?(伝説の超サ○ヤ人)

 

「うひいいいい! 暁美さんよりスパルタですーーーー!」

「凜のやつ、思ったよりやるな! おもしれぇ! オレも負けてらんねー!」

「なんでフェリシアさんはそんな少年マンガみたいなセリフ言えるんですか! ぎゃあ!?」

 

 ホラホラホラホラ!

 

(反撃も)いいよ、こいよ!

 

「間合いに入った瞬間、斬りかかってくるくせにー! うぎゃあああ! こ、降参!」

 

(降参なんてさせ)ないです。

 

「ひ、ひえええええ! フェリシアさん、助けてー!」

「うお、ひっついてくんな! 止めろ! 離せコラ!」

 

 最後の一発くれてやるよオラ!

 

「ぎゃああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.22

 

 

 さて、2周目も22日目に突入です。長かったこの時間軸もそろそろ終わりが見えてきました。

 

 今日も今日とて特訓ですが、今日は影の魔女が発生する日ですので、そちらの討伐も行いましょう。

 

 

 

 特訓の様子は特に見せるところもないのでカット。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、特訓をある程度やったら魔女退治に向かいましょう。

 

 場所はほむらちゃんに教えてもらっていますし、まばゆちゃんも知っているので彼女についていきましょう。

 

「こっちです」

 

 ん、おかのした。

 

 ちなみにマミさんやフェリシアちゃん、杏子ちゃんとは別行動です。

 一体の魔女に複数人がかりは非効率ですからね。あの三人には遠征で、他のところのグリーフシードを集めてきてもらいます。

 

 ほむらちゃんはワルプル戦のための武器集めなので不在。つまり、今回はユリちゃんとまばゆちゃんの二人で影の魔女を倒します。

 

 前回はさやかちゃんが戦っているのを見ているだけでしたので、直接戦闘はこの実況では初めてですね。

 前の時間軸で説明しましたが、コイツはそこそこ強いので気は抜かずに頑張りましょう。

 

 とはいえ……、試走で何回も戦ってるし、ま、勝てるやろ。(慢心)

 

 

 では、魔女結界に突入です。お、開いてんじゃ~ん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結界に入ってすぐ、影の魔女の使い魔をある程度蹴散らすと、奥に鎮座する魔女が見えてきました。

 

 この魔女、階層が少ないのが助かりますね。面倒くさい結界探索をしなくていいので。

 

 ま、本体が強いからバランスは取れてるんだけどね。

 

 

 

 さあ、出番やで! まばゆちゃん! あの魔女を一人で倒すんや!

 

「あ、はい。……ええ!?」

 

 ん? どうしました?

 

「どうしたって……、私一人じゃ勝てませんよ!」

 

 でも、今まで特訓してきたやろ? へーキヘーキ。

 

「そうは言っても……。せめて、未来視は……」

 

 ダメに決まってるダルルォ!?

 

「ですよね~……。分かりました。でも、ヤバくなったら助けてくださいよ!」

 

 おう考えてやるよ。

 

「……それじゃあ、いきます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああ! ムリムリ! やっぱり無理ぃーーーー!」

 

 おおー……、見事に悲鳴を上げて逃げ回ってますね。

 

 かわいい。(小並感)

 

 それでも、極力被弾を抑えて魔女の体力を半分削ってるところを見るに、数日とはいえ特訓の成果は出てきているのではないでしょうか。

 一応、まばゆちゃんの強さを見ておきたかったので一人で戦わせましたが、影の魔女のHPを半分削れれば十分でしょう。これで、最低限のレベルアップはできましたね。

 

 

 

 それじゃ、まばゆちゃんの成長も見られたことですし、あとはユリちゃんでパパッと片づけましょう。

 

「り、凜さん! 後はお願いしますぅーーー!!」

 

 かしこまり!

 

 

 

 

 さて、影の魔女との戦いですが、影の魔女の本体はほとんど動かず、あそこに鎮座したままです。

 ですが、周りから現れる、樹木の枝や竜の首の形をした触手が行く手を阻んできます。

 

 近距離武器だと近づくのが難しい魔女ですが、幸いユリちゃんの武器は双刃刀です。手数で触手を薙ぎ払って突き進みましょう。

 

 

 

 

 

 ……あれ?

 

 おかしいですね、普通ならすぐに切り払える触手が中々切れません。なんで……。

 

 

 

 

 

 

 あっ!(スタッカート)

 

 

 

 

 そういえば、ユリちゃんに精神デバフ付いたままなの忘れてました!

 

 どうりで魔力量の上限が減ってたり火力が下がってたりするわけです。

 これはユリちゃん一人じゃ厳しいですね。任せてと言ったばかりですが、まばゆちゃんにも援護に入ってもらいましょう。まばゆちゃんだって、援護として考えれば十分な強さを持っているので。

 

 

 

 

 というわけで、まばゆちゃんに援護のお願いを……。

 

 

 

 

 

 

 >まばゆの手を借りるわけにはいかない。

 

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

 >まばゆの手を借りるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 あれ? まばゆちゃんに援護を求めようとしても、ユリちゃんのモノローグが表示されるだけで、まばゆちゃんに話しかけられません。

 

 

 

 

 

 

 

 これは……、もしかして、アレを引いたかもしれません。

 

 

 アレ、というのは、精神デバフがかかっているときの制限の一つで、人に頼る選択肢を一部選べなくなる、というものです。

 

 デバフかかる前のユリちゃんでは援護を頼めていたことを考えると、先ほど援護のお願いができなかったのは、これの影響の可能性が高いですね。

 

 

 

 

 

 ……。

 

 マズいですよ!

 

 ということは、ユリちゃん一人であの魔女を倒さなければいけません。

 

 

 

 ふざけんじゃねえよお前よぉ!

 

 今のユリちゃんにこの魔女はキツいに決まってるだろ! いい加減にしろ!

 

 

 

 

 っ!? おっぶえ!

 

 

 そうこう言っているうちに魔女が攻撃してきました。

 

 こうなったら、ユリちゃん一人で倒すしかありません。やっちゃいますか? やっちゃいましょうよ?

 

 

 じゃあオラオラ来いよオラァ!!(逆ギレ)

 

 

 

 

 

 その攻撃は横に避けた後、前ローリングで距離を詰める! 攻撃で触手を捌ききれないので、ここを横に回り込んで強攻撃をぶち当てます。

 

 これで道が開けるので、一気に魔女との距離を詰めて、マギア発動!

 

 

 じゃあぶち込んでやるぜ!

 

 

 

 

 

 カン!(カスダメージ)

 

 

 

 

 ファッ!?

 

 

 全然ダメージ出てないやん! どうしてくれんの、これ?

 

 

 

 

 あっ。

 オォン!(被弾)

 

 

 痛ってぇ! 噛みやがったな、オイ!

 

 デバフのせいでマギアの火力も下がってますね……。ダメージの通りが良くありません。

 

 

 

 アォン!(被弾)

 

 (攻撃が)痛いんだよおおおおおおおおおおおお!!(マジギレ)

 

 助けて! ライダー助けて!

 

 

「凜さん! 待っててください! 今援護に……」

 

 まばゆちゃん!! ナイスタイミング! ありがとナス!

 

 

 >いらない。

 

 

 

「え?」

 

 

 は?(ガチトーン)

 

 いやいやいやいや! ユリちゃん、何言ってるんですか!? マズいですよ!

 

 

 

 あー……。援護に入ろうとしたまばゆちゃんを制してしまったため、援護も受けられませんね、クォレハァ……。

 

 ユリちゃんさぁ……。(クソデカため息)

 

 あーもうめちゃくちゃだよ。

 

 

 

 

 仕方ありません。こうなったら一か八かですが、あの戦法をやりましょう。

 というか、あの戦法以外、勝ち目がありません。

 

 

 

 では、グリーフシードで魔力を回復し武器を構えたら……、()()()()()()()()突っ込みます!

 

 勘の良い視聴者ニキは気づきましたかね。そう、さやかちゃんお得意の回復ゾンビ戦法です。

 

 常に魔法で体力を回復しつつ、ヤバい攻撃だけ避ける。あとの攻撃は全部無視して最短距離で詰め寄って攻撃を加え続ける、アレです。

 

 

 

 正直、今のユリちゃんで普通に戦っていてもジリ貧になるだけです。幸い、ユリちゃんは固有魔法が回復系なので回復が追いつかなくなることもありません。

 

 

 唯一の懸念点としてはキャラの好感度の変動ですが……。まあ、まばゆちゃんは心の隅まで光の精神を持っている人なので大丈夫でしょう。

 これを闇の深い子(瀬奈みことちゃんとか)やヤンデレ気質の子(瀬奈みことちゃんとか)の前でやると、監禁コースまっしぐらですので注意しましょう。(1敗)こわいなーとづまりすとこ。

 

 

 

 さて、では魔女の攻撃が緩んだ今がチャンス! 防御を捨てて魔女に突っ込みましょう!

 

 

 

 うおおおおおおおおおおお!

 

「凜さん!!」

 

 

 

 影の魔女の攻撃を次々と食らっているユリちゃんですが、固有魔法のおかげで減ったHPもすぐに回復しています。即死技だけは避けて、このまま押し切りましょう。

 

 

 

 よし、この触手をぶった切ったら、あとは魔女だけです! あとはマギアと強攻撃連打で相手のHPを削ります。こっちも攻撃されまくるので、どっちが先に体力を削りきれるかの勝負です。

 

 

 なんとかなれー!!(HTWR感)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……ふぅ。

 

 影の魔女、工事完了です。

 

 

 

 

 

 ぬわああん疲れたもおおおおおおん!

 

 

 全く、ユリちゃんのおかげでとんでもない激闘になってしまいました。ユリちゃんは†悔い改めて†

 

 ユリちゃんも体力ギリギリですね。傷自体はすぐに治せますが、攻撃されたときに出た血が全身について、エラいことになってますね。

 

 ともかく、影の魔女自体は倒せたので、ヨシ!(現場猫)

 

 

 

「凜さん……」

 

 お、まばゆちゃん。お疲れ~。(サイコパス)

 

「また随分と無茶な戦いをしたわね、凜。あの戦い方はなに?」

 

 あれ、ほむらちゃんじゃん。戻ってきてたの?

 

「質問に答えなさい。今の戦い方はなに? あんな無茶苦茶な戦い方、あなたらしくもない」

 

 んにゃぴ、(私も)よく分かんないです。

 

「あなたね! そうやってとぼけて誤魔化すつもり!?」

 

 あーあ、ほむらちゃんも怒っちゃった。ユリちゃん、どうすんの?

 

「もっと自分を大切にしてよ……! どうしてあなたはそんなに自分を簡単に犠牲にできるの? 私はあなたに何度も助けられた。今だってそう。あなたがいなければ、この時間軸はここまで上手くいってない。まばゆを助けてくれたことだって感謝してる」

 

「わ、私も、凜さんにはいつも助けてもらっています。凜さんといれば、憂うつな学校だって楽しいですし、記憶が戻った私に寄り添ってくれたことだって……!」

 

 二人にこんな顔させるなんて、ユリちゃんはさぁ……。(二回目)

 

「分かったでしょ、あなたを大切に思っている人がいることは。もし、この時間軸であなたが死んでまどかを救うことが出来たら、私にはきっと時間を巻き戻す選択はできない。だから、あなたはもっと自分を大切にして。私だって、できれば誰にも……」

「暁美さん……。……私からも、お願いします。凜さんが傷ついている姿は、見ていて苦しいです。頼りないかもしれませんが、私だって少しは力に……」

 

 

 

 

 >気にしなくていいよ。これが私の役目だから。

 

 

 

 

 は?

 

 

 あ。

 

 

 あーあ。

 

 

 

 

 えー……、もう映像で流れていますが、ユリちゃんが完全に二人からの助けの手を拒絶しました。

 

 これは……、ユリちゃんの心が思った以上に重傷ですね。

 

 

 やっぱり、まほスト(魔法少女ストーリー)をクリアしないとダメかー……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.25

 

 

 

 25日目。

 今日はやちよさんが見滝原にやって来ます。

 

 その理由は……。

 

 

 

「ワルプルギスの夜に向けての、合同特訓、ですか……?」

「ええ。私もモデルの仕事が落ち着いたから、ワルプルギスの夜までの一週間、見滝原にいることにしたわ。それで、せっかくだから戦う皆で連携の特訓くらいはしておいたほうがいいと思ってね。どうかしら?」

 

 はい、というわけで、ワルプルギスの夜まで一週間を切ると、やちよさんが大学も仕事も休んで見滝原に滞在してくれます。

 

 後輩のためにここまでしてくれるやちよさん、優しすぎィ! 自分、泣いていいっスか?

 

 

 

 ちなみにこの合同特訓、各魔法少女のレベルをかなり上げられるので、絶対にやりましょう。特にマミさんのような、原作で格上が少ないキャラはどうしてもレベルが上がりにくいので、ここで一気にレベルを上げておきましょう。

 

 やちよさんは場数も人生経験も凄まじいので、大抵のルートの地雷になるマミさんも任せられるのがデカいですね。やちよさんがいるだけで、マミさんのメンタル安定度が圧倒的に違います。

 何度も言うようですが、マギレコのときがレアケースなだけです。

 

 

 

 

「それと、凜。ちょっといいかしら?」

 

 ん? やちよさんが話しかけてきました。

 

「二人きりで話したいのだけど、いいかしら?」

 

 もちろんだゾ。

 

 

 

 

 にしても、やちよさんが今のタイミングで話しかけてくることってありましたっけ?

 

 とりあえず、やちよさんの話を聞きましょう。

 

 

 

 

 

 ふむふむ……。

 

 

 

 

 あ、なるほど

 どうやらやちよさんも、ユリちゃんが心配だったようです。前にほむらちゃんに相談もしていたみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 >やちよ先輩に心配されるようなことじゃないです。

 

 

 あ、でも、相変わらずユリちゃんからは拒絶の選択肢しか出てきません。

 

 

 

 

 >なんで仲間でもないやちよ先輩に話さなきゃいけないんですか?

 

 

 

 え、メッチャ高火力で刺すじゃん……。人の心とかないんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 あー、やちよさんを置いて話を切り上げちゃいましたね、ユリちゃん。

 

 ダメみたいですね……。(諦念)

 

 

 

 

 

 

 

 ということで今回はここまで。次回でこの時間軸も終わると思います。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.22 Side MA

 

 

 

「凜さん!」

 

 私は思わず叫びます。

 

 なぜなら、竜の首のような魔女の触手が凜さんの肩に噛みついたからです。

 

 凜さんはすぐさま双刃刀でその触手を切り落としますが、肩から出た血が顔を濡らし、黒いケープはその色を、湿った色に変えていきます。

 

 

 

(なんで……。凜さん……!)

 

 あれほど強く思えた凜さんが、苦戦していました。

 

 私は、凜さんなら負けないだろうと思っていました。凜さんなら、なんとかしてくれると信じて疑いませんでした。

 

 

 

 

 思えば戦いが始まったときから、凜さんの動きはおかしかったように思います。

 

 注意力もそうですが、何より身体が動いていませんでした。動きが鈍い、というより、頭で考えた動きに身体がついていっていないような、そんな印象を受ける動きでした。

 

 力もいつもより入っていないのか、魔女の攻撃を受けきれていない場面が何度もありました。

 

 

 

 このままでは、凜さんは負けてしまうでしょう。

 

 だから私は言いました。

 

「凜さん! 待っててください! 今援護に……」

 

 凜さんがピンチなんです。今度は私が助ける番だ。

 

 そう思い、武器を構えて走りだそうとした私を止めたのは、まさかの凜さんでした。

 

「いらない。私一人で大丈夫」

「で、でも……」

「大丈夫だから! これくらい、すぐに倒せるから! 安心して!」

 

 今までより余裕のない声で、そう叫ぶ凜さん。

 

 

 

 しかし、やはり今の凜さんでは厳しいのでしょう。

 なんとか攻勢に出るタイミングを窺っている凜さんですが、僅かな隙を何度も逃していました。

 

 

 

(凜さんにはああ言われましたけど……。やっぱり黙って見てるなんて私には無理です! なんとか援護に……)

 

 

 私がそう思った時でした。

 

 

 突如、凜さんは防御の構えを止めました。

 

 そして、あろうことか真正面から魔女に突っ込んだのです。

 

(え? え? 何してるんですか凜さん!)

 

 防御を捨てて魔女に突っ込むということは……。

 

 

 私の予想通り、魔女は凜さんを近づけまいと集中攻撃を行います。そして、防御しない凜さんは、その攻撃を次々と食らい、鮮血が宙を舞います。

 

「凜さん!!」

 

 それでも、凜さんは一切怯むことなく、魔女に突っ込んでいきます。最低限の攻撃しか躱さないから、凜さんの通ったところには血の道が作られていきます。

 

 それでも凜さんが止まらないのは、攻撃を受けた瞬間に固有魔法で肉体を再生させているからでしょう。

 そう、今の凜さんがやっていることは、肉体の再生力に物を言わせたゴリ押し。普段の凜さんなら絶対にやらない手でした。

 

 

 

 

「随分とスゴいことになってるわね。今、どういう状況?」

「暁美さん……!」

 

 後ろからの声に振り返ると、いつの間にか暁美さんが立っていました。

 

「予定より武器の回収が早く終わったから援護に来たのだけど……、凜のあれ、どういうこと?」

「……私にも分かりません。ただ、援護しようとしたんですけど、断られちゃって……」

「……はぁ。そういえば前の時間軸でもあったわね、凜の精神が不安定だったこと」

「そ、そうだったんですか?」

「ええ。ここは私に任せてくれるかしら」

 

 

 私と暁美さんが話している間に、凜さんは魔女本体に到達。

 そこからは、まさに泥仕合でした。

 凜さんは相変わらず防御を一切せずに魔女を連続で攻撃。魔女のほうも、凜さんを引き剥がそうとデタラメな攻撃を繰り返し、辺りは凜さんの血と魔女の体液に染まっていきました。

 

 

 

 

 そうして、全身を血塗れにして服もボロボロになった凜さんが魔女を細切れにしたことで、戦いは決着しました。

 

 

 

 

 魔女を倒した凜さんはグリーフシードを拾い、傷を治しながら体を引きずるように私たちのところにやってきます。

 

「勝ったよー。いやー、結構手こずっちゃったなぁ。まばゆに、任せて!なんて言っちゃったからちょっと恥ずかしいな」

「凜さん……」

「また随分と無茶な戦いをしたわね、凜。あの戦い方はなに?」

「あ、ほむらも来てくれてたんだね。ありがとう。でも大丈夫。魔女は私たちで倒せたから」

「質問に答えなさい。今の戦い方はなに? あんな無茶苦茶な戦い方、あなたらしくもない」

「え? あ、あ~。いやー、お恥ずかしい。ホントはもっとスマートに勝てる算段だったんだけどね。でもでも、ちゃんと勝てたし。師匠直伝の猪突猛進スタイル! 中々カッコよかったでしょ?」

「あなたね! そうやってとぼけて誤魔化すつもり!?」

 

 暁美さんが声を荒げます。

 暁美さんは自分を大切にしない人に怒りを見せることが多いです。私が自暴自棄になってたときだって、暁美さんは怒ってました。

 でも、仕方のないことだと思います。そういう人を見ると、暁美さんの頭をよぎってしまうのでしょう。いつだって自分より誰かのために魔法少女になってしまう、鹿目さんのことが。

 

「もっと自分を大切にしてよ……! どうしてあなたはそんなに自分を簡単に犠牲にできるの? 私はあなたに何度も助けられた。今だってそう。あなたがいなければ、この時間軸はここまで上手くいってない。まばゆを助けてくれたことだって感謝してる」

「わ、私も、凜さんにはいつも助けてもらっています。凜さんといれば、憂うつな学校だって楽しいですし、記憶が戻った私に寄り添ってくれたことだって……!」

 

 暁美さんの言葉に続き、私も口を開きます。

 なんで凜さんが苦しんでいるかは分かりません。けど、凜さんが苦しんでいるなら、私だって何か力になりたいです。凜さんが安心させてくれたから、私はもう一度戦えるようになったんですから。

 

「分かったでしょ、あなたを大切に思っている人がいることは。もし、この時間軸であなたが死んでまどかを救うことが出来たら、私にはきっと時間を巻き戻す選択はできない。だから、あなたはもっと自分を大切にして。私だって、できれば誰にも……」

「暁美さん……。……私からも、お願いします。凜さんが傷ついている姿は、見ていて苦しいです。頼りないかもしれませんが、私だって少しは力に……」

 

 凜さんの力になりたい。

 その思いが伝わってほしくて、私は必死に言葉を紡ぎました。これで、凜さんも私たちを頼ってくれたらいいなって、そう考えていました。

 

 

 

 けど……。

 

「気にしなくていいよ。これが私の役目だから」

 

 凜さんの口から放たれた言葉は、優しくはあっても確かな拒絶を含んでいました。

 

「や、くめ……? 凜さん何を言って」

「まばゆたちが心配するようなことはないよ。本当に今日はたまたま調子が悪かっただけだから。それに二人が無事なら、私はそれでオーケーなんだから」

「だから、あなたがそれで良くても私たちは」

 

「ダメだよ、ほむら」

 

 先ほどより低くなった声に、私も暁美さんも口を噤みます。

 

「ほむらの目的はまどかちゃんを救うことなんでしょ? だったら、私の心配なんかしてちゃダメ。あなたが救いたい人は私? 違うでしょ。私に優しくしてくれるのは嬉しいけど、目的を見失っちゃダメ」

 

 有無を言わせぬ圧力を発したまま、凜さんは言葉を続けます。

 

「言葉はキツくなるけど、あえて言わせてもらうね。ほむらは他人の心配なんかしてる余裕あるの? 話を聞くかぎりじゃ、何度も時間を繰り返してきたんだよね。それって、その数だけ失敗してきたってことでしょ? それなら、ほむらは他の人に構ってる場合じゃない。その他のことは全部私に押しつけてでも、まどかちゃんを救うことだけを考えるべきだよ。少なくとも、私を心配なんかしないでほしい。それが、私がほむらに協力する上での条件として追加させてもらうね」

 

 心配なんかしないでほしい。

 

 凜さんはそう言い切りました。

 それは力になろうと手を伸ばした私たちへの明確な拒絶で、これ以上踏み込むなという警告のようでもありました。

 

「……分かったわ」

「暁美さん?」

「そんなに言うのなら、勝手にすればいい。私はもう、あなたのことなんか気にしないわ。精々、役に立ってちょうだい」

「……うん、ありがとう」

「ちょ、暁美さん!」

 

 私の制止を聞かず、暁美さんは足早に立ち去ってしまいます。

 それを見送った凜さんは、私に向かって言いました。

 

「……まばゆも」

「え?」

「まばゆも、私の心配する必要ないよ。私、まばゆより強いから。それにまばゆだって、記憶が戻ったばかりでまだ不安なこともあるでしょ? 誰かを心配できるまばゆは素敵だけど、それは余裕があってこそ。今は人より自分を優先して。私も、まばゆを助けるから」

 

 そう言って笑う凜さん。

 きっといつもなら、なんて頼もしい人なんだろうと思っていたことでしょう。

 

 でも、今は……。

 

(凜さん……。気づいてますか? 凜さんが今言った言葉は、そっくりそのまま、凜さんにも言えるってこと)

 

「大丈夫! まばゆに心配されるほど弱くはないよ! なんたって私は、最強魔法少女の一番弟子だからね! ふんふん!」

 

 そうやって自信満々に言う凜さんは、あくまでいつも通りで。さっきのは本当にたまたまなんじゃないかと思ってしまいそうになります。

 

(私の、勘違いじゃ、ないですよね……?)

 

 

 

 じゃあまた明日ねー! と、手を振る凜さんを、私は黙って見送ることしかできませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「暁美さん……。ここにいたんですね」

「まばゆ……」

 

 凜さんと別れたあと、私も家に帰ろうと歩いていたら、帰り道にある公園のベンチに暁美さんが座っていました。

 

 暁美さんは言葉に出さないけれど、落ち込んでいるのは分かりました。

 それなりに長く一緒戦ってきた仲です。それくらいのことは分かります。

 

「横、失礼しますね」

 

 そう言って、私は暁美さんの隣に座りました。

 

 

 

 二人の間にしばらくの沈黙が流れたあと、不意に暁美さんが口を開きました。

 

「……前の時間軸でも、凜の心が不安定になったことはあったわ。でもその時は、私の言葉で立ち直ったの。だから、今回もきっと立ち直らせることができると、思ったのけど」

 

 そこで言葉を区切り、一つ息をつく暁美さん。

 

「気持ちって中々伝わらないものね。もしかしたら、前の時間軸でも私の言葉は届いてなかったのかもしれないわ。それを、あの子が届いたように振る舞っていただけ。私が凜を励まそうとしたから、あの子は励まされたように振る舞っただけなのかもしれない」

 

 そう言いながら、暁美さんは頭に手を当てます。彼女の表情は、崩れた髪に遮られて分かりませんでした。

 

「それなのに、私は彼女を理解した気になって。結局、私は彼女を突き放す選択をしてしまった。彼女が何を望んでいるのか、今でも分からない。あの子が本当に苦しんでいるのかすら、私には判断がつかないの」

 

 そう話す彼女の声には、後悔するような声が混じっていました。

 

「私も、です……」

「まばゆ……」

「凜さんのこと、友達だと思ってました。もちろん、今でも思ってます。……けど、さっきの瞬間に、どうしようもない距離を感じてしまって。凜さんはすごい親しみやすい人だから、私と凜さんの心の距離も近い気がしてました。けど、凜さんと距離が近いと思ってたのは、私の勘違いでした。凜さんは、私たちとの間にすごく深い溝を作っていて。私たちはやっとそれに気づいたんだと思います」

 

 私が感じたこと。それを全部吐き出します。

 

「……どうすれば、いいんでしょうね」

「……そうね。どうすれば、いいのかしらね」

 

 私たちに、答えは出せそうにありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.25 Side YN

 

 

 

 

「それと、凜。ちょっといいかしら?」

「なんですか、やちよ先輩?」

「二人きりで話したいのだけど、いいかしら?」

「もちろん、いいですけど……」

 

 私と凜は路地裏に入る。

 これからする話は、あまり人には聞かれたくなかったからだ。

 

「やちよ先輩。話って何ですか?」

 

 凜の質問に、私は昨日から考えていた言葉で返した。

 

「凜。あなた無茶してない?」

 

 その言葉に、凜は私が何を聞きたいのか理解したように頷いた。

 

「ああ……、そのことですか。ほむらから聞きました?」

 

 誰かか聞いたかは言わなかったが、私の言葉で凜はすぐに分かったようだった。

 そのため、私も隠すことはしない。

 

「ええ」

「まったく。ほむらも心配しなくていいって言ってるのに……」

「それで? 本当に大丈夫なの?」

「もちろんです! 私はいつでも元気ですよ!」

「それよ」

「え?」

 

 私の言葉に、凜は首を傾げる。

 

「その話し方。前から思ってたけど、鶴乃そっくり。前のあなたは、そんな感じじゃなかったわよね。何かあったの?」

「……イヤだな~。弟子なんだから、似てて当然ですよ。いつの間にか鶴乃先輩の話し方が移っちゃっただけで……」

「本当にそれだけ? あなた、まだ何か……」

「それを知って、どうするつもりですか?」

 

 凜の雰囲気が変わる。先ほどより棘のある雰囲気を纏ったまま、凜は言葉を続ける。

 

「私を心配してるみたいですけど、どうしてです? 仮に私が大丈夫じゃなかったとして、やちよ先輩に何の関係があるんです?」

「何の関係って……。それは、あなたは私の」

「仲間、とでも言うつもりですか?」

 

 その言葉に、思わず私は口を閉じてしまう。

 

「例え私が何を考えて抱えていようと、それはやちよ先輩に心配されるようなことじゃないです」

 

 凜の言葉には棘があった。明確にこちらを傷つけるつもりの棘が。

 

「仲間じゃないって言ったのはやちよ先輩ですよね? なんで仲間でもないやちよ先輩に話さなきゃいけないんですか?」

 

 私は言葉を失ってしまう。

 こう言われてしまえば、私は何も言えない。

 

 私から凜を突き放したのは事実だ。今さら心配をするなんて、虫の良すぎる話だったかもしれない。

 

 

 

 けれど。

 

 同時に自分の心配は杞憂ではなかったと確信してしまった。

 だって、前の凜だったらこんなことは言わなかった。人は成長していくものだけど、これを凜の成長だとは考えられなかった。

 

 

 

 

(心を閉ざしてるっていうのは、鶴乃の言うとおりだったわね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨日。

 私は久しぶりに万々歳を訪れた。

 

「いらっしゃー、い……。ぅええええええ!? やちよーーー!?」

 

 店に入るなり、私は鶴乃の大声量に出迎えられた。

 

「いきなり騒がしいわね。そんなに大声出さなくてもいいじゃない」

「だって、だってぇ……。ぅぅぅぅ、やちよーーーー!!」

「ぅぐっ! ちょっと、勢いよく抱きついてこないで。危ないじゃない」

 

 私は鶴乃の突進のような抱きつきをなんとか受け止め、鶴乃を引き剥がす。

 

「ご、ごめ~ん……。嬉しくって、つい……」

 

 まるで主人に怒られてシュンとした犬のようになる鶴乃に、それ以上怒る気にもなれず、私は本題に入ることにした。

 

「まあいいわ。それより、今日はちょっと聞きたいことがあって来たんだけど、今大丈夫かしら?」

「ほ? 聞きたいこと? 大丈夫だよ。今の時間、お客さんもほとんど来ないから」

 

(そんな笑顔で言っていいのかしら?)

 

 そのツッコミはなんとか飲み込み、私は席に座りながら鶴乃に尋ねた。

 

「聞きたいことだけど、凜のことなのよ」

「凜のこと?」

「ええ。鶴乃は、最近凜と会った?」

「うん。2週間くらい前だったかな~。見滝原の友達と一緒にお店に来たよ。やちよにも会ったって言ってたけど……」

「ええ。私もその時に会ったわ。その時、何か話した?」

「う~ん……、特別なことは話さなかったな~。普通に見滝原でも上手くやれてるってくらい?」

「そう……」

 

(やっぱり言ってないのね)

 

 凜に協力すると決めた日。私は凜にこう言われた。

 

 

 

 

「そうだ。鶴乃先輩にはこのこと、黙っててくださいね」

「どうして? あの子なら喜んで協力してくれそうだけど……」

「何でもです。戦力ならなんとかしますから、これだけは絶対に守ってください」

「どうしてそこまで……」

「……巻き込みたくないんです。あの人だけは」

「……? まあ、あなたがそれでいいなら、いいけど……」

 

 

 

 

 

 そう言われ、ワルプルギスの夜のこと、暁美さんのことなどは鶴乃に一言も話していなかった。

 そして、鶴乃の言葉を聞く限り、どうやら凜は本当に鶴乃には何も言ってないようだった。

 

「やちよ?」

「あ、ああ。ごめんなさい。ちょっと考え事しちゃって」

「大丈夫?」

「ええ。それで相談なんだけど……」

「もしかして、凜のこと?」

「そうよ。あなた、確かチームを解散した後、凜と一緒に組んでたわよね。ちょっと聞きたいんだけど……」

「ごめん!」

 

 私が相談しようとしたところで、鶴乃は顔の前で手を合わせて謝ってくる。

 

「その、凜のことなら多分、役に立てない……」

「どういうこと? あなたたち、すごく仲が良かったじゃない」

「それは、そうなんだけど……」

「この前会ったときに凜の様子が気になったから、あなたの意見を聞きたいってだけよ?」

「それなら、余計力になれない」

「どうして?」

「私も、凜のこと、よく分からないの」

 

 予想外の言葉に、私は一瞬動きが止まる。

 

(よく分からない? 鶴乃と凜はチーム解散してから約1年は一緒に戦ってたはず)

 

 私の考えを読んだのか、鶴乃は口を開く。

 

「仲は良かったよ? ただ、ある日から頼ってくれないっていうか、心を開かなくなっちゃった気がするんだ」

「心当たりはないの?」

「……うん。本当に心当たりはないの。なにかして嫌われちゃったのかなぁ」

 

 鶴乃の様子を見ると、本当に何も知らないのだろう。

 

「分かったわ。ありがとう」

「ごめんね、力になれなくて」

「気にしなくていいわ。邪魔したわね」

 

 そう言って私が席を立とうとすると、鶴乃が呼び止めてくる。

 

「あのさ、やちよ!」

「なに?」

「その、凜になにかあったの?」

 

 

 

 -巻き込みたくないんです。あの人だけは

 

「いいえ、特にはないわ。ただ、この前会ったから気になっただけ」

 

 

 凜の言葉がよぎった私は、鶴乃には誤魔化すことにした。

 苦しい言い訳だったかもしれないが、鶴乃は納得したようで引き下がった。

 

「そう。ならよかった。あ、もしまた凜に会ったら、万々歳に遊びに来てって伝えておいて! 私はいつでも大歓迎だから!」

「分かった。もし会えたら伝えておくわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな会話をしたのが、つい昨日。

 

 

 

 こうして話して分かったが、本当に凜は心を閉ざしてる。しかも、前より分かりやすいくらい明確に拒絶をしている。

 

 なんでかは分からないが、これ以上の追及は無駄だろう。今の彼女が何かを話してくれる姿をイメージできない。

 

 

 それに……。

 

(私を拒絶するための言葉で、なんであなたがそんな傷ついた顔をするのよ。そんな苦しそうな顔……)

 

 正直、凜に言われたことは、言われて当然のことだと私は思ってる。

 

 直接言われるとやっぱり悲しいが、それだけのヒドいことを私は言った。

 けど、私が傷つく以上に凜が辛そうな顔をしていた。このまま追及しようとすれば、凜は私を遠ざけるために、より自分を傷つけながら私を拒絶するだろう。

 

 それが分かったから、私は聞くのを止めた。

 そこに、自分の罪と向き合うほどの心の強さがなかったとは否定できないけど。

 

「ごめんなさい、変なことを聞いたわね。忘れてちょうだい」

 

 そうして私が路地裏から出ようとしたところで、凜に呼び止められた。

 

「あの、やちよ先輩!」

「? なに?」

「ごめんなさい、やちよ先輩の辛さが分からなくて」

「え? 私の、辛さ?」

 

 突然の謝罪は私は困惑する。凜は何に謝っているのかを考えている間に、凜は私とすれ違うように路地裏から出ていく。

 

 そして、すれ違った瞬間に言ったのだ。

 

「皆を遠ざけるって、こんなにつらいことだったんですね」

 

 

 

 その言葉に、私は咄嗟に振り返ったが、凜は既に皆のところに戻っていて、彼女の顔は以前見たものに戻っていた。

 

 

 

 どんな気持ちで今の言葉を言ったのか、私には想像できなかった。

 

 

 

 

 

 

 




急ごしらえなので、誤字・脱字や口調がおかしいかもしれません。

すいません許してください何でもしますから!(何でもするとは言ってない)

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