魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得 作:くろしゅー
(投稿が超遅れたので)初投稿です。
運命に叛逆する実況、はーじまーるよー。
前回は今まで以上の戦力を集めてワルプルギスの夜に挑みましたが、勝つことができず時が戻ったところまででした。
というわけで、今回から3周目の時間軸に突入します。
そして皆さん、お待たせしました。
この実況、この周で勝ちにいきます。
勝つために必要なピースはほとんど盤面に揃いました。
あとは集めて勝つだけです。
ということで、さっそくやっていきましょう。
DAY.1
オッハー!(クソデカボイス)
あ~、今日もいいペンキ☆
前周のユリちゃんが幻覚に思えるほど、元気で笑顔なユリちゃんの起床です。
こんな可愛らしい笑顔なのに曇らされるなんて、悲しいなあ。(諸行無常)
さて、さっそくユリちゃんには学校に行ってもらいますが、その様子は丸々カットです。
というか、ここ以外でも前周までと特に変化のない所はどんどんカットしていきます。
そうしないと尺がすごいことになっちゃうからね、しょうがないね。
今回の時間軸はとにかくやることが多いです。
先ほどはピースを集めるだけ、と言いましたが、この集める作業がエグい量なので、一々解説なんてしてられません。
なので、新イベント以外はカットしていきます。
というわけで、夜までカット。
はい、夜になりました。
ユリちゃんがくつろいでいると、インターホンが鳴ります。
はーい。
ユリちゃんがインターホンに出ると、やって来たのは出張料理人……ではなく、ほむらちゃんとまばゆちゃんです。
「こんばんは、凜さん。こんな遅くにすみません。けど、大事な話があるんです。私たちの話を聞いてくれませんか?」
あ、いいっすよ。
ということで、二人を自宅に招きましょう。
あ、そっちの黒髪のクールビューティは初めましてだね。
夕凪凜、15歳、学生です。
「暁美ほむらよ。よろしく」
ということで、ここでほむらちゃんたちからの説得パートがありますが、もちろんここも倍速で流しておきます。流れは前周の1日目とほぼ一緒なので。
一応まばゆちゃんがいるという違いはありますが、話の流れは変わりません。
それじゃあ、ユリちゃんがほむらちゃんたちを受け入れて情報共有するまで114514倍速。甥の木村、加速します。
では、倍速で暇をしている み な さ ま の た め に ぃ ~ ?
この後の動きについて軽く説明していきます。
まず、前周と同じく4日目に神浜に行き、そこでやちよさんを仲間に加えます。そこから更に、フェリシアちゃんを探しつつ、夏目書房で太助の本を回収します。
そう、4日目で神浜の用事をほとんど終わらせてしまいます。
見滝原と神浜はそこそこ離れた位置にありますからね。行き来だけで結構な時間を取られてしまうので、何度も足を運ぶのは時間のロスにしかなりません。
そのため、4日目で前周で起こした神浜でのイベントは全て終わらせます。
結構タイトなスケジュールなので1分1秒も無駄にできません。なんだかRTAみたいだぁ……。
さらに、4日目はそのまま帰らず、神浜に泊まります。できればみかづき荘に泊めてもらいたいですが、そこはやちよさんの気分次第ですね。泊まれれば、少しでもやちよさんの好感度を稼げるのですが。まあ、最悪ホテルか野宿です。
そして5日目。この日に、もう一人の助っ人に会いにいきます。
普通だと探すのが大変な彼女ですが、ちゃーんと会える場所とフラグは確認済みですのでご心配なく。
その子を仲間に加えるのまでが、神浜でやるべきことです。
と、そう言っている間にほむらちゃんたちとの話も終わったようですね。
ユリちゃんが提案したチャートも受け入れてもらえたようです。
それでは、神浜での攻略開始だ!
DAY.4
ここかぁ、ここが神浜かぁ……。
ということで、やって来ました神浜市。
さっそく調整屋に向かいましょう。
着きました。(爆速)
で、ここで待っていると……。
「……久しぶりね、凜。遅くなってごめんなさい」
やちよさんの登場です。
なぜかほむらちゃんが若干泣きそうな顔をしましたが、気にしない気にしない。
そして前周通り説得して……。
「……はぁ、分かったわよ。協力者にはなってあげる」
説得、ヨシ!(現場猫)
これからよろしくナス!
「……ええ、よろしく」
そして、ほむらちゃんたちも含めて調整を済ませたら、次はフェリシアちゃんを探します。
あ、もちろんフラグを立てることも忘れずに。
この辺にぃ、強い傭兵、いるらしいっすよ? 会いに行きませんか?
「傭兵? もしかして、フェリシアちゃんのこと?」
そうだゾ。知っているのか、みたまさん!
「彼女なら今、中央区で活動してるとか聞いたわ」
みたまさん、ありがとナス。
それじゃあさっそく、ゴー!
「ちょっと待って」
なんだよ、やちよさん。いいところだったのに。
「あなた、深月フェリシアと会ってどうするつもり?」
それはもちろん、傭兵として雇うゾ。
「ダメよ。彼女、色々と良くない噂が絶えないし。そもそも、まだ学生の身で金銭のやり取りをさせるわけにもいかないわ」
せ、正論……!
とまあ、この会話をしている時にやちよさんがいると、こんな感じで止めてきます。
とはいえ、フェリシアちゃんは戦力としては欠かせない存在です。なので……。
そんなに言うなら、やちよさんが契約してほしいゾ。
「え? 私?」
そうだよ。
フェリシアちゃんは貴重な戦力だゾ。彼女はいないとワルプルギスの夜に勝てないわけだし、オナシャス! センセンシャル!
「いや、普通にイヤなんだけど……」
じゃあ、しょうがない。
戦力としても十分だし、魔女に両親を殺されて頼れる人もおらず、一人で生活費を稼いで日々の飢えを凌いでいるフェリシアちゃんは放っておいて、別の人を探すか……。(チラチラ)
「すごい圧ね!? わかった、わかったわよ! というか、その子、そんな状況なの?」
ありがとナス!
とまあ、やちよさんが嫌がったらこんな感じで圧をかければ、簡単に頷いてくれます。
やちよさん生来の優しさにつけ込んだ完璧な作戦です。(ゲス)
計画通り。(新世界の神並感)
じゃあ、ほむらちゃんには別の用事を頼みたいゾ。
「別の用事?」
夏目書房ってところに行って、『魔法少女 その希望と絶望(上)』って本を買ってきて欲しいゾ。
「ああ、凜の手紙に書いてあったアレね。でも、その本が何の役に立つのかしら?」
それは読んでみないと分からないゾ。お金は出すから、オナシャス!
「別にそれくらい私で払うわよ。とりあえず、夏目書房ってところに行けばいいのね。それじゃあ、深月フェリシアのほうは任せたわよ」
かしこまり!
じゃけん、中央区に行きましょうね~。
というわけで、ここからフェリシアちゃんとのエンカウントイベを起こすのですが、ここも二周目と全く同じ流れなので、倍速。
一応、前回はユリちゃん一人だったのに対し、今回はやちよさんとまばゆちゃんを含めた三人ですが、会話が少し増えるだけで仲間に迎える流れは変わりません。
せいぜい、まばゆちゃんが頑張って会話しようとテンパってるところを見るくらいですかね。
かわいい。(小並感)
「はあ……。魔女退治があの様子だと、この先が思いやられるわね」
「なんだと! オレがトドメ刺したじゃねーか!」
「連携が全くできてないってことよ。今回は凜がカバーしたから良かったけど、運が悪ければあそこで死んでたのよ?」
「それは……! 悪いと、思ってる」
「……まあ、反省しているだけマシね」
はい、フェリシアちゃんとの共闘イベントも無事、終わりました。なんだかんだで世話を焼いちゃうやちよさんカワイイ。やっぱ、甘さを捨てきれないんすね~。(名推理)
さて、前の時間軸ではここでユリちゃんとフェリシアちゃんが一緒に暮らすことになりましたが、今回はやちよさんがいるので……。
「それじゃあ、報酬の約束もあるから、あなたには私と一緒に暮らしてもらうわ」
「えっ……」
「なによ、え、って」
「だ、だって、オレ、てっきり凜かまばゆと一緒に暮らすのかと思ってて」
「そんなわけないでしょ。彼女たちの家は見滝原よ。そこで暮らすってことは、あなた学校に通えなくなるってことだし。そんなことさせられないわ」
「別にいいよ! 学校なんて!」
「良くない。ちゃんと行きなさい。それに仮に二人の家が神浜だとしても、愛生さんは叔母さんと暮らしているし、凜はこの年で一人暮らしで大変なんだから、任せられるわけにもいかないでしょ」
「ぶー。どうせなら、優しそうな凜とか、面白そうなまばゆん家のほうがよかったな~」
「あら。それなら、契約はナシでもいいわよ」
「そ、そうは言ってないだろ! 暮らす! 一緒に暮らすよ!」
フェリシアちゃん、加入確認ヨシ!
ということで、フェリシアちゃんを仲間にすることも出来ました。
さて、前回はここまででしたが、今回の周ではもう少しやることがあります。
まずはフェリシアちゃんに話しかけましょう。
ねえねえフェリシアちゃん。フェリシアちゃんの知り合いに、ワルプルギスの夜と一緒に戦ってくれそうな人とか知らない? 直接知らなくても、噂とか。
「そう言われてもなぁ……。かこは……、ダメだな。ななかとは組みたくねえし、アイツらだって力貸してくんなさそうだし。あやめも無理だろうな。あとは……」
あ、と声を上げるフェリシアちゃん。
「噂っていえば、この前変な噂聞いたぞ」
マジ? どんな噂?
「えーと、なんか魔女退治してたらいつの間にか一緒にいて、一緒に魔女と戦ってくれんだけど、気づいたらいなくなってんだとよ。透明人間みたいだって言ってたぜ」
きました、この情報です。
マギレコ履修済み兄貴ならもう分かったと思いますが、これで彼女とのエンカウントフラグへの鍵を聞き出せました。
あとは、それを聞いた場所を教えてもらい、向かうとしましょう。
さて、フェリシアちゃんの話を元に、その噂がよく聞かれる水名区の一角にやってきました。
しかし、魔法少女の気配はしませんね。
というのも、実はこのイベント、ここを一回訪れただけではフラグが立たないんですね。
辺りを捜索していると、路地裏に猫のたまり場がありました。
せっかくなので遊んであげましょう。
そこら辺に生えてる猫じゃらしを引っこ抜いて、フリフリ。
ルールルルル。
「あの、凜さーん? 猫と戯れてるヒマじゃないと思うんですけど……」
お、そうだな。(適当)
まばゆちゃんに正論を吐かれてしまったので、この辺で止めておきましょうか。
それに、これでちゃんとフラグは立てられましたからね。
さて、いい時間になってしまったので帰りましょうかね。みかづき荘へ。
「……ちょっと待って。あなた、まさかみかづき荘に泊まるつもり?」
当たり前だよなぁ?
「ダメよ。帰ってちょうだい」
ええ~。そんなつれないこと言わないでさぁ。
「そうだぞ。オレも凜と一緒がいい」
「フェリシアまで……。あのね、今のみかづき荘は宿じゃ……」
オナシャス! センセンシャル!
「無理よ。例えあなたの頼みでも、絶対にね」
ここかぁ、ここがみかづき荘かぁ……!
「ほら、はしゃがないの。まったく、なんでこんな……」
そう言ってるやちよさんですが、少し嬉しそう。
やはりチョロい。(確信)
いやー、まさかまばゆちゃんも援護してくれるとは思いませんでした。引きこもりのまばゆちゃんの口から、「みかづき荘に泊まってみたいです」というセリフを聞けるとは、涙が出、出ますよ。
にしても、なんでみかづき荘に泊まりたかったんだゾ?
「あー、えっと……、昔の凜さんが過ごしてた場所が気になった、からですかね」
え?
「あ、いや、変な意味じゃないですよ! ただ、凜さんがどんな感じで過ごしてたか、少しでも知れればって……」
あっ、ふーん。(察し)
どうやら、前周の凜ちゃんは無事に役目を果たせていたようですね。これなら、何とかなりそうです。
「おおー! なんかスゲー! なあなあ、オレの部屋ってどれだ!?」
「ちょっと、引っ張らないで。ちゃんと案内してあげるから」
フェリシアちゃんも初めてのみかづき荘に興奮しています。彼女は元々マンション住みですからね。広い家には憧れもあるのでしょう。
ユリちゃんには既に部屋があるため、マップにアイコンが出てますね。
では、ユリちゃんも部屋に向かいましょう。
お、開いてんじゃ~ん。
まあ、物はユリちゃんが出ていくときに持っていってしまったのか、ほとんどありませんが。
今日はここで一泊ですね。
「そうだ凜。頼まれていた物、買ってきたわよ」
お、ほむらちゃん。ありがとナス!
ではほむらちゃんから太助の本を受け取ったら、夕食までそれを読んでいましょう。
これで、前周と同じくらいまでは時女一族のイベントも進められたので、とりあえずは大丈夫です。
さてと……。時間もあることですし、もう一個イベントを終わらせちゃいましょうかね。
ということで、やちよさーん。
「凜? どうしたの?」
せっかくフェリシアちゃんも来てくれたし、ほむらちゃんたちと仲を深める意味でも、歓迎会やりましょうよ~。
「は? やるわけないでしょ。私たち、仲間じゃないって言ったわよね?」
仲間じゃないからと言って、やらない理由にはならないんだよなぁ。
だから、オナシャス!
「あのねぇ……。第一、どこでやる気なの?」
どこって……、それはもちろん……。
「いらっしゃいま、せえええええええ!? や、やちよーーー!?」
「相変わらずうるさいわね……。そんなに叫ばなくても分かるわよ」
鶴乃ちゃん、オッスオッス。
「ええええええええ!? 凜までいるーーー!! どういうこと!?」
ということで、やっておきたかったイベントというのは、万々歳の訪問、および鶴乃ちゃんと会うことです。
特にまばゆちゃんはまだ鶴乃ちゃんと会っていませんからね。会わせておきたかったんです。
あくまで今までの状況からの推測ですが、ユリちゃんの魔法少女ストーリーをクリアするためのキーパーソンが鶴乃ちゃんの気がするんですよね。
そういえば、魔法少女ストーリーの仕組みをまだ解説してませんでしたね。
ユリちゃんたちは万々歳で楽しく食事をするだけですので、せっかくですしこの時間で解説しちゃいましょう。
ユリちゃんたちの様子は後ろで流しておきますね。
それで、魔法少女ストーリーというのは、ソシャゲのマギレコでもあった、各魔法少女に用意されている個別ストーリーのことです。
マギレコでも様々な魔法少女ストーリーがありましたが、その要素はこのゲームにも引き継がれています。
そして、このゲームの大きな特色として、プレイヤーが作ったオリジナルキャラにも、これが用意されている点があります。
ただ、ストーリーの解放条件はかなり多岐に渡るので、そのキャラの日記や交友関係などから推理していく必要があります。
今回のケースだと、ユリちゃんと関わりが一番深いのは鶴乃ちゃんですので、恐らく彼女が解放条件か、そのヒントをくれるキャラであることは間違いありません。
とはいえ、解放条件はそんなに難しいものはほとんどありません。
ほとんど、ね。
で、なぜこんなに魔法少女ストーリーをクリアしようとしているのかというと、目的は大きく分けて二つあります。
まず一つは、ユリちゃんの精神を安定させたいからです。過去二回の時間軸で、ユリちゃんの精神がガッタガタなのは十分理解しましたので、これをなんとか取り除きたいんです。精神デバフなんて、ガバの元ですからね。
そうしてもう一つは、魔法少女ストーリーのクリア報酬にあります。
マギレコでも、魔法少女ストーリーをクリアするとドッペルを解放できたように、このゲームにもクリア報酬が用意されています。
自動浄化システムがある世界線なら、報酬はマギレコと同じくドッペルなのですが……。
この世界は、自動浄化システムなんてものはありません。
では、なにが報酬になるかというと……。
報酬は、クリアしてからのお楽しみです。
教えてもらえると思った? そんなんじゃ甘いよ。
ねえ今どんな気持ち? ねえどんな気持ち?
???<よくも哀れな視聴者を騙したな!
ファッ!?
???<情け無用の男、スパイ○ーマッ!
なんだこのヒーロー!?
???<レオパルドン、ソードビッカー!!
ちょ、ま……。
アッーーーーーー!!♂
……ふぅ、ヒドい目に遭いました。
とにかく、この報酬でユリちゃんを強化するのが目標です。
ワルプルギス戦は戦力がギリギリですからね。少しでも勝てるようにするために、ユリちゃんの強化も必須です。
しかし問題があって、ユリちゃんが過去を掘り返そうとしないんですよね。
ユリちゃんは魔法少女ストーリー解放の条件が難しいタイプを引いてしまいました。自分の気持ちを打ち明けようとしないし、過去と向き合おうともしません。
これでは魔法少女ストーリーが進まないんですよね。
なので、ここはまばゆちゃんに頑張ってもらいます。
実は、操作キャラが魔法少女ストーリーの解放条件を進められないときの攻略法として、他キャラに解放してもらうことができます。
そのために、ここまでまばゆちゃんの好感度を稼いできたんです。
頼むぞ、まばゆちゃん。
では、明日は先ほど立てたフラグを回収して、助っ人をもう一人確保しましょう。
ということで、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
DAY.1 Side MA
ごまかされ
拒絶されたかかわりは
とても痛くて
それでも
塗りつぶされた感情の
余白にある本音に
答えを求めて
ジリリリリリリ!
「っ!? はぁ、はぁ、はぁ……」
けたたましい目覚ましの音で私の意識は浮き上がり、布団をはね飛ばす勢いで私は起き上がりました。
「朝……、ですね……」
先ほど私はワルプルギスの夜の攻撃でソウルジェムを砕かれたはずでした。
そんな私がこうして朝を迎えられたということは……。
「暁美さんは無事だったんですね……。よかった」
暁美さんが時間を巻き戻せたということ。
決して喜べることではないけど、暁美さんが無事だと分かっただけでも一安心です。私は七海さんを庇って死んでしまいましたから、暁美さんがどうなったか確認できませんでした。
とにかく、時間が巻き戻ったのならやることは一つです。
(暁美さんと合流しないと……)
私は布団を剥いで、着替えに手をかけます。
そして、お気に入りのカーディガンに手を通そうとして。
『ここか~? ここが怪しいな~?』
『あははははっ! ちょっと、凜さん、くすぐったいです! うひゃひゃひゃ!』
「っ……」
思い出したのは、前の時間軸での凜さんとじゃれ合ったときのこと。
(凜さん……)
結局、前の時間軸では凜さんとはちゃんと話せないまま別れることになってしまいました。
ワルプルギスの夜との戦いの前夜。私たちは凜さんに拒絶されました。
彼女が苦しんでいるなら助けたいと思ったゆえの行動でしたが、あそこまで彼女を怒らせて拒絶されるくらいなら、これ以上詮索しないほうがいいのかもしれません。
私はある決意をし、暁美さんの入院している病院に向かいました。
「失礼します、暁美さん」
「まばゆ、来たのね」
ノックをして暁美さんの病室に入ると、ベッドに座った暁美さんが迎えてくれます。
「よかったです、暁美さん。時間は無事に巻き戻せたんですね」
「……ええ。七海さんが、守ってくれたわ。最後まで」
「そう、ですか……」
七海さんがどうなったかは聞きませんでした。暁美さんの悲しそうな、何かを堪えるような顔で大体の想像はつきました。
「そうだ、まばゆ。さっそくで悪いけど、今後の行動について話したいわ。今回の時間軸での行動なのだけど、まばゆに一つ相談があるのよ」
「暁美さんもですか? 奇遇ですね、私もです」
「まばゆも?」
「ええ。それで、暁美さんの相談というのは」
私の質問に、暁美さんは何を思ったか首を横に振ります。
「いえ、まばゆが先でいいわ」
「え、でも……」
「もしかしたら、まばゆの相談とも被っているかもしれないわ。それでもし、私の相談がまばゆの相談と衝突するような内容だったら、あなたは言う前に飲み込んでしまうでしょう? だから、あなたが先に言いなさい」
「アハハ……。よくお分かりで……」
「当たり前よ。さすがにもう一度、相談もなしに記憶を消されるのはごめんだわ」
「そ、それはすみません、本当に……」
暁美さんの発言に私は頭を下げて謝ります。
さすがに本気で怒っている感じではないですが、暁美さんがこんなことを言うのも珍しいのも事実です。それほど、あの行動は暁美さんにとって許せないものだったのでしょう。
そんな暁美さんにこの相談をするのは心苦しいですが、それでも私は……。
「それで、まばゆの相談っていうのは?」
私はギュッと拳を握って、覚悟を決めて口を開きます。
「わ、私は……、この時間軸で凜さんを救いたいんです」
暁美さんは驚いたような顔をします。
「きっと凜さんは、私たちが彼女を詮索しなければケンカすることもなく、最後まで私たちに協力してくれると思います。会って一ヶ月も経ってない私のために、一晩中付き添ってくれるくらい優しい人ですから。だから、暁美さんの目的を考えれば、私のやろうとしていることは完全に無駄です。むしろ、凜さんを怒らせて協力を得られなくなってしまう可能性だってあります」
私は暁美さんの顔を見られませんでした。それほど、自分の言っていることが身勝手だって分かっていますから。
それでも……。
「私は、凜さんに寄り添いたいんです。確かに前の時間では、ヒドいことも言われました。けど、凜さんだって苦しんでいるはずなんです。だって、ワルプルギスの夜に特攻を仕掛ける前に凜さん、笑っていたんです。しかも、今まで見たことないくらい、安心した笑顔で」
あの時の彼女の顔は今も忘れられません。
あの笑顔は無理をしている作り笑いでも、何かに希望を見出した笑顔でもありません。自分が死ぬという事実に、心の底から安心したような笑顔でした。
人というのは、死というものを恐れます。
私だって怖いです。何度経験したってやっぱり死にたくありません。
お母さんだって怖がっていました。その恐怖が、あの優しい人を豹変させてしまうくらいには。
それなのに、凜さんの顔にはそんな感情は微塵も感じられなくて。ただ安心したような、ともすれば少し嬉しささえ混じっていたような、そんな顔だったんです。
「そんなの……、あまりにも悲しすぎるじゃないですか……。凜さんは誰かのために頑張り続けてきたのに、その終わりが自分が死ねることに安心するって、あんまりじゃないですか……!」
なんであんな優しい人が、そこまで追い詰められなくちゃいけないんでしょう。
そんな理不尽に、私は怒っているのか悔しいのか分からない感情のまま喋り続けます。
自分の声が震え始めたことに気づくと、視界もなんだか滲んできました。
「そんな状態の凜さんを、私は見て見ぬ振りできません。凜さんにあんな悲しい考え、させたくないんです。あんな顔をしちゃうくらい追い詰められてる凜さんに、寄り添ってあげたいんです」
それでも、暁美さんには私の思いを全部伝えます。自分で抱えるだけじゃ変えられないものだってあるって、気づかせてくれましたから。
「もちろん、鹿目さんを救いたい暁美さんの目的を忘れたわけじゃありません。だから、暁美さんに無理を言っているのは分かっていますし、協力してほしいとも言いません。ですが、凜さんと一緒にいる時間だけでも、私に作らせてくれませんか……?」
私は先ほどの謝罪より深く頭を下げます。
暁美さんからすれば、私の考えは身勝手もいいところでしょう。貴重な、無条件で協力してくれる人を怒らせる可能性もあるのに、それで満たされるのは私のワガママな気持ちだけですから。
けど、私は深く関わり過ぎてしまいました。暁美さんと同じように。
彼女の優しさと温もりに触れてしまったんです。だから、何とかしてあげたいって思ってしまうんです。自分が何もできないとしても、凜さんが苦しんでいるなら側にいてあげたいんです。
もう彼女は他人なんかじゃありません。彼女は……。
「私の、大切な友だちなんです……!」
どれくらい頭を下げていたでしょう。私の下げられた頭に暁美さんが声をかけます。
「たしかに、身勝手な話ね。何もしなくても凜は協力してくれるのだから、これ以上やることなんてない。あなたの言うとおり、私の目的を考えればやる意味なんてないことよ」
暁美さんのその言葉に、私はスカートの裾を握りしめます。
分かっていたはずなのに、悔しくて仕方ありません。
認められないって思っていたはずなのに、涙は次々と床に落ちていきます。
「けど、すごく安心した」
暁美さんの言葉に、え、と私は思わず顔を上げます。
「私ね、時間を巻き戻す前に七海さんに頼まれたのよ。『あの子のことを気にかけてあげて』って。でも、まばゆは凜に結構キツいこと言われていたから、もしかしたらまばゆは、凜と関わるのを嫌がるかもしれないと思ったわ。そうしたら、私の目的を考えれば、凜のことは諦めるしかなくなる。まばゆに手伝ってもらう以上、ループを脱することに影響しないことなんてできないから」
そう言う暁美さんの顔は、薄く微笑んでいました。
「だから、まばゆが私と同じ気持ちですごく安心した。誰かを諦めるという選択肢を選ばなくていいんだって思えて。私だってまばゆと同じよ。まどかを助けたいという気持ちは今でも揺らいでない。あの子以上に優先すべきことなんてないわ。けど、だからといって彼女を犠牲にすることに何も感じないわけじゃない。だって、彼女は私にとっても大切な友だちだもの」
そこで暁美さんは言葉を区切り、私のほうを見ます。
「けれど、私はまどかも救いたい。その道しるべを失えば、私はきっと戦えなくなってしまう。そして、私の手はきっと多くの人を救えるようなものじゃない。欲張ればきっと、両方とも手をすり抜けてしまう」
だからまばゆ、と私を真っ直ぐに見つめる暁美さん。
「凜のこと、七海さんに託された願いも含めて、まばゆに託してもいいかしら」
暁美さんの問いに、私は精一杯頷きます。
「……ええ! 任せてください。凜さんのこと、何とかしてみせます!」
「ありがとう、まばゆ。そして、これからもよろしくね」
そうやって笑う暁美さんを見て、私はようやく自分の居場所へ戻ってこられた気がして。
「はい。こちらこそよろしくお願いします、暁美さん」
だから、私も満面の笑みで答えました。
「よし! 大体こんなもんかな? ほむらもまばゆもこれでオーケー?」
「そうね……。かなりスケジュールは厳しいし、いくつもの仮定を積み重ねてはいるけど、もうこれくらいまでやらないと打つ手もないし……。私は異論はないわ」
「そう、ですね……。私も特には……」
その日の夜。
私たちは凜さんの家を訪れ、私たちの事情を全て話しました。
私は最初、こんな荒唐無稽な話を信じてもらえるのか疑問でした。けれど、暁美さんが妙に自信がありそうでしたので、暁美さんに任せました。
結果、凜さんは驚くほどすんなりと信じてくれました。
暁美さん曰く……。
「前回も同じようなやり取りをしたからね。凜が信じてくれることは疑ってなかったわ」
と、涼しい顔で言っていました。
その凜さんは、私たち二人の返事を聞くと満足そうに頷きます。
「うん、ありがとう。それじゃ、最初の難関は3日後のやちよ先輩説得だね。といっても、ほむらとまばゆは付いてきてくれるだけでいいから。説得は私に任せて」
その言葉で、私たちの作戦会議は幕を閉じました。
「今回のフローチャートも中々スゴいことになったわね。相変わらず、凜の立てる計画は予想がつかないわ」
帰り道。暁美さんはそう呟きました。
実際、暁美さんの言うとおり、私たちの話を聞いた凜さんが提案してきた計画は、私たち二人では決して思いつかなかったものでした。
けれど、私はそれよりも気になることがあって。
「あの、暁美さん」
「なに?」
「その、上手く言えないんですけど、なんか凜さん、変じゃありませんでした?」
「変?」
暁美さんが首をかしげます。
「はい。なんというか、どこかおかしいっていうか……、違和感があるっていうか……」
「そうだったかしら? 私は何とも思わなかったけど……」
その言葉に私も黙ってしまいます。
先ほどの凜さんとの会話と作戦会議。
私は凜さんの様子がずっと気になっていました。
言葉で説明するのは難しいですし、私自身、何に引っかかっているか説明できません。
けど、違和感を感じたのも確かなんです。
(私は何に違和感を感じたんでしょう……。凜さんにいつもと変わったところ、あるいは言わなそうなこととか……)
私は必死に凜さんの様子を思い出して、ようやく違和感の手がかりのようなものを見つけました。
「そうか……。凜さん、普段と変わらなすぎたんだ……」
「え?」
不思議そうな顔をする暁美さんに、私は自分の中に浮かんだ仮説を話します。
「凜さんの態度、いつも通りすぎたんです。いくら私たちが魔法少女だとしても、時間遡行なんて到底信じられるものじゃないですよ。それなのに、凜さんはすぐに信じた」
「ちょっと待って」
私の考えに暁美さんは待ったをかけます。
「すぐに信じたって言うけど、ちゃんと証拠は示したわ。あなたも見てたでしょう? 凜だって無条件に信じてるわけじゃ……」
「いや、あの確認方法で確認できるのは私たちが時間遡行者かどうかだけですよ。私たちの目的まで確かめられません」
「それは……」
「それに凜さん、協力してほしいって言っても、何の疑問も持たずに頷きました。あれだって、最初からそうするつもりだったんじゃないですか」
相手の目的を確かめられないのに、一緒に活動するのなんてあまりにもリスクが高すぎます。それなのに協力を了承するなんて、よっぽど何か自信があるか、あるいは自分の命に頓着がないか、どっちかです。
(ああ、凜さん……。あなたは……)
こうして暁美さんと話して考えて、私はようやく違和感の正体にたどり着きました。
「もうこの時点で、自分の命に頓着してないんですね……」
暁美さんと凜さんを救うと決めた後、私には考えたことがありました。
もしかしたら、凜さんだってループの初めの頃は健全な精神性だったんじゃないかって。何かのきっかけで心が傷ついたから、あんな風になってしまったんだって。
確かに、今までの1ヶ月で凜さんは傷ついたこともあったでしょう。
けど、それは最後の一押しに過ぎなかった。
凜さんの心はもうこの時点で、限界だったんです。
DAY.4 Side MA
「うぷっ……。さ、さすがに食べ過ぎましたかね……」
私はテーブルに置かれている水を少しだけ飲み、背もたれに体重を預けます。
せっかくだから歓迎会やろう、と凜さんに連れてこられたのは、中華飯店『万々歳』。
料理はとにかく量が多いし、油も多めなので、私としてはかなり胃もたれするような料理の数々でした。
あれを平気で食べてる凜さんやフェリシアさんを尊敬します。
(それにしても、あの人が……)
私は前のテーブルで七海さんと話している由比さんを見つめます。
由比さんはこの店の店主さんの娘さんだそうで、自分で看板娘を名乗っていました。
そして、凜さんの師匠でもあります。
(たしかに、似てますね。というか喋り方そっくりじゃないですか?)
由比さんは、それはもう明るい方で、店に入ったときからテンションが高かったです。オーバーなリアクションと人懐っこそうな笑み。まさにムードメーカーといった感じで、私みたいな陰キャボッチとはまさに対極の……。
(って、違う違う! 今は自虐をしたいわけじゃありません!)
私は自虐に走りそうになる思考をなんとか修正して、頭の中の考えをまとめて……。
「まばゆちゃん! どうだった? ウチの料理!」
「うわぁ!」
そんな私に話しかけてきたのは、由比さんその人。
「あ、ごめん。驚かせるつもりじゃなかったんだけど……」
「い、いえ……。私のほうこそ、ごめんなさい」
「ううん、気にしないで! それで、どうだった? 料理!」
「あー、えっと、おいしかった、ですよ?」
「何点? 何点?」
ずいっと顔を近づけてくる由比さん。
それに気圧され、私は顔を引きながら答えます。
「えっ……。い、いや~、て、点数で表現できるものでは……」
「いいからいいから! 自分の思った点数を素直に!」
「……ご」
「ご?」
「……50点」
私は申し訳なくて、目を逸らし、人差し指同士を合わせながらボソッと答えました。
しかし、由比さんにはしっかり届いていたようで、うわああああああ、って言いながら床に手をついていました。
すると、それを見ていた凜さんが笑いながら言ってきます。
「気にしなくていいよ、まばゆ。これ、いつものことだから」
「え、いつものことなんですか?」
「うん。神浜七不思議、ここの料理は誰に聞いても50点ってもっぱらのうわさー、なんてね」
「ぐぬぬ~……! いつかぜーったい100点って言ってもらえる料理作るから!」
「はい。応援してます、鶴乃先輩」
そう言って笑う凜さんは、一瞬だけ、私たちがいつも見てきた表情とは少し違っているように感じました。
(っと、そうだった。私、この人に聞きたいことがあるんだった)
「あの、由比さん」
「鶴乃!」
「え?」
私の言葉を遮るように自分の名前を言う由比さん。私は彼女の意図が掴めず、キョトンとしてしまいます。
「名前で呼んで?」
「いや、でも、由比さんのほうが年上ですし……」
「……」
「あの、由比さん?」
「……」
「つ、鶴乃さん……」
「はい! 鶴乃ちゃんです!」
嬉しそうに笑いながら元気よく返事するゆ……、鶴乃さん。
(なんだかこの流れ、凜さんのときもあったような……)
私がそんな過去を思い出していると、鶴乃さんが話しかけてきます。
「それで、私に何か用? さっきから私のこと、ちょくちょく見てたよね」
「あ、そうなんです。実は聞きたいことがあって」
私の視線がバレバレだったことに驚きつつ、私は鶴乃さんに質問します。
「あの、鶴乃さんは凜さんと仲が良いんですよね。凜さん、よく師匠って言って、鶴乃さんの話をしてました。(前の時間軸の話ですけど)」
「ほ? そうなの? いや~、嬉しいなぁ。そうだよ! 凜は私のカワイイ後輩で、一番弟子だよ!」
「それなら……」
「なに~? 私の話?」
私が本題を切り出そうとすると、凜さんが割って入ってきました。
「そうだよ。あ、もしかして私たち師弟の最強伝説を聞きたい感じ!?」
「なるほど、さすが師匠! もう、まばゆも恥ずかしがり屋だな~。言ってくれればいくらでも教えるのに」
「あ、いや、私は……」
「それじゃあ、最強伝説その1! あれは私と凜が組んで間もなくの頃……」
私の否定の声は届かず、鶴乃さんは最強伝説を語り始めてしまいます。
結局、最強伝説その6くらいまで鶴乃さんが語ったところで、「いい加減にしなさい。愛生さんが困ってるでしょ」という言葉とともに、七海さんが鶴乃さんの頭にチョップを落とし、会はお開きとなってしまいました。
万々歳からの帰り道。私は暁美さんにテレパシーを送りました。
『あの、暁美さん。ちょっといいですか?』
『なにかしら?』
『明日なんですけど、私と暁美さんだけでもう一度、万々歳に来ませんか? 凜さんのこと、鶴乃さんなら何か知っていると思うんです』
私の言葉を聞いて暁美さんは少し驚いたような顔をしました。
『どうでしょう……?』
『いい考えだとは思うけど……』
『けど?』
暁美さんは驚いたような、感心したような表情のままテレパシーを送ってきます。
『まさかあなたからそんな提案をされるとは思ってなかったわ』
『そうですか?』
『ええ。人と喋るのがあんなに苦手だって言ってたのに』
『今でも苦手ですよ。でも、凜さんだって私たちのために頑張ってくれていますし、七海さんにも凜さんのこと、託されましたし。苦手だなんだ言ってられません』
それに鶴乃さんなら、私みたいな口下手でも無碍にはしないでしょう。ちょっとしか話しませんでしたが、彼女の明るさは人の心の警戒心を解く力を持っている気がしました。凜さんが慕うのも納得の人です。
ですから……。
『力になってくれますよね?』
『大丈夫じゃないかしら。あの感じなら』
私たちは、明日の合流場所と時間だけ決めて、凜さんたちの輪に戻りました。
お待たせしました。ついに3周目、突入です。
まずは皆さま、投稿が遅れて申し訳ありませんでした。
私生活が忙しく、小説を書いている暇がありませんでした。
一応タグに不定期更新とは付けていますが、できるだけ間隔を開けずに投稿したかったんですがね……。
ただ、書く意欲は落ちていないので、エタる心配はない、はず……。
完結まではしばらくかかると思いますが、まどドラや廻天までの暇つぶし程度で読んでいただければ、と思います。
次回もよろしければ読んでいってください。