魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(まさかのアシュリー実装決定なので)初投稿です。



Record3 DAY.5

 

 

 

 

 

 

 透明少女と仲良くなる実況、はーじまーるよー。

 

 

 

 前回は新たな時間軸で、仲間を集めるために神浜にやって来たところまででした。

 

 今回はその続きから。

 

 

 

 

 

 

 

DAY.5

 

 

 

 さあ、今日は前日に立てたフラグを回収しましょう。

 

 

 

 ということで、今日は神浜で協力してくれる人を探すゾ。

 

「いるかしらね、そんな人」

 

 ほむらちゃん、諦めたらそこで試合終了ですよ?

 ダメ元でもやってみなきゃ分かんないダルルォ!?

 

 そんなわけで、ほむらちゃんとまばゆちゃんも手伝ってくれそうな人いたら声かけてきてね。

 

「そうね、やれるだけやってみましょう」

「わ、私も、頑張ります!」

「それなら、オレもななかに聞いてみる。アイツ強さは本物だからな」

 

 フェリシアちゃんもありがとナス!

 

 

 それじゃ、16時にみかづき荘で合流ということで、解散!

 

 

 

 

 

 

 

 さて、皆と別れたらさっそく昨日猫がいた場所にむかいましょう。

 

 フラグは昨日立てたので、恐らくイベントが発生するはず。

 

 

 

 

 

 

 

 魔法少女移動中……

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい、着きました。水名区です。ここは昔から神浜の中心部で、昔は水名という一族がこの一帯を治めていました。水名城というお城もあり、その時代を生きた魔法少女、水名露ちゃんと千鶴ちゃんのお話やイベントも、そこで起こすことができます。

 

 が、今回は特に関係もないので、水名観光はしません。もし気になる視聴者兄貴は、このゲームをやるか、「ピュエラ・ヒストリア」で調べてみてください。

 

 

 

 

 さて、水名に着くと右上に目的として、『協力者を集めるため、聞き込みをしよう』と出ます。

 昨日フラグは立てましたが、このように行くだけではイベントは発生しません。一応、昨日に引き続き、何人かに声をかけましょう。

 

 ねーねー、透明人間の噂って知らなーい?

 

 

「透明人間? 聞いたことないなー」

 

「う~ん……。知らないですね」

 

「申し訳ないでございます。そういう話には疎くて……。あ、お稽古の時間なので、失礼するでございますね」

 

「はわっ、透明人間ですか……。ごめんね、知らないかも……」

 

「透明人間? 私から最も縁遠い存在ですわね! あ、それよりあなた。私の出ている雑誌、読みませんこと? 今なら無料で……」

 

(いら)ないです。

 

 

 

 

 

 誰も知らねぇじゃねえかよ! 噂はどうなってんだ、噂は!

 

 

 と、初見ならブチ切れてしまいそうですが、これで大丈夫です。これは情報を得ることではなく、話しかけた人数でイベントは進むので、とりあえず5人くらいに話しかければイベントは進められます。

 

 

 

 では、ユリちゃんも休憩したがっているので、自販機で飲み物でも買いながら昨日の猫の集会所に行ってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここですね。次の角を曲がれば昨日猫たちがいた場所ですが……。

 

 

 

 お、反応があった。

 ユリちゃんがソウルジェムを見ると、近くで魔女の反応が。ちょうど猫たちがいた辺りです。

 

 

 もちろん心優しいユリちゃんに、猫ちゃんたちを助けない選択肢は出てきません。

 

 ということで、魔女の結界に突入です。

 お、開いてんじゃ~ん。

 

 

 

 

 

 結界に入ると、入り口付近に白い猫がいます。安心させるように抱きかかえて、外に逃がしてあげましょう。

 すると、外で待ってた他の猫たちの元へと帰っていきます。

 

 しかし、昨日はいた黒猫がいないことにユリちゃんは気づいたようです。

 

 ここで右上の目的が『結界に迷い込んだ猫を助けよう』に変更されます。

 

 

 ということで、もう一度結界へ。

 お邪魔するわよ~。

 

 

 

 

 

 使い魔たちを蹴散らしながら奥へ進むと、魔力の反応があります。どうやら、他の魔法少女が先に戦っているようですね。

 待ってろ! 今、援護する!

 

 

 

 さあ、結界の最深部までやって来ました。

 この結界の主は……、げっ、イキガミの魔女だ。

 

 

 

 ここに登場する魔女はランダムなのですが、イキガミの魔女はその中でも一番強い魔女なので、今回は運が悪かったですね。

 

 非常に足の長い椅子のような胴体に、本体は背もたれの後ろから伸ばした手で甕を持ち、そこから水を浴びているという、これまた犬カレー節全開の魔女です。

 

 甕から放たれる水が水圧カッターやハ○ドロポンプみたいな威力してますし、雷撃を飛ばしてくるなどの攻撃をしてくるほか、本体が高いところにいるので攻撃が当てづらいなど、厄介な魔女となっています。一部ユーザーからは、クソボス認定されてるとかなんとか……。

 

 

 そんな魔女の下で戦っている魔法少女が一人。

 さっそく助けに入りましょう。

 

 お、大丈夫か大丈夫か。安心しろ、私が来た!(オールマ○ト感)

 

 

「ぴゃっ!? あ、あなたは……」

 

 夕凪凜、15歳、学生です。

 

 魔女と戦っていたのは大きな盾が印象的な緑髪の女の子。

 

 

 

 

 そう、チームみかづき荘でまだ紹介していなかった最後の一人、二葉さなちゃんです!

 

 

 

 

 では、ユリちゃんが戦っている間に少しさなちゃんの解説をば。

 

 

 二葉さなちゃんは水名区の水名女学園に通う中学二年生。ユリちゃんの一つ下ですね。

 

 彼女の特徴はなんと言っても、常人には姿が見えない、透明人間であるという点です。透明人間の噂はここから来ています。

 

 なぜ彼女が透明人間なのかというと、魔法少女になるときの願いで『この世界から消えたいから、自分を透明にしてくれ』と願ったからです。

 

 

 

 ……。

 

 はい、言いたいことは分かります。

 マギレコ未履修兄貴に先に言っておくと、さなちゃんの魔法少女ストーリーはマギレコでも屈指の胸糞ストーリーとなっております。

 誇張なしで、この設定を考えた人は人の心とかないんか? と聞いてみたくなってしまうような悲惨さです。

 なので、ここから語るさなちゃんのバックボーンは、ネタバレが嫌な人はもちろん、精神

 的にエグいのがダメな人もブラウザバック、もしくは読み飛ばすことをオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 二葉さなちゃんですが、両親が一度離婚しており、さなちゃんは母親に引き取られます。さなちゃんのお母さんは無事に再婚しますが、それはさなちゃんにとって地獄の始まりでした。

 

 再婚相手は、神浜大学医学部の教授をしている男でした。

 さなちゃんの父親になったその男は、実力主義、成果主義を体現したようなとんでもねーヤツで、実際彼の元にいた、さなちゃんの兄と弟になった息子たちは優秀でした。

 兄のほうは学業で、弟のほうはスポーツで優秀な成績を残し続けるのに対し、さなちゃんはイマイチ成果を残せず。(それでもテストの点数を考えれば、普通に成績は良いほう)

 

 それに業を煮やした父親は、「お前に使う時間が勿体ない」、「二葉家の名を汚す」とさなちゃんを無視するネグレクトを始めます。何か用があるときはメールで連絡しろ、直接話しかけるなという徹底ぶり。

 しかも、血の繋がっているはずの母親も、再婚相手に捨てられるのを恐れ、さなちゃんをよく責めるようになる始末。当然、兄弟は味方になってくれません。それどころか、さなちゃんをバカにする始末。そのため、さなちゃんは家で孤立してしまいます。

 

 さらには学校でも、紆余曲折あって友達を失った挙句、イジメの標的にもなってしまったさなちゃん。

 そこに狙ったように現れた白い害獣にさなちゃんは、先ほどの願い事を願ってしまいました。

 

 

 

 

 

(過去が)重い……!!

 

 

 正直、解説していて気分が悪くなってくるレベルです。

 これでも大分端折ってマイルドにしたんですがね。さなちゃんの魔法少女ストーリーは、さなちゃんが追い詰められるまでの過程を、ていねていね丁寧に描いています。

 

 人の心とかないんか?(二回目)

 

 

 これ以上は長くなるので、ここで止めたいとは思いますが、マギレコキャラの中でも上位に来る重い過去を持つ彼女。

 

 その生い立ちのせいか、自分を必要としてくれる人に飢えており、マギレコでもいろはちゃんが自分を必要としてくれたと分かると割とあっさり付いていくなど、悪い意味でチョロい点があります。

 

 

 

 なので、その精神性を利用してこちらの仲間に引き込みます。(人間の屑)

 

 

 方法や、過程など、どうでもよいのだーーーーーー!!!(時止め吸血鬼並感)

 

 

 

 

 

 

 さて、戦闘のほうですが、結構苦戦してます。

 

 というのも、このイベントでさなちゃんは猫を守るためにこの魔女と戦っています。

 そのため、猫を庇ってさなちゃんはあまり動けないんです。

 

 となると、攻めはユリちゃん一人で行わなければならないのですが、先ほど言ったとおり、イキガミの魔女の本体は椅子の上です。

 遠距離武器ならそこまででもないんですが、近距離武器でコイツを相手取ると途端にクソボス化します。

 

 

 とはいえ、何とか体力も半分程度削れたので、ここは『超マギア』を使って一気に倒しましょう。

 

『超マギア』というのは、必殺技である『マギア』よりも強力な必殺技のことです。ドッペルが無い世界線だと、ドッペルの欄がこれに置き換わります。

 

 魔力を多く消費しますが、大ダメージを与えられるので、戦闘を早く終わらしたい、攻撃を当てるチャンスが多くない、などの相手にはもってこいです。

 

 

 ということで、さなちゃんにコネクトしてもらって火力にバフをかけ、さなちゃんに気を引いてもらった隙に、必殺技をぶち込みます。

 

 ユリちゃんの超マギア、『炎雷斬舞』発動!

 

 

 最後の一発くれてやるよオラ!

 

 

 

 

 

 

 

 Foo^~、気持ちぃ~。

 

 

 

 

 イキガミの魔女、工事完了です……。

 

 

 

 

 

「あ、あの、ありがとう、ございます……!」

 

 お、さなちゃん。大丈夫、猫ちゃん含めて怪我はない?

 

「はい。この子には怪我もないし、私もかすり傷程度で……」

 

 それならユリちゃんにお任せを。ユリちゃんの魔法は回復系だからね。

 

「え!? い、いや、気にしないでください! こんなことでお手を煩わせるわけには……」

 

 気にすんなって。ユリちゃんが好きでやっていることだし。ほら、怪我したところ見せて?

 

「す、すみません」

 

 うん、血は出ていますがさなちゃんの自己申告どおり、軽傷ですね。これで重傷だと、またいつかのリズムゲーが始まるところでした。

 

 

 

 よし、怪我も治ったゾ。

 

「すみません。ありがとうございます……」

 

 いいってことよ。

 それより、この猫はさなちゃんの飼っている猫なのかゾ?

 

「あ、いや、そういうわけではなく、ただ私がいつも戯れているだけの子たちで……。前に遊んでいた子は、保健所に連れてかれて……。ぐすっ」

 

 よ、よーし、もう大丈夫! 辛いこと聞いてごめんね。

 

 ……この子、不憫すぎない?(小声)

 

「だから、この子たちは守れてよかったです。本当にありがとうございました、凜さん」

 

 礼には及ばないゾ。

 

「そ、そういうわけには……。何か、何かお礼させてください! 私に出来ることならなんでもしますから」

 

 ん? 今、なんでもって言ったよね?

 

「はい、何でもします! 私、何の取り柄もないですけど、頑張りますから……」

 

 おお、うん……。

 ここまでストレートに受け止められると、やりづらいですね……。

 

 ユリちゃんも苦虫を潰したような顔していますね。

 というか、本来はここでワルプルギスの夜討伐の話を出すつもりだったんですけど、ユリちゃんの選択肢にないですね、それ。あるのは『透明人間の噂って知ってる?』って選択肢だけですね。

 

 どうしてくれんの、これ?

 

「透明人間……。あの、それ……、多分、私のことだと思います」

 

 ナ、ナンダッテーーー!(棒読み)

 

 ユリちゃんにとっては衝撃的な真実ですが、私が欲しいのはその選択肢じゃないんだよ。

 

「この前、今日みたいに猫ちゃんたちを助けようと結界に入ったら他の魔法少女の人たちが先に戦ってたんです。私、目立ちたくなかったので、その人たちを援護したら猫ちゃんたちを連れて帰っちゃったんです。そしたら、透明人間みたいな子って噂になっちゃって……」

 

 はえー、そんなことが……。

 

「実際、噂は間違っていないんです。私の魔法は透明になることなので……。それに魔法少女になった願いが原因で、普通の人に私の姿は見えないんです。私の姿が見えるのは同じ魔法少女だけで……」

 

 相変わらず、お出しされる設定が悲惨すぎる……。

 

 ヴォエッ!(ストレス過多)

 

「なので、その噂は私です。ごめんなさい……。それ以外なら役に立ちますから、何でも言ってください」

 

 と言われてますが、ユリちゃんがワルプルギスの夜討伐の話を出す気配はありません。

 

 は?(キレ気味)

 こんなんじゃ攻略になんないよ。

 

「え、もう十分って……。わ、私、役に立ちます! 鈍くさいけど、頑張ります! だから……! それとも、私なんか必要ないですか……?」

 

(自虐は)ヤメロォ!

 

 お、選択肢にようやくワルプルギスの夜討伐が出てきました。

 じゃあこれを選択します。

 

「ワルプルギスの夜? もちろんです! 協力します! 強さには自信ないですけど、精一杯頑張ります……!」

 

 

 ん?

 

 なんか、ユリちゃんのソウルジェム、超濁ってません? なぜ……?

 

 

 

 あっ!(スタッカート)

 

 

 

 よく考えれば、ユリちゃんも両親に虐待されてたんでした! さなちゃんの存在自体が、ユリちゃんにとっては地雷の塊ですね。

 そんな子を、死ぬかもしれない戦いに恩返しを利用して戦わせることになったら、そりゃ(ソウルジェムも)そう(なる)よ。

 

 ユリちゃんの表情がめっちゃ曇ってしまいました。プレイヤーのせいです、あーあ。

 

 

 

 

 ま、それはさておき。(外道)

 

 

 ここまでさなちゃんの事情を知ると、性格が『善性』と『おせっかい』を有しているユリちゃんは、さなちゃんを放っておくことができません。

 

 ちょうど、いい前例が昨日できたので恐らく……。

 

 >それなら、私の先輩のところで過ごしてみない?

 

 きました! この選択肢です。

 

「先輩、ですか……?」

 

 そうだよ。(便乗)

 

 さなちゃんだって、そんな家にはいたくないでしょ? 先輩も魔法少女だし、面倒見もすごく良いからさなちゃんのことも受け入れてくれるゾ。

 

「い、いや、そんなにお世話になるわけには……」

 

 ユリちゃんが好きでしていることだから気にしなくて良いゾ。

 それに、さなちゃんの精神衛生上、絶対その家から離れたほうがいいゾ。娘のネグレクトがまかり通る家庭なんて、人間の屑の集いってハッキリ分かんだね。

 

 だから、(みかづき荘に)いいよ、来いよ!

 

「ほ、本当に良いんですか? 私みたいなのがお邪魔しても……」

 

 邪魔なんて思う人なんていないって、それ一番言われてるから。

 

「じゃ、じゃあ……、行き、たいです。私、そこに」

 

 かしこまり!

 

 じゃ、行こうか。(マジキチスマイル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、やちよさん、オナシャス!

 

「……あのね、捨て猫拾う感覚で人を連れてこないで。しかも2日連続で」

 

 でも、さなちゃんの家庭って、さなちゃんの姿が見えなくても気にしないような毒親だゾ。魔法少女以外には姿も見えないし、さなちゃんは他に頼れる人がいないと思うんですけど……。(名推理)

 

「そ、それを言われると……」

「だ、大丈夫です! 私、今までも一人でしたから! 皆さんにこれ以上迷惑をかけるわけには……。凜さんが話を聞いてくれただけで、私は救われましたから。もう、十分です」

 

 って、さなちゃん言ってるけど、どうする?

 

「はぁ……。えっと、二葉さん、だったかしら」

「あ、はい」

「勘違いしているようだけど、あなたを預かることに関して、私は嫌ではないのよ。むしろそんな状況なら、私としては受け入れたいくらいよ」

「そ、そうなんですか……?」

「ええ。私が咎めたのは、凜が無断で人を連れてきたことだから。まあ凜も、あなたを放っておけなかったのは分かるんだけどね。それで、二葉さん。あなたはどうしたい?」

「ど、どう、とは?」

「みかづき荘に住みたい? 今は私の他にフェリシアって子も預かることになっているんだけど。私やその子と住みたくないなら、別に住まなくてもいいわ。それなら、二葉さんがちゃんと過ごせる場所を探すだけだから」

「ちゃんと過ごせる場所、ですか……?」

「ええ。さすがに事情を知った上で、あなたに家に帰れとは言えないもの。あなたが安心して生活できる場所を、私も仕事の伝手で探すから。どっちを選んでも安心していいわ」

 

 や、やちよさん……、優しすぎひん? こんなんでクールキャラとか、キャラ詐欺やろこんなん。(関西クレーマー)

 

 ほら、さなちゃんも泣いとるで。

 

「私、私は……」

「うん」

「住み、たいです……。 ここに住んでも、いいですか?」

 

 堕ちたな。(確信)

 

「そう。それなら歓迎するわ。私は七海やちよ。一応、この家の家主よ。よろしくね、二葉さん」

「は、はい。二葉さなです。よ、よろしくお願いします……!」

 

 ああ^~、心が浄化されるんじゃ^~。

 

 

 

「戻ったわよ、凜。……その子は?」

 

 お、ほむらちゃんにまばゆちゃん。いいところに。

 この子、二葉さなちゃん。ワルプルギスの夜討伐に協力してくれることになったゾ。

 

「え!? 本当に見つけてきたの!?」

 

 当たり前だよなぁ?

 

「マ、マジですか凜さん……」

 

 そっちは?

 

「いや~、探しはしたんですけどね……。中々見つからなくて……」

 

 誤魔化さなくていいゾ。どうせ、コミュ障発動して話しかけられなかっただけでしょ?

 

「ぐふっ!」

 

 やっぱりな。(名推理)

 

「むしろ見つけられるほうがおかしいのよ」

 

 コミュ障とは違うのだよ、コミュ障とは。(赤色機兄貴並感)

 

「あの……、この方たちは?」

 

 ああ、さなちゃんに紹介してなかったね。ユリちゃんの友達の、暁美ほむらちゃんと愛生まばゆちゃんだゾ。

 

「暁美ほむらよ。詳しくは後で説明するけど、ワルプルギスの夜を討伐してほしいのは、私のお願いなの。まばゆも凜も七海さんも、私に協力してくれるために集まってくれたわ。二葉さんも、これからよろしくね」

「あ、愛生まばゆです。暁美さんの協力者で、手伝ってくれる人を探していたので、助かります。よろしくお願いしますね、二葉さん」

「は、はい! よ、よろしくお願いします!」

「あ~、そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。ええ、ええ。分かりますよ。知らない人と話すのは勇気がいりますよね。私もそうなんですよ。実はとんでもないコミュ障で……」

「まばゆ。仲間を見つけて嬉しいのは分かるけど、早口で喋りすぎよ。彼女、困っているじゃない」

「す、すみません」

「それに勝手に彼女を同類と思っているようだけど、今日初めて会った凜の話を聞いて付いてきてくれた時点で、あなたよりは社交的じゃないかしら」

「暁美さん、手加減って言葉知ってます?」

「ふっ、あははは……」

 

 あ、さなちゃん笑った。やっぱまばほむの漫才を……、最高やな!

 

「ご、ごめんなさい。笑うつもりじゃ……」

「いやいや、いいんですよ。私のこの陰キャっぷりが誰かを笑顔にできたなら、陰キャ冥利に尽きるってもんです!」

「それ、自慢げに言うこと……?」

 

 まあ、とりあえず仲良くなれそうでよかった。

 

 フェリシアちゃんのほうは特に問題ありません。原作でも意外と二人で行動してる場面が多い二人ですから。やちよさんが間に入れば、仲良くなれること間違いなしです。

 

「おーい、戻ったぞー」

 

 お、噂をすれば何とやら。フェリシアちゃんも戻ってきましたね。

 

「わりぃ、凜。やっぱダメだった。あの分からず屋! オレや凜たちまでバカにしやがって。もう誰が頼むかあんなヤツ!」

 

(説得は)ダメみたいですね……。

 

 まあもちろん、これも想定通りです。ななか組の視点から見たら、ほむらちゃんに協力する理由もメリットもありませんしね。

 

 あと、フェリシアちゃんは、バカにしやがって、と言っていますが、これはフェリシアちゃんの勘違いです。

 フェリシアちゃんと一緒に行って説得イベントに参加すると分かりますが、ななかさんは口調が厳しいだけで、フェリシアちゃんが騙されてないか忠告しただけです。

 けど、遠回しな言い方がフェリシアちゃんに伝わるわけもないので、このように交渉が決裂して終わります。しょうがないね。

 

「ん? 凜の隣にいるやつ、誰?」

 

 この子は二葉さなちゃんだゾ。ワルプルギスの夜討伐に協力してくれる子で、これからみかづき荘で一緒に住むことになる子だから、よろしく。

 

「じゃ、仲間ってこと?」

 

 そうだよ。(便乗)

 仲良くしてくれよ~、頼むよ~。

 

「当たり前だろ。オレ、深月フェリシア。よろしくな、さな」

「は、はい! よ、よろしくお願いします、フェリシアさん」

 

 とまあ、こんな感じで結構すぐに仲良くなります。

 

 ほむらちゃんも言ってましたが、さなちゃんは自己肯定感と自信が死んでるだけで、コミュ障ではないので、相手から歩み寄ってくれれば、割とすぐに仲良くなります。

 

 どっかのコミュ障とは大違いだぁ……。

 

「凜さん、今失礼なこと考えませんでした?」

 

 コイツ、思考を……!?

 

「いや、そんな顔向けられれば誰でも気づきますよ!? というか、やっぱ考えてたんですね!」

 

 知らんな。(すっとぼけ)

 

「くぅ~! 私に味方はいないんですか!」

「諦めなさい、まばゆ」

「バッサリ!」

「あ、私はまばゆさんの味方しますよ……?」

「あ、ありがとう、ございます。二葉さん」

「さっそく人見知りでてるわよ」

 

 うんうん、これなら仲良くなれそうですね。連絡先も交換してるみたいですし、なんか学生っぽいな!

 ヨシ!(現場猫)

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DAY.5 Side SH

 

 

 

 私と凜さんの出会いは、魔女の結界の中でした。

 

 

 

 

 

 

「きゃっ!」

 

 魔女の放つ強烈な一撃に、私は尻もちをついてしまいました。

 後ろで庇っていた猫ちゃんは無事だけど、このままでは長くは持たないのは分かりきっています。

 

 

 

 数十分前。

 私がいつも家から逃げるように来ていた猫ちゃんたちの集会所。今日も猫ちゃんたちに触れ合いたくてやって来たけど、そこには猫ちゃんがほとんどいなかった。

 

 代わりにあったのは、魔女の気配。

 まさかと思い、魔女の結界を探し出して入ってみれば、魔女の結界には何匹かの猫ちゃんが迷い込んでしまっていた。

 

 

(このままじゃ、殺されちゃう!)

 

 私は必死に迷い込んでしまった猫ちゃんたちを助けました。

 

 

 

 そうして、あと少しというところで、この結界の主がやって来てしまったんです。

 

 

 

 

 

 そうして猫ちゃんたちを守りながらの戦いになったのですが、魔女は私の想像を超える強さでした。

 

 猫ちゃんがいなかったとしても、私一人じゃ勝てなかったでしょう。

 

 私一人なら諦めてしまってもいいけど、ここには猫ちゃんがいる。

 私が倒れてしまえば、この猫ちゃんは魔女に殺されてしまうかもしれない。

 

 そう思うと、座り込んでいる時間なんてありませんでした。

 

 

 

 もう一度立ち上がり、盾を構える。今の私に出来ることは耐えることだけ。

 

 耐えていればきっと。

 

 

 

 きっと……。

 

 

 

(誰か、助けてくれる?)

 

 今まで、誰も助けてくれなかったのに?

 

 お父さんも、兄さんも、弟も、皆から邪魔者扱いだった私を、助けてくれる人?

 

 お母さんにすら助けてもらえなかった私を、助けてくれる人?

 

 

 そんな人なんて……。

 

 

(いない?)

 

 

 

 

 

 

 

 私がそう思った時でした。

 

 

 

 炎と雷が魔女に奔り、私の前に黒い壁が現れたんです。

 

「大丈夫!?」

「ぴゃっ!?」 

 

 魔女が倒れた衝撃で風が起こり、黒い壁がはためきます。

 どうやら黒い壁だと思ったものは、彼女の羽織っていたケープの布でした。

 

 そう。私の前には一人の魔法少女が立っていたんです。

 

「助けに来たよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 私は呆然として、ほとんど独り言のように呟きました。

 

「あ、あなたは……」

 

 けれど、私の声が聞こえたのか、彼女は笑顔で振り返って答えました。

 

「私? 私は夕凪凜! よろしくね!」

 

 銀髪を揺らす彼女はとても輝いて見えて、ここが一瞬魔女の結界であることを忘れてしまうほどでした。

 

 私が何も言えずに固まっていると、凜さんは私の肩に手を置きます。

 

「本当に大丈夫? どこか怪我とか……」

 

 それでようやく我に返った私は、ぎこちなく返答します。

 

「は、はい。怪我は特に……。あ、私、さな、です。二葉、さなです」

「さなちゃん! よろしくね!」

 

 すると、凜さんはしゃがんで、私の足下にいた猫ちゃんを一撫でします。

 

「さなちゃんは、この子たちを助けようとしたんだよね?」

「は、はい」

「さなちゃんは優しい子だね」

 

 そんなことない。私がそう否定しようとしたところで、倒れていた魔女が立ち上がりました。

 

「とりあえず、まずは魔女を倒そうか。さなちゃんは飛び道具とか、遠距離で戦えるものってある?」

「あ、一応は。盾から色々出せたりはします……」

「よし。それなら、私が戦うからさなちゃんはここでその猫ちゃんを守ってて。そして、私が合図したら魔女に攻撃をお願い! ダメージは与えられなくてもいい。一瞬でも気を引ければいいから」

「わ、分かりました!」

 

 私の返事を聞いた凜さんは満足そうに笑うと、武器を構えて魔女に向かっていきました。

 

 

 

 

 そこからの戦いは、壮絶と言わざるを得ません。

 

 

 魔女から放たれる雷撃や水圧カッターのような水の攻撃。そして、魔女の攻撃の隙間を埋めるように襲いかかる使い魔たち。

 

 それらを凜さんは踊るように避け、避けきれないものは武器を使って上手く受け流していました。

 

 そうして作り出した一瞬の隙に、凜さんは高く跳躍。更に空中に生み出した魔法陣で更に高く跳躍すると、魔女の身体の天辺の部分に攻撃を加えます。

 

 

 すると、魔女は苦しそうに悶え、着地した凜さんは微かに笑いました。

 

「やっぱり。一番上のヤツが魔女の身体の中核だね。調整屋で調整受けてて良かった。あれじゃ、普通は攻撃届かないよ」

 

 

 しかし、魔女は今の攻撃で怒ったのか、更に攻撃を苛烈にしました。なんなら、援護に入った使い魔ごと、水の砲撃で吹き飛ばし始めます。

 

 もはや見境なしといった攻撃に、私も自分と猫ちゃんを守るので精一杯になってしまいます。

 防ぎきれない攻撃が私の身体に傷を付けていきますが、それでも引くわけにはいきませんでした。

 

 だって、任せると言われたんですから。その期待くらいには応えてみせたいです。

 

 

 

 先ほどから凄まじい挙動で動き回っている凜さんにも、魔女の圧倒的な密度の攻撃でいくつもの傷がつけられています。

 

 それでも、彼女の冷静で正確な攻撃の数々は、確実に魔女を追い詰めていました。

 

 

 

 そして凜さんは、双刃刀で周りの使い魔たちを一掃したと同時に叫びます。

 

「さなちゃん!!」

 

 その合図で、私は盾を開き、中からギロチンを模した武器を飛ばします。

 

 その攻撃は大したダメージにはなりませんでしたが、魔女の気は引けたようで、魔女が持つ大砲のような甕がこちらを向きます。

 

「っ!?」

 

 私は魔女から先ほどの水砲が来ると思い、咄嗟に身構えます。

 

 けど……。

 

「ありがとう、さなちゃん!」

 

 凜さんが魔女の足を攻撃して、魔女の体勢が崩れたことで、水の一撃はあさっての方向へ。

 

 

「さなちゃん! コネクト!」

 

 凜さんは私に向かって手を伸ばしました。

 私も、その手に自分の手に伸ばして……。

 

「よし! 掴んだ!」

 

 私の手を凜さんはしっかりと掴みました。

 

 その直後、凜さんは双刃刀の両方の刃に大きな炎と雷の魔力を纏わせます。

 

「食らえ! 師匠直伝の奥義!」

 

 そう叫ぶと同時、凜さんは高く跳躍。体勢を崩した魔女の上を取ると、今度は魔女に突っ込むために魔法陣を生成し、それを勢いよく蹴りました。

 

「炎雷……!」

 

 その速度に魔女は全く反応出来ず……。

 

 

 

「斬舞!!!」

 

 凜さんがすれ違いざまの一瞬で入れた幾太刀もの斬撃で、魔女は身体をバラバラにされ、最後は炎で焼き尽くされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっぶな~……。結構苦戦したなー。あ、さなちゃん大丈夫?」

 

 魔女の結界が消え、元の場所に戻ってきた私たち。

 凜さんは服に付いた埃を軽く払うと、私に駆け寄ってきました。

 

「あ、あの、ありがとう、ございます……!」

「お礼なんていいよ。それより、怪我とかしてない? 猫ちゃんも」

「はい。この子には怪我もないし、私もかすり傷程度で……」

「かすり傷って……。ちょっと見せて」

 

 凜さんは私が押さえている手をどけて、怪我をした腕を観察します。

 

「そこそこ深いじゃん。待ってて、今治すから。私の魔法、『巻き戻し』だから怪我なんてサクッと治せるよ」

「え!? い、いや、気にしないでください! こんなことでお手を煩わせるわけには……」

 

 私は咄嗟に断ろうとしますが、凜さんはそれを制します。

 

「気にしなくていいって。これくらいならそんなに魔力も使わないし。それに、これは私がさなちゃんを助けたいって思ってやることだもん。さなちゃんが遠慮することなんてないよ」

 

 そう言われてしまえば、断り続けるのも逆に失礼というもの。

 

「す、すみません。お願いします……」

「うん!」

 

 結局、私は凜さんの言葉に甘えることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

「すみません。ありがとうございます……」

「いいよ。怪我が治ってよかった」

 

 そう言うと、凜さんは自身の傷を魔法で治しながら質問してきました。

 

「そういえばさ、この猫ちゃんってさなちゃんのとこの子? 野良猫っぽいけど……」

「あ、いや、そういうわけではなく、ただ私がいつも戯れているだけの子たちで……。前に遊んでいた子は、保健所に連れてかれて……。ぐすっ」

「あわわ、ごめんごめん! 辛いこと思い出させちゃったね! ありがとう、もう十分だよ」

「……すんすん。いえ、こちらこそごめんなさい……」

 

 私は涙を拭う。私が泣いたって何にもならない。それより、凜さんには伝えなきゃいけないことがある。

 

「だから、この子たちは守れてよかったです。本当にありがとうございました、凜さん」

 

 私がそう言うと、凜さんは嬉しそうに笑って答えてくれました。

 

「どういたしまして! そう言ってくれて私も嬉しいよ!」

 

 それじゃ、と言って帰ろうとする凜さん。

 びっくりして、私は急いで彼女を引き止めました。

 

 私は、まだ何もお礼できていない、なんて言い訳をしたけど、本当はただ怖かったんです。私を見つけてくれた凜さんと別れてしまうのが。

 

 この世界で、また一人ぼっちになってしまうことが。

 

「何か、何かお礼させてください! 私に出来ることならなんでもしますから」

 

 そう言って凜さんの気を引こうとしたけど、凜さんはむしろ苦しそうな、辛そうな顔をしてしまいました。

 

(おかしいな……。なんでだろう? 私、また間違えちゃったのか?)

 

 脳裏にフラッシュバックするのは、いつかお母さんに言われた言葉。

 

 

 

『どうしてアンタは上手くやれないの!』

 

 

 

 その時を思い出し、私の呼吸が浅くなりかけた時でした。

 

「じゃ、じゃあさ、透明人間の噂って知ってる? 私、その噂を調べてて。何か知ってるなら教えてほしいな~、って」

 

 そうして凜さんから語られた噂の内容は、どれも身に覚えがありすぎる内容で……。

 

「透明人間……。あの、それ……、多分、私のことだと思います」

「え? ええええええええええ!!!」

 

 私がその当人だと白状すると、凜さんはコント番組みたいなリアクションで驚きの声を上げていました。

 

「マ、マジで?」

「はい……。この前、猫ちゃんたちを助けようと結界に入ったら他の魔法少女の人たちが先に戦ってたんです。私、目立ちたくなかったので、その人たちを援護したら猫ちゃんたちを連れて帰っちゃったんです。そしたら、透明人間みたいな子って噂になっちゃって……」

 

 そこから私は凜さんに事情を説明しました。

 なんで透明人間なのか。そこに至った経緯。そして、猫ちゃんたちを助けた理由。

 

 

 他の人に聞かせられるような話じゃないってのはよく分かっています。こんな話聞かされても、凜さんにとっては迷惑でしかないでしょう。

 

 でも、私は事情をほとんど話してしまいました。

 元の話から脱線しているのが分かっていても、私の口を止めることは出来ませんでした。

 

 

 もしかしたら、私の心は自分で思っていた以上に限界を迎えていて、誰かに事情を聞いてもらいたかったのかもしれません。

 それどころか、事情を話せば助けてくれるかもしれない、という傲慢な考えが裏にあったことは否定できません。

 

「なので、その噂は私です。ごめんなさい……。それ以外なら役に立ちますから、何でも言ってください」

 

 そして、私は話をそう締めくくりました。

 

 けど……。

 

「え、もう十分って……」

「うん。もう情報は教えてもらったから。これで十分お礼になったよ」

 

 そんな訳ありません。

 だったらなんで凜さんは透明人間を探していたんですか? 何か伝えたいことかお願いしたいことがあったんじゃないんですか。

 なのに、なんで言ってくれないんですか?

 

(もしかして、私がこんなんだから、失望しちゃいましたか?)

 

 その考えが頭に浮かんだら、体の奥が驚くくらい冷たくなって、理由の分からない恐怖がせり上がってきました。

 

「わ、私、役に立ちます! 鈍くさいけど、頑張ります! だから……!」

「お、落ち着いて? 別に私はそんなこと……」

 

 凜さんが何か言いかけていましたが、私にはそれを気にする余裕はありませんでした。

 

「それとも、私なんか必要ないですか……?」

 

 そう言って、私はまた泣きました。

 

(ああ……。これだから私は……。よく考えなくても分かりますよね……。こんな人間に何かを託せる人なんていません……。それなのに……)

 

 それなのに、私はすがりつくような言葉を吐いてしまいます。

 凜さんにとっては迷惑でしかないと分かっていても。

 

 

 

 けど、そんな私の考えを否定するように、凜さんは私の涙を親指で優しく拭いました。

 

「ごめんね。さなちゃんにとっては、私に頼ってほしかったんだよね。それなら……」

 

 凜さんは何かを迷うように少し言い淀んだ後、再び口を開きました。

 

「それなら、ワルプルギスの夜を倒すことに協力してくれる?」

「ワルプルギスの夜?」 

「うん。とっても強い魔女で、戦えば命の保証はできないほどのヤバい魔女。そんな魔女に、私たちと一緒に戦ってくれる?」

 

 凜さんの言葉の端々には、この提案を拒否してほしいようなニュアンスが含まれていました。

 けど、それは私が躊躇う理由にはなりません。

 

「もちろんです! 協力します! 強さには自信ないですけど、精一杯頑張ります……!」

 

 

 だって、私はあなたに見つけてもらって、ようやく透明人間から戻れたんですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DAY.5 Side MA

 

 

 

「うひぃーー! 遅刻遅刻ー!!」

 

 まるでラブコメのテンプレートの冒頭部分のような台詞を言いながら、私は無い体力を振り絞って走っていました。

 

(くぅ~! さっきのトラブルさえ無ければ……!)

 

 そんなたらればを頭の中で繰り返しながら、私はようやく暁美さんとの集合場所に辿り着きます。

 

「ずいぶん遅かったわね。10分の遅刻よ」

 

 ぜえ、ぜえ、と肩で息をする私の頭に降ってきたのは、そんな言葉。

 

「す、すみません……。ぜえ、はあ……。ちょ、ちょっと、トラブルで、遅れて……」

 

 呼吸の間で何とか言葉を紡ぎ、私は暁美さんに謝罪する。

 

「トラブル?」

「あ、えーと、魔女の結界に遭遇しちゃって……。しかも、神浜の魔女、なんか強いんで、逃げられちゃいました……」

「そう……。まあ、あなたが無事ならそれでいいわ。それじゃあ、行きましょう」

「ちょ、暁美さん……。私、今さっきまで、走ってたばっかで……」

「凜に内緒で行くんでしょ? なら、早く動かないと怪しまれるわよ」

「あ、悪魔……」

「風穴開けられたい?」

「すみませんでした……」

 

 そうして私は、暁美さんに引きずれるようにして、電車へと乗り込みました。

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃーい! って、あれ? ほむらちゃんにまばゆちゃん、だよね。 どうしたの?」

「あ、昨日ぶり、です。鶴乃さん」

 

 万々歳に入った私たちを明るく迎えてくれた鶴乃さん。

 

「はっ! もしかして、昨日食べたウチの料理が美味しすぎてリピートしたくなったとか!?」

「い、いえ、今日はそういうわけでは……」

「私たち、聞きたいことがあってきたんです」

「がーん。違うのかー……。けど、任せて! 鶴乃ちゃんに答えられるものなら、何でも教えて進ぜよう! これでも学年主席だからね。任せて!」

「へ~、すごいですね……。えっ!? 学年主席!?」

 

 あまりにも衝撃的すぎて思わず大声を上げてしまいました。

 正直、言動からして勉強のほうは出来ないタイプかと思っていたんですが、どうやら人間は映画の登場人物のように単純ではないようです。

 

 というか、学年主席なら私より圧倒的に頭良いのでは?

 

「ふっふーん。最強魔法少女は、勉強も最強なのだー!」

 

 暁美さんも言葉を失っている辺り、この人は本当に規格外だと思い知らされます。

 

(なんでも出来る人って、本当にいるんですね……。羨ましい限りです)

 

 そういえば、七海さんも大学生とモデルを掛け持ちしながら、魔法少女をやってるって聞きました。

 モデルが出来る美貌に加え、魔法少女としてもあの強さ。彼女も、私たちからしたら凄まじい才能の持ち主なのかもしれません。

 

 

「それで? 何が聞きたいの?」

「えっと、その……、凜さんの、ことなんです」

「凜の?」

「はい。えと、その前にまず、私たちの目的から話さないといけませんね」

 

 

 私たちの目的を鶴乃さんに話すこと。

 

 これはここに来るまでに、私と暁美さんで話し合って決めたことでした。

 

「良いのね? 言っても」

「はい。凜さんは黙っていてくれって言ってましたけど、凜さんの言葉に従っていたら、きっと凜さんは助けられません」

 

 

 

 だから、私たちは全て話しました。時間遡行のこと、ワルプルギスの夜のこと、そのための仲間集めのこと。

 

 

 鶴乃さんの反応が気になるところでしたが、鶴乃さんの反応は予想よりもあっさりとしたものでした。

 

「黙っていて、ごめんなさい」

「まばゆちゃんが気にしなくていいよ。にしても、そっか……。それなら納得かも。昨日、急にやちよが凜たちと来たのが不思議だったんだ。やちよは用も無いのにここに来るようなことしないから、どうしたんだろうって思ったんだけど、そういうことだったんだね」

「私たちの言ってること、信じてくれますか……?」

「うん。だって、やちよと凜が信じたんだもん。みたまの確認も取れてるなら、私が疑う必要はないかな」

 

 とだけ言いました。

 

「それで、私に聞きたいことって何なの? 凜が私に言うなって言ってるってことは、私に戦いに参加してほしいって感じじゃないよね?」

「本音を言えば、私は参加してほしいと思ってるわ。けど……」

「やっぱり、それは凜さんを説得しないと難しいと思うんです。それに……」

「それに?」

 

 私は一呼吸おいて、前の時間軸であったことを話しました。

 

「凜さん、どこか危うい感じがしてるんです。前の時間軸だって、凜さんは段々自分を顧みなくなっていって……。私たちに協力はしてくれるんですけど、あまりにも自己犠牲がすぎるというか……」

 

「とにかく、凜さんにはそういうことを止めてほしかったんです。けど、前の時間軸でそのことに触れたら、今までにないくらい凜さんに拒絶されて……。それでも、私たちは凜さんにそんなことは止めてほしい。だから、もっと知りたいんです。凜さんのこと。そうすれば、凜さんが何に苦しんでいるのか、少しでもその苦しみに寄り添ってあげられると思うんです」

 

 だから、と私は続ける。

 

「お願いします。凜さんの過去を教えてくれませんか? 凜さんや七海さんから聞きました。チームを解散した後も一緒に行動していたんですよね? 凜さんが見滝原に引っ越すまでずっと……。頼れる人が鶴乃さんしかいないんです」

 

 お願いします、と私はもう一度頭を下げた。

 

「私からもお願いするわ。ここまで私が戦えたのは、凜の力あってこそよ。そんな彼女を犠牲に選び続けるのは、私だってしたくない選択。戦いに巻き込んだ私が言えることじゃないのかもしれないけど、私だって何かしてあげたいのよ」

 

 そう言って、暁美さんも頭を下げました。

 

 

 それを見た鶴乃さんは慌てたように手を振りました。

 

「あわわわ……。二人とも顔上げて! そこまでしなくても、ちゃんと教えるよ!」

「本当ですか!?」

 

 うん! と力強く返事をする鶴乃さん。それと同時に、鶴乃さんは嬉しそうに笑いました。

 

「でも良かった。凜にも、こんな心配してくれる友達が見滝原にいて。凜のこと、これからもよろしくね」

「…! はい! もちろんです!」

 

 私の返事に、鶴乃さんは満足げに笑うと、よし!と言って、お水を持ってきてくれた後にこう言いました。

 

「まあ、あんな自信満々に言っておいてなんだけど……。私も凜のこと、完璧に理解できてるわけじゃないの。むしろ、最後のほうは私も凜の心は分かんなくなっちゃった。だから、これから話すことは、あくまで私の主観。それだけは覚えておいて。もちろん、極力客観的に話すつもりだけどね」

 

 鶴乃さんはそう前置きをして、私たちに凜さんのこと、そして彼女がかつていたチーム、みかづき荘の話を始めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ワルプルギスの廻天の特報第2弾、ついに公開されましたね。

楽しみな反面、情報が公開されていったらこの小説と矛盾する設定が出てきそうで戦々恐々としています。
あくまで個人的な二次創作ではありますが、極力原作に沿った設定で頑張りたいので。

なので、もしかしたら今後の映画の展開次第ではちょっとお話を修正するかもしれません。ご了承ください。

え? その前に完結させろ? それは本当にそう。


また、言うのが遅くなってしまいましたが、たくさんのお気に入り登録、評価、感想ありがとうございます。
いただいた評価や感想は創作の励みにさせていただいています。感想も気軽に書き込んでいただいて構いませんので、これからも応援よろしくお願いします。

次回もよろしければ、読んでいってください。
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