魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(まどドラが配信延期になったので)初投稿です。



Record3 DAY.11~DAY.12

 

 

 

 

 秘境へと遠征に行く実況、はーじまーるよー。

 

 

 

 前回は、杏子ちゃんを仲間に迎え、さなちゃんたちにも本格的に力を貸してもらったところまででした。

 今回はその続き。ついにあのメンバーに会いに行きます。

 

 

 DAY.11

 

 

 

 さて、ようやく週末です。

 学校が休みなのを利用してユリちゃんが今日行くのは、霧峰村、という山奥の人里離れた村です。

 そしてこの村こそ、太助の本に書かれていた時女一族の総本山でもあります。

 

 

 ユリちゃんも、太助の本の記述とホームページを頼りに場所を割り出してもらいました。

 

 一応、簡単なものですがホームページも確認できたので、時女一族のイベント『深碧の巫』は終わっているようですね。

 

 ということで、まだ朝日が昇るかどうかの時間にユリちゃんには起きてもらい、さっそく霧峰村に向かいましょう。

 

 

 

 魔法少女移動中……

 

 

 

 

 

 さて、移動中は代わり映えのしない景色が続きます。

 

 そんな暇してる み な さ ま の た め に ぃ ~ ?

 

 

 

 時女一族について解説しておきましょう。

 

 時女一族とは、その名の通り、時女という一族が中心となった組織、というか集団のことです。

 イメージとして一番近いのは戦国武将でしょうか。トップを時女家とした一団のようなものです。そのため、構成員は分家が多いですが、全員が時女姓という訳ではありません。

 

 そして時女一族の一番の特徴は、なんといっても魔法少女を排出し続ける家系であることでしょう。

 

 まどマギしか知らない人には衝撃的かもしれませんが、この時女一族は害獣ことキュゥべえを『久兵衛様』といって崇めており、集落(特に時女家)から少女を選び、魔法少女と契約をさせています。

 しかも、契約させる目的は願いを叶えることではなく、魔法少女の力を授かること。つまり、魔法少女を生み出すことそのものが時女一族の願いといっても過言ではありません。

 

 

 なぜ、そんなことをしているのかというと、理由は単純。この国、日本のためです。魔女の脅威に晒されるこの国の民を一人でも多く救うために、時女一族は代々歴史の影で戦い続けてきました。それこそ、数百年の昔から。

 まどマギ本編でさやかちゃんがやろうとして自棄になったあり方を、数百年続けてきた、といえば凄さが分かってもらえるでしょうか。

 

 組織のあり方としては、某鬼退治漫画の鬼○隊に近いですね。もっともあそこまで組織化はされてませんが。

 

 そんな時女一族ですが、日本の裏と古くから付き合っていたため、政界の重鎮たちには認知されている程度には知名度があります。

 

 そして、その無欲なあり方も災いして、御子柴というクソババアに目を付けられてしまいます。

 

 そして、一族は徐々に乗っ取られ、先ほど挙げたイベントが始まったころには一族は完全に掌握されていました。

 

 御子柴は魔法少女の願いに目を付け、政界の大物たちと取引をします。その内容とは、その者たちの願いを少女たちに叶えさせる代わりに、大金を受け取るというものでした。

 

 人間のクズがこの野郎……!(ガチギレ)

 

 

 

 しかし、遠い分家の血筋として村にやって来た広江ちはるちゃんが魔法少女になったことで、御子柴の支配は崩れることになります。

 ちはるちゃん自体、重度のミステリーマニアであることと本人の正義感が合わさり、村にいた魔法少女、時女静香ちゃん、土岐すなおちゃんと共に御子柴の悪事を暴き、その支配から村を解放したのでした。

 

 

 

 マギレコ原作では、この後村を立て直していく過程で自動浄化システムを知り、神浜市へとやって来ます。が、この世界線は自動浄化システムがないので、普通に村の立て直しと活性化をやっている最中ですね。

 なんせ、この村昭和に取り残されているレベルで文明品が存在しません。先ほど紹介したホームページも、村に唯一あった御子柴のパソコンで、すなおちゃんが作ったものですからね。

 

 

 

 

 と、紹介している間に、最寄り駅に着きましたね。

 そしたら、ここで電車を降り、さらに一時間半ほど歩きます。遠すぎィ!

 

 なので、ユリちゃんがえっちらおっちら歩いている間に、今回会う魔法少女たち、時女静香ちゃん、土岐すなおちゃん、広江ちはるちゃんについての解説をしていきましょう。

 

 まずは時女静香ちゃん。

 彼女は名字で分かる通り、時女一族の中心、時女家の一人娘です。

 

 霧峰村で生まれ育ち、一度も村の外に出たことの無いという、箱入り娘です。

 彼女は、御子柴の計略で契約させられた一人で、願い事は『三ヵ国経済対話における共同声明の発表を阻止する』という訳分からんもので契約させられています。

 

 しかし、彼女の精神は善性そのもので、自身の願い事をドブに捨てられたも同然なのに、それに対する未練は一切無く、むしろ魔法少女になれたことを至上の誉れと考えています。

 まあ、御子柴という分かりやすい悪がいたのも大きいですが、それでもその精神性はまさしく黄金の精神と言っていいかもしれません。

 まどマギ、マギレコで描かれた等身大の女の子の悩みが無い、と言う点では、まどマギシリーズの中でもかなり異質と言える子でしょう。

 

 また、その実力も折り紙付きです。

 時女一族自体、魔法少女を排出してきた家系のため、当然魔法少女に合わせた伝統が存在します。それが、独自の剣術『時女一心流』です。静香ちゃんはこの時女一心流を、高いレベルで修めています。

 

 この時女一心流、実は時女一心流を扱えるものに師事することで、プレイヤーキャラも扱えるようになり、スキルツリーも解放されるようになります。

 今回は時間が無いため、これは使いませんが、気になった方はやってみるのも良いのではないでしょうか。魔法少女用に作られた流派なだけあって、モーションがどれも優秀で、クソ強スキルとして有名です。

 

 これらが合わさり、単純な力比べならマミさんすら上回る戦闘力となっております。箱入り娘とは一体……?

 

 

 

 続いて、土岐すなおちゃん。

 

 彼女も静香ちゃんと同じ村ではありますが、静香ちゃんの過ごしていた集落より麓の集落で育ったため、外の事情や文化もある程度把握している子です。

 

 

 彼女の家も時女の分家の一つで、彼女も御子柴によって願い事を叶えさせられるはずでした。

 しかし、彼女はその前にキュゥべえと接触。自身で願い事を叶え、魔法少女の契約をしてしまいます。

 大金を得るチャンスを一回失った御子柴は、当然ブチぎれます。

 

 御子柴はすなおちゃん一家を、村のしきたりに逆らったとして叱責。そしてすなおちゃんに、両親に手を出されたくなければ、自分を邪魔するものを消す仕事をしろ、と強要します。

 

 コイツ頭おかしい……。(恐怖)

 

 もちろんすなおちゃんに逆らうという選択肢はなく。ちはるちゃんによって御子柴の支配が終わるまで、彼女の汚れ役を背負っていたという重い過去持ちです。

 

 またキミ(重い過去)かぁ、(心が)壊れるなぁ……。

 

 

 ちなみに願い事は『両親が抱いている自分への悩みを解消してほしい』というものでした。そのため、彼女は治癒系の魔法が使えます。

 また、暗殺者として過ごしたことで、皮肉ですが実力も高い魔法少女です。

 

 

 

 

 最後に、広江ちはるちゃん、通称ちゃるの解説です。

 

 彼女は前二人と違い、最近集落にやって来たばかりの子です。

 

 元々は別の土地で過ごしていた彼女ですが、時女一族の集落が発見されたことで、分家である広江家もその集落に引っ越すことに。

 

 実は彼女の家系も特殊なのですが、イベントのネタバレなのと攻略には関係ないので省きます。

 

 

 彼女自身は明るい性格で、ミステリーマニアです。

 特に『宿無し探偵 等々力耕一』が大好きな模様。時々、その作品からセリフを引用してきたりします。

 また、胸には等々力耕一のバッジを付けており、ちゃるがバッジに話しかけ、等々力耕一になりきったちゃるが答える、という一人芝居をすることもあります。

 

 

 ええ……。(困惑)

 

 

 ただ、ミステリーマニアなだけあって、頭の回転はさすがのものです。高校生探偵ならぬ中学生探偵も目指せるかも。

 戦闘に関しても、契約して何週間も経っていない状態で、昔から村の近くで生き続けてきた魔女の討伐に参加して、撃破に貢献できるくらいには強いです。

 

 固有魔法は、『人の悪意を嗅ぎ分ける』というもので、ミステリー好きな彼女らしい魔法と言えるでしょう。

 

 

 

 そんな三人が揃った時女一族が、当然弱いわけもなく。というか、やちよさんというイレギュラー除けば、多分今回の討伐戦で一番実力が高いチームだと思います。

 

 そもそもマギレコ本編でも、第一部の修羅場を潜り抜けたみかづき荘が苦労して倒したキモチという敵を、ギリギリだったとはいえ、調整も無しに勝ってますからね。強すぎィ!

 

 彼女たちの協力は、この攻略において必須です。

 だから太助の本を調べる必要があったんですね。(メガトン構文)

 

 

 

 

 

 と言っている間に、ようやく集落に到着。チカレタ……。

 

 ここかぁ……。ここが里かぁ……。(素材の味)

 

 

 

 

 

 さて、さっそく村人を探しましょう。

 だ、れ、か、い、る、か、なぁ~?

 

 

 お、あそこに人影発見! さっそく話しかけてみましょう。

 

 

 あの~、すいまへ~ん。

 

「むむっ! 見ない顔。……はっ! もしかして、観光客の人!?」

 

 そうだよ。(便乗)

 

「やっぱり! 私の推理通り! というか、さっそくホームページの効果出てる! 静香ちゃんたちに言わないと!」

 

 あ、おい、待てぃ。(江戸っ子)

 

 自分、ここのこと知らないから案内してほしいゾ。

 

「私が? いいよ! あ、でも私もここに来てそんなに日が経ってないから、もっと詳しい子と一緒に行こう? 私についてきて」

 

 ありがとナス!

 

 

 ということで、第一村人は運の良いことにちはるちゃん、もといちゃるに出会うことが出来ました。

 や っ た ぜ。

 

 

 

 そして、彼女の言うここに詳しい子というのは恐らく……。

 

 

 

「あ、いたいた。静香ちゃーん! すなおちゃーん! 観光客第一号の人、来たよー!」

 

 やっぱりな。

 

「え、ちゃる、それ本当!?」

「ホームページ作って、まだ1週間しか経ってませんよ?」

 

 あそこにいるツインテールの子が時女静香ちゃん、水色の髪に涙ぼくろのある子が土岐すなおちゃんですね。

 

 オッスオッス!

 

「ほ、本当だ……」

「まさかこんなに早く来てくれるなんて……」

「ね。ホームページ作った甲斐があったよぅ!」

 

 同年代の女の子に会えるなんて感激だゾ。あ、自分、夕凪凜。15歳、学生です。

 

「私は時女静香よ。よろしくね」

「土岐すなおです。お見知りおきを」

「広江ちはるだよ。よろしくね、凜ちゃん!」

 

 よろしくナス!

 

 それじゃあ、さっそくで悪いけどこの辺りの案内を頼んでもいいかゾ?

 待ちきれないよ、(景色を)早く見せてくれ。(早漏)

 

「そうね。それじゃあ、私たちがこの村のこと、案内させてもらうわ。すなお、悪いけど母様たちに言っておいてくれない? まだ宿の準備も出来てないし、今夜はウチに泊まってもらおうと思うから」

「分かりました。それでは凜さん。また後ほど」

「じゃあ、私たちは霧峰村散策にしゅっぱーつ!」

 

 

 

 

 

 ということで、静香ちゃんたちによる霧峰村散策ツアーが始まります。

 

 ですが、内容は『深碧の巫』でちゃるが受けた説明と大差ないのでカットします。(無情)

 

 

 ちゃんと知りたい兄貴たちは、イベント『深碧の巫』を読んで、どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やあ~、観光した~。

 

 

 

 今じゃほとんど姿を見ない昔ながらの家に、名産のだいだいっこ。そして、御子柴によって幾人もの巫たちが葬られた滝。

 

 いやー、絶景だったなー。(白目)

 

 

 実際、これくらいの田舎って数日くらいなら泊まってみたいですよね。視聴者兄貴たちはどうですか?

 

 

 宿泊料、14万3000円となっておりますので……。

 

 14万!? うせやろ?

 

 

 

 

 

 と、ふざけていたら、ユリちゃんの目つきが変わりました。

 

 どうやら近くに魔女の反応があるようです。

 

 静香ちゃんたちも気づいたのか、三人で目配せしています。

 

「あ、あー! そうだ! 私たち、やることあったんだったー!」

「そうなんですか? ダメじゃないですか、ちゃる。急いで戻らないと」

「そ、そうね! 急いで戻らないと、母様にオコラレチャウワー!」

 

 ……。

 

 これマジ? すなおちゃん以外、演技力低すぎだろ……。

 

 特に静香ちゃんがクッキー☆もビックリな棒読み演技をしていますが、この場を離れたいのはユリちゃんも同じ。

 

 そのため、ここで一緒についていくという選択肢は出てきません。

 

 

 じゃ、オレ、ギャラもらって帰るから……。

 

 

「う、うん! またねー!」

 

 

 

 ということで、三人から離れたところでユリちゃん、変身。

 

 

 

 パパッと魔女の結界を見つけ、中に突入しましょう。

 

 お、開いてんじゃーん。

 

 

 

 

 

 

 そして、少しの間戦っていると……。

 

 

「うえええ!? り、凜ちゃん!? どうしてここに!? それに、その格好……」

「……なるほど。凜さんも魔法少女だった、ということですね」

「なんだ。さっきまで焦ってた私たちがバカみたいじゃない」

 

 そう言うと、静香ちゃんはユリちゃんにこう言ってきます。

 

「それなら話は簡単ね。夕凪さん、私たちと一緒に悪鬼……、じゃなくて魔女を倒してくれるかしら?」

 

 

 当たり前だよなぁ?

 

「ありがとう。即席だけど、頑張りましょう」

 

 オッスお願いしまーす。

 

 

 

 ということでときめき三人組と共に、魔女戦に突入です。

 

 ですが、ここは三人の連携が強すぎてユリちゃんが何もしなくても魔女自体は倒せてしまいます。

 

 なので、ここでの戦いは魔女を倒すことを目標とするのではなく、三人の印象を良くする立ち回りをしましょう。

 

 

 

 といっても、難しいことではありません。

 先ほどの魔女退治の誘いを快く受け入れる、傷ついた子に回復魔法をかける、魔女に勇敢に立ち向かう(戦わずにボーッとしない)、などをすれば、三人の好感度は大体良い感じになります。

 

 どうせこの後の話で好感度の上下は起きるので、ここで少しでも好感度を稼いでおきましょう。

 

 

 

 お、さっそく魔女の攻撃でちゃるがダメージを負いましたね。

 

 ここは回復してあげましょう。大丈夫か大丈夫か。

 

「えへへ、ちょっとミスっちゃった……」

 

 ユリちゃんの魔法、回復系だから傷を癒やしてあげるゾ。

 

「わ、ありがとう! すごい、凜ちゃんも回復の魔法が使えるんだね」

 

 も?

 

「うん! すなおちゃんも使えるんだよ」

「そうなんです。ですから……」

 

 お、そうだな。じゃあ回復はすなおちゃんに任せるゾ。

 

「え、あ、はい……」

 

 

 ということで、すなおちゃんが来てくれたので後は彼女に任せて、ユリちゃんは静香ちゃんの援護に回りましょう。

 

 ちなみに、今の場面ですなおちゃんに回復の役目を譲らないと、すなおちゃんからの好感度が下がります。

 

 ええ……。(困惑)

 

 すなおちゃんは先ほど述べたように、御子柴の指示とはいえ後ろ暗いことに手を染めてきました。そんな自分を受け入れてくれた二人に、かなり重い感情を向けています。

 そのため、彼女から自分の役割を奪うようなことをすると好感度が下がり、最悪暗殺されます。

 

 ○しましょう。(マギレポSNOちゃん並感)

 

 あくまでユリちゃんは外部の人間なので、彼女たちの関係に割り込むことはしないようにしましょう。

 百合の間に挟まるヤツは処される。古事記にもそう書いてある。

 

 え? まばほむの間に挟まるのは良いのかって?

 

 

 

 ……。

 

 なんのこったよ。(震え声)

 

 

 

 と、そんなこと言ってたら、静香ちゃんがガンガン攻めてますね。

 

「時女一心流! 懐隠しの四肢落とし!!」

 

 出た! あれが時女一心流です。

 

 剣系の武器で扱える技なのですが、モーションがとにかく全部優秀なので、剣、特に刀でプレイする人はオススメの剣技です。

 登場したのがマギレコ第二部からだから、知名度が低いねんな……。

 

 ちなみに今の『懐隠しの四肢落とし』という技は、居合い技です。

 読んで字の如く、身体で手元を隠し、相手の四肢を切り落とすような二連撃を与えるという技です。

 

 他にも、『三尺蹴詰ノ印落とし』や『経絡三打乱れ打ち』などありますが、他の技の解説は割愛します。

 また出てきたら紹介でもしましょうかね。

 

 

 ほな、ユリちゃんも続け!

 

 オラ! マギア発動!

 

 食らえやオラアアアア!

 

 

 ダメージ、ヨシ!

 

 静香ちゃん、トドメは任せるゾ。

 

「ええ! 任せてちょうだい!」

 

 

 

 

「時女一心流、奥義……!」

 

 

 

「旋風鎌鼬!!」

 

 

 はい。最後は彼女のマギアであり、ぶっ壊れ技の『旋風鎌鼬』で終わりです。

 

 この『旋風鎌鼬』。奥義とついているだけあって、今作上位に入るレベルのクソ強性能をしています。

 

 この技は今のように、相手に鎌鼬のような超高速の斬撃で相手を切り刻む技です。

 技を発動すると、突進モーションでロックオンした相手に突っ込み、相手に当たったと同時にその連撃を叩き込むのですが、この突進の誘導がエグすぎて対プレイヤーでもなければほぼ必中です。

 

 しかもこの『旋風鎌鼬』、発動するコマンドを少し変えることでモーションも変化します。先ほどの魔女に使ったのは、一体の相手に斬撃を集中するモードですね。もう一つは、斬撃を繰り出しながら突進し、最後に他の斬撃より威力の高い一太刀を振るモード。

 後に紹介したほうは、多勢相手に使えるモード……、と言われてますが、突進の誘導が強すぎて一対一でも十分使えます。というか対人モードだとこればっかです。それしか使えんのかこのサルゥ!

 

 これに加え、突進にスーパーアーマーとダメージカットがつくのだから、もう手に負えません。

 

 

 あ ほ く さ。

 

 

 

 いくら時女一心流が魔法少女が使う前提の剣技とはいえ、やりすぎとちゃう?

 絶対制作陣に時女推しがいたな。(名推理)

 

 

 

 まあ、それはさておき。

 とりあえず、時女一族と協力して魔女を倒せました。

 

 

「夕凪さん、怪我はない?」

 

 お、静香ちゃん。大丈夫大丈夫、バッチェ元気っすよ~!

 

「そう、それならよかった。二人も怪我はない?」

「うん! すなおちゃんが治してくれたからね」

「私も大丈夫です、静香」

「それならよし! 夕凪さん、手を貸してくれて助かったわ。ありがとう」

 

 気にすんなって。

 

 あ、でも、せっかく時女の魔法少女に出会えたから、聞いてほしいことがあるんだゾ。

 

「話? なにかしら」

 

 ここで話すのもなんだし、どこか落ち着ける場所はあるかゾ?

 

「それなら私の家に来て。どのみち今は貸し出せる民家が無いから、夕凪さんが嫌じゃなければウチに来てもらおうと思っていたのよ。どうかしら」

 

(問題)ないです。

 ありがとナス!

 

「分かったわ。それなら案内するから付いてきて」

 

 

 それでは、静香ちゃんたちの後に付いていき、ワルプルギスの夜討伐に協力してもらうよう交渉しましょう。

 

 といっても、この交渉は恐らく一番簡単だと思います。

 理由は……、実際に見てもらったほうが早いですね。

 

 

 

 ということで、私のほうはこれで。交渉の映像を流しながらお別れです。

 ご視聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.11 Side TH

 

 

 

 私は広江ちはる! ミステリー大好きな女子中学生!

 

 そしてそして……、なんとその正体は魔法少女!

 

 

 私はひょんなことから霧峰村の時女集落で過ごすことになったんだ。なんでも私の家系は、時女一族の分家だったみたい!

 

 

 私はそこで時女静香ちゃん、土岐すなおちゃんっていう、魔法少女の子と友達になったんだ。

 そして、私も時女のしきたりで魔法少女の契約を。

 

 

 しかししかし、これはこの村を牛耳る御子柴オババ……、もとい御子柴の罠だったのだ!

 

 

 御子柴は魔法少女が契約をするときの願いを使って、わるーい政治家の人たちと取引をして、大金を得ていたんだ。

 

 子どもを利用するなんて許せないよね!

 

 もちろんそんな悪意を見逃す私じゃないよ!

 魔法少女になって得た魔法の力と、静香ちゃん、すなおちゃんの協力も得て、晴れて私たちは御子柴の支配を崩すことに成功したんだ!

 

 まあ、御子柴は自殺しちゃったから、完璧な解決とはいかなかったんだけど……。

 

 

 ともかく、御子柴の支配を抜けて、時女一族は新たな一歩を踏み出したのだ!

 

 

 

 

 

 ……っていうのが、これまでのお話。

 

 

 そこからは、集落に復興だったり、今まで集落の外を知らずに生きてきた静香ちゃんに外のことを教えたりと、色々と大変だったよぅ。

 

 

 それでも、三人で過ごす時間は楽しかったよ。

 

 特に、御子柴の残したパソコンを使って、集落を盛り上げるための観光業に力を入れることにしたんだ。

 まあ、今は特産物のだいだいっこくらいしかないんだけどね。

 

 とにかくそのパソコンで、ついこの前ホームページを完成させたんだ。

 

 

 

 

 そしたらびっくり。今日、さっそく村にやって来てくれた子がいたんだ。

 

 

 夕凪凜ちゃん。

 私たちと同じくらいの子で、たまたま見つけたここのホームページを見て、行ってみようと思ってくれたんだって。

 

 だから、私は静香ちゃんたちと一緒に集落を案内してたんだけど……。

 

 

 

 

「うえええ!? り、凜ちゃん!? どうしてここに!? それに、その格好……」

「ちはるちゃんたちこそ!」

 

 案内の途中で魔女の気配を感じた私たちは、凜ちゃんたちと一度別れて魔女退治に向かったんだ。

 けど、その結界の中にいたのは、まさかのさっき別れたばかりの凜ちゃんだった。

 

「……なるほど。凜さんも魔法少女だった、ということですね」

 

 すなおちゃんの言葉に、静香ちゃんは気が抜けたように肩を落とす。

 

「なんだ。さっきまで焦ってた私たちがバカみたいじゃない」

 

 ガックシ、という効果音が聞こえそうな感じで肩を落とした静香ちゃんだったけど、すぐに切り替えて凜ちゃんに提案した。

 

「それなら話は簡単ね。夕凪さん、私たちと一緒に悪鬼……、じゃなくて魔女を倒してくれるかしら?」

 

 

 

 

 

 

 そうして私たちは無事に魔女を倒すことには成功した。

 

 けれど、凜ちゃんは魔法少女である私たちに大事な用があったみたい。

 そのため、こうして私たちは静香ちゃんの家で凜ちゃんの話を聞くことにした。

 

 

 

 

「それじゃあ聞かせてもらおうかしら。夕凪さん、あなたは私たちに、いや、時女一族に何の用かしら?」

 

 静香ちゃんが凜とした声で切り出す。

 

 聞く人によっては少し威圧感を感じるような声だったけど、凜ちゃんは気にする様子もなくハッキリと答えた。

 

「簡潔に言うと、とある魔女を倒すのに力を貸してほしいんです」

「とある魔女、ですか?」

 

 すなおちゃんの問いかけに、凜ちゃんは、はい、と頷く。

 

「通称、ワルプルギスの夜。恐らく、この星で確認されている魔女の中で最大にして最強の魔女です。他の魔女のように結界に姿を隠すことすらせず、世界中を廻り続けている。そして、一度顕現すれば、数千人単位で犠牲者を出す被害が発生します」

「数千……!?」

「そ、そんな……!」

 

 凜ちゃんから語られた魔女の詳細。

 それに私とすなおちゃんは動揺で声を上げてしまった。

 

 でも仕方ないよ。だって、今まで戦ってきた魔女とは文字通り格も規模も段違いだったんだもん。

 私たちが倒したユラユラサマですら、そんな規模の被害は出せなかったと思う。

 

 私たちの驚きをよそに、凜ちゃんは話を続ける。

 

「一般の人には台風とか地震とかの自然災害という形で認識されるけどね。そして、その魔女があと二週間ちょっとで私たちの住んでいる街にやって来ます」

「えっ」

 

 私はまたしても声を上げてしまう。

 凜ちゃんの住む街にその魔女がやって来る。ということは、つまり……。

 

「もしワルプルギスの夜を倒せなければ、街は壊滅。犠牲者は少なく見積もっても、千人は超えるでしょう。当然、それを阻止するために私を含め、街の魔法少女は準備を進めていますが……」

「戦力に不安がある、というところかしら?」

「その通りです」

 

 話を先読みした静香ちゃんの言葉に、凜ちゃんはゆっくりと頷く。

 

「そんな時、とある本で読んだんです。この日本には時女一族という、この国を裏から守り、支え続けてきた一族がいると。そして、その一族は魔法少女の一族であるとも」

 

 ここでようやく私も、凜ちゃんの用事というのが理解できた。

 

 つまり……。

 

「お願いします。私たちと一緒に、ワルプルギスの夜を倒してくれませんか?」

 

 凜ちゃんは正座の姿勢のまま深々と頭を下げ、まるで土下座のような姿勢で頼み込んできた。

 

 

 

 少しの沈黙の後、静香ちゃんはゆっくりと口を開く。

 

「二つ、質問していいかしら?」

「はい。私に答えられるものなら、なんでも答えます」

「ありがとう。それじゃあ、一つ目。そのわる……、なんとかの夜が来るって、どうやって知ったのかしら? 悪鬼……、じゃなくて魔女の進路が予想できるとは考えづらいのだけど……」

「それは私の友達の魔法少女のおかげです。彼女は、1ヶ月前の時間に遡る魔法が使えます。彼女はそこで、破滅の未来を見た。そしてそれを回避するために、私に声をかけてくれました。それともう一人、未来視を使える魔法少女もいます。彼女も私の友達で、彼女の力でもワルプルギスの夜の到来は間違いないようです」

 

 なるほど……、と静香ちゃんは納得したようにゆっくりと頷いた。

 少しの間があった後、静香ちゃんは再びを口を開く。

 

「それじゃあ質問二つ目。どうして私たちを頼ってきたの? 本で知ったと言ったけど、時女一族はこの日の本ではほとんど知られていないはず。それなのに、本に載っているとは考えにくいのだけど……」

 

 静香ちゃんの質問に、凜ちゃんは納得したように鞄から一冊の本を取り出す。

 

「これなんです。取材の時期からして、多分時女さんは知っているんじゃないですか? ほら、この里見太助って人」

 

 そう言って凜ちゃんは、本のカバーにある写真を指さす。

 

 静香ちゃんはその写真をじっくりと見て、ああ、と手を叩く。

 

「そういえば二回くらい来てたわ。こんな感じの人」

「ホントなの、静香ちゃん?」

「ええ。1回目は村の取材で、2回目は巫の取材に来てたみたいだったけど、御子柴に追い返されてたわ。多分、御子柴からしたら都合が悪かったのね」

「なるほど……」

 

 私もすなおちゃんも頷く。たしかに、あの御子柴ならやりそう。

 

「それで、この本に時女一族が日の本のために戦ってきた一族だと知って……。それで来たんです。あなたたちなら、世界最悪の魔女からこの国を守ることに力を貸してくれるんじゃないかって」

 

 そう言う凜ちゃんの目はとても真剣だった。

 

 私としては、この時点でもう話を受ける気満々だった。

 だって、困っている人が目の前にいて、その人が日の本を守ってきた時女一族を頼ってきてくれたんだから。こんなこと、他の魔法少女には中々頼みづらいだろうし、私たちも時女一族としてこれからどう動いていくかは悩んでいたところ。

 

 それなら、ここでワルプルギスの夜を戦い、時女一族として再び動き出すのにはちょうど良い機会でもありそう。

 

 

 しかし、私の思いとは裏腹に、静香ちゃんの声は静かなものだった。

 

「なるほど。事情は理解したわ。けど、ここで返事をすることは控えさせてもらうわ」

「もちろんです。二つ返事で了承してもらえるとは思っていませんから。けど、前向きに考えてもらえると嬉しいです」

 

 静香ちゃんの返答に、凜ちゃんは動揺することもありませんでした。

 

「ありがとう。とりあえず、今日はここに泊まってくれるかしら。生憎、まだ宿は開店前でね。美味しい料理でおもてなしさせてもらうわ」

「ホントですか! やったー!」

 

 先ほどまでの緊張感はどこへやら。凜ちゃんの雰囲気が先ほどとはガラっと変わったことで、話は終わりの合図となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、私たち三人は静香ちゃんの部屋に集まっていた。

 

「静香ちゃん! どうして凜ちゃんの話、乗らなかったの? この国の人々がピンチなんだよ?」

「ちゃる、気持ちは分かりますが落ち着いて」

 

 すなおちゃんになだめられ、私は腰を下ろす。

 

 昼間の静香ちゃんの、冷たいとも言える態度につい熱くなっちゃった。

 

 ただ、すなおちゃんも疑問だったようで、静香ちゃんに質問する。

 

「けど、ちゃるの気持ちも分かります。静香、どうして話を受けなかったんですか? 慎重なのは私も賛成ですが、こういうとき静香は真っ先に受けそうでしたから……」

 

 すなおちゃんの質問に、静香ちゃんは目を閉じて答える。

 

「そうね。すなおの言うとおり、少し前の私だったら間違いなく二つ返事で快諾していたわ」

 

 けど、と言うと同時に、静香ちゃんは目を開ける。

 

「御子柴の支配を脱した今、改めて時女一族を動かしていく立場として、安易に動くわけにはいかないのよ。それに、御子柴に支配されたのだって、日の本のため、という私たちの信念を利用されたからだろうし」

「静香……」

「もちろん、日の本のために戦うことに不満も疑問もないわ。ただ、その理由で近づいてくる悪者だって、これからは警戒していかないと。時女一族を預かるものとして、少し考える時間が欲しかったのよ」

 

 静香ちゃんは私に尋ねてくる。

 

「ちゃる、彼女から悪意の匂いはした?」

「ううん、してないよ。してたら、真っ先に二人にテレパシーで伝えるもん」

「そう。となれば、彼女自身が嘘をついていたり、私欲のために動いている可能性は無さそうね」

「それなら……!」

「いえ、ちゃる。それだけで、向こうに悪意が無いとは言い切れません」

 

 私の言葉を遮るすなおちゃん。

 

「もしかしたら、彼女に何も伝えないで裏で操ろうとしている人間はいるかもしれません。夕凪さんの言っていた、彼女の仲間。ワルプルギスの夜のことを、彼女はその仲間から聞いていました。でも、もしその仲間が嘘をついていたら? 何か目的があって魔法少女を集めようとしているのかもしれません」

「それは……」

 

 反論しようとしたけど、言葉が出てこなかった。

 すなおちゃんの話はあくまで仮定だ。けど、それを否定するための理由も、存在しない。

 

 私の魔法は悪意を嗅ぎ分けられるけど、それはあくまで近くにいる人のだけ。その奥にある悪意までは及ばない。

 

 

 

 だけど……。

 

「とにかく、この話は一度保留とさせてもらいましょう。ちょうど各地に散らばっている時女の分家に声をかけはじめたところだし、彼女たちの意見も聞いて今後の方針を……」

「それがいいですね。今は時女一族にとっても大事な時期。迂闊な行動は、最悪、空中分解の原因にもなります。それなら、明日、夕凪さんに……」

 

 

 

 

 だけど……。

 それじゃあ、あの子に……。

 

 

 あの子に手が届かない。

 

 

 

「ちょっと待って!」

 

 二人が一斉に私を見る。

 

 私の大声に、二人とも驚いているようだった。

 

「ちゃる?」

「どうかしましたか……?」

 

「やっぱりダメだよ。凜ちゃんは私たちを頼ってきてくれたんだよ。私たちに助けを求めてきたんだよ? それなのに、その手を振り払うなんて……、やっぱり納得できない!」

 

 私が身を乗り出したのをなだめるように、すなおちゃんが私の肩に手を置く。

 

「ちゃる、落ち着いて。なにも私たちは、彼女を見捨てるわけじゃ……。ただ今すぐに返事は出来ないってだけで……」

「でも、凜ちゃん言ってたじゃん! ワルプルギスの夜はあと二週間ちょっとで来ちゃうって。そんなこと言ってたら間に合わなくなっちゃうよぅ!」

「ちゃる……」

 

 私は静香ちゃんの前に移動する。

 

「ねえ静香ちゃん、お願い! 凜ちゃんの話、信じてあげようよ! この力って、誰かを助けるためにあるんだよね?」

「ちゃる、あなたの気持ちは分かるわ。私個人としても同じ気持ちよ。けど……」

「同じ気持ちなんでしょ!? それなら、助けてあげようよ!」

「そうはいかないのよ。私は時女一族の長として……」

「それで、困っている人を見て見ぬ振りするの!?」

 

 私の言葉に、静香ちゃんは口を閉じる。

 

「私がこの村に来た時、誰かのためにって戦う静香ちゃんがすごくカッコよく見えた! 困っている人に手を差し伸べて、誰かの幸せを喜べる子だった! 時女一族の長とか、これからの時女一族とか、静香ちゃんが色々考えてるのは分かってる。けど、それで困っている人に手を差し伸べないのは、違うと思う。時女の巫のあり方って、誰かのための力になるってものが、根底じゃないの?」

 

 肩で息をしながら静香ちゃんを見る。

 自分で思っていたより、全力で喋っちゃったみたい。

 

 

 けど、どうしてもいいたかったんだ。

 時女一族の長として、とか、時女一族のこれから、とかを考えて、動けなくなっちゃう静香ちゃんを、私は見たくなかった。

 

 すると、静香ちゃんが口を開いた。

 

「……そうね。私は大事なことを忘れそうになってたわ」

「静香……」

「確かに御子柴の件から、今まで以上に広い視野や相手を疑うことも大事だって分かったわ。でも、それで困っている人を無視するのは違うわよね」

 

 静香ちゃんは私に向かって笑いかける。

 

「ちゃるのおかげで思い出せたわ。私が久兵衛様と契約した日のことを。あの時、これで私も誰かのために戦えるって、誰かの笑顔を守れるようになるって、嬉しかったの。その気持ちを持って、これまで戦ってきたわ。それなのに、時女一族を背負っていくからって、急にそれを蔑ろにするようじゃダメよね。時女一族を守ることも大切だけど、私たち時女一族にとって一番大切なのは、この国に暮らす人々の平和と安寧だもの。それを見過ごすなんて選択肢、これまでの巫に申し訳が立たないわ」

「ですが静香……」

「すなおの気持ちも分かってる。だから、今度みんなで行きましょう」

「行くって、どこに?」

「夕凪さんの住んでる街。彼女の仲間に会いに行くのよ。そこで、時女一族の長として、私が直々に判断するわ」

「静香ちゃん……!」

「すなおも、これでいいかしら?」

「……そうですね。それのほうが静香らしいです。私も、難しいことを考えるのは止めです。時女の巫として、二人の友人として、最期までお供します」

 

 すなおちゃんのその言葉で、私たちの意見はまとまった。

 

 

 

 

 

 

 DAY.12 Side TH

 

 

 翌日。

 

 静香ちゃんは、ワルプルギスの夜討伐に協力すること、そして一度彼女の住む見滝原市に行きたいことを伝えた。

 

「……というわけなんだけど、いいかしら?」

「もちろんです! 時女の皆さんに信用してもらえるなら、それくらい、なんてことはありません! ありがとうございます!」

 

 凜ちゃんは頭がめり込むなんじゃないかって思うくらい、頭を深々と下げた。

 

「それと……」

「……?」

 

 そんな凜ちゃんを見て、静香ちゃんは一つ付け加えた。

 

「もう敬語じゃなくていいわよ。さっきは様子見をするって言っちゃったけど、私個人の意見としては、あなたと一緒に日の本のために戦いたいと思っているの。だから、私たちはあなたの仲間になると思うし、それなら堅苦しいのはここまでにしましょう。それに、魔法少女としてだけでなく、普通の友達としても仲良くなりたいから」

「私も! 凜ちゃんとは仲良くなりたいな!」

「凜さんがよろしければ、ですけど……。どうでしょう?」

 

 私たちの言葉に、凜ちゃんは呆気に取られているようだった。けど、その後一瞬だけ俯いた後……。

 

「もちろんだよ! よろしくね、静香ちゃん、ちはるちゃん、すなおちゃん!」

 

 満面の笑みで、そう答えた。

 

 

 その笑顔は今までより自然で、これが本来の凜ちゃんの笑顔なのかなって思った。

 

「それにしても、ちゃるには感謝しないとね」

「ちはるちゃんに?」

 

 静香ちゃんの言葉に、凜ちゃんは首をかしげる。

 

「そうよ。ちゃるの言葉で、私も時女の矜持の本質を思い出して、戦う覚悟を決められたから。ありがとう、ちゃる」

 

 突然の静香ちゃんからの感謝の言葉に、私はちょっと恥ずかしくなってしまう。

 

「え、ええ~? い、いいよぅ。そんな大したこと言ったわけじゃないし……」

「そんなことありませんよ? あの時のちゃる、格好よかったです」

「もう! すなおちゃんまでー……」

 

 私が恥ずかしくなって頬を掻いていると、ドタドタという音のあと、凜ちゃんが抱きついてきた。

 

「わぷっ! り、凜ちゃん!?」

「ありがとう、ちはるちゃん! これで、これでなんとか……!」

 

 声色は明るかったけど、その言葉にはどこか重い感情が含まれている感じがした。

 

 だから、私は凜ちゃんを安心させるように言った。

 

「任せて! 私たちがいれば百人力だから! きっとその、ワンツースリーの夜? も何とかなるよ!」

「ワルプルギスです、ちゃる」

 

 えへへ、とすなおちゃんのツッコミに照れ笑いで返す。

 ちょっと無理やりだったかな、と思ったけど、凜ちゃんは可笑しそうに笑っていたから良しとした。

 

 

「さて、真面目な話はここまで! 凜も帰りの時間があるだろうから、残りの時間で改めてこの集落を案内するわ。昨日紹介できなかったところを含めて、ね」

「そうだね。昨日は中途半端なところで終わっちゃったもんね」

「ホント!? じゃあお願い! やったー!」

 

 そう言ってはしゃぐ凜ちゃん。

 

 さっきまでの真面目な雰囲気は、もののみごとに霧散していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、ちゃる」

「うん? どうしたの、すなおちゃん」

 

 四人で集落を散策しているとき、すなおちゃんが話しかけてきた。

 

「今回、凜さんにかなり親身になっていたと思いますが……。何かあったんですか?」

 

 すなおちゃんの疑問は正しいだろう。

 私だって、普段あそこまで自分の意見を言うことはない。

 

 

 ただ……。

 

「うーん……。説明が難しいんだよねー。放っとけないというか、そんな感じが凜ちゃんからして。それに……」

「それに?」

「……ううん、やっぱ何でもない」

「そう、ですか」

 

 

 

 これはあくまで私の主観だ。根拠も証拠もない。

 それを語ってしまうのは、等々力耕一の主義に反する気がして口にださなかった。

 

 けど、私の見間違いじゃなければ。

 

 

 

 私たちが協力すると聞いた時の凜ちゃんの顔。すぐに俯いちゃったけど、あの時……。

 

 

 

 

 なんだか、すごく泣きそうな顔をしていた気がする。

 

 

 嬉し涙というより、安堵による涙というか。そんな表情に感じられた。

 

 

 

(気のせい、かな……?)

 

 

「ちゃるー! 置いていくわよー!」

「あっ! 待ってよ、静香ちゃーん!」

 

 私の思考は、静香ちゃんに呼ばれたことで、そこで打ち切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.11 Side MA

 

 

 

 鶴乃さんから電話のあった翌日。

 私と暁美さん、そして巴さんは神浜市に来ていました。

 

「お、お邪魔しまーす……」

「あらぁ、まばゆちゃん、いらっしゃ~い」

「ど、どうも」

 

 私が調整屋の扉を開けると、いつもと変わらぬ笑顔でみたまさんが迎えてくれました。

 

「邪魔するわよ」

「し、失礼します」

「あら、ほむらちゃんと……、そっちの子は?」

 

 私に続いて入ってきた暁美さんと巴さん。そういえば、この時間軸では巴さんの紹介がまだでしたね。

 

「あ、紹介します。見滝原の魔法少女で、私たちの仲間の巴マミさんです」

「巴マミです。よろしくお願いします」

「ご丁寧にどうも~。八雲みたまよ、よろしくねぇ」

 

 巴さんの挨拶に、笑顔で手を振るみたまさん。

 

「それで? 今日は調整かしら?」

「ええ、私たち三人分、お願いできるかしら?」

「もちろんよぉ。まあ、その分お代はいただくけどね」

「これで足りる?」

「まいどあり~」

 

 暁美さんが置いたグリーフシードを数えたみたまさんは、両手を合わせて嬉しそうにそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

「はい、これで調整は終わりよ。お疲れさま」

 

 それから数十分後。

 巴さんのソウルジェムから手を離したみたまさんが言いました。

 

 巴さんが最後なので、これで調整は全員終わりましたね。

 

「どう? 気分が悪いとか、変なところはない?」

「はい……。なんだか、不思議な感覚です。身体の芯が温かいような、力が漲るみたいな……」

「よかった。それなら調整は成功ね。後はそれが身体に馴染めば、きっと今まで以上に力を出せるはずよ。もちろん、油断は禁物だけどね」

「分かりました、ありがとうございます」

 

 巴さんは寝台から身体を起こし、みたまさんにお礼を言います。

 

 

 そのタイミングで、私と暁美さんはアイコンタクトを取ります。

 

 

 

「それじゃあ、私たちはこのままみかづき荘に行くけど……」

「本当に愛生さんは来ないの?」

「すみません。どうしてもやることがあって」

 

 私は巴さんにそう謝罪して、二人と別れました。

 

 

 

 

 

「それで? そのどうしてもやることってなにかしら?」

 

 二人が調整屋の扉を閉めた後、みたまさんが後ろから声をかけてきます。

 私は振り返って、言いました。

 

「凜さんについてです。みたまさんに聞きたいことがあって」

 

 

 

 

 

「凜ちゃんのこと?」

 

 みたまさんは本心の読めない笑顔で言葉を返してきます。

 

「どうして私に聞くのぉ? 私なんかより、やちよさんや鶴乃ちゃんのほうが知っていると思うわよ? ももこだって知っていると思うし。ももこならすぐに連絡がつくし、呼びましょうか?」

 

 しかし、私はそれを制します。

 

「いえ。みたまさんに聞きたいんです」

「私の理由は?」

「鶴乃さんから、凜さんはみたまさんと仲が良かったと聞きまして」

 

 鶴乃さんと心の距離が離れた辺りから、とは言いませんでした。

 

 鶴乃さんから教えられこと。

 それは凜さんが鶴乃さんと距離をとった理由と、その後にみたまさんと仲が良かったという話でした。

 

 鶴乃さんは、まばゆちゃんの知りたいことはみたまが知っているかも、と言っていました。そのため、調整も兼ねてみたまさんと話す場がほしかったんです。

 

「お願いします、みたまさん。私は知りたいんです。どうして凜さんは一人で背負い込もうとするのか。どうして誰にも頼らないのか。どうして……、側にいさせてくれないのか。その理由を知りたいんです」

 

 私はみたまさんに訴えかけます。

 凜さんが苦しみを話さないのなら、こっちから知るしかありません。凜さんが一人で抱えこまなくていいように。

 

 

 しかし、私の言葉を聞いたみたまさんは目を伏せ、テーブルに散らばっているポーション類を片付け始めます。

 

「仲が良かった、ねぇ。たしかに、鶴乃ちゃんからはそう見えたかもね」

「え?」

 

 私はみたまさんの言葉の意味が分からず、動きを止めます。

 

「けど、私たちの関係はまばゆちゃんの期待しているものじゃないわ。私にとって凜ちゃんは、お得意様の一人。それ以上でもそれ以下でもないわ」

「そ、そんな……」

「ごめんなさい。でも、調整屋はそういうものなのよ。調整屋は、特定の魔法少女に加担してはいけない。それをしてしまえば、調整屋の信用は無くなってしまうもの」

 

 みたまさんは私に背を向けながら、そう語ります。

 

「だから、私から言えることはないわ。当然、調整をして見えた凜ちゃんの記憶も話すことは出来ない。ごめんなさいね」

 

 私は言葉を発せませんでした。

 

 ようやく掴んだ糸口は、あっさりと私の手からすり抜けてしまい。

 私は少しの間、動くことができませんでした。

 

 

 

 

 

 

 それでも、私は必死に脳を動かします。

 ここで私が立ち止まれば、また手遅れになるかもしれませんから。

 

 そうして、何とか動き出した脳みそに浮かんだのは、とある違和感でした。

 

「……みたまさんはどうなんですか?」

「え?」

「調整屋としてのルールは分かりました。記憶のことが聞けないのも分かってました。けど、みたまさん自身はどうなんですか? 調整屋としてではなく、一人の魔法少女としてのみたまさんにとって、凜さんはどんな人でしたか?」

 

 聞かせてください、と私は問いかけます。

 

 先ほどの会話で感じた疑問。

 それは、みたまさんは意図的に凜さんのことを話さないようにしている話し方でした。

 

 まるで、調整屋ということを強調し、贔屓しないようにしているような。

 

 

 もし、そうなら……。

 

「凜ちゃんのこと、知ってどうするの?」

 

 私の思考を遮るように、みたまさんは私に問いかけます。

 

 横目で私を見る瞳は、先ほどよりも冷えたものでした。

 

「彼女について知って、それでまばゆちゃんは何をするの? 彼女の古傷を蒸し返すつもり?」

 

 みたまさんの声はどこか冷たく、先ほどまでの柔らかい雰囲気はなりを潜めていました。

 

「まばゆちゃん、一つ覚えておくといいわ。人には触れられたくない部分が必ずあるのよ。あなたが今知ろうとしているのは、凜ちゃんのそういうところ。決して見せたくない、見ちゃいけないパンドラの箱の中身」

 

 みたまさんはポーションを並べ終え、私と向かい合う形でソファに座る。

 

「凜ちゃんがあえて隠している、心の闇。それを暴くのは本当に彼女のためになるの? まばゆちゃんが凜ちゃんの友達だって言うなら、そっとしておいてあげるのも優しさなんじゃないかしら」

 

 みたまさんは目を閉じながら、静かにそう言いました。

 

 

 

 

 

 

 みたまさんの言うことは間違いなく正しいのでしょう。

 私だって、お母さんとの記憶を不用意に触れられたくありません。だからきっと、凜さんもあまり触れてこなかったのでしょう。

 

 

 

 けど……。

 

「分かってます、そんなこと……。それがどれだけお互いを傷つける結果になるかなんて、痛いほど知っています……! けど……」

 

 その傷に触れるべきじゃない。その闇を暴くべきじゃない。

 

 前の時間軸で、凜さんをあそこまで怒らせてしまったこと。凜さんに拒絶されたこと。思い出すだけで涙が出そうになりますし、身体だって震えてきます。

 

 

「けど……、そっとしておくだけじゃ、何も変わりません……! あの時、私の手は凜さんに届きませんでした。私には、凜さんの欠けた部分を想像出来なかったから……。私にお母さんみたいなことができたら、きっと違った結果になったかもしれません。でも、私には出来ないから……」

 

 お母さんの言っていた、その人の欠けた部分を補って話を聞いてあげるなんて器用なこと、私にはできません。

 あれはお母さんが長い間、占いを続けてできるようになったものですから。

 

「だから、知りたいんです。凜さんが何に苦しんで、悲しんでいるのかを。それを知らないと、私の手はきっと凜さんには届かない。私だって分かってます。こんな傷を蒸し返すようなこと、凜さんを傷つけることになるって。それでまた喧嘩することになるなら、いっそ気づかなかったことにして、普通に接していたほうがいいんじゃないかって」

 

 きっとそれが凜さんの望んでいることなのでしょう。

 実際、今のところ凜さんが辛そうにしている素振りは見えません。私の心配しすぎであってほしいと思うほどに。

 

 でも……。

 

「でも、それじゃ、いざって時に凜さんを助けられないんです。凜さんが苦しんでいても寄り添ってあげられないんです。凜さんが辛くて、でも誰にも助けを求めないなら、私から凜さんの手を握ってあげたいんです。引っ張ってあげたいんです。私の柄じゃないですけど、それで凜さんの辛さを和らげてあげられるなら、私は……!」

 

 熱くなる気持ちを抑えて、私はみたまさんの顔を見ます。

 

 みたまさんの言いたいことは分かります。けど、私は私の見てきた凜さんを信じたいんです。今まで凜さんが私に見せてくれた全てが、偽りじゃないはずですから。

 

 

「そっとしておくのも大切な優しさです。でも、凜さんは、きっと誰かが気にかけてあげないと。凜さん、意外と甘えん坊ですから」

 

 

 

 

 

 私の言葉にみたまさんは僅かに目を見開いた後、深く息を吐く。

 

「まばゆちゃんも、意外と臆さずに物を言うのねぇ」

「えへへ、まあ凜さんに変えてもらいましたから」

「そう……。あの子らしいわね」

 

 

 みたまさんは僅かに微笑みます。

 そして私に向かって言いました。

 

「でも、教えられないものは教えられないわ。調整屋は、どの魔法少女にも肩入れしてはいけない存在だから」

 

 え、と思わず声が漏れます。

 

(そ、そんな……! 今の感じ、確実に話してくれる流れだと思ったのに……)

 

 すると、みたまさんはポットに水を入れ、お湯を沸かしながら呟きます。

 

「だから、これは私の独り言。うっかり大きな声で言ってしまった、独り言よ」

 

 みたまさんはそう前置きをして、ポツリと言いました。

 

「もし私と凜ちゃんの仲が良さそうに見えたのなら、それは私が調整屋だからよ。私が調整屋だから、彼女は心を開いた」

「調整屋、だから?」

「そして、凜ちゃんの周りで同じ状況を作れるのは、まばゆちゃん、あなただけよ。これは、あなただけに出来ること」

「え、それってどういう……」

「言ったでしょう、これは独り言よ。そして、お店ももうおしまい」

 

 私はみたまさんに背中を押され、玄関へと連れてこられてしまいます。

 

「ちょ、ちょっと、みたまさん!」

「またのご来店、お待ちしてまぁ~す」

 

 語尾にハートマークがついていそうな甘い声を出しながら、扉を閉めるみたまさん。

 

 そうして扉が閉まりきる直前、みたまさんの扉を閉める手が一瞬止まり……。

 

「凜ちゃんのこと、よろしくね」

 

 そう呟くと同時に、調整屋の扉は閉められたのでした。

 

 

 

 

 

 

 




まどドラ配信延期になってしまいましたねー……。

まあいつも通りとえいばいつも通りと言えるかもしれませんね。



本編では、ようやく時女一族の三人を出せました。
マギレコの二次創作の中でも、二部以降のキャラが出てくるものはほとんどないので、絶対に出したかった子たちの一部でもあります。
二部以降に出てくる子たちも皆素晴らしいキャラが多いので、もっと二次創作が増えてほしいんですけどね。
是非、まどドラにも出番を……。

ちなみに、時女一族の時系列ですが、『深碧の巫』終了後としています。
マギレコでは『深碧の巫』の最後で、キュゥべえから自動浄化システムのことを聞かされている会話があるのですが、その後に二部に登場するまでの間に時女の分家たちと合流できているんですよね。
なので、イベント終了後から第二部までそれなりの時間が経っているのでは?と思いました。そのため、本小説ではワルプルギス襲来前に『深碧の巫』が終了していることとしています。
あくまで独自解釈で公式のものではないので、この時間軸ではそうなんだ程度に捉えてください。
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