魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(まさかのアルまど様実装で腰抜けたので)初投稿です。



Record3 DAY.25~DAY.32

 

 

 魔法少女大結集な実況、はーじまーるよー。

 

 前回は旭ちゃんの好感度を上げ、まばゆちゃんの魔法少女ストーリーを終わらしたところまででした。

 

 今回は今まで集めた魔法少女たちのレベル上げを行い、来たるワルプルギスの夜に備えます。

 この攻略もあと少し。気を抜かずに進めましょう。

 

 

 

 

 

 

 DAY.25

 

 

 

 

 

 さて、前回は皆を連れて調整屋に来ていましたが、皆が調整を受けている間に1つ確認しておきたいことがあるので、それを確認してみましょう。

 

 

 旭ちゃんに話しかけると、選択肢に『協力者の心当たりを尋ねる』とあるので、これを選びましょう。

 

「ワルプルギスの夜との戦いに協力してくれる知り合い、でありますか……」

 

 すると、このようにワルプルギスの夜との戦いに協力してくれそうな人を質問することができます。

 

 その人と交友関係がある中で選ばれるのですが、旭ちゃんの場合は対象がフォークロアの残り三人となります。

 

 

 

 ここで誰か挙げてくれれば、ワンチャンフォークロアのメンバーも仲間にできるのですが……。

 

「すまないであります。実は昨日、既に連絡は取ったのでありますよ。ただ、首を縦には振ってくれなかったであります」

 

 あらら、残念。

 これで誰か1人でも来てくれれば最高だったんですが、さすがに上手くはいきませんね。

 旭ちゃんが仲間になってくれただけでも御の字レベルの豪運ですからね。

 

「申し訳ないであります」

 

 謝らないでいいゾ。そっちの事情もあるからね、しょうがないね。

 

 

「ラビ……、我の仲間たちは、希望を抱くことを諦めてしまっているであります。けれど我は、彼女たちに未来を諦めてはほしくない。そのためにも、この戦いに勝って希望はあると証明したいのであります。ですから、我も精一杯尽力させてもらうでありますよ」

 

 ありがとナス!

 

 

 

 さて、他の皆の調整も終わったので、ここからはお待ちかねの特訓タイムです。

 ワルプルギスの夜との戦いに向けて、これからDAY.31までずっとこれです。

 

 

 

 が、画面自体は単調になるので倍速です。

 

 

 

 

 魔法少女たちの特訓風景を流しながら、ここでやっておくべきことでも解説しましょうか。

 

 

 まずは全体のレベルアップです。

 やれることは色々ありますが、一番は実戦あるのみですね。

 

 そのため、今ユリちゃんがやっているように、模擬戦をひたすら繰り返します。

 

 まばゆちゃんたちとやって彼女たちと一緒にレベルアップするも良し。やちよさんのような格上と戦ってレベル上げするも良し。

 とにかく、戦って戦って戦いまくります。どのみち、一日に戦える人数は決まっているので、戦いたいキャラの胸を借りましょう。

 

 

 

 それともう一つは、連携の強化です。

 集まってくれたとはいえ、ほとんどが会って数日の人たちばかり。連携なんてあったものじゃありません。

 

 そのため、全員の連携の精度を上げます。特に、今まであまり組んでこなかった子たち同士で組ませましょう。

 

 中には凄まじい連携を見せるキャラたちもいます。

 あ、ちょうど画面に映ってる杏子ちゃんとフェリシアちゃんが良い例ですね。

 この子たちは相性が良いのか、組ませるとかなりの強さを発揮します。

 

 余談ですが、フェリシアちゃんはさなちゃんと組ませても強力なコネクトを発動できるようになるので、フェリシアちゃんがどんな子とも相性抜群(意味深)な可能性が微レ存……?

 

 あとは、さなちゃんとほむらちゃんも、同じ盾繋がりなのか、結構相性よかったりします。

 せっかくなので、声をかけて連携強化を促しましょう。

 

「わ、私ですか……? で、できるかな……」

 

 問題ないゾ。ほむらちゃんも素のスペックは低いからね。一緒に強く、なろう!(提案)

 

「わ、わかりました……! がんばります……!」

 

 よろしくナス!

 

 

 あとはまばゆちゃんですね。さすがにワルプルギスの夜の使い魔くらいは掃討できるくらいには強くなっておいてほしいですね。彼女にも任せたい役割があるので。

 

 というわけで、まばゆちゃん。ユリちゃんと修行、しようか。(マジキチスマイル)

 

「あ、あ~、私はその、軍師ポジションというか、後方でどっかり構えているというキャラが合っていると言いますか……」

 

 その後方支援のために、まばゆちゃんを強くするんだゾ。じゃ、やろうか。

 

「いやだー! 凜さん、スパルタなんですもん! うわー!」

 

 じゃあオラオラ来いよオラァ!(豹変)

 

「ぎゃーーーー!!」

 

 

 

 

 といった感じで、魔女を倒しながらこのレベル上げを続けます。

 では、動きがあるまで倍速再開です。甥の木村、加速します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.28

 

 

 

 さて、決戦まであと4日ですが……。今、ユリちゃんはどこにいるでしょうか?

 

 

 

 

 そうですね、調整屋です。

 

 

 調整屋に何をしに来たかと言えば、当然調整です。

 

 ん? この前調整したじゃないかって?

 

 はい。ですが、ここ数日でレベルアップも果たしスキルポイントも余っているので、もう一つオマケを貰いにきました。

 

 

 みたまさんに話しかけ、調整のスキルツリーを開きましょう。

 ver.Finalになったことで一部スキルツリーも追加されたりしましたが……。その中で、これ。『限界突破』というスキルがあります。

 

 これはいわゆる制限付きのパワーアップ枠ですね。発動に条件があったり制限時間付きなどがあるやつです。

 魔法少女ストーリークリアかつ、一定のレベルに到達するとアンロックするスキルで、今のver.Finalに重ねがけできる強力なパワーアップ枠です。

 

 でも、使っている人あんま見ないけど、と思った視聴者ニキ。それは正解です。

 

 なんで使われないかというと、単純に使い勝手が悪いからです。

 変身時間が3分と限られていますし、魔力の燃費が激悪なくせに普通のプレイでは火力が過剰になりがちなので、使ったところでメリットがないんですよね。

 某戦闘民族のスーパーサ○ヤ人3みたない欠陥仕様となっております。つまりゴミ。(悪口)

 自動浄化システムがある世界ならドッペルやそれを纏うドッペルver.がありますし、ウワサによる強化だってあるので、(これを使う必要は)無いです。

 しかも解放にスキルポイントを一気に持ってかれるのがホンマ……。ぼったくりやろ、こんなん。(関西クレーマー)

 

 ちなみにこのスキルを選ぼうとすると、みたまさんにすら「これはかなり極端な強化になるわ。危険だけど、それでもいいの?」と警告されます。カワイソ……。

 あ、ユリちゃんが1人で来た理由もこれです。好感度高い人と一緒に来ると、そんなことする必要ないと言われて、このスキル選択出来ないので。

 

 そんな不遇なこのパワーアップスキルですが、唯一の使い所さん!?がワルプルギスの夜です。あれに対して過剰火力など存在しません。これを取っておけば、いざって時にチャートのリカバリーもきくので、取っておいて損はありません。

 

 

 

 さて、このスキルも取得できたましたし、お代を払ってさっさと見滝原に……。

 

「お代はいいわぁ。調整屋さんの、サービス♡」

 

 ファッ!? 

 妙だな、あんな守銭奴なみたまさんがお代はいらないなんて……。(偏見)

 

「ヒドいわぁ。私は皆のために頑張る、調整屋さんだぞっ☆」

 

 ヴォエっ!

 

 さすがにみたまさんの顔面偏差値でもキツいゾ。止めてクレメンス……。

 

 

 にしても、なんでこんな優しいんでしょうね。

 そういえば、前周でも妙に優しかったんだよな……。この周でもまばゆちゃんのサポートしてくれたらしいし、なんで?

 

 

 

 ……顔が好みとか? アカン、ユリちゃん(の貞操)が死ぬぅ!

 というか、ももこちゃんという旦那がいるのに(不倫は)マズいですよ!

 

 冗談はさておき、特にユリちゃんから言及ないあたりユリちゃんにも心当たりはないようですし……。なんなんでしょうね。

 

 

 

 

 ……ま、いっか。(楽観)

 受け取れる善意は受け取っておきましょう。

 

「それと、凜ちゃん。これも持っていって」

 

 え、グリーフシード? さすがにこれは……。中立の立場崩れちゃわない?

 

「ええ。だから、これは秘密。私と凜ちゃんだけのね」

 

 ええ……。(困惑)

 マジで好感度高いんですけど……。これ、ももこちゃんと十七夜さんに続くレベルで高いんじゃない?

 

 ちょっと怖いですね。もう少し好感度上がってたら、ヤンデレ化してましたよ、多分。

 

 

 

(チャート崩されそうで怖くなったので)じゃあ俺、グリーフシード貰って帰るから……。

 

「凜ちゃん」

 

 わ、後ろから抱きしめられた……!

 本来ならエモい展開ですが、みたまさんからのクソデカ矢印の正体が不明だから、別の意味でドキドキです。

 

 クソッ! けど、顔がいい……! 助けて、まばゆちゃん。俺、この子のこと好きになっちまう……!(貧弱意志)

 

 

「絶対、生きて帰ってきて……!」

 

 悪意は無さそうだけど……。

 とにかく任せちくり~! 死ぬ気なんて更々ないって、それ一番言われてるから。大丈夫だって、安心しろよ~。

 

 

 

 

 うーん、みたまさんの好感度が最後まで謎でしたね。

 時間があれば調べたかったですが、さすがにあと数日じゃ無理でしょうし。

 

 それに、みたまさんとのエピソード進めちゃうと好感度が上がっちゃう可能性ありますしおすし。

 みたまさんは好感度上がると、接し方によってはヤンデレ化するので注意しましょう。調整が勝利のカギだからといって、みたまさんと仲良くしすぎると依存され、最終的に調整の応用でみたまさん抜きでは生活できなくされてしまいます。(1敗)

 

 

 

 

 ま、今回の攻略には関係なかったですね。

 

 

 

 

 さて、後は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.29

 

 

 場面は変わって、ほむらちゃんの家です。

 

 今回はワルプルギスの夜に対しての作戦会議にも介入します。

 作戦会議のメンバーは、ほむらちゃん、まばゆちゃん、ユリちゃん、そして旭ちゃんです。

 

 

 

 なんで旭ちゃん!?と驚きの視聴者兄貴も多いと思います。ですが、ちゃんとした理由はモロチンあります。

 

 以前の解説でお話した通り、旭ちゃんは根っからのミリオタです。そのため、作戦の第一段階であるほむらちゃんによる盗……、借りてきた火器の集中砲火に対してすごく良いアドバイザーになってくれます。

 

 ……まあ今はほむらちゃんの持ってる武器に目を輝かせているただの一般オタクになっていますが。

 

「こ、これは、ハチキュウ! 陸自の採用しているアサルトライフルでありますな! いやーモデルガンなら持っているでありますが、実物を手に取れる日が来ようとは……! 感無量であります……! それにこっちは……」

「……その、凜? 大丈夫なのよね、彼女……」

 

 ……大丈夫でしょう。(モリバー並感)

 

 

 では作戦会議を始めましょう。

 

 

 

 

 

 

 この作戦会議では、ワルプルギスの夜とどう戦うかを決められます。

 まずはほむらちゃんのかき集めた火器(激ウマギャグ)による集中砲火についてです。ここは旭ちゃんが主導で作戦を立ててくれるので、聞き逃さないようにしっかり聞いていましょう。ロクに聞いていないと、爆発に巻き込まれて大ダメージを受けます。(1敗)

 

 この現代兵器による攻撃は半ばイベント戦みたいなもので、ワルプルギスの夜の体力を最大3割くらいは削ってくれます。そのため、こちらはワルプルギスの夜の体力が残り7割になった状態で戦えるという、ワルプル戦唯一の良心です。

 だからさなちゃんと組ませて武器を沢山かき集めさせる必要があったんですね。(メガトン構文)

 

 

 そして次は、魔法少女のチーム分けです。

 ワルプルギスの夜は、全魔法少女で突撃すれば勝てるような敵ではありません。

 そのため、ワルプル戦に参加する魔法少女が10人を超えると、前衛、後衛、遊撃、と魔法少女をチーム分けできます。

 各魔法少女にはポジションの適性があるので、ここはきちんと選びましょう。

 

 唯一例外として、プレイヤーのキャラはどこでも大丈夫です。プレイヤーが操作するため、適性が設定されていないんですね。

 今回ユリちゃんには遊撃チームに入ってもらいます。ここなら、前線を張ることも味方の撤退を手伝うこともできるので、プレイヤーキャラを入れるのは遊撃がオススメですね。

 

 残りメンバーのチーム振り分けについては横に載っけておきますので、暇な方は見ておいてください。あくまでこれは初期配置のポジションですので、戦いが進むとどのみち乱戦になりますし、攻略するガチ勢でもなければ誰がどことか覚えておく必要ありません。

 

 

 

 

 さて、作戦も大枠が決まったので、あとは残りの会話を見終わったらこの日は終わりとなります。

 

 

 

 

 

 

 DAY.30

 

 

 

 この日は昨日立てた作戦を皆と共有するイベントがありましたが、特に何もなかったのでカットです。(無慈悲)

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.31

 

 

 

 と、駆け足で進めてきましたが、ついに決戦前日。

 今日は事前に用意しておいた、いつも通りの遺書をほむらちゃんに渡しておきます。

 

 もちろん今回で決めるつもりではありますが、もしもを考えると、ね? ここで格好つけて渡さなかった結果チャートのリカバリーが出来なくなって再走したことあるので、ちゃーんと渡しましょう。

 

「これも何度目かしらね。もうこれを開けなくて済むようにするわよ」

 

 お、そうだな。(便乗)

 

 さて、あとは……。

 

 

 

 

 ピンポーン

 

 

 

 

 ん? インターホン?

 

「誰かしら?」

 

 この日にほむらちゃんの家を訪ねてくるとなると……。

 

『ごめんね、ほむらちゃん。こんな夜に来ちゃって』

 

 あ、やっぱりまどかじゃんアゼルバイジャン。

 

 

 原作だと、まどかにほむらちゃんの言葉を信じられないと言われ、限界を迎えたほむらちゃんが泣いてしまう場面でしたが……。

 

 

 

 

 どうやら、その心配は無さそうですね。

 

 二人とも笑顔で会話しています。

 さすがにあの間には入れませんね。静かに見守りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まどか。今度こそ、あなたを守ってみせる。だから……」

「うん、分かってるよ。私、魔法少女にはならない。ほむらちゃんを信じる。信じて待つから……。だからお願い。無事に戻ってきてね」

「ええ」

「凜さん、まばゆさん。ほむらちゃんのこと、お願いします」

「……ええ。任されました」

 

 かしこまり!

 

 

 

 

 どうやらまどかも、契約しないで待ってくれる決意をしたみたいですね。良かった。

 これでユリちゃんたちが戦っているときにキュゥべえと契約してしまう、なんてこともないでしょう。

 

 

 

 

 それでは、先ほど言いかけていたことをやりましょう。

 

 まずはまばゆちゃんに話しかけます。

 

「凜さん? なんですか?」

 

 まばゆちゃん、ちょっと未来を視てほしいゾ。

 

「えっ? 未来視には頼らずに戦いに臨むんじゃなかったんですか?」

 

 でも、今回はこんだけ戦力揃ってるし、ちょっとくらいなら、ね?

 

「まあ、凜さんがそこまで言うなら……」

 

 ありがとナス!

 あ、視えた未来は嘘つかないで教えてね。

 

「しませんよもう! さすがに暁美さんに泣かれて後悔してるんですから」

「待って、私は泣いてないわよ」

 

 ほむらちゃん、そこ突っかかるとこじゃない。

 

 まあとにかく、こんな感じでまばゆちゃんに未来を視てもらいましょう。実はこのイベントで、負けイベになるかどうか分かります。

 

「では、失礼します……!」

 

 いいよ、こいよ!

 

 

 

「……んん? なんだコレ?」

 

 ん? どうかしました?

 

「いや……。未来を視たんですけど……」

「未来は? 私たちはワルプルギスの夜に勝てたの?」

「それが……、未来の映像が見えないんです……。テレビの砂嵐みたいになっちゃって」

 

 

 よし、キターーー!!!

 

 

 これです。この結果を聞きたかったんです。

 

 これはどういうことかというと、因果が定まりきらず、未来の結果をまばゆちゃんの魔法で生み出せないということを表しています。

 つまり、ワルプルギスの夜とようやく対等に戦える可能性をこじ開けられた、ということを意味なんですね。

 

 ここで負けの未来が視えていれば、即座に再走案件でした。(12敗)

 

 勝てる、勝てるぞ……!

 

「ええ……。そういうことなんです?」

 

 そういうもんなの。

 それに、物事はプラスに考えたほうがいいって、それ一番言われるから。

 

「まあ、たしかに。負け戦と分かってるよりはずっとマシね」

「それもそうですね」

 

 おし、そうと決まれば後はワルプルギスをボコすだけですね。あーよかった。

 

 とりあえず勝負の土俵には上がれましたね。あとは明日、勝つのみです。

 

 

 

 さて、ほむらちゃんとまどかの良いイベントも回収できたので、これで本当に全部のやることが終わりました。

 

 

 それでは、いよいよ最終決戦です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.32

 

 

 

 

 

 ついにこの日がやって来ました。

 

 プハァ~、今日もいい天気☆(激強豪雨)

 

 

 

 

 

 事前の準備は全て済ませました。

 ユリちゃんのレベリングもバッチリ。

 

 

 全員作戦通りの配置についたということで、ほむらちゃんに話しかけて、戦いを始めましょう。

 

「凜。ここまでありがとう。あなたのおかげで、私は戦ってこられた」

 

 いいってことよ。それに安心するのはまだ早いゾ。ここでワルプルギスの夜に勝てないと全部水の泡って、ハッキリ分かんだね。

 

「そうね。まばゆも準備はいいかしら?」

『ええ、バッチリです。いつでもどうぞ』

「わかったわ。……そろそろ時間ね」

 

 

 

 

 

 それでは、始めましょうか。

 

(俺たちの力)見たけりゃ見せてやるよ。

 

 

 

「今度こそ、決着をつけてやる……!」

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、今回はここまで。

 次回、いよいよ最終決戦開幕です

 

 ご視聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.28 Side MY

 

 

 

「ごめんなさい、みたまさん。こんな無茶な調整をしてもらって」

「いいのよぉ。凜ちゃんはお得意様だもの。これくらい、どうってことないわ」

 

 目の前で私に謝る凜ちゃんに、私はそう言いながら手を振る。

 

「とはいえ、その調整はかなりバランスの悪い調整よ。かなりの力は引き出せるだろうけれど、その分魔力の消費も凄まじいわ。戦闘で使用できる時間は約3分。それ以上は危険よ」

「3分……。分かりました。使い所は見極めないと、ですね」

「ええ。本当にいざって時だけに使って」

 

 私は凜ちゃんに施した調整の注意点を説明する。

 この調整は、言ってしまえばソウルジェムの魔力を簡易的なオーバーロード状態にすることで、通常では引き出せない力を引き出すもの。当然、そんな無茶をすればソウルジェムは危険な状態に陥る。

 私としては1秒たりとも使ってほしくない奥の手ではあるが、凜ちゃんはそれを覚悟の上で望んだ。

 

 

 全ては、彼女の大切な人たちの願いを叶えるため。

 

 

 彼女の引っ越した見滝原で出会った、暁美ほむらちゃんという少女。彼女は魔法で時間を何度もやり直しており、その原因がワルプルギスの夜の襲来とそれによる街の壊滅だった。

 

 それを阻止するために、凜ちゃん、同じ時間遡行者である愛生まばゆちゃんはこの1ヶ月近く、ずっと奔走していた。

 

 

 凜ちゃんは彼女たちと出会ってから少しずつ変わっていった。今の凜ちゃんは、1ヶ月前とは全然違った。

 

 理由は調整のときに彼女の記憶から垣間見えた。まばゆちゃんは、私の『独り言』を理解できたようだ。

 

 

 

 彼女たちが凜ちゃんを危険に巻き込んでいる原因だから複雑な気持ちだが、それは表情には出さずに笑顔を維持する。

 

 本心を隠すのは得意なのだ。

 

 

 

「思えば、みたまさんにはずっとお世話になりっぱなしですね。私、何にも返せてないや」

「それも気にしないで。これは商売だもの。凜ちゃんはちゃんとお代を払ってくれてるし、私はその分のサービスを提供する。それが調整屋でしょう?」

 

 そう、私はお代分の調整しかしていない。

 

 彼女が恩義に感じることも、彼女に感謝されるようなことなど一つとしてしていないのだ。

 

 

 

 彼女の苦悩を一番間近で見ていたのに。

 

 

 

「それでも、ですよ。この調整屋にはかなりお世話になりました。みたまさんにも無茶をいっぱい聞いてもらいましたし。いつかお礼させてください」

「そう……。それなら、美味しいケーキでも頼もうかしらぁ」

「分かりました! 良いお店見つけたんで、今度持ってきますね!」

 

 そろそろ行かないと、と凜ちゃんは扉のほうを見る。

 

 

 

「ねえ、凜ちゃん」

「はい?」

 

 出ていこうとする凜ちゃんを、私は呼び止める。

 

 

 

 正直、お節介かもしれない。誰かさんのお節介が移ったかも。

 けど、1つだけ聞いておきたいことと言っておきたいことがあったから。

 

 

「あなた、後悔してない? この戦いから逃げたいと思ってない? もしほんの少しでも思っているなら、逃げなさい。なんなら、少しの間ならここで匿ってあげるわ」

 

 

 

 ヒドい言い方だが、彼女にとってワルプルギスの夜は所詮、他人事だ。

 

 時間遡行に巻き込まれている訳でも、その街が故郷でもないのだ。なんなら、ほむらちゃんたちに巻き込まれたと言ってもいい。

 

 

 

 もし、彼女が本音を話せていないだけなら……。

 

 

 

「大丈夫ですよ」

 

 

 

 私の思考を途中で切るように、凜ちゃんの声がする。

 

 

 

「心配してくれてありがとうございます。でも、これは私の意志です。私の手を握って、寄り添ってくれた友達のために戦いたいんです、私。助けられてばかりだけど、それでもいいって言ってくれる人に会えたから」

 

 そう語る凜ちゃんの目は、とても輝いて見えた。

 ここに通っていたときの彼女が絶対にしなかった表情だった。

 

「……そう。なら、いいわ。無事でいてね。ケーキ、待ってるわ」

「はい。待っててください、みたまさん」

 

 

 そう言って彼女は扉に歩いていく。

 

 

 

 その背中を見て、私は彼女がどこか遠くへ行ってしまうような、そんな気がした。

 

 それに我慢できなくなった私は凜ちゃんに駆け寄って、後ろから抱きしめる。

 

「み、みたまさん?」

 

 凜ちゃんは困惑したような声をあげる。

 

 けど、私は凜ちゃんの後頭部に自分の顔を埋め、呟いた。

 

「絶対、生きて帰ってきて……!」

 

 私の声を聞いた凜ちゃんは、私の手に優しく自分の手を重ねる。

 

「もちろんですよ。だから、そんな悲しい声しないでください」

 

 そして、凜ちゃんは扉を開ける前に、もう一度私のほうを振り向き、こう言った。

 

 

 

「みたまさん、ありがとうございました。あなたのおかげで、私はこれからも大切な人のために戦えます」

 

 

 

 そう言うと、彼女は深く頭を下げてお店を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私のおかげ、ね……」

 

 

 

 お店の中を掃除しながら、私は凜ちゃんの言葉を呟く。

 

 

 

 あんな言葉、私には勿体ない。

 

 

 

 感謝したいのは私のほうだというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凜ちゃんと初めて会ったのは、彼女が魔法少女に成り立てだった1年半ほど前。

 やちよさんに連れられて、少し緊張した様子だったことは今でも覚えている。

 

 

 そうして調整をする中で、私は彼女の過去を見た。

 

 

 正直に言えば、彼女の過去に何かを感じたことはなかった。

 確かに辛い思いをしてきたのだろうが、そんな過去を抱えた子は魔法少女にはたくさんいる。

 

 

 私にとっては、彼女もその内の1人だった。

 ありふれた悲劇を抱えた、普通の子。

 

 

 

 彼女もまた東西の差別の被害者であると言う点は、思うところがなかったわけではないけど。

 

 

 

 

 

 

 彼女に変化があったのは、それから約半年後。メルちゃんが魔女になった後だ。

 

 

 

 メルちゃんが魔女になった後初めての調整のとき、私が見た彼女の心の内は信じられないくらい変わっていた。

 今までの穏やかな感じは消えていて、抑えきれない苦しみと悲しみ、そして憎しみが渦巻いていた。

 

 

 そして、それを誰に向けることもなく、ただ自分を傷つけることに使っていた。

 

 

 

 自分を殺して、殺して、殺して、殺して、殺して。

 

 

 

 彼女の心象風景は、血で真っ赤に染まっていた。

 

 その全ては、過去を含めた彼女の嫌いな『夕凪凜』の死体から流れ出たものだった。そして、それらを殺し続ける凜ちゃんはまだ足らないと言わんばかりに、ひたすらに凜ちゃんを殺し続けていた。

 

 

 

 

 

 それ以上、私は見なかった。

 きっとあれ以上見ていたら、私まで影響されていたから。

 

 

 

 私は何もしなかった。

 なぜなら、それが調整屋だから。誰かに肩入れすることも贔屓することもしない絶対中立。それが調整屋の鉄則だ。

 

 だから、凜ちゃんへ表面的には優しく接しつつも、特に何かをすることはしなかった。

 

 

 その間も、凜ちゃんは辛い思いをし続けた。

 

 みふゆさんがいなくなって、みかづき荘のチームが解散になって、彼女が師匠と慕う鶴乃ちゃんの裏の顔を知ってしまって心の拠り所を無くした。

 

 彼女の心はどんどん苦痛で埋め尽くされていっても、私は調整屋であり続けた。

 

 

 

 

 

 まるで運命に嫌われているような経験をした凜ちゃん。

 

 それでも、彼女の恨みは彼女自身にしか向かなかった。

 

 例え、信じていた人に酷いことを言われようとも、周りの誰も信じられなくても、彼女の恨みが外へ向くことは決してなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そんなの、長く保たないに決まってる。もっと怒ってもいいのに……。このままじゃ、あなたの心が潰れちゃうわよ)

 

 魔法少女にとって、それは死と同義の結末へ至るものだ。いや、もしかしたら死ぬよりも酷いかもしれない。

 

 

 けれど、私に彼女へ寄り添う義務も、資格も、一切ない。

 

 

 ──ええか、アンタは誰かに肩入れしていい願いなんて叶えてない。それは覚えとき。

 

 

 調整の先生からの言葉が頭に響く。 

 

 私は調整屋だ。調整屋は常に中立でなければいけない。そうしなければ信頼を失うし、1人で魔女を倒せない私はグリーフシードを得られなくなる。

 それに、私は神浜の滅亡を願ったのだ。そんな私が、今さら凜ちゃん1人に肩入れなんて、していいわけがないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凜ちゃんが鶴乃ちゃんの裏の顔を知ってしまった日から数日後。調整を終えた凜ちゃんが言った。

 

 

 

「そういえばみたまさん。調整って、その人の記憶とか考えていることとか見えちゃうんですよね?」

「ええ、そうだけど……」

 

 凜ちゃんの質問の意図が分からず、とりあえず頷く。

 

「それなら、私の心の内ももう知っているんですよね」

「それは、そうね。けど、安心して。誰かに話すつもりはないわ。もちろん、私も仕事だから心を閉ざしている。だから、あなたに深く共感してあげることもできないけど」

 

 先生から教わった、調整屋として大事なこと。

 

 それは、調整相手の心に共感しないこと。共感してしまえば、その子の感情が自分事のようになってしまい、自分にも悪影響を与えてしまう。だから私たち調整屋は、調整するときに心を閉ざす。決して、共感してしまわないように。

 

 凜ちゃんは共感相手が欲しくて、この質問をしたのかもしれない。そう予想を立てた私は予め断るために、そう答えた。

 しかし、凜ちゃんの返答は私の想定を外れてきた。

 

「そうなんですか、よかった」

「よかった?」

「ええ。私なんかの感情がみたまさんに悪影響を与えてたら、私はもっと自分が許せなかったので」

 

 笑顔でそう言う凜ちゃんは、とても痛々しかった。

 

 私がそう考えていると、凜ちゃんはこう言ってきた。

 

「それなら、少し安心して頼めます。みたまさん、時々でいいですから、調整が終わったあともしばらくここにいていいですか? もちろん、みたまさんの邪魔はしません。みたまさんも私に構わなくていいので。ただ、少しだけボーッとさせてくれませんか?」

 

 凜ちゃんの要求はそんなものだった。

 

 別に私の許可を得るようなものでもない。調整が終わった後も、私としばらく話してから帰っていく子は少なくない。放っておいていい、というのは珍しいけど。

 

「いいけど……。どうしてわざわざ?」

「みたまさんなら、私のことを助けないでくれそうだから、ですかね」

 

 凜ちゃんにそう言われたとき、私の身体の奥が冷えるような気がした。

 

「みたまさんはいつも少し距離があるから。みたまさんなら、私の心の内を知っても助けようとしないのが嬉しいんです。他の皆さんは優しいから、私みたいなのに余計な労力を割いちゃうんです。みたまさんはその辺を弁えて、放っておいてくれそうだから、こんなお願いしちゃいました」

 

 えへへ、と凜ちゃんは笑うが、とても笑えるようなものではない。

 

 助けないでほしい。そんな望みを口にするのがどれだけ悲しいことか、彼女の心を知っている私はすぐに理解できた。

 

 

 

 

 けれど、私は手を差し伸べられなかった。

 

 だって彼女が求めているのは、調整屋としての私。八雲みたまの出番はない。八雲みたまに助けられることを、彼女は望んでいない。

 

 

 

 

 だから、私は今まで通りの関係を続けることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな関係がどれくらい続いたころだったろう。

 

 ある日、妹のミィが上機嫌で帰ってきたことがあった。

 

「姉ちゃ、ただいまー!」

「お帰りなさい、ミィ。ずいぶんとご機嫌ね」

 

 私が尋ねると、ミィは元気よく頷いた。

 

「うん! 今日ね、出かけた先ですっごい優しいおねーさんと会ったの。そのおねーさんと遊んできたんだ!」

 

 その時を思い出すように、嬉しそうに語るミィ。

 

「それはよかったわね。けど、あまり知らない人と遊んじゃダメよ。優しく見えても実は……なんてパターンもあるんだから」

 

 姉としては、妹が知らない人と遊んだことにまず心配がいってしまったが、ミィはこれでもしっかりしてる子だ。怪しい人とは遊ばないだろうし、本人の言うとおり優しい人だったのだろう。

 事実、ミィは私の言い草が気に入らなかったのか、少しムッとする。

 

「ちがうよ! おねーさん、そんな人じゃないもん。だって、ミィが落としちゃったお財布、一緒に探してくれたんだよ!」

「財布?」

 

 ミィはポーチから財布を取り出し、これ!と私に見せてくる。たしか、いつかのミィの誕生日に私がプレゼントしたものだったはず。

 

「駅でね、改札から出ようとしたらお財布落としちゃったことに気づいてね。それでどうしようって困ってたら、おねーさんが声かけてくれたんだ。お財布落としちゃったことを言ったら、見つかるまで一緒に探してくれたんだよ!」

 

 ミィは目を輝かせて、嬉しそうに語る。

 

「駅員さんにお願いしてくれて、駅の中も探してくれてね。結局、お財布は電車の中に落ちてたみたいで、お財布が届いた駅まで一緒に行ってくれたんだ。西のほうだったけど、おねーさんと一緒だったから全然迷わなかったよ」

 

 おねーさんあの辺に住んでるんだって、とミィは言う。

 

 が、私としては妹が1人で西のほうに行っていたことにゾッとした。幸い何もなかったからいいが、東西の偏見を考えると本当に運が良かったかもしれない。

 私の嫌な記憶が蘇ると同時に、ミィがその悪意に晒されなくてよかったと安堵した。そして、妹に連れ添ってくれた名も知らぬ『おねーさん』に感謝した。

 

 西の人にも、まだそんな良心がある人がいるんだ、と少しだけ心の棘が柔らかくなるのを感じた。

 

 

 

 

 しかし、その数日後。私は思わぬ形でその人を知ることになる。

 

 

 

 その日、調整に来た凜ちゃんのソウルジェムに触れ、私は驚いた。

 

 凜ちゃんの記憶に見えたのはミィの姿。

 その記憶はミィと共に、財布を探すものだった。

 

 

(つまり、ミィのことを助けてくれたのって……)

 

 

 

 凜ちゃんは私とミィの関係は知らないようだった。

 凜ちゃん自身、ミィを特別視しているわけでもない。彼女にとって、ミィは困っていそうだから助けた子どもの1人。それ以上でもそれ以下でもない。

 

 

 

 もう一つ、記憶を見て分かったことがある。

 

 凜ちゃんが、西の悪意からミィを守っていたことだ。

 私の悪い予想は的中しており、東の制服を着たミィに心ないことを言っている人間はいた。

 それを凜ちゃんはさりげなくミィに聞こえないようにして、場所を移動してくれていた。

 

 

 

 東西の悪意の果てに契約した凜ちゃんは、それでも誰かを恨む感情をついぞ持っていなかった。

 やることはただ、その悪意を自分より下の子に触れさせないように守ることだけ。

 

 

 

 私はいつの間にか、凜ちゃんを守りたいと思ってしてしまっていた。

 彼女の、東西の悪意の被害者でありながら自分を顧みず誰かのために動く生き方は、水名にいた頃の私と少し被ったから。

 

 あの時の私には十七夜がいた。十七夜が止めてくれたから、私はここで調整屋をやっている。

 

 でも、凜ちゃんの側には誰もいない。彼女も、誰も側にいさせない。

 誰にも心を見せようとしなくなった。それが同情を誘ってしまうから。それが、大切な人を不幸にすると信じているから。

 

 

 彼女の心を知っている私が十七夜のようになれたらよかったのに。

 

 

 私は逃げてしまった。

 

 

 

 

 

 結局、凜ちゃんのことはまばゆちゃんに押しつける形になった。

 私より、まばゆちゃんのほうが適任だから、と理由をつけて。

 

 

 

 私は凜ちゃんを助けてあげられなかった。

 彼女が本当に欲していた、誰か1人にでも自分を一番に考えてほしいという、ただそれだけの望みに応えてあげられなかった。彼女が切望していた愛を、あげられなかった。

 

 

 私はどうしてあげればよかったのか、今でも分からない。

 中途半端な同情だけして、彼女に寄り添うこともしなかった。

 

 

 つまるところ、私は自分が可愛いのだ。

 この中立という立場が崩れるのが怖くて、私は動けなかった。

 

 

 何を失おうとも、誰かの幸せのために動き続けた凜ちゃんとは大違いだ。

 

 

 あの子の優しさに、私は希望をもらっていた。

 彼女みたいな子がいれば、東西の偏見だって和らぐかもしれないって思えて、嬉しかった。

 

 

 

 

 多分、私が彼女に何かしてあげられるとすれば、今回が最後のチャンスだろう。

 凜ちゃんは寄りかかってもいいと思える仲間と出会えた。きっと、この後は私からどんどん遠ざかっていく。

 

 

 

(こんな時、ももこならどうするかしらね)

 

 

 

 ああ、そういえばあの子も悩んでる1人だった。

 

 やちよさんたちに神浜を任せる、なんて言われちゃったから。本人はワルプルギスの夜との戦いに参加する気満々だったのに。

 万が一やちよさんたちがいなくなれば、魔法少女の東西テリトリーが不安定になるのは目に見えている。だからこそ、ももこも迂闊には動けない。リーダーがいなくなれば、どれだけの血が流れるか、想像できない彼女ではない。

 だからこそ、どちらがやちよさんたちの力になるか、ももこは悩んでいた。いつもなら、悩むことなんて少ない彼女が。

 

 

 

 

(十七夜、ももこ……。私は結局、誰も守れないのかしら。報われてほしいと思った、たった1人すら……)

 

 

 

 

 

 ──キミは動かないんだろう?

 

 

 

 数日前、キュゥべえに言われた言葉を思い出す。

 

 

 凜ちゃんが皆を連れてきた日。凜ちゃんたちが帰った後、アイツはタイミングを見計らったように、何食わぬ顔で現れた。

 

 

 調整してほしい魔法少女を紹介してきたと思ったら、アイツは言った。

 

「キミは動かないんだろう? 八雲みたま」

「……何のこと?」

「分かっているはずだ。夕凪凜はワルプルギスの夜と戦おうとしている。彼女たちを止められるとしたら、キミしかいないのに」

「止める? どうして?」

 

 私はキュゥべえに背を向けながら、イラつきを隠さずに声にする。

 が、キュゥべえは気にする様子もなく続ける。

 

「キミは夕凪凜を随分と気にかけていたようだからね。そんな存在が死地に行こうとしていることを知れば、止めるのが人間の心理だと思っていたんだけどね」

「私は調整屋よ。調整屋は中立でなければいけない。誰かに肩入れするなんて、御法度なのよ。例えそれが、誰かを守るためでもね」

「……やっぱりか。調整の技術を応用すれば、夕凪凜1人くらい守れるだろうに」

「そう煽って、私に彼女を足止めさせ、それでワルプルギスの夜討伐戦を瓦解させる気でしょう」

「まさか。ボクはただ、誰かを守れずに後悔する子たちを沢山見てきたから、キミに後悔しない判断をしてほしかっただけさ」

 

 キュゥべえは尻尾を振りながら、出口へと向かう。

 

「それじゃあ、ボクはここで失礼するよ。邪魔したね」

 

 

 

 

 

 

 

(後悔しない判断、ね……)

 

 

 私はどうしたら、後悔しないのだろう。

 

 

 私には、誰か救えるのだろうか。

 

 

 私には、誰か側にいてくれるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

(どうせ、どれを選んでも地獄なら……)

 

 

 

 私はスマホを取り出し、電話をかける。

 

 

「もしもし、ももこ? ……ええ、私よ。今から調整屋に来てくれないかしら? ……もちろん、急なことなのは分かってるけど……」

 

 

 ももこは少し怪訝そうだったが、強めに言ってゴリ押す。

 

「ええ、よろしく」

 

 ももことの約束を取り付けた私は、もう一つ、ある連絡先を探す。

 

 

 

 連絡先の画面を下へスクロールしていけば、久しぶりに目にする名前が見つかる。

 

 

 少しの躊躇の後、私は発信ボタンを押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.30 Side MA

 

 

 

 

「皆さん、集まってくれてありがとうございます。これから、今回のワルプルギスの夜との戦いに向けた作戦を発表したいと思います」

 

 私の言葉に何人かから拍手が上がる。

 

「それじゃあ暁美さん。お願いします」

「ええ。とりあえず私とまばゆ、それに凜と旭に協力してもらって作戦を立てたわ。何か改善点や疑問点があったら遠慮なく言ってちょうだい」

 

 暁美さんの言うとおり、昨日4人で頭を捻って考えたワルプルギスの夜撃滅作戦。

 今までのループの中で最高の状況である今回だからこそ、絶対に勝ちたい勝負。そのため、銃火器に詳しい旭さんにまで協力してもらって、今までの積み重ねた経験も組み合わせた作戦です。

 

「まず、この作戦は大まかに分けて2つのフェーズに分かれるわ。第1フェーズは、私とさなで集めた銃火器を使った時間停止による集中砲火を主体とした攻撃。第2フェーズは、私たち全員による魔法を主体とした波状攻撃。これでいこうと思っているわ」

「一つ質問。攻撃の順番の理由は?」

 

 時女さんの質問に、暁美さんは自分の盾を見せながら答える。

 

「それは私の魔法の特性よ。この盾の砂が落ちきってしまうと、私は時間停止が使えなくなってしまう。そしてそのリミットはいつも、ワルプルギスの夜との戦いの最中に来てしまうことがほとんどだった。だから、時間停止を駆使した戦法は序盤で使い切ってしまいたいのよ。時間停止を使わないと当てられない火器も多くあるし、ダメージを少しでも稼ぎたいから」

「なるほど」

 

 時女さんが納得したように頷くと、今度はフェリシアさんが手を挙げます。

 

「んじゃあさ、ほむらが攻撃してるときはオレたちボーッと立ってるだけ?」

「いえ。後々説明しますが、暁美さんによる攻撃フェーズの時、他の方にはワルプルギスの夜を指定ポイントまで誘導するのを任せたいんです」

 

 私は持ってきた紙のうちの一つを皆さんの前に広げる。

 

「これは第2フェーズでも共通ですが、今回皆さんを3つのチームに分けたいと思っていまして……」

「3つ?」

 

 七海さんの確認の言葉に、暁美さんが頷く。

 

「ええ。前衛、後衛、遊撃の3チームに分けて戦いに望みたいの。前衛は文字通り、最前線でワルプルギスの夜と戦うチーム。後衛は前衛の援護をしつつ、後方からの火力支援をするチーム。遊撃は前衛と後衛が動きやすいように使い魔を倒しつつ、場合によっては両チームの援護に入る動きをしてもらうわ」

「もちろん、あくまで目安のポジションですので、戦いに応じては各々の判断でポジションは変えてもらって構いません。ただ、とりあえず作戦開始初期はこれでいこうかと」

 

 私は紙に書かれた名簿をなぞる。

 

「まず、前衛チーム。こちらには、七海さん、時女さん、鶴乃さん、フェリシアさんの4人にお願いしたいと思います」

「おっしゃ! 任せろ! ワルプルギスの夜なんかペチャンコにしてやる!」

 

 フェリシアさんは元気よく答え、腕を折り曲げます。

 

「次に後衛チーム。こちらは、巴さん、土岐さん、旭さん、二葉さん、私の5人にしたいと思います。後衛は前衛の火力支援だけでなく、怪我人の安全地帯にしたいので……」

「なるほど……。ですから、治癒の使える私や盾が武器の二葉さんが……」

 

 土岐さんの言葉に、私は首を縦に振る。

 

「ですです。私は皆さんの護衛といいますか、寄ってくる使い魔の処理要員と、全体を見渡して連絡をする司令官要員の掛け持ちで」

 

 そう言いながら、私は最後のチームに指を滑らせる。

 

「そして遊撃チームは、凜さん、佐倉さん、広江さん、暁美さんの4人に任せたいと思います。暁美さんは第1フェーズ終了後からの合流にはなりますが……」

「遊撃チームにはワルプルギスの夜の拘束もお願いしたいと思ってるわ。攻撃を当てられる隙を作りたいの」

「なるほど。それで、アタシやちはるもこっちってことか」

「そうよ。頼めるかしら」

「合点承知だよ! 私の十手なら、どんな相手でも捕まえてみせる!」

「ま、報酬の約束もしてもらってるしな。その分はキッチリやるよ」

 

 広江さんと佐倉さんからの頼もしい声が聞こえてきます。

 

 

 

 その後、私たちは第1フェーズの詳しい流れ、第2フェーズでの連携について話していき……。

 

 

 

 

 

 

「これで大体話し終わったかしらね……」

「そうですね。あとは……、あっ! 大事なこと言い忘れてた!」

 

 私の言葉に凜さんも思い出したようで、手を叩いて立ち上がる。

 

「最後に大事なこと伝えるね!」

「大事なこと? 作戦の根幹に関わることなの?」

 

 七海さんの質問に私たちは頷きます。

 

 

 

 

「そうですよ、やちよ先輩! まだ作戦名を伝えていませんでした!」

 

 

 

 凜さんの言葉に、身構えていた皆さんが途端にずっこけた。

 

「……それ、本当に大事なこと?」

 

 七海さんのツッコミに、凜さんは自信満々に返す。

 

「そりゃそうですよ。作戦名ないと、なんか締まらなくありません?」

「凜さんの言うとおりです。こういうときの作戦名は、映画でも結構盛り上がるポイントなんですよ」

「そうでありますな。かつての大戦時にも沢山の作戦名は付けられたであります。大事であります」

「旭……。あなたもそっち側なのね……」

 

 皆さんとしてはどうでもいいようですが、私たちには大事な要素。昨日も暁美さんと似たようなやり取りしましたけど……。

 

 

 

 DAY.29 Side MA

 

 

「作戦名? どうでもいいでしょ」

「暁美さーん。分かってませんねぇ。こういうのは一番盛り上げるポイントですよ。ねえ凜さん?」

「まばゆの言うとおり。これはしっかり決めないと」

「暁美殿。これは様式美というやつであります。考えないなんてとんでもない」

「旭まで……。はあ、じゃあさっさと決めて」

 

 

「ふふふ、そうくると思って事前に考えてきたんですよ、私」

「え、なになに!?」

「その名も、『オペレーション・ラストマギア』! どうです? カッコいいでしょ?」

「おおー、カッコイイ!」

「いいでありますな」

「いやー、どういう名前にするか悩んだんですけど、暁美さんの魔法を終わらせるという祈りを込めて、最後の魔法という英語で……」

 

 

「うーん……。でもそれじゃあ、勝てなくて終わっちゃっても名前の意味達成しちゃわない?」

「あっ……。そう言われればそうかも……。うう、盲点でした……!」

 

 

「そうだなー……。あ! それならさ、こんなのどう!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.30 Side MA

 

 

 

「今回の作戦名は……、『オペレーション・ビヨンドマギア』。 ワルプルギスの夜も、繰り返しの時間も、全てを超えるための作戦です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.31 Side MA

 

 

 

 

 

「まどか。今度こそ、あなたを守ってみせる。だから……」

「うん、分かってるよ。私、魔法少女にはならない。ほむらちゃんを信じる。信じて待つから……。だからお願い。無事に戻ってきてね」

「ええ」

 

 

 暁美さんと鹿目さんの会話を、私たちは横でそっと聞いていました。

 

(よかったですね、暁美さん……)

 

 今まで届かなかった声は、ようやく届いた気がして。

 鹿目さんを守れる自分になる、という暁美さんの願いは半分叶ったんじゃないでしょうか。

 

 そんなことを考えていると、鹿目さんは私たちのほうを見て言った。

 

「凜さん、まばゆさん。ほむらちゃんのこと、お願いします」

 

 その言葉に、私たちは顔を見合わせた後、笑顔で答えました。

 

「……ええ。任されました」

「全部、守ってみせるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その……、ちょっといいかしら」

 

 鹿目さんが帰った後、部屋のゴミを片付けていた私と凜さんに、暁美さんが声をかけてきます。

 

「どしたの、ほむら」

 

 凜さんが尋ねると、暁美さんは少しモジモジした感じで言いました。

 

「えっと、今回のループは、今までのどの時間軸よりずっと良い状況よ。これまでどれだけ頑張っても成し遂げられなかった理想的な状況が、ここにはある」

 

 暁美さんは現状を振り返るような説明をします。

 ただ、暁美さんが何を言いたいのか、話の本筋が見えてこずに首を傾げていると……。

 

「これは私だけじゃたどり着けなかったわ。二人のおかげよ。二人のおかげで、私はまどかを守れる私になれる。だから、その……」

 

 

 

 

「ありがとう……」

 

 

 

 小さな声でしたが、暁美さんはそう言いました。

 

 

 

「本当は自分の力だけでまどかを守りたかった。けど、あなたたちにそう言っても、自分たちが力を貸したのも私の力だと、そう言うでしょう。だから、感謝の言葉だけにするわ」

 

 最初は笑うことすらほとんどなかった暁美さんでしたが、今は違いました。

 薄く微笑んだ彼女は、私たちに言いました。

 

 

 

 

「あなたたちに出会えて良かった。私のために手を伸ばしてくれて、ありがとう。まばゆ、凜」

 

 

 

 

 すると、凜さんが暁美さんに近づいて、思い切り彼女を抱きしめました。

 

「なんだぁ~? カワイイこと言いやがってー! このー!」

「ちょ、ちょっと! 人が真面目に感謝してるのに!」

「そんな真っ直ぐ言われたら照れちゃうでしょ! お返しだー!」

「やめて、くすぐらないで!」

 

 ニヤニヤと笑う凜さんと、凜さんにくすぐられて笑う暁美さん。

 凜さんは私を見て、言います。

 

「ほら、まばゆも。こんなカワイイやつ、許しておけるか。くすぐりの刑に処してやらないと」

 

 楽しそうに笑う凜さんに、先ほどまでの真面目な雰囲気はどこへやら。

 なんだか私もその空気に飲まれてしまい、手をワキワキさせながら暁美さんに近づきました。

 

「そうですね。そんなカワイイ暁美さんがいけません」

「ちょっと!」

 

 二人して暁美さんをくすぐって、すごい剣幕で暁美さんに睨まれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、暁美さんの家を後にして。

 

 

 凜さんと二人で帰っているときでした。

 

 

 

「え? 凜さん?」

 

 凜さんが私の手を握ってきました。

 

 その手はとても震えていて、私は横を歩く凜さんの顔を見ました。

 

「りんさ……」

「ねえ、まばゆ。ちょっとだけ、弱音吐いていい?」

 

 

 その顔は先ほどまでとは打って変わって、泣き出す寸前のような顔でした。

 

「……いいですよ。私以外、誰も聞いていませんから」

 

 私の言葉に、凜さんはゆっくりと口を開きます。

 

「私ね、怖いんだ」

「ワルプルギスの夜が、ですか?」

「それもある。皆が死んじゃうことも、まばゆとほむらにまたループをさせてしまうことも怖い。……でも一番は、また二人と友達になれないかもしれないのが、すごく怖い」

 

 ポロポロと涙をこぼしながら、凜さんは私を見ました。

 

「私、怖いんだ。いつか、私とまばゆたちを隔てる時間の差が大きくなっていったとき、私は二人と友達になれるかなって。いつか、二人を助けたいと思えなくなってしまうんじゃないか。二人を助けなくなるかもしれない自分が、一番怖い」

 

 凜さんが語るのは、この先のあり得るかもしれない未来。

 この戦いでも負けてしまったときの未来。

 

「せっかく出会えたのに……。私、離れたくないよ……。ずっと、友達でいたいよ。ずっと、側にいてほしいよぉ……」

 

 耐えきれなくなったように、凜さんは私に寄りかかってきます。

 

(そうか……。凜さんも、不安だったんですね。それでも、暁美さんにはその姿を見せないようにするために……)

 

 胸の中で泣く凜さんを撫でながら、私は思います。

 

 暁美さんへの態度は、暁美さんの緊張をほぐすためのものだけじゃなくて。きっと、ああでもしてないと本音が漏れてしまいそうだったから。

 

 私たちを信頼していても、不安になっている人の前では絶対に弱っている姿を見せない。なんとも凜さんらしい行動でした。

 

 

「大丈夫ですよ」

「……え」

 

 だから、本音を見せてくれた凜さんに、私はできることをする。

 

「私たちはずっと友達です。何かを諦める必要はないって、凜さんが教えてくれたんですよ。だから、私は凜さんと友達でいることを諦めません。どんなに拒絶されても、友達になってみせます。それが、私の諦めたくないことですから」

 

 私は凜さんを強く抱きしめる。

 

「それに大丈夫ですよ。皆もいます。凜さんの語るもしもなんて、起こさせません。皆で超えましょう、絶望の夜を」

「……うん。うん!」

 

 

 

 大丈夫。絶対に手放したりしません。

 

 

 だって凜さんは、私たちの希望の光ですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.32 Side MA

 

 

 

 

『本日午前7時、突発的異常気象に伴い避難指示が発令されました。付近にお住まいの皆さまは、速やかに最寄りの避難場所への避難を……』

 

 避難指示の放送が街に設置されたスピーカーから聞こえるなか、私はトランシーバーを暁美さんに繋げます。

 

「こちらまばゆ。暁美さん、聞こえますか? どうぞ」

『聞こえてるわ。こっちの準備は終わってるわよ』

 

 どうやら兵器の最後の調整も終わったようだ。

 

「こちらもバッチリです。それではご武運を。オーバー」

 

 私がトランシーバーを切ると、横にいた旭さんが声をかけてくる。

 

「順調なようでありますな」

「ええ、ここまでは。旭さんに提案してもらったコイツもいい調子です」

 

 私は、手に持ったトランシーバーを軽く叩きます。

 

「それはよかった。各々の連携がカギとなる本作戦で、連絡手段をテレパシーだけに頼るわけにはいかないでありますからな」

「二葉さんのおかげで何とか全員分集められましたし、あとは……」

「この作戦がワルプルギスの夜にどこまで通用するか、でありますな。まばゆ殿のバディ、頑張らせてもらうでありますよ」

「いえいえ! 私こそ、よろしくお願いします」

 

 今回、旭さんと私はペアで動くことになった。

 旭さんの得意は狙撃。となると、どうしても動かないところを敵に狙われやすくなる。そのための護衛が私だ。私なら魔法でスポッターの役割も担えるし、狙撃ポイントからなら戦場全体を見渡せる。司令塔がいる場所としては最適なのだ。

 今もこうして、同じビルの屋上で待機している。

 

 

 

 

 すると、暁美さんの声がトランシーバーを通じて聞こえてくる。

 

『皆、聞こえてるかしら』

 

 恐らく、私だけでなく全員に向けての言葉だろう。暁美さんの声は少し緊張しているようだった。

 

『まず、この戦いに参加してくれたこと、感謝するわ。ここにいる人たちは、本来ならこの戦いの当事者ではない人が多数だった。それでも、私に協力することを了承してくれて、感謝してもしきれないわ』

 

『そして、もう一つ。この戦いで皆、命を大事にしてほしい。危険だと思ったらすぐに逃げてほしい。その判断を私は責めないわ』

 

『んなことするかよ』

 

 聞こえてきたのは、フェリシアさんの声。

 

『仲間が危ねえからこそ、命かけて戦うんだろ。オレはそんなダセえことするつもりはねえぞ』

『私も、です……。せっかくほむらさんと、と、友達になれましたから。透明な私を見つけてくれた皆さんのためにも、頑張ります……!』

 

 フェリシアさんに続くように、二葉さんの声も聞こえてくる。

 

『その通りよ。それに、時女一族としてもこの戦いは退く気は毛頭ないわ。日の本に生きる人々のため、そして魔法少女のため、私たちも全力で戦わせてもらうわ』

『死ぬ気だってないよ! お母さんたちに生きて帰ってこいって言われたし。あ、あと『宿無し探偵 等々力耕一』も見足りない回もあるしね!』

『等々力耕一は置いておいて……。あなたの後ろには静香もちゃるも私も、皆さんがいますよ、暁美さん』

 

 時女一族の皆さんの声も聞こえてきました。

 

『だいじょーぶ! 最強魔法少女の私も、そのししょーであるやちよも、私の愛弟子も揃ってる! 楽勝楽勝! ふんふん!』

『そう言って鶴乃は油断する……。けど、気負いすぎも良くないわ。何かあれば全員でカバーする。暁美さん、あなたは一人じゃない。それだけは忘れないで』

 

 鶴乃さんの元気な声と、七海さんの優しい声。

 

『暁美さん。あなたたちには随分迷惑をかけたわ。それでも私を仲間でいさせてくれて感謝してる。だから、この街の先輩魔法少女として、少しくらいは恩は返させて頂戴』

『まあ、なんだ。この戦い終わったらウマいラーメン屋、期待してるからさ。死ぬんじゃねーぞ、ほむら』

 

『皆……』

 

 暁美さんに集まる皆さんの声。

 その声の数は、ここまで築いてきた絆を象徴するようでした。

 

 そして、最後に聞こえたのは、やっぱり凜さんの声でした。

 

『皆、気持ちは一つってこと。この戦いに参加するって決めた時点で、皆それくらいの覚悟はしてるよ。だから余計なことは考えず、思いっきりぶつかる。それでいいんじゃない、ほむら?』

 

 凜さんに続き、私も一言声をかけます。

 

「そうですよ、暁美さん。暁美さんはこのループの出口だけを見つめていてください。道は私たちで切り開きます」

 

 

 少しの沈黙の後、暁美さんは湿った声で皆に言いました。

 

『……ありがとう。それじゃあ、あと少しだけ付き合ってちょうだい』

 

 

 

 そして、暁美さんは切り替えたのか、先ほどまでの湿り気を感じさせない気丈な声で私に言います。

 

『それじゃまばゆ。カウントよろしく』

 

「はい。かしこまりました」

 

 

 私は時計を確認する。

 

 ワルプルギスの夜到達まであと少し。

 

 

 

 

 風が吹き、雲の中からついにワルプルギスの夜が顕現する。

 

 

 

「ワルプルギスの夜到達まで、10、9、8、7……」

 

 

 

 ワルプルギスの夜は使い魔のパレードを引き連れ、凄まじい魔力が見滝原を震わせる。

 

 

 

「6、5、4……」

 

 

 

 

 ビルが浮き上がり、使い魔たちがワルプルギスの夜の道を作り……。

 

 

 

 

「3、2、1……」

 

 

 

『今度こそ、決着をつけてやる……!』

 

 

 

 

 

 ついに、終焉を告げるパレードが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

「オペレーション・ビヨンドマギア! 開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.32 Side……

 

 

「もう行くのかい?」

 

「……そうか。さすがにどこで戦闘が始まるかはボクも知らない。探してくるといいよ」

 

「ボクのアドバイスを聞いておいて良かったろう? これでキミの望みも叶うはずだ。キミの行動はボクにも利があるしね。応援させてもらうよ」

 

 

 

 

 

「……さて。暁美ほむら。愛生まばゆ。夕凪凜。この時間軸に発生した3人のイレギュラー。キミたちの戦いの行く末、ボクも見守らせてもらうよ」

 

 

 




ようやくここまで書けました。

まどドラではワルプルギスの夜のスコアアタックが始まりましたが、こちらも次回からワルプルギス戦です。

このお話も、ついに最終章です。

次回以降の話は少し書き溜めてから投稿しようと思います。
なので、投稿は少し遅くなると思います。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
あと少しだけ、お付き合いください。
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