魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(クレメモ第二弾読了したので)初投稿です。



DAY.95-2 凜 VS ななか

 

 

 

 

 

 譲れない女の戦いな実況、はーじまーるよー。

 

 

 

 

 

 前回はみことちゃんの願いを叶えるための作戦を始めたものの、鏡の魔女によってまばゆちゃんたちと分断され、更にはそのタイミングでななかさんたちとエンカするという、ももこちゃんもビックリなバッドタイミングぶりを発揮したところまででした。

 

 しかし、どうやら話を聞いている限り、ユリちゃん自身が彼女たちと一人で戦いたがっているようでしたので、この結果は免れなかったっぽいですね。

 

 

 にしても……。ユリちゃんがあそこまでブチギレるなんて、私もビックリしました。

 これ、帆奈ちゃんとみことちゃんのカップリング成立してなかったら、ユリちゃんがどっちかのルート攻略に行きそうなくらい好感度高いんですけど……。まあ、間に挟まろうとしない辺りがユリちゃんらしいですけどね。CP推しの鑑、誇らしくないの?

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.95

 

 

 

 

 

 さて、というわけで前回の続きから。

 

 

 魔力同士がぶつかり合い、某海賊漫画の覇王色の衝突みたいなのが起きた演出から戦闘スタートです。

 

 

 

 

 私たちの相手は、常磐ななかさん、志伸あきらちゃん、純美雨ちゃん、夏目かこちゃんの4人です。

 

 残念ながら全員合流前にあきらちゃんを倒すことは叶いませんでした。クソが。(悪態糞土方)

 体力は半分ちょいくらいは削れたんだけどね。

 

 

 こうなると、中々に厳しい戦いになってきます。

 まず4人のうち、かこちゃんを除いた3人が武道の経験者なため、普通に敵のレベルが高いですし、モーションも優秀なものが多いのです。

 

 あきらちゃんは既に解説したので、残りの3人について説明すると……。

 

 ななかさんは華道の名門『華心流』の生まれで、元々は順風満帆な人生を送っていました。

 しかし、彼女のお父さんが病気で倒れたのを皮切りに、帆奈ちゃんが操る魔女によって呪われた高弟達に『華心流』を乗っ取られてしまいます。病死してしまったお父さんの「一門を取り戻せ」という遺言を叶えるべく、華心流の奪還と帆奈ちゃんたちへの復讐を誓った、という経緯があります。

 彼女のチームメンバーも、その復讐のために集めた精鋭、というわけですね。

 彼女自身も居合いを修めており、初段とはいえ有段者です。それに頭の回転が速い切れ者であることを反映してか、戦闘AIも強めに設定されております。レベルも一番高いですし、さすがこのチームを纏めるリーダーといえるでしょう。

 

 美雨ちゃんは、互助組織である『蒼海幇(そうかいへい)』という組織の構成員を親に持ち、自身もその組織に属しております。互助組織、とはなっていますが、昔は警察のガサ入れがあるほど、中国マフィアのような組織でした。

 そのため、そこで育った美雨ちゃんもその生き方は継いでおり、基本的に人助けが好きな優しい女の子ではありますが、仲間や蒼海幇メンバーに危機が及ぶとなると、相手に一切の容赦がなくなります。多分、敵対しているメンバーの中でユリちゃんへの殺意が一番高いのもこの子です。

 ちなみにこの蒼海幇は、地上げ騒動に巻き込まれて一悶着あるのですが、その騒動を起こしたのが、帆奈ちゃんの操る魔女だったわけです。

 戦闘力も並大抵のものではなく、『蒼碧拳(そうへきけん)』という拳法の達人で、変身しなくてもヤ○ザ一人簡単に倒せるほどの腕前。なので、近接戦闘において、あきらちゃんとほぼ互角の強さを誇ります。

 

 さらに、彼女の魔法は『事実の偽装』。こちらの記憶を、こちらにとって都合の良い記憶に誤認させるものです。戦闘では、こちらの攻撃が当たったようなヒットエフェクトが出ても当たってない、というような形で使ってきます。

 ただこの魔法は、触れないと発動しないほか、その記憶にまつわるものを目にすれば解除できます。今回は第三者のみことちゃんがいるうえ、ユリちゃんの巻き戻しでもデバフは解除できるので、この魔法は実質無効化できますね。

 

 

 最後に夏目かこちゃん。

 本動画の2周目の時間軸で登場して以来、久々の登場です。

 本編でもお世話になった、『夏目書房』の一人娘です。彼女も帆奈ちゃん悪事の被害者の一人で、実家の夏目書房は魔女の呪いで操られた人に放火されてしまった過去があります。彼女が魔法少女になったのは、その夏目書房を取り戻すためですね。

 彼女の解説は前にある程度やったので、後は戦闘に関することだけちょっと解説させてもらいましょう。

 彼女は他3人と比べれば、年齢が13歳と幼いのもあってそこまで強くないのですが、唯一の脅威は魔法にあります。彼女の魔法は『再現』。できる範囲に制限こそありますが、過去に起きた事象をもう一度起こすことができます。

 戦闘でも有用で、某ナイトなレインの夜渡りのスキルが如く、味方の攻撃を再現し、さらにダメージを与えてきます。

 そのため、相手のダメージが2倍にされてしまうんですね。

 

 

 こんなの4人も相手にするとか正気か? ここからが、本当の地獄だ……!(VGT並感)

 馬鹿野郎お前オレは勝つぞお前!(手のひら返し)

 

 

 実際、本編でマミさんとやり合ったときよりキツい戦いですが、みことちゃんも加わってくれたことで死角からの攻撃にも対処できるようになりましたし、なんとかしてみせましょう。

 

 

 

 

 

 

 さて、画面ではユリちゃんが必死に4人を相手しています。

 

 チームななかさんたちは、基本的にあきらちゃんと美雨ちゃんが積極的に攻めてきて、ななかさんが隙を埋めるように居合いを挟み込んできます。かこちゃんはその魔法と槍で援護、という形で、非常にチームワークが取れた動きをしてきます。

 

 

 なので、基本は回避に専念しましょう。

 かこちゃんの魔法があるので、下手にガードするとそのままガードをめくられる可能性がありますので。

 

 

 

 お、話してたら、あきらちゃんが来ましたね。よし、これを避けて……。

 

 

 おっぶえ!

 さっそく横から美雨ちゃんも仕掛けてきましたね。不意打ち上等なのも、彼女が厄介な所以です。

 

 だが、その程度の小細工、私とユリちゃんに通用すると思うなよ。

 

 

 っと、今度はななかさん。だが、その居合いは……。

 

 

 

 もう見切ってる!

 

 しゃあ、パリィ!

 

 

「っ!?」

 

 

 よし、じゃあぶち込んで……。

 

 

 

 オォン!(被弾)

 

 

 痛ってえ、オイ!

 

 美雨ちゃんの回し蹴りを食らいました。

 

 ……このように、致命攻撃を入れようと足を止めると、すぐに他の子のカバーが入って、逆にこっちがダメージ食らいます。

 ついクセでパリィしちゃったゾ……。(池沼)

 

 

 

 とか言ってる間に次の攻撃が来た! ひえええ!!

 

 

 攻撃が激しすぎてこっちの攻撃挟み込む隙がないんじゃい!

 

 

『凜ちゃん、横! 志伸あきらが何かしようとしてる!』

 

 

 みことちゃんのこの警告は、相手のマギア発動の合図!

 

 ここからだと回避は無理! ならば、こっちもマギアで相殺じゃー! くらえ、炎雷斬舞!!

 

 

 あきらちゃんのマギア『巨拳連弾』にぶつけます! そしたらボタン連打!!

 近接の必殺技同士がぶつかった場合、ボタン連打に勝ったほうの必殺技が当たる仕様になっています。

 だから、ここで押し負けてたまるかー!!

 

 「どりゃりゃりゃりゃあああ!!」

 

 無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!(DIO並感)

 

 

「っ!? しまっ……!」

 

 

 勝った! 死ねぃ!!

 

 

「私を忘れられたら、困るヨ!」

 

 忘れてるわけねーだろ! 一緒に吹き飛べ!

 

「コイツ……!?」

 

 

 

 ヨシ……!(現場猫)

 

 良くやったユリちゃん!

 

 

 これで二人を引き剥がした! あとは……!

 

 

 アォン!(被弾)

 

 

「がっ……!?」

『凜ちゃん!!』

 

「私がいることも、お忘れなく」

 

 

 痛いんだよぉ!!(マジギレ)

 

 ななかさんに脇腹斬られましたが、この程度なら即再生できるんでモーマンタイ。マジで魔法さまさまです。

 てか、こんなん回復魔法使わなかったら勝てないと思うんですけど……。(名推理)

 

 

 あーほら、吹っ飛ばした二人も戻ってきちゃいましたよ。

 ふざけんな!(迫真)

 

 

「ふ、あなたの実力はその程度ですか?」

 

 

 は?

 

 

 

 取り消せよ、今の言葉……!

 

 

 ???<乗るな実況者、戻れ!

 ???<見え見えの挑発に乗るんじゃねえ!

 

 

 

 あいつ、オレをバカにしやがった……。

 

 

 

 

 

 

 スウー……。

 

 

 

 やってやろうじゃねえか、このやろう!!(脳筋)

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side RY

 

 

 

 

 街に響く轟音と、飛び散る火花。

 

 

 

 私たちとななかさんたちの戦いは、まさに一進一退の攻防が続いていた。

 

 

 

「はあっ!!」

 

 あきらさんの回し蹴りをバク宙で避ける。そこに……。

 

「フォウ!」

 

 美雨さんのかぎ爪のよる攻撃が重ねられる。私はそれを双刃刀でいなし、反撃の刃を振るう。

 

 

 しかし、それは二人の間を縫うように現れた常磐さんによって防がれる。

 

「くっ……!」

 

『凜ちゃん、右!』

 

 次の瞬間、みことちゃんの声が聞こえ、私はその場から飛び退く。すると、私がいた場所をあきらさんの正拳突きが打つ。  

 

「外れた!?」

「コイツ、どんな反射神経してるネ!?」

 

 

 

『ナイス、みことちゃん。助かった』

 

 私はテレパシーでみことちゃんに伝える。

 

『そうでしょ? 帆奈ちゃんのときもやってたから、任せて』

 

 みことちゃんも得意げに笑う。

 

 

 実際、みことちゃんの活躍が無ければ、もっと被弾していた。

 彼女のおかげで死角からの攻撃にも対処できてる。

 

 ただ、今のままじゃ均衡は保てても、勝つことはできない。

 

 

(こっちがスタミナ切れになる前に、なんとか流れを変えたいところだけど……)

 

 

 すると、常磐さんが唐突に呟く。

 

「なるほど。ある程度予想はしていましたが……。その勘の良さのカラクリ、大体分かりましたよ」

 

 常磐さんが刀の柄に手をかけ、居合いの態勢で私に言う。

 

「一緒にいるという瀬奈みことが目になっているのでしょう?」

「っ!?」

「以前に戦った更紗帆奈もそうでした。明らかに見えていなかったであろう攻撃を、彼女は避けてみせた。そして、その時も瀬奈みことは彼女に取り憑いていた。となれば、彼女が第二の目になって、危険を伝えていたのでしょう。違いますか?」

「……さあね」

「答えなくても構いません。ただ、私たちとて無策で挑みに来たとは思わないことです」

 

 そう言うと、常磐さんは地面を蹴り、一気に私に近づく。

 そして私の懐に入ると同時に、抜刀する。

 

 回避は無理と判断し、私は双刃刀で刃をガードする。

 

 

 すると……。

 

 

『凜ちゃん、横!』

 

 

 私を挟み込むように、あきらさんと美雨さんの攻撃が飛んでくる。

 

「このっ……!」

 

 私は武器を手放し、2人の攻撃を手と足を使って、なんとか軌道を逸らす。

 

 が、それが隙になってしまう。

 

「そこっ!」

 

 武器を手放したことでフリーになった常磐さんの突きが、私の脇腹を貫く。

 

「ぅあっ……!」

『凜ちゃん!!!』

 

 みことちゃんの悲鳴のような声を聞きながら、私は手刀で刀をたたき折り、その場を離脱する。

 

 

 刺さったままの刃を抜けば、血の赤が服に染みこんでいき、地面に散った分は水溜まりに溶けていく。

 

『凜ちゃん! 大丈夫!?』

 

 みことちゃんが今にも泣きそうなので、私は笑顔を作って答える。

 

『ヘーキヘーキ。魔法使えばすぐ治るから』

 

 出来る限り明るい声色で伝え、少しでもみことちゃんの不安を拭えるように努める。

 

 とはいえ、私の心がある程度分かるみことちゃんに、もしかしたら私の感情は伝わってしまっているかもしれない。

 

 

(これは、想像以上にキツいかも……)

 

 

 背中を伝う、雨とは違う冷や汗の感覚に、私は苦笑いした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side MS

 

 

 

 

 私が甘かった。

 

 

 凜ちゃんなら、常磐ななかにだって勝てると思ってた。

 

 

 帆奈ちゃんが戦ったときは、私の援護もあって、あれだけ大人数の魔法少女を相手に戦えていたから。

 

 

 帆奈ちゃん以上に強い凜ちゃんなら、きっと余裕だって。

 

 

 

 けれど、私の想定は甘かった。

 

 強くなっているのは何も凜ちゃんだけじゃない。常磐ななかたちもまた、強くなっていた。私と帆奈ちゃんみたいなのが再び現れたときのために。

 

 

 

 凜ちゃんと常磐ななかたちとの戦いは、凜ちゃんが劣勢になった。

 

 たしかに私が凜ちゃんの死角を補って、状況を伝えることで複数人を相手できていた。でも、私ができるのはあくまで伝えるだけ。実際に戦うのは凜ちゃんだ。

 

 だから常磐ななかは、凜ちゃんが回避できない状況を作ることにしたのだ。

 例え分かっていても、物理的に回避できない状況に追い込む。

 

 シンプルだけど、一番効果的だった。

 

 

 

 

 そして、もう一つ想定外の事態があった。

 

 生前から戦いが得意じゃなかった私では、徐々に彼女たちの戦闘についていけなくなってきていたのだ。

 

 

 それほど、戦闘の速度は速くなっている。

 振るわれる刃も、打ち出される拳も、宙を裂く蹴りも。全ての戦闘の速度が速くなっている。

 まるで、彼女たちのぶつかり合う激情に比例するように。

 

 

 ついには、私が反応できる速度を上回りはじめていた。

 

 

 今はもう、凜ちゃん生来の勘と反射神経で避けている攻撃がほとんどだ。

 

 

 

 壁を伝ってビルの屋上へと登った凜ちゃんを、3人は逃がさない。

 

 

「逃がさないヨ!」

 

 

 純美雨が、かぎ爪を振るう。凜ちゃんはそれを紙一重で避け、屋上を転がる。

 転がる凜ちゃんに容赦なく、常磐ななかが刀を突き刺しにかかる。

 

 それに対し、凜ちゃんは刀の5センチほど手前で上体を起こして回避。常磐ななかの刀は凜ちゃんの髪数本を切り落とすに留まる。

 

 

 そして、凜ちゃんが態勢を完全に立て直す前に……。

 

 

「おりゃあ!!」

 

 

 魔力を纏わせた、志伸あきらの踵落としが落とされた。

 

 

 

『凜ちゃんっ!!!』

 

 

 

 凜ちゃんは咄嗟に双刃刀でガードするけど、衝撃は凜ちゃんを通って屋上に伝わり、凜ちゃんを中心に蜘蛛の巣状に割れる。

 

 

 轟音と砂塵が炸裂し、志伸あきらはそのまま屋上を凜ちゃんごとぶち抜いていく。天井の抜ける音が複数回鳴り、それに合わせてビルから灰色の煙が窓から吐き出される。

 

 

 

 私は屋上から飛び降り、地面ギリギリまで下降してビルの入り口へと駆け寄る。

 

 

 凜ちゃんがどうなったかを確認しようとすると、直後に鳴った轟音と共に、二つの影が飛び出す。

 

 出てきたのは凜ちゃんと、凜ちゃんの攻撃をガードしながら押し出される志伸あきらだった。

 

 

『凜ちゃ……』

「みことちゃんは他の人たち見てて!!」

 

 私の声に被せるように凜ちゃんからの指示が飛ぶ。

 もう余裕がないのか、テレパシーではなく、直接声に出していた。

 

 

 

 凜ちゃんはこの隙を利用して、消耗している志伸あきらから倒すと決めたのだろう。

 そのまま道の反対のガードレールに志伸あきらを叩きつける。

 

 常磐ななかと純美雨とは、まだ距離がある。

 

 

(このままいける!)

 

 私が思うと同時、凜ちゃんは双刃刀を振った。

 

 

 

 

 しかし、それは止められた。

 

 

「やらせま、せん!」

 

 

 今までほとんど戦闘に参加していなかった、夏目かこが双刃刀を防いだのだ。

 

 

「ありがとう、かこちゃん!」

「ごめんなさい、援護が遅れて……!」

 

 

 そこへ、凜ちゃんを挟み込む形で常磐ななかと純美雨が凜ちゃんに迫る。

 

 

『凜ちゃん! 後ろから来てる!!』

 

 私の声に反応した凜ちゃんは、2人の攻撃をギリギリで避け、カウンターを狙う。

 

 

 しかし、向こうもそれを避け、斬撃の応酬が繰り広げられる。

 

 

 

 そんな、お互いの攻防が膠着状態になったところで。

 志伸あきらがそのど真ん中へ突っ込んだ。

 

 下手をすれば味方の攻撃が当たってしまうような動きだが、2人は器用に攻撃の軌道を逸らし、僅かな突っ込める道を作る。

 

 

 そして……。

 

 

「くらえええ!!」

 

 

 志伸あきらの正拳突きが、吸い込まれるような正確さで、凜ちゃんのお腹へと打ち出される。

 

 

 

「今だ! かこちゃん!!」

「はい!!」

 

 

 拳を打ち出した志伸あきらが、夏目かこを呼ぶ。

 それに対し、夏目かこは魔法を使ったようだった。

 

 

 

 その瞬間、志伸あきらの拳が、まるでもう一発重ねられたような衝撃が響き……。

 

 

 

 

 凜ちゃんは砲弾のように、後ろへと吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 吹き飛ばされた凜ちゃんは後ろにあった廃屋へと突っ込み、その廃屋は凜ちゃんという砲弾を受け、轟音と共に崩壊する。

 

 

 

 

『り……。凜ちゃああああああん!!!』

 

 

 

 凜ちゃんにしか届かない私の声は、雨音にかき消された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side RY

 

 

 

 

 

 

 意識が暗転する。

 

 

 グルグル、グルグル回って、過去の記憶が転がり落ちて、私の前で止まる。

 

 

 

 ――あんたはもっと多くの人を救える。あたしにはできなかったこと、あんたになら託せる。

 

 

 

 更紗さん、やめてよ。

 

 そんな遺言みたいなこと、言わないでよ。

 

 

 ――この世界に希望はあるって、証明してほしいんだ。憎しみと絶望なんかに負けない希望があるって。

 

 

 

 ダメだよ。みことちゃんの希望はあなただけだよ。私じゃ、誰の心の灯りにもなってあげられない。

 

 

 更紗さんみたいに、できないよ。

 

 

 

 

 

 

 あなたともっと、話したかったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――ちゃん! 起きて、凜ちゃん!!』

 

 

 頭に響く声で、遠い過去の夢は途切れる。

 

 私を現実に引き戻したのは、みことちゃんの声だった。

 手を引かれるような、戻るべき場所を教えてくれるような不思議な感覚に、私の意識は急速に浮上する。

 

 

『しっかりして、凜ちゃん! 目を開けて、お願い……!!』

 

 

 薄く目を開ければ、みことちゃんが私に覆い被さるようにして泣いていた。

 

 悲鳴のような声で必死に呼びかけ、私の体を揺さぶるようにしていた。

 

 

 彼女の涙で、混濁していた記憶が整理され、自身の状況も思い出せてくる。

 

「み、こと、ちゃん……」

 

 掠れる声で返事をすれば、みことちゃんはガバッと顔を上げ、私に抱きついてくる。もちろん、触れられないけど。

 

『凜、ちゃん……! よかった、ほんとによかった……!』

「ごめん、心配させちゃったね……」

 

 みことちゃんの頭を撫でるようにして、優しく声をかける。

 

 

 

 全身に巻き戻しの魔法をかけ、身体を再生させていく。

 

 それでも身体が訴えてくる痛みを無視して、上半身を起こす。

 

『凜ちゃん……! やっぱり逃げよう! 私じゃ、もう力になれない……。悔しいけど、今のアイツら相手じゃ……』

「いや、まだだよ」

 

 弱気になるみことちゃんに、私は彼女の言葉を否定する。

 

「どうせ逃げても、どこまでも追ってくるよ、彼女たちは。なら、ここで決める」

『で、でも……』

「大丈夫、手はある」

 

 目を見開くみことちゃんに、私は伝える。

 

「本当は魔力温存しておきたかったけど、仕方ない。()()()、使っちゃおう。それと、みことちゃんにも手伝ってほしいことがあるの」

『私に……? 私なんか、役に立つ……?』

「うん。多分ね」

 

 

 さっき感じた感覚が正しければ、恐らくみことちゃんは……。

 

 

(一か八か、やってやる……!)

 

 

 

 覚悟を決め、私はソウルジェムを握りしめる。

 

 

(ワルプルギスの夜以来の大暴れ、見せてやろうじゃん……!)

 

 

 

 私の覚悟に応えるように、ソウルジェムが眩い光を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side SK

 

 

 

 

 私、神楽燦の地元の光塚には、伝統の火祭りがあった。

 

 

 私はその祭りが好きだった。

 

 祭りの廃止運動が起こったとき、祭りの存続を願いとして差し出すくらいには。

 

 

 

 それでも、後悔はなかった。

 これで祭りは続くのなら、と。

 

 

 しかし、主催者の青年会の会員が暴力事件に巻き込まれ、それで広がった心の闇を魔女につけ込まれた。

 

 魔女に操られた青年会は騒動を起こしてしまい、今年の火祭りは中止となってしまった。

 しかも、今後の祭り開催の完全廃止の可能性というオマケを残して。

 

 

 

 だから私は戦わなければいけない。

 

 火祭りを失えば、私の願いも、戦う理由も消えてしまう。

 

 

 それならば。

 

 

(私は何を犠牲にしても、火祭りを守る)

 

 

 

 数日前に彼女たちから与えられた、起死回生のチャンス。

 

 これが、私の希望への道しるべだ。

 

 

(だからこそ。夕凪凜、藍家ひめな。あなたたちに私の希望を託すわ)

 

 

 

 

 

 

 私は意識を今へと戻す。

 

 

 

 静海このは、遊佐葉月、三栗あやめは、聞いていた通りに手強い相手ではあった。

 

 

 

 けれど。

 

 

 

「そろそろフィナーレといきましょうか」

「なにをー!」

 

 

 私は突っ込んでくる三栗あやめを軽く躱し、彼女の後ろに回ってガトリングガンを頭に向ける。

 

 

「あやめ!! この!」

 

 

 それを見た遊佐葉月は私を止めようと、斬りかかってくる。

 

 

 だが、それこそが狙いだ。

 

 

「かかったわね」

「えっ?」

 

 

 彼女の刃はたしかに私の胴体を捉え……。

 

 

 

 攻撃の直撃後、砕けたのは刃のほうだった。

 

 

「吹き飛びなさい」

 

 

 刃が砕けたことに理解が追いついてない様子の彼女に砲身を向け、ガトリングガンを斉射する。

 

 

 至近距離で食らったことにより、遊佐葉月は後ろの塀まで吹き飛び、そのまま崩れ落ちた。

 

 

「えっ……」

「葉月!!」

 

 

 三栗あやめは呆然と立ち尽くし、静海このはは悲鳴のような怒号のような声をあげる。

 

 

(まあ、仲間を穴だらけにされればそうなるわね。魔法少女じゃなきゃ死んでる傷だし)

 

 

 とはいえ、殺すことは御法度、と再三藍家ひめなには言われてるから、そこは細心の注意は払った。

 

 

「ミユ、そっちも決めなさい」

 

「はい」

 

 

 私の声に、ミユは静海このはに蹴りかかる。

 

 

「このっ……!」

 

 静海このはも、この短時間でミユに食らいついたのはさすがと言うべきだろう。

 

 だけど。

 

 

「情報の差が勝負を分けたわね」

 

 

 ミユは静海このはの周りを高速で移動し、四方八方から蹴りを浴びせかける。

 

 

「ぐぅぅっ……!」

 

 

 最後にミユは彼女の前に着地し、地面を蹴る。

 

 

「このおおおおおっ!!」

 

 

 最後の抵抗で、静海このははカウンターを狙い武器を振るう。

 

 それに、私は一発、銃弾を彼女の太ももに放つ。

 

「えっ……」

「こう見えて、精密射撃もお手のものなの。悪いわね」

 

 

 踏み込みの力が抜け、刃の速度が落ちる。

 ミユは、それを紙一重で避け……。

 

 

 

「がっ……!」

 

 

 

 雷鳴のような一撃が、静海このはを貫いた。

 

 

 

「このはーーっ!! っよくもーー!!!」

 

 

 二人がやられたという事態に、ようやく頭の処理が追いついたのか、激昂した三栗あやめが私に飛びかかってくる。 

 

「単純ね。頭も、動きも!」

 

 私はそれを避け、彼女が着地したところを狙って、足を払う。

 

「うわっ!?」

 

「終わりよ」

 

 

 転んだ彼女にガトリングを撃ち込む。 

 

 

 砂塵が舞い上がり、決着かと思われたが……。

 

 

「そんなもの効くか!」

 

 三栗あやめは、ほぼ無傷で煙から飛び出してきた。

 

 その出来事に、私は意表を突かれる。

 

 

 ……ことになっていただろう。何も知らなければ。

 

「さすがね。けど、強い魔法には弱点もある」

「なんだと!?」

 

 お返しとばかりに、三栗あやめの攻撃を真正面から受け、無傷で弾き返す。

 

「知ってるわ。だって私も似たような魔法を持っているもの」

 

 なにを、と問いかける三栗あやめの声は途中で途切れた。

 

 

 後ろから奇襲したミユの踵落としを頭にモロに食らったからだ。

 

 

「私の魔法は『絶対防御』。消耗が激しいから、ずっとは展開してはいられないけど。まあつまり、『無敵』になれるのはあなただけじゃないってことよ」

 

 既に意識を失った三栗あやめにそう告げ、私は踵を返す。

 

「よくやったわ、ミユ。もう起きていいわよ」

 

 私はミユに声をかける。すると、んはっ、という声と共に、ミユの瞳に光が戻る。

 

「さ、ささ、燦様! ミユは、ミユは上手くやれたでしょうか……?」

「ええ。バッチリだったわ。後は……」

 

 私はスマホを取り出し、今回の作戦参加メンバーのグループチャットを開く。

 

「『制圧完了』っと。あとは姫さまたち、他のメンバーが上手くやってくれることを祈るだけね」

「ですねですね。ああ、これで燦様の夢にまた一歩近づきました~……」

 

 どこか恍惚そうに言うミユに、そうね、と返す。

 

 

 

 ーーお願い、教官! 宝崎で一番強いのが教官なの! 私チャンの友達のために、力を貸して!

 

 ーーその呼び方は止めて。少し戦い方教えただけよ。それに、そんな危ないことに力を貸してるほど、こっちも暇じゃないの。

 

 ーーなら、協力してくれたらそっちも手伝うから!

 

 

 

 数日前の会話を思い出す。

 宝崎魔法少女のグループチャットで知り合った彼女からそうお願いされ、交換条件として火祭り復興の案があるかと、断るつもりで出した条件だったのだが……。

 

 

「いやー、まさか姫さまに民俗学の偉い先生の伝手があったとは……」

 

 ミユの感心したような声に、私も苦笑いする。

 

「そうね。姫さまと夕凪さんの人脈をナメてたわ……。とはいえ、民俗学で有名な里見教授が支援してくださるなら、火祭り復活にも光明は見えてくるわ。幸い、里見教授も乗り気なようだし。後は鏡の魔女による世界滅亡を防げば……」

「はい。火祭りも復興できます!」

 

(だからこそ、負けるなんて許さないわよ。夕凪凜)

 

 

 私は今も神浜のどこかで戦う彼女に、心の中で発破をかけた。

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side MA

 

 

 

 

 

「うわああああっ!! 無理! 無理無理無理っ! たすけてーー!!」

 

 

 降りしきる雨の中、それにも負けない声量で喚きながら、私はひたすらに逃げ惑います。

 

「ちょ、まばゆん!? こっち来られても困るんだけど!?」

 

 逃げた先には藍家さんがおり、藍家さんのほうも私と同じようでした。

 

 藍家さんの方向から合流してきた桑水さんは、私を追ってきた相野さんに声をかけます。

 

 

「みと! 私が回り込むから援護お願い!」

「分かった! とりゃ!」

 

 相野さんの放った矢は、私の足一つ分横に突き刺さります。

 

「ぎゃあああっ!? し、死ぬ死ぬ死ぬ! やっぱ正面からなんて無茶だったんですよー!!」

 

 相野さんが空に向け魔法の矢を放つと、それが雨のようになって降り注ぎます。

 

 

 私はというと、藍家さんと並走してタダひたすらにダッシュです。

 

「ま、ま、まばゆん、何とかして!」

「何とかってなんですか!? 私は参謀タイプです! 正面きっての戦闘は無理ですよー!」

「私チャンもそうだって! 真っ向からやり合うのは苦手なのー! ひゃっ、かすった! 矢、かすった! 顔に傷ついたかもー!!」

「ついてません! なんなら矢も当たってません!」

 

 すると、桑水さんが私たちの前にテレポートしてきて、魔法で作った鞭を振ってきます。

 

 

「くぅっ!!」

 

 私のハサミと藍家さんの羽衣で何とか防ぐものの、そう何度も耐えられるものではありません。

 

 

「「ほむらさん(ほむりん)、たすけてーー!!」」

 

 

 防御している間に、私たちは声の限り叫びます。

 

 ほむらさんが援護に来てくれることに一縷の望みを託しますが、返ってきたのは余裕のないほむらさんの声でした。

 

 

「こっちも手一杯よ!! そっちでなんとかしなさい!!」

「そ、そんなぁ!」

「ほむりんの薄情者ー!!」

「頭撃ち抜くわよ!?」

 

 ほむらさんに目を向ければ、彼女も彼女で伊吹さん相手に苦戦を強いられていました。

 

 伊吹さんは盾でほむらさんのゴルフクラブを受け止め、炎を纏った剣で切り返します。

 ただでさえ専用の武器がなく火力の劣るほむらさんに、盾を持った伊吹さんは厳しい相手でしょう。ほむらさんも自身の盾で剣を受け止め、そのまま盾を使い、裏拳の要領で伊吹さんを殴りつけますが……。

 

「まだ、だよ!」

 

 伊吹さんは炎と共にその傷を回復すると、再びほむらさんに斬りかかります。

 伊吹さんの魔法は炎による回復だったようで、火力のないほむらさんにとっては一番キツい相手でしょう。ほむらさんの先ほどの発言も納得できます。

 

 

 

 

 

 ええ、そうです。

 

 覚悟を決めて桑水さんたちに挑んだ私たちですが、全員、彼女たちに実力が及んでいなかったのです。

 

 凜さんからの情報ではそこまで強くないとのことでしたが、それはあくまで今回敵対する魔法少女の中での話。

 

 

 ずっと3人で戦ってコンビネーション抜群な彼女たちには、藍家さんと即席で組んだ私たちでは届かないのです。

 

 更に言えば、ほむらさんは時間停止を使えないというハンデもあります。

 

 

 そして、状況を更に悪くしているのが……。

 

 

(この雨ですよ! ホントに最悪です! まさか桑水さんの魔法が、『水から水へのテレポート』だったなんて……!)

 

 

 さすがに雨粒へのテレポートはできないようですが、それでも地面にできた水溜まりを次々とテレポートされたら、攻撃すら当たりません。

 

 

 結果として、桑水さんは藍家さんを相手しながら、私と戦う相野さんの援護までする無双っぷり。

 

 

 私たちは正面からじゃ勝てないと悟り、今の逃走に至ります。

 

 

(これはマズい! すごくマズい! やっぱり今から撤退を……!)

 

 

 そこまで考えて、頭を横に振ります。

 

(いやいやいや! それはダメです! ここにこの人たちがいる限り、作戦は進められません。氷室さんたちが来るまで待つのも手かと思いましたが、その場合、氷室さんたちが消耗していたら余計負担をかけることに……。いや、そもそもこの雨が降っている状況で、桑水さんから逃げられる気がしません!)

 

 

 とはいえ、何とか状況を打開しないと負けるのは確実。

 

 最悪私たちが倒れるのは良いとしても、私たちを人質に取られたら、それこそ目も当てられません。

 

 

(うぅ、やっぱり何か考えないと……)

 

 私がそこまで考えたときでした。

 防御を崩せないことに苛立ったのでしょう。桑水さんが、先ほどより魔力と力を込め、鞭を振るってきました。

 

 

 その一撃は私たちのガードを崩し、後ろへと吹き飛ばします。

 

 

 

「きゃあっ!」

「うぎゃ!」

 

 

 私と藍家さんは地面を転がります。

 

「ったぁ……。まばゆん、大丈夫……?」

「な、なんとか……。藍家さんは?」

「ギリね。身体は動く……」

 

 互いの無事を確認し、少し安堵した直後。

 

「ああっ!」

 

 ほむらさんの悲鳴と共に、彼女も私たちのところへと転がってきます。

 

 どうやら、伊吹さんの一撃に飛ばされてきたようです。

 

 私はなんとか、転がるほむらさんを受け止めました。

 

 

「ほむらさん!」

「くっ……! このザマじゃ、私もまばゆたちのこと言えないわね……」

 

 悔しそうにするほむらさん。

 

 一方、向こうの3人も1カ所へと集まります。

 

 そして、桑水さんが私たちを見て、言い放ちます。

 

「これで決めて、早く十七夜さんと合流しよう。いくよ、れいら! みと!」

「「うん!!」」

 

 その掛け声に2人が頷き、全員が武器を構え、魔力を溜めはじめます。

 

 

 

「2人ともヤバいって! なんか、良い魔法無いの!?」

 

 藍家さんがそう言いますが、それがあれば既にやっています。

 

「無理ですよ! 私の未来視は相手の目を見ないといけない上、ヴィジョンを見ている分、時間だってかかります!」

「そもそも私はもう魔法が使えないのよ!」

「そんなーー!!」

「藍家さんのほうこそ、魔法は!?」

「私チャンのは直接触れないと魔法も合成できないの! それに魔力消費も激しいから、使う魔法によっては首絞めるだけで……!」

 

 と、叫んでいた藍家さんの動きが止まります。

 

「え、ヒコ君? それって……?」

 

 藍家さんは、脳内にいるという彼氏さんと話すように、何度か頷いた後、私たちの手をバッと掴みます。

 

 

「2人とも、私チャンに協力して! できるかも、一発逆転!」

「「え?」」

 

 

 

 

 

 

 

 私たちは藍家さんから簡潔に作戦内容を聞き、決行することを決めました。

 

「大丈夫、ですよね?」

 

 私が不安そうに尋ねれば、藍家さんはニッと笑います。

 

「大丈夫、信じて! 私チャンの彼ピは天才だから!」

 

 藍家さんの目には一切の不安がなく、彼氏さんを信じ切っているようでした。

 

「……なら、信じます!」

「右に同じよ、藍家ひめな。それより、あなたコネクトはできるのね?」

「モチ! この前、宝崎に旅する調整屋さんが来てくれて、そん時に調整してもらったから!」

 

 それを聞いたほむらさんは、藍家さんの手をギュッと握ります。

 

「なら、任せるわよ!」

 

 

 私たちが動き出したのに気づいたのでしょう。

 

 

「っ! 何かされる前にやるよ!」

 

 桑水さんの声で、3人が攻撃を私たちに向けます。

 

 

 それに対し、藍家さんは不敵に笑い、言い返します。

 

 

「当てられるもんならね!」

 

 そして、彼女は魔法を発動。

 

「ほむりんの魔法を『合成』! そして……」

 

 

 

 

「「コネクト!!」」

 

 

 

 

 3人から技が放たれると同時、藍家さんがほむらさんの盾を回しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お? おお……」

 

 

 私が目を開けると、世界の時間は止まっていました。

 

(ほ、本当に止まった……!)

 

 

 雨粒は空中で静止し、桑水さんたちもまた、動きを止めていました。

 

 

 

 

「今よ、まばゆ!」

「は、はい!」

 

 

 私は3人に駆け寄って、持っていたスタンガンを押し当てます。

 

 

 3人全員に押し当てたところで、再び時間が始動。

 

 

 バチッと大きな静電気のような音と共に、桑水さんたちは地面へと倒れ込みました。

 

 

 

 

「た、倒した?」

 

 そっと3人を覗き込む藍家さんに、ほむらさんは3人の状態を確認して答えます。

 

「ええ。全員、意識を失っているわ」

「よ、よかった~」

 

 ヘナヘナ、と藍家さんは座り込みます。

 

「さすがにほむりんレベルの魔法となると、消耗エグい……。止めていられるの、10秒ちょいが限界かも……」

 

 グッタリと言った感じですが、それでも私はスゴいという感想しか出てきませんでした。

 

「ほ、本当に使えるとは……。よく思いつきましたね、『合成』の魔法をほむらさんに使うって」

 

 すると、藍家さんは嬉しそうに笑います。

 

「さっすがヒコ君でしょ」

「そうね」

 

 藍家さんの言葉に、ほむらさんも頷きます。

 

「私の時間停止の魔法は盾の砂が落ちきってしまうと使えない。だから、もう二度と使えないと思っていたのだけど……」

「私チャンに合成することで、私チャンが魔法の主導権を得る。ほむりんの魔法は特殊で、武器と魔法が直結してるからさ。コネクトでほむりんと繋がることで、ほむりんの盾を触媒として私チャンでも使えるようにして、後は魔法を使うのに必要な砂を私チャンの魔力で代用する」

「それによって、もう一度時間停止が使えるってわけね」

「そゆこと!」

 

 はぁー、と口を開けて聞く私。

 

(マジであの短時間でよく思いつきましたね……。あれ? もしかして私の参謀ポジション、藍家さんの彼氏さんに取られてます?)

 

 若干のショックを受ける私に気づくことなく、藍家さんはほむらさんの手をブンブンと振ります。

 

「でもでも! コネクトも一発で成功したし、時間停止の魔法も使える! 私チャンたち、結構良いコンビじゃない!?」

 

 えっ、と固まる私と、鬱陶しそうにするほむらさん。

 

「お断りよ。あなたといると疲れそうだもの」

「ええ~……。ほむりんたちともっと仲良くなりたかったのに……」

「……別に仲良くしないとは言ってないでしょ。それに今日だけは、あなたと組んだほうが良さそうというのは同感よ」

「マジ!? やった! ほむりんもツンデレだな~」

「ホントに頭撃ち抜くわよ」

「スミマセン」

 

 楽しそうにする2人を見て、若干置いていかれた気分になる私。

 

(って、イヤイヤ! ほむらさんに友達が増えるのは良いことです。私だって凜さんを初め、たくさんの友達が増えたんですから)

 

 そう言って、自分の心を落ち着けていると、藍家さんは私にも駆け寄ってきます。

 

「まばゆんもありがと! 止まった時間の中動けるなんてスゴいじゃん! 姿も消せて、未来も視えるし、まばゆんも割とチートだよね」

「い、いや、そんなことは……」

「そんな卑下しないでよ。スゴいのは本当だし。私チャン、まばゆんとも仲良くなりたいんだよね~。映画詳しいって言ってたし、その話ももっと聞きたい!」

 

 藍家さんの言葉に、私は嬉しく感じ、警戒心が消えていくのが分かります。

 我ながらチョロいとは思いますが、仕方ありません。

 

「そ、そうですか? でも、私映画になると、オタク特有の早語りしだしますよ?」

「気にしないって! ヒコ君も割とそういう面あるから慣れてるし。私チャン、そういう話聞いてるの好きだから!」

 

 そう言いながら、私の手を握ってブンブン振る藍家さんを見て思います。

 

(ああ。この人も、鹿目さんとは別ベクトルで人たらしですね)

 

 

 物語の主人公のような眩しい光を持っているような、そんな雰囲気。

 

 私には眩しすぎる光ですが、きっと今の私なら大丈夫。

 

 

 尻込みしても、引っ張って一緒に進んでくれる人が側にいますから。

 

 

(ですから、無事でいてください。凜さん……)

 

 

 私はその想いとともに、「制圧完了」とグループチャットに打ち込みました。

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side NT

 

 

 

 

「やったかな……?」

 

 あきらさんの確認するような声に、私は刀に手をかけながら答える。

 

「意識を刈り取れていれば、ですね。意識がある場合、彼女の魔法なら傷もすぐに治ります。ここは警戒を怠らず……」

 

 私がそこまで言ったときだった。

 

 夕凪さんが突っ込み、倒壊した廃屋の瓦礫から光が漏れ出す。

 

「どうやら、まだだったみたいヨ」

 

 美雨さんがそう言った直後、夕凪さんの魔力反応が爆発的に増大する。

 

 

 瓦礫が吹き飛び、光が収まれば……。

 

 

 

 中心に立っていたのは、圧倒的な魔力を滾らせた夕凪さんだった。

 

 

(魔法少女の衣装も少し変化している……。なるほど、あれが)

 

 

 フェリシアさんから情報を引き抜いた、限界突破の強化状態。

 

 

「皆さん、警か」

 

 

 その瞬間、夕凪さんの姿が一瞬にして消え、瞬きほどの時間もなく、私の目の前に彼女が現れた。

 

「っ!」

 

 咄嗟に刀を引き抜き攻撃を防ぐも、堪えきれず、後ろへ飛ばされる。

 

 

 

 全員なにが起きたのか、分かっていないのだろう。

 

 全員の足が止まる中、夕凪さんは私への追撃を仕掛ける。

 

 

 

「あっ、ななかさん!」

 

 

 私の一番近くにいたかこさんが我に返り、私を守ろうと走り出す。

 

 

 しかし、ここで私は気づいた。

 

「いけない!」

「えっ?」

 

 次の瞬間、かこさんの姿はかき消え、気づけばビルの壁に叩きつけられていました。

 

 気を失ったのか、夕凪さんが手を放すと同時にグッタリと崩れるかこさん。

 

 

(やはり狙いはかこさんだった……! 私をわざと彼女の近くに飛ばし、彼女が庇うために前へ出るよう、おびき出させた……!)

 

 

「あと、3人」

 

 幽鬼のようにユラリと私たちを見た夕凪さんが呟きます。

 

 

「よくもかこを……! 覚悟するネ!!」

 

 美雨さんが飛び出すのに合わせ、私たちも駆け出します。

 

 

 3人の隙の無い連続攻撃を、しかし彼女は圧倒的な身体能力で避けきります。

 

(くっ、やはり速い……! 先ほどとは別人ですね……! しかし!)

 

「あきらさん! 美雨さん! お伝えしたとおり、彼女の強化は3分の維持が限界です! それまで耐えますよ!」

「ありゃりゃ、そこまでバレちゃってたか。でも、そんなに持ちこたえられるかな?」

「こらえてみせます!!」

 

 口角をつり上げる夕凪さんに、私は居合いを放つ。

 しかし、夕凪さんは残像を残し、目の前から消える。

 

 

 私たちは背中を合わせ、どの方向からの攻撃にも対処できるように構える。

 

 

 そんな私たちを嘲笑うように、私たちの上に影ができる。

 

(……まさか!)

 

 私たちが全員気づいて、その場を飛び退くと、直後に夕凪さんが急降下してくる。

 

 

 大砲でも撃ち込まれたような衝撃と音が響き、コンクリートの破片が噴火のように飛び散る。

 

 

 そして、一撃で私たちを分断した夕凪さんは、煙から飛び出し、美雨さんに襲いかかる。

 

 

「くっ! ナメられても、困るヨ!!」

 

 

 美雨さん得意のカンフーで迎撃を図るも、夕凪さんには一撃も当たらない。

 攻撃のギリギリを抜け、美雨さんに迫り、連撃を入れる。

 

 

 私は急いで美雨さんの援護に向かうも、夕凪さんは真後ろからの私の攻撃を振り向きもせず受け止める。

 

「なっ!?」

 

 正面からの美雨さんの蹴りを、膝を蹴ることで止めた夕凪さんは、後ろの私を振り払う勢いそのままに後ろ回し蹴りを放ち、美雨さんのこめかみを打ち抜く。

 

 

「ぁっ……」

 

 脳振盪でも起こしたのだろう。

 美雨さんは膝から崩れ落ち、ドサリと倒れる。

 

「あと2人!」

 

 

 

「よくm」

 

 私が言い切る前に、夕凪は持っていた双刃刀を槍のように投げてくる。

 

 

 私は短刀でそれを弾き、構えなおそうとするも……。

 

 

「ふっ!」

「あぐっ!?」

 

 彼女の蹴りが短刀を持っていた私の手を捉え、短刀を空高くまで蹴り飛ばす。

 

 間髪入れず私の襟を掴んだ彼女は、背負い投げの要領で私を地面へと叩きつける。

 

「かはっ……!」

 

 受け身は取ったものの、それだけでは殺しきれない衝撃に、肺の空気が押し出される。

 

 

 彼女を視界に捉えれば、既に彼女は私の顔目がけて拳を振り上げていた。

 

 

「させるか!!」

 

 そこへあきらさんが飛び込んできて、夕凪さんの顔面に拳を叩き込む。

 

 が、夕凪さんもそれで終わらず、私に振り上げていた拳をあきらさんに向け、カウンターであきらさんに拳を当てる。

 

 

「ぐっ……!」

「うあっ……!」

 

 お互いに拳を食らった2人は、弾かれるように後ろへと転がる。

 

 

 

 お互いが地面に倒れた後、先に立ち上がったのは夕凪さんだ。

 

 地面を蹴り、あきらさんへと突っ込んでいく。

 

 

(あと、1分半……!)

 

 

 私は立ち上がり、援護に向かおうとするも、先ほどの投げのダメージか、すぐに立つことができない。

 

 

『ななかはそこにいて!』

 

 すると、テレパシーであきらさんの声が聞こえる。

 

『今のななかじゃ、瞬殺されるだけだよ! ボクが時間を稼ぐから、今のうちにダメージを回復して!』

『しかし!』

『2人揃ってやられたら、それこそ笑えないって!』

 

 

 余裕がないのか、会話をそこで切り上げるあきらさん。

 

 

 そのあきらさんを相手に、夕凪さんは素手で互角にやり合っていた。

 

 

 技術自体はあきらさんが上回っているものの、夕凪さんはその異常なまでの身体能力と反射神経、そして勘であきらさんと対等に戦っていた。

 

 

 そして、その対等だった差も、すぐに夕凪さんが突き放す。

 

 夕凪さんの攻撃回数が増えていき、あきらさんは防戦一方になっていく。

 

 

「……くっそおおおお!!」

 

 

 そして焦ったあきらさんが、明確な隙を晒した。

 

 

 先ほどまでより大ぶりな一撃を、夕凪さんが見逃すはずもなく。

 その攻撃を避け、蹴りであきらさんを吹き飛ばす。

 

 そして、吹き飛んだあきらさんを逃がさないと言わんばかりに夕凪さんは飛び上がり、空中で魔法陣を展開。

 

 それを足場にあきらさんへと、跳び蹴りをかます。

 

 

 彼女の跳び蹴りはあきらさんのお腹に深々と刺さり、あきらさんを地面に叩きつける。

 

 

 動かなくなったあきらさんの横で夕凪さんは立ち上がり、私のほうを見る。

 

 

「あと、1人……!」

 

 肩で息をする夕凪さん。

 

 

 

(あと1分……!)

 

 私は刀を構え、彼女に突っ込む。

 

「うあああああっ!!」

 

 

 

 すると、彼女は私に手を向ける。

 

(っ!? なにを……)

 

 嫌な予感がし、後ろに視線をやれば、私の後ろに突き刺さったまま放置されていた夕凪さんの双刃刀が、こちらに向かって飛んできていた。

 

「なっ!?」

 

 私はギリギリでそれを避けると、前からは夕凪さんが、すでにあと2歩というとこまで迫っていた。

 

 双刃刀が吸い寄せられるように、彼女の手へと収まる。そして、夕凪さんはそれを分かっていたように、掴んだ双刃刀を私に振るう。

 

 ギリギリで刀で防ぎ、つばぜり合いが起きる。

 

(予め武器に魔法を付与しておき、『巻き戻し』で呼び戻した、というわけですか……!)

 

 

 残り50秒。

 

 

 

「いい加減、倒れてくれない、かな!!」

「出来ない相談、ですね……!!」

 

 必死のつばぜり合いは、やはり夕凪さんに分がある。

 私は徐々に押し込まれていた。

 

「私は、華心流も、更紗帆奈によって傷つけられた皆さんの想いも、背負っています! あなた如きに、止められてたまるかぁ!!」

 

 必死に自身の心を奮い立たせ、夕凪さんに向かって吠える。

 

 少しだけ押し返した刃に、夕凪さんの顔が映る。

 彼女の顔は、復讐を誓った私とそっくりの……。いや、私よりも前を向いた、真っ直ぐな目をしていた。

 

「こっちこそ! みことちゃんの幸せのために、この呪いの連鎖を断ち切るために! そして私の怒りのためにも、絶対あなたはぶっ飛ばす!!」

「このっ!」

 

 生まれた僅かな隙を突き、夕凪さんの力を逸らす。

 

「あっ……!」

 

 対抗する力が急に消えたことで体勢を崩した夕凪さんの背中を、私は思い切り斬りつける。

 

 

 鮮血が舞い、夕凪さんのケープに大きな切れ込みができる。

 

 が、深くは斬れなかったようで、すぐに夕凪さんも飛び退く。

 

 

 とはいえ、手応えはあった。勝機は今しか無い。

 

 夕凪さんが傷を癒やす前に、私は彼女に飛びかかる。

 

 

 夕凪さんはそれが分かっていたのか、私の攻撃をしっかりと受け止める。

 

(背中を斬られて、なおこの力……!)

 

 すると、夕凪さんはもうつばぜり合いに付き合う気はないのか、私のお腹に蹴りを打ち込む。

 

「ぐぅっ……!」

 

 胃の中のものが逆流しそうになるのを必死に堪える。口を強く噛んだせいか、血の味が広がる。

 

 

 あと30秒。

 

 

 

 夕凪さんの攻撃を、私は必死に防御する。

 

 

 もう、脳で考えていられる戦いの速度ではない。

 ほとんど条件反射のようなもので、私は夕凪さんの攻撃に必死に食らいつく。

 

 夕凪さんも同じなのか、彼女の顔に余裕は一切見られなかった。

 

 

 外れた斬撃が辺りを次々と切り裂き、私たちを中心に、地面には刀傷の華が描かれる。

 

 

 

 あと10秒。

 

 

 

 お互いの攻撃がぶつかり合い、2人とも弾かれる。

 

 

 

 

 あと5秒。

 

 

(この居合いで、決める!!)

 

 

 

 夕凪さんに後はない。なら、彼女が取る行動は一つ。

 

 

 私の読み通り、彼女は最短で決着をつけるため、一直線に私に突っ込んでくる。

 

 

 そして、夕凪さんの振るった刃を……。

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

 居合いで、弾いた。

 

 

 そして、タイムアップ。

 

 

 

(勝った!!)

 

「終わりです!!」

 

 私は返す刀で、刃を振り……。

 

 

 

 

 

 

 その一太刀は、夕凪さんに躱される。

 

 

 

「は!?」

 

 

 

 彼女は強化状態を維持したままだった。

 

 

 私の攻撃を避けた夕凪さんは武器を握りしめ、私に告げる。

 

 

 

「セリフ、返すよ!!」

 

 

 刹那、夕凪さんの姿が消え、私の身体を衝撃が貫く。

 

 遅れて飛び散る鮮血を見て、自分が袈裟斬りにされたのだと分かった。

 

 

 回転する視界で最後に見たのは、夕凪さんの背中だった。

 

 

 

 

 

 

 DAY.95 Side RY

 

 

 

 

 常磐さんが倒れたのを確認し、私も膝をつく。

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ……」

 

 

 ギリギリだったが、なんとか勝てた……。

 

(変身してられる時間、伸ばしといてよかった……)

 

 元の時間だけなら、間違いなく負けていた。

 

 

 さすがに限界を感じ、強化状態を解除する。

 

 

 

 すると、今までセーブしていた疲労と痛み、そしてソウルジェムに負担をかけた反動が一気に襲いかかってくる。

 

 

「ぁぐっ……! うううう、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ……!」

『凜ちゃん!』

 

 みことちゃんの声に答える余裕がないほど、激痛が全身を蝕む。

 

 地面をのたうちまわり、痛みを少しでも軽減しようと両腕で身体を抱える。

 服が破れそうなほど強く掴み、歯を食いしばって必死に痛みに耐える。

 

 時間にして数十秒だったろうか。

 

 

 ようやく治まった痛みに、私は浅い息を繰り返す。

 

「ハッ、ハッ、ハッ……」

 

(終わった……? とりあえず、ソウルジェムが砕けなくてよかった……)

 

 みことちゃんに目を向ければ、今にも死にそうな人を見る顔で、ボロボロと涙を零していた。

 

「ごめん、みことちゃん。もう大丈夫だから……」

 

 まだ僅かに痛みの残る身体を起こし、私は笑う。

 

 それに対し、みことちゃんは怒りと恐怖が混じった声で泣き続ける。

 

『もう!! ホントに、ホントに怖かったんだから……! ここで凜ちゃん、死んじゃったらどうしようって……! 私の暗示の魔法のせいで、凜ちゃんの身体を壊しちゃったら、私、私……!』

「ごめんね……」

 

 そう。

 今回は、みことちゃんに魔法で援護してもらっていた。

 

 彼女の心が変わったからだろうか。

 みことちゃんは再び『暗示』の魔法を使えるようになっていた。

 さっき私の意識を戻したのも、きっとその力だ。

 

 そこで私は思いついた。

 その魔法で、私の身体能力と認知感覚を強化できれば、と。そのため、私の身体能力と認知範囲、反射速度を最大限引き出す『暗示』をかけてもらったのだが……。

 

 

(さすがに反動が大きかったな……。みふゆ先輩にも、この手の強化は反動が怖いって言われてたっけ)

 

 みことちゃんに怖い思いをさせてしまったのは、反省だ。

 

 すると、みことちゃんがポツリと呟いた。

 

『でも……。ありがとう、凜ちゃん』

「え?」

『私もね、常磐ななかのこと気にくわなかったの。だから、ぶっ飛ばしてくれてスッキリした。これで、帆奈ちゃんに心置きなく会える。仇は取ったよって』

「ふふっ。そうだね、私も。ぶっ飛ばせてスッキリした」

『凜ちゃんの強化が解除されなくて驚いたアイツの顔、すっごい笑えた』

「たしかに。してやったり、って感じ」

 

 二人の笑い声が重なる。

 

 

 

 怒りというマイナスな感情だったけど、それを爆発させた私の心は軽かった。

 

 

 

 いつの間にか、雨も止んでいた。

 

 

 

 

 

 DAY.95

 

 

 

 

 生きてるーーーーー!!!!

 

 

 あっぶねえ、マジで。 ガチで今回ばかりは負けるかと思いましたよ。

 

 

 

 ユリちゃんが脅威の粘りを見せてくれたことと、みことちゃんの覚醒で、無事に勝つことができました。

 

 

 チームななか、工事完了です……。

 

 

 

 

 さて、グリーフシードで魔力を回復し……。

 

 

 

 ユリちゃんには悪いですけど、時間が無いのでさっさと大東団地に向かってもらいましょう。

 

 

 とはいえ、後は向かうだけ。これ以上はさすがに何もないと思……。

 

 

 

 

 

 

「待ちなさい、凜」

 

 

 

 

 ファッ!?

 

 

 

 

 

「悪いけど、あなたを行かせるわけにはいかないわ」

 

 

 

 

「……やちよ、先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あああああああああもうやだあああああ!!!

 

 

 

 

 

 

 ということで今回はここまで。ご視聴、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 




クレセントメモリア、今回も面白かったですね。
みかづき荘各キャラの心情も深掘りされてて良かったと思います。
おかげでこの小説の地獄度も上がりました。
曇らせ最高! 曇らせ最高! オマエも曇らせ最高と叫びなさい!!(曇らせの悪魔)

一つ心配なのは、時系列的にこの小説と致命的な矛盾が起きるかどうかですね。
そうならないことを祈ります。

逆に上手いこと噛み合えば、凜の心の傷がまた一つ増えそうですね(暗黒微笑)
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