魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得   作:くろしゅー

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(まどマギの新作アプリが発表されたので)初投稿です。




Record1 DAY.17~DAY.19

 

 

 

 

 

 敵が仲間になって仲間が敵になる実況、はーじまーるよー。

 

 

 さて、前回はほむらちゃんと手を組み、さやかちゃんとも魔法少女仲間になったところでしたね。

 では、続きを始めていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 DAY.17

 

 

 

 

 ハコの魔女戦から一夜明けて、17日目。今日起こるイベントとして、見滝原の縄張りに佐倉杏子ちゃんがやって来ます。

 杏子ちゃんは見滝原の隣町、風見野市の魔法少女です。マミさんが死んだことをキュゥべえに教えられ、その縄張りを奪いに来るんですね。彼女も彼女で、マミさんに対して中々歪な感情を向けていますが、今は関係ありませんね。

 

 杏子ちゃんとも仲良くしたいところですが、初日の衝突はユリちゃんの性格的に避けられないので、勝負に勝って杏子ちゃんに舐められないようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 ということで、放課後です。

 

「お待たせしました、凜センパイ!」

 

 今日からはマミさんの代わりにさやかちゃんと組んで魔女退治になります。

 さやかちゃんは魔法少女になったばかり。手取り足取り(意味深)教えてあげましょう。

 

 

 

 

「あ、ソウルジェムが反応した」

 

 お、さっそく見つけたようですね。

 反応があるところに向かってみると、使い魔の結界が。グリーフシードは落としませんが、人々を守るためには見逃せません。

 

 せっかくだから、さやかちゃん一人でやってみて。まどかはユリちゃんが守るから。

 

「わ、分かりました。よーし!」

 

 結界に入ると、落書きの魔女の手下が、きったねえ笑い声を上げながら、飛び回っています。

 

「魔法少女さやかちゃんの力、見せてやる!」

 

 そう言いながら、使い魔を順調に追い詰めるさやかちゃん。よしよし、いい感じ。

 そんな具合に見ていると、あっという間に相手は瀕死。あと一撃で終わりですね。

 

「これで、トドメだぁーーーーー!」

 

 さやかちゃんの叫びとともに振られた剣は、しかして謎の攻撃で防がれました。

 

「っ!?」

「ちょっとちょっと、何やってんのさ」

 

 その隙に使い魔は逃走。風景も元に戻ります。

 

「あ、待て!」

 

 追おうとするさやかちゃんですが、そこに立ちはだかる影が一つ。赤髪をポニーテールで纏めた彼女こそ、佐倉杏子ちゃんです。

 

「あれ魔女じゃなくて使い魔だよ。グリーフシード持ってるわけないじゃん」

「そんなの関係ないでしょ! あれ放っといたら誰かが殺されるのよ!?」

「だから4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。アンタさ、食物連鎖って言葉、知ってるよね? 弱い人間を魔女が食い、その魔女をアタシたちが食う。そういう風に出来てんのさ。まさか、そんなことも知らずに魔法少女やってるワケじゃないだろ、アンタら?」

 

 杏子ちゃんがユリちゃんを睨んできますが、ここは冷静に返しましょう。

 

(そんなルール、知ら)ないです。魔女を倒す力があるんだから、それで街を守るのは当たり前だよなぁ?

 

「なに? もしかしてアンタたち、やれ人助けだの正義だの、その手のおチャラケた冗談かますために、アイツと契約したワケじゃないよね?」

「……だったら、何だってのよ!」

 

 我慢出来ずにさやかちゃんが突っ込みますが、杏子ちゃんは易々とそれを受け止めます。

 

「ちょっとさぁ、止めてくれない?」

「くぅ……!」

「遊び半分で首突っ込まれるのってさぁ……」

 

 ここで、さやかちゃんのカバーに入りましょう。放っておいても、さやかちゃんの固有魔法は治癒なので怪我は問題ありませんが、ここで助けないとさやかちゃんだけでなく、杏子ちゃんからも好感度下がるので。面倒くさいな、この子も。

 

「ホント、ムカつくんだわ!」

 

 杏子ちゃんの槍が振られる寸前でさやかちゃんの首根っこを掴み、そのまま後ろへ放り投げましょう。そして、杏子ちゃんの攻撃をガード!

 カスが効かねえんだよ。(ジャストガード)

 

「へぇ、アンタはマトモに動けそうだな」

 

 さあ、ということで杏子ちゃんとのバトルスタートです。

 

 

 

 

 戦闘が始まったら、まずは、杏子ちゃんへ武器を投げつけましょう。

 

「なっ!? いい度胸じゃねえか! 丸腰でどうするつもりだ!」

 

 ユリちゃんが武器を失うと、杏子ちゃんは槍を多節棍モードにして、ガンガン攻撃してくるので、フレーム回避で切り抜けましょう。

 

 そんなんじゃ虫も殺せねえぞ、オラ!

 

「クソッ! なんつー動きしやがる!」

 

 回避を何回かして、杏子ちゃんにまでたどり着いたら、杏子ちゃんの槍が戻る前に攻撃します。

 

 

 

 拳で。

 

「がっ!?」

 

 よし、いい一撃が入りました。

 

 で、なぜ拳で戦うかと言うと、実はこのゲーム、拳が意外と優秀なんです。ダメージこそ低いですが、攻撃の発生速度だけなら全武器種の中でもトップクラスに速いですし、気絶値もそこそこ溜まります。なので魔女相手でもなければ、拳での攻撃も結構有効なんですよね。特に今回の戦いは、杏子ちゃんを殺す必要もないので、これが意外と正解だったりします。

 

 そのための、右手。

 

「くっそ! このっ!」

 

 はい、パリィ。お返しに強攻撃をお見舞いしましょう。じゃあ、ぶち込んでやるよ。(カウンター攻撃)

 

「がはっ!」

 

 さて、杏子ちゃんのHPもいい感じに削れたので、決着をつけましょうかね。

 杏子ちゃんをいい感じに誘導して、先ほど投げた武器に固有魔法を発動。すると、武器は逆再生のようにユリちゃんの手に戻ってきます。そして、その直線上にいればもちろん……。

 

「ぐあっ!? な、なにが……」

 

 はい、見事杏子ちゃんの横腹を切り裂いて、武器が戻ってきてくれました。

 あとは、ソウルジェムに武器を突きつければ、ユリちゃんの勝ちです。

 

「……わかったよ。アタシの負けだ。くそっ」

 

 

 

 

 ……工事完了です。

 

 

 というわけで、杏子ちゃんのワカラセに成功しました。

 

「……まさか、佐倉杏子に勝つとは思わなかったわ」

「っ!? 転校生……!」

 

 すると、そこへほむらちゃんもやって来ました。どうやら、この戦いがどうなるか影で見てたみたいですね。

 

「あ? アタシ、名乗ってねえよな? アンタ、何者だ?」

「私は暁美ほむら。魔法少女よ」

「ああ、アンタがキュゥべえの言ってたイレギュラーか」

 

 ほむらちゃんの参戦で、さすがに杏子ちゃんも諦めたようです。すると、ほむらちゃんが……。

 

「佐倉杏子。貴女がこれ以上、この街で揉め事を起こさないなら、この場は見逃してあげる」

「……どういう風の吹き回しだ?」

「ちょっと! 勝手に何言ってんのよ転校生!」

「どうもこうも、私だって争いは望んでいない。私は冷静な人の味方で、無駄な争いをするバカの敵。貴女はどうなのかしら? 佐倉杏子」

 

 ほむらちゃんは杏子ちゃんを見逃すと言ってきます。なので、ここはユリちゃんも武器を下げましょう。杏子ちゃんも飲み込めたようです。

 

「この状況でそっちに武器を下げられた以上、仕方ないね。ここは降りさせてもらうよ」

「賢明な判断に感謝するわ」

 

 ただ、この判断に納得しない人が一人。

 

「そんな……! 凜センパイまで、転校生の言うこと聞くんですか!? ソイツは、人を守ろうなんて微塵も考えていないヤツなんですよ! 逃がしたら、また……」

 

 今、話がまとまりかけてたでしょ。なんで戦う気のない相手と戦う必要があるんですか。(正論)

 

「でも……!」

 

 魔法少女としての生き方なんて千差万別だゾ。杏子ちゃんがこの街の魔法少女じゃない以上、こっちがとやかく言う権利なんてないって、はっきりわかんだね。

 

「……分かりました」

「へぇ、そっちのアンタはよく分かってるじゃないか。それなら、次からはそのバカの手綱もちゃんと握っといてくれよ?」

 

 そう言ってビルの上に消えていく杏子ちゃん。

 

 とりあえず、今日は解散だね。さやかちゃん、お疲れさま。

 

「……はい。行こう、まどか」

「う、うん……」

 

 何とも不完全燃焼の微妙な空気で去っていく二人。まあ、この周じゃさやかちゃんの好感度はあまり関係ないので、(さやかちゃんの好感度なんて)興味ないね。(CLUD兄貴感)

 と、ほむらちゃんが話しかけてきました。

 

「助かったわ。美樹さやかと佐倉杏子との衝突を止めて、その上で佐倉杏子に勝ってくれて。おかげで、有利に交渉を進められる」

 

 交渉? 何のことだゾ?

 

「凜、さっそく協力してもらうわ。ちょっと付き合ってくれるかしら?」

 

 いいよ、こいよ!

 

 というわけで、ほむらちゃんとのデート、もとい杏子ちゃんの勧誘イベントです。が、この路地裏で勝利した以上、勧誘は確定で成功ですし、やり取りも原作と殆ど同じなので、倍速。

 

 

 

 ここでの会話は、ほむらちゃんが、ワルプルギスの夜を殺りたいけど人手が足りないンゴ……。協力してクレメンス! と杏子ちゃんに頼みます。杏子ちゃんもグリーフシードが欲しいので、これにオーケーをします。

 今回はユリちゃんもいますが、先ほどの会話で、杏子ちゃんの立場もある程度尊重した発言をしたので、杏子ちゃんからも特に何か言われません。

 

 

 

 

 

「ま、そういうことなら、これからよろしく頼むよ。……食うかい?」

 

 ありがとナス! やっぱ杏子ちゃんの、お菓子を……、最高やな!

 

 ということで、無事杏子ちゃんが協力者になってくれました。さて、残るはさやかちゃんの問題ですね。頑張りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.19

 

 はい、杏子ちゃんの襲撃から2日経ちました。今日は、あの名シーン「コイツ、死んでるじゃねーか」イベントの起こる日です。

 

 

 学校生活は特に描写することもないので、夜までカット。

 

 

 

 

 

 

 

 はい、夜となりました。ユリちゃんは自宅でせっせとお勉強中。すると、ほむらちゃんから電話がかかってきます。

 

 もしもし↑もしもし↓?

 

「凜! 今から来れるかしら? 美樹さやかと佐倉杏子がまた衝突しそうなのよ!」

 

 こマ? しょうがねえなぁ。(悟空)

 すぐ行くから、場所教えてクレメンス。

 

「それは後! 今すぐ家から出てきて!」

 

 ヤダ、強引……。

 

 ということで、さやかちゃんと杏子ちゃんの争いの仲裁に向かいましょう。あれだけ突っかかるなって言ってんのに、さやかちゃんはさぁ……。

 

 家を出ると、ほむらちゃんが待っててくれました。ん? なにその手?

 

「はやくしなさい! 私の魔法を使ったほうが速いわ!」

 

 あ、そういこと。ありがとナス!

 ほむらちゃんから手を差し出してくれるなんて、もしかしなくても、かなり好感度上がってる?

 

 

 それでは、ほむらちゃんに時間を止めてもらって、さやかちゃんたちのところに向かいましょう。

 

 

 

 

 魔法少女移動中……

 

 

 

 

 

 はい、到着です。杏子ちゃんとさやかちゃんが向かい合っていますね。さやかちゃんの後ろには、心配そうなまどかも。

 では、ほむらちゃんは杏子ちゃんのほうへ、ユリちゃんはさやかちゃんのほうを向いて、時間停止解除。

 

「っ!?」

「……随分早い到着だな」

「佐倉杏子。揉め事は起こすなと忠告したはずよ?」

「勘違いされちゃ困るな。アタシから手を出したわけじゃない。アタシはただ、魔法少女の先輩としてソイツにアドバイスしてやったのさ。そしたら……」

「アドバイス!? アンタ、よくもそんなこと言えるわね! 人を傷つけるようなことを何とも思ってないようなこと言って!」

「な? 加害者は向こう。アタシは被害者。正当防衛だよ」

「なにが被害者よ!」

 

 まあまあ、さやかちゃん。ちょっと落ち着いて。

 

「落ち着けませんよ! センパイはアイツに腹が立たないんですか!?」

 

 だから、魔法少女にはそれぞれの生き方があるって言ったでしょ。別の街の魔法少女のやり方には口出せないって。向こうが手を出してない以上、ここで手を出せば、こっちが悪くなるよ。

 

「なんで!? 私、納得できません! なんでソイツのほうが正しくて、私たちが悪なんですか!? 悪いのはアイツでしょ!?」

「お前さぁ、正義だの悪だので魔法少女のこと見てるワケ?」

「だったら、何だってのよ!」

「いーや? 頭がお花畑って思っただけだけど?」

 

 ほーら、杏子ちゃんも息をするように煽らない。煽りプレイ、ダメ、ゼッタイ。

 

「……もう限界!」

「さやかちゃん!」

「センパイには悪いですけど、ここでアイツは倒します! マミさんだって、きっとそうしたハズです!」

 

 そう言ってソウルジェムを構えるさやかちゃん。すると、まどかがそれを横から奪い、トラックの上へと放り投げました。

 

「あっ!」

 

 遠ざかっていくさやかちゃんの命。出荷よー。

 ユリちゃんが動くより速く、ほむらちゃんが時間停止で消えました。拾いに行ってくれましたね。

 

「まどか、アンタ……!」

「ご、ごめん! でも、私、さやかちゃんが心配で……」

 

 まどかがそこまで言ったところで、突如、糸の切れた人形のようにまどかへと寄りかかるさやかちゃん。

 

「え? さ、さやかちゃん……?」

「……!? 貸せ!」

 

 杏子ちゃんが乱暴にさやかちゃんの首元を掴むと、驚愕の表情をします。

 

「どういうことだ、オイ……! コイツ、死んでるじゃねーか……!」

 

 

 名言キターーーーー!

 

 まどマギと言ったらの名シーンの一つ。もはやノルマですね。……死亡確認が名シーンって何だよ。(正論)

 

 

 と、ここでキュゥべえがソウルジェムについて説明しますが、その説明は皆さんアホほど聞いたと思うので、カットします。

 

 

 

 

 

 

 さて、ほむらちゃんが無事さやかちゃんのソウルジェムを取り戻し、さやかちゃんの手に置いたことで、さやかちゃんも息を吹き返しました。

 

「……なに? なんなの?」

 

 状況が分からないさやかちゃん。本来ならここでイベントは終わりですが、ここにはユリちゃんがいます。そして、ユリちゃんが魔法少女の真実を知っていると、ここで……。

 

 『魔法少女の真実について話す』

 

 はい、このような選択肢が出てきます。これを選択しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 といったところで、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 DAY.19 Side HA

 

 

 

 

「まだ話してないことがあるよね、キュゥべえ?」

 

 凜がそう言ったのは、唐突だった。

 美樹さやかのソウルジェムを取り戻し、何とか美樹さやかは助かった。だが、ソウルジェムの真実に彼女たちは近づいてしまった。これでは、いずれ魔法少女の真実が彼女たちを絶望させてしまう。特に美樹さやかは、以前にも魔法少女の真実を受け止めきれずに魔女化している。

 それをどう防ぐか私が考えていたときに、凜の発言だ。私の思考は一瞬、停止した。

 

「話してないこと? これ以外にまだあるっていうんですか……?」

「うん。コイツは言うつもりなかったみたいだけど」

 

 美樹さやかからの質問に、凜はそう答えながらキュゥべえを見る。どうやら、彼女は本気らしい。

 

「止めなさい、凜」

「なんで?」

「言うべきではないわ。それは秘密にするべきもの」

「そうかな? ソウルジェムのこの秘密を知った以上、魔法少女の真実を知る日は遠くない。なら、私たちが揃っている今の内に言うべきだよ」

「危険すぎるわ。知らないほうが幸せなときだってあるのよ」

 

「そんなことない」

 

 私の言葉を、凜は低い声で否定する。その圧に押され、私は口を噤む。

 

「知らないほうが幸せなんて、知ってる側のエゴだよ。隠し事ってのは、あるだけでその人たちの関係を破壊する。だから、言うべきだよ」

「だからといって……」

「ねえ、ほむら。ほむらはさ、何を怖がっているの?」

 

 凜からの質問に、私は言葉を詰まらせる。

 怖がっている? 私が?

 魔法少女の真実なんて、受け止められないのが普通で、それを乗り越えてくれるなんて期待はとっくの昔に諦めた。だから、今まで避けていたのに。

 

「確かに、真実は時として残酷だよ。でもね、それで黙ったままじゃ、事態が悪化することだってあると思うけどな」

 

 凜は私の肩に手を置く。

 

「大丈夫! ほむらが傷つくことは、私が代わりに引き受けるから。()()()()役は私の役目だしね」

 

 私を安心させようとする笑顔は、下心を感じさせない優しいもので、それだけにどこか痛々しく感じてしまった。

 

(あなたは、どうしてそこまで他人のために動けるのよ)

 

 他人を優先して、自分を蔑ろにする姿は、どこかあの子と重なって。私は言いようのない苛立ちを感じた。

 

 

 

 すると、私たちの言い合いを横から見ていたまどかが口を開く。

 

「あの、凜さん……。さっきからなんの話を……」

「ん? ああ、魔法少女は魔女になるって話」

「あなたっ……!」

「……え?」

 

 凜の放った言葉に、その場が凍りつく。

 

「ウソ、ですよね……?」

「ホントだよ。魔法少女の力の源であるソウルジェムは絶望し、濁りきると魔女になる。だよね? キュゥべえ」

「ああ。おおむね凜の言うとおりさ」

 

 凜の言葉を、キュゥべえはアッサリと認める。

 

「は? 意味分かんないんだけど……。じゃあ、私たちが倒してたのも、元は魔法少女だったってこと?」

「そうだよ。かつては希望を願い、ボクと契約し、そして絶望に飲まれたどこかの魔法少女の成れの果てだ」

 

 その言葉に、杏子はキュゥべえに掴みかかる。

 

「テメエ、ふざけんな! なんで言わなかった!」

「聞かれなかったからさ」

「またそれか! こんなことも黙ってるなんて、詐欺同然じゃねーか!」

「心外だなあ。ボクは契約には必要がなかったから詳しい説明をしなかっただけさ。それに、魔女の件に関しては、ボクはちゃんと伝えていたつもりだよ?」

「何だと!」

「だって、この国では成長途中の女性のことを『少女』って呼ぶんだろ? それなら、いずれ魔女になるキミたちは『魔法少女』って呼ぶのが相応しいよね」

「テメエ……! 屁理屈ばっか並べやがって!」

「ギュウ!」

 

 佐倉杏子が槍でキュゥべえを真っ二つに裂く。

 しかし、それを嘲笑うように、キュゥべえが再び姿を現す。

 

「なっ……! テメエ……!」

「いきなり殺すのは止めてくれないかい? 個体が無駄に減って、勿体ないじゃないか」

 

 隠す理由も無くなったからか、そこからキュゥべえは自分の正体を全て話した。キュゥべえが言葉を話す度に、私と凜以外の顔が暗くなるのが目に見えて分かった。

 

 

 

 

 

 キュゥべえが魔法少女の仕組みについて一通り語り終える頃には、誰も一言も発さなくなっていた。

 まさに地獄のような空気。

 こうなることはある程度予想していたのだろう。凜が何かを言おうと、口を開きかける。

 

 そんなときだった。

 

 

「……凜センパイは、全部知ってたんですか?」

 

 凜が喋るのを遮るかのように、美樹さやかが口を開いた。

 

「……うん」

「知ってたのに黙ってたんですか……?」

「……うん」

「マミさんにも黙って?」

「……うん」

「っ!!」

 

 凜の答えと同時に、美樹さやかは変身して、武器を凜の首元に突きつける。

 

「ちょっ!? お、落ち着いて、さやかちゃん」

「気安く呼ぶな!」

 

 凜の言葉を、美樹さやかは怒気の籠もった声で黙らせる。

 

「最初から信頼出来なかったのよ、アンタ。転校生をやけに気にかけて、仲良くして。そのくせ、マミさんがピンチの時にはいない」

 

 美樹さやかの剣の端が凜の首に当たり、細く赤い筋が凜に走る。

 

「あれ、転校生と示し合わせてたんでしょ? マミさんのテリトリーを奪うために。マミさんがあたかも自然に死んだように見せるために」

「ちがっ、それは……」

「うるさい! そうやって被害者ぶってても、本当は私をこの縄張りから追い出したいんでしょ!」

「違う! そんなこと考えてない! それに、ほむらとは本当にただ仲良くなりたくて……」

「言い訳なんて聞きたくないですよ。今度はそう言って、佐倉杏子と仲良くするつもりですか?」

「それはそうだけど……! 私はさやかちゃんとも仲良くしたいと思ってて……」

「私はゴメンです。あなたみたいな人と仲良くするなんて。全部知ってて、私たちのこと、心の中で笑ってたんでしょ。だから転校生とも仲良くなれたんだ! マミさんを見殺しにして! この人でなし!」

 

 美樹さやかは、たがが外れたように、凜への罵倒を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、私の中の何かが切れた。

 

 

 響く発砲音。

 

 まどかは口を押さえ、佐倉杏子も目を見開く。

 

「……ほら、やっぱりアンタら、仲間じゃん」

「……黙りなさい、美樹さやか」

 

 腹部、ソウルジェムギリギリを狙った私の銃弾は、見事美樹さやかに命中し、美樹さやかは腹部から鮮血を散らす。

 怒りによる手の震えを抑えながら、私は美樹さやかのソウルジェムに銃口を向ける。

 

「次は当てるわよ」

「やって……、みなさいよぉ!」

 

 売り言葉に買い言葉。頭に血が上っていた私は美樹さやかを挑発し、美樹さやかもすぐに乗ってきた。

 

 飛びかかってくる美樹さやかを見て、私は時を止めようと盾に手をかけた。

 

 だが、その手は止められる。

 

 私と美樹さやかの間に入った凜の手で。

 

「凜!」

「凜さん!」

 

 私とまどかの叫びが重なる。

 凜は私の盾を掴みながら、反対の手で美樹さやかの剣を掴んで、止めていた。

 美樹さやかの剣を、血を零しながら握りしめ、凜は口を開く。

 

「ごめんね……。今さら何を言っても遅いのは分かってる。けど、謝らせて。今まで真実を黙っていたこと。さやかちゃんの気持ちを考えずに、不安にさせちゃったこと。巴さんを助けられなかったこと。そして、ほむらとさやかちゃんの間の誤解を解けなかったこと。本当に、ごめん」

「……」

「さやかちゃんとは極力会わないようにする。もちろん、友達のまどかちゃんにも。だから、ここは引いてくれないかな。ここで争ったって、得するのはキュゥべえだけだよ」

 

 その言葉を聞き、美樹さやかは苦虫を噛み潰したような顔をしながらも、剣を下ろした。

 

「ありがとう」

「……お礼なんて言われたくありません。今日が最後です。二度と、私とまどかに近づかないでください」

「うん……、わかった。あ、あと……」

 

 美樹さやかは怪訝な顔をするが、凜は躊躇いがちに言葉を紡いだ。

 

「あまり、抱え込んでヤケにならないでね」

「……余計なお世話です。帰ろう、まどか」

「え……、う、うん」

 

 

 

 

 

 まどかと美樹さやかの背中が小さくなるまで見送った後、凜は大きく息を吐きながらしゃがみ、その膝に顔を埋めた。

 

「……キッツいな~」

 

 口調は軽い感じだったが、その声は震えていた。

 

「私は止めたわよ」

「ううん、そこは後悔してない。伝えたことは良かったと思ってる。ここで隠しても、どこかで知る可能性はあったから」

 

 でも、と凜は言葉を区切る。

 

 

 

 

「……やっぱ、人に嫌われるのは、辛いなぁ。慣れないなぁ……」

 

 

 

 

 はあ、と私はため息をついて、凜の頭を撫でた。

 

「……ほむら?」

「あなたはよくやったわ。私はもう、誰も未来を受け止めきれないと諦めていたから。……そうよね。変えることを恐れていたらダメね。結果はどうあれ、それに気づかせてくれただけでも、あなたの行動には意味はあったんじゃないかしら?」

 

「……ほむらあああああ!」

「ひゃあ!? ちょっと! いきなりくっつかないで!」

 

 私はいきなり抱きついてきた凜を引き剥がそうと、彼女の頭を掴む。

 

「……おい、アタシがいること忘れてないか? こんなとこでイチャつきやがって」

「そんなわけないでしょ! 佐倉杏子、あなたも引き剥がすの手伝いなさい!」

「いやだね。せっかくアンタの鉄仮面が崩れたんだ。これはじっくり観賞しないとね」

 

 佐倉杏子はニヤニヤしながらそう言った。その顔は無性に腹が立ったが、今はそれより、凜を引き剥がすのが先だ。さすがにちょっと恥ずかしい。でも……。

 

「ほむらあああああ! ありがとうううううう! 大好きいいいいい!」

「あー、もう! なんなのよ!」

 

 なんて、口ではそう言ったけど。この状況を楽しんでいる私がいた。こんな風にふざけ合うことができるなんて、もう諦めていたから。

 

 

 私に抱きつく凜を見て、私の口角は少しだけ上がっていた。

 

 

 

 

 




まどマギの話だと、どうしてもさやかちゃんが嫌な子になってしまう……。さやかちゃんファンの皆様、許してクレメンス!


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