魔法少女まどか☆マギカ 実績『朝焼けのエンドロール』獲得 作:くろしゅー
(ユゥちゃんが想像以上の人気なので)初投稿です。
闇落ちした後輩を介錯する実況、はーじまーるよー。
ということで、前回は魔法少女の真実を皆に喋るところでしたね。
今回はその続きです。
DAY.19
さて、ユリちゃんが皆に魔法少女の仕組みを喋っていますが、こちらも大体聞いたことがある話ばかりなので、倍速。
すると、会話がある程度進んだところで、さやかちゃんがユリちゃんに突っかかってきます。
「最初から信頼出来なかったのよ、アンタ。転校生をやけに気にかけて、仲良くして。そのくせ、マミさんがピンチの時にはいない」
痛いところを突かれましたね、これは痛い……。
と、こんな感じで、今まで積み重ねてきたフラグによって、さやかちゃんのユリちゃんへの不信感が頂点に達したため、さやかちゃんと敵対しました。
これで、さやかちゃんが頼れる人はいなくなったから、安心して魔女化できるね。(暗黒微笑)
なぜ、さやかちゃんを魔女化させようとしているのかというと、『さやかちゃんはどう足掻いても、魔法少女になったら救われない』という事実を作るためです。
さやかちゃんファンには悪いですが、このゲームには戦闘面で、さやかちゃんの上位互換みたいな性能の子が沢山います。さやかちゃんは、高確率でワルプルギスの夜までに死ぬので、正直助けたところでウマ味が少ないんですよね。
なので、この後の周で、さやかちゃんを魔法少女にさせない、という選択肢をユリちゃんが取れるように、この周のさやかちゃんには犠牲になってもらいます。さやかちゃんは結構面倒くさい性格だからね、しょうがないね。
ただ、このイベントでほむらちゃんと、ついでに杏子ちゃんの好感度も上がります。ほむらちゃんの好感度が上がるのは、さやかちゃんになんと言われようとほむらちゃんの味方だったからですね。杏子ちゃんの好感度が上がるのは、ユリちゃんが現実を理解したうえで、それでもバカがつくほどの正直者だからです。そんな姿に好感を持ったのでしょう。杏子ちゃんも口ではああ言ってますが、実は理想を語る人が大好きですからね。
さて、あとはさやかちゃんによる魔法少女の魔女化RTAを追うだけです。
では、イクゾー! デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!
DAY.20
さて、この時間軸も20日目に到達です。
今日起こるイベントとしては、杏子ちゃんが自身の家でもあった教会にさやかちゃんを連れて行き、そこでさやかちゃんに身の上話をする、というものがあります。
といっても、凜ちゃんには関係ないイベントなので、今日は倍速で終わりそうですね。
と、そんなことを言ってたら、放課後にまどかに呼び出されました。
ほむらちゃんも一緒ですし、一体何の用なんでしょう? とりあえず、話を聞いてみましょう。
ふむふむ……。(SDTちゃん感)
さやかちゃんが危なかっしいから、さやかちゃんと仲直りしてほしい?
「さやかちゃん、口では強がってるけど、きっとギリギリだし、辛いはずなんです」
でもユリちゃん、さやかちゃんにメッチャ嫌われてるよ?
「それはごめんなさい! さやかちゃん、思い込みが激しい子で……。でも、悪い子じゃないんです! ちょっと勘違いしてるだけで……。私も、凜さんがマミさんを見殺しにしたなんて思ってません。一人のほむらちゃんを気にかけてあげただけなんだって、信じてます。だから、さやかちゃんと仲直りしてくれませんか?」
ほな、やるかぁ。(安請け合い)
「ほむらちゃんもお願い! ほむらちゃんが悪い子じゃないって分かれば、さやかちゃんもきっと……」
「悪いけど、それは出来ない相談ね。私は何もしてないし、美樹さやかが歩み寄ってくれない限り、私には譲歩できる点はないわ」
「そ、それは、私からもさやかちゃんに、ほむらちゃんは悪い子じゃないって伝えて……」
「そもそも、私の忠告を聞かずに魔法少女になった挙句、こちらに手を出してくるような人に差し出せる手はないわ。残念だけど、諦めて」
「そんな……」
ほむらちゃんさぁ。(呆れ)
そんなこと言ったら、自分が何とかしなきゃって、まどかが魔法少女になるゾ。
「っ! そ、それは……」
というわけだから、何とかやってみるね。まどっちも協力、よろしく。
「はい! ありがとうございます、凜さん!」
話す前より明るい顔で帰っていくまどか。
ほむらちゃん、あんな突き放すようなこと言ったら、まどか追い詰めるだけだって、それ一番言われてるから。
まどかを魔法少女にしたくないのなら、もっと頭使って、どうぞ。
「……ごめんなさい。少し冷静じゃなかったわ」
いつものほむらちゃんらしくないね。どしたん、話聞こか?
「別に。友達を傷つけた人と仲良くしたいとは思えなかった、それだけよ」
ほ、ほむらちゃん……! 好きッス!(手のひらドリル)
いつの間にか、メッチャ好感度上がってる! これはいいですよ!
ここまでくれば、あとは無事にこのループを終えるだけです。頑張るぞ!
DAY.21
21日目。今日は影の魔女戦がある日です。
この日に、さやかちゃんは親友の仁美ちゃんから、幼馴染みでありさやかちゃんの思い人でもある、上条恭介くんに告白しようと思っていると聞かされます。
仁美ちゃんはさやかちゃんを立てるために、一日だけ猶予を与えると言います。もし、上条くんが好きなら、その間に告白するように、と。
ただ、上条くんの腕を治す願いで魔法少女になったさやかちゃんは、告白する権利は自分にはないと思ってしまい、一気に絶望を溜め込んでしまいます。魔法少女の仕組みを知ってしまったことも拍車をかけ、翌日には……。カワイソウニ、カワイソウニ。
影の魔女戦でやることは特にありません。というより、この影の魔女、ゲーム内において最も事故率の高い魔女なんですよね。
原作ではさやかちゃんの回復魔法を使ったゾンビ戦法で圧倒していましたが、あれなきゃさやかちゃんは瞬殺されています。その圧倒的な手数でジリジリ削られるので、苦戦したプレイヤーも多いのではないでしょうか。
そのため、ここはさやかちゃんの異変を見る意味もこめて、静観に徹します。助けを申し出たところで、断られるだけですしね。
さて、放課後。いつも通りパトロールしていると、影の魔女の結界を発見。中では既にさやかちゃんが戦っているみたいですね。
「なんだ、アンタも来てたのか」
杏子ちゃん、オッスオッス。
「さやかのヤツ、無茶な戦いしやがって……」
しれっと名前呼び。昨日、裏でちゃんとイベントも進んでいたようですね。
「呆れたわね」
ほむらちゃんも合流したので、結界の中に入りましょうか。
結界の中では、さやかちゃんが影の魔女に苦戦しています。それを助ける杏子ちゃんでしたが……。
「アンタらの助けなんかいらないわ……」
「おい、ちょ……」
さやかちゃんは取り付く島もない態度で、再度魔女に突撃。自身の回復力に物を言わせて、影の魔女をメッタ斬りにしていきます。
「アハハハハ! ホントだ! その気になれば、痛みなんて消せちゃうんだ! これなら……」
「やめて……。もうやめて、さやかちゃん……」
狂気の顔で魔女を殺すさやかちゃん。怖いなぁ、とづまりすとこ。
ここからまどかに頼まれていた仲直りをするための会話パートなのですが……、少し見ていてください。
「そのグリーフシードはアンタらにあげる。あたしはそんなもののために、魔女とは戦わない」
「アンタらみたいにグリーフシード目当てで魔女を倒してるわけじゃない」
「うるさいなぁ。あたしは魔女になっちゃった魔法少女をちゃんと悼んでる。人も魔女も食い物としか見てないアンタらほど、落ちぶれるつもりはないわ」
お気づきになられましたか? 実はここの会話、どの選択肢を選んでもさやかちゃんに拒絶されるんです。
この実況が始まったときに話した会話の選択肢の重要性。ここがまさにそれなんです。現状、ユリちゃんにはさやかちゃんを説得するための情報がありません。そうすると、無難な選択肢しか選べなくなり、結果、どの選択肢でも同じような返しをされる、という事態になります。
今回はこれでいいのですが、次からはそうもいきません。だから、この周で必要な情報をしっかり集める必要があったんですね。(メガトン構文)
さて、しっかりさやかちゃんに拒絶されたところで、次の日に行きましょう。
DAY.22
やってきました、22日目。
今日は、原作でも有名な、あの「あたしって、ほんとバカ」の日です。
学校の様子はカットして、放課後から。
まどかから連絡で、さやかちゃんがいなくなったから、探すのを手伝ってほしい、と。
かしこまり! と返信して、さやかちゃんを探しましょう。
といっても、さやかちゃんの移動ルートはいくつかあり、どの移動ルートかは完全にランダムです。
なので、聞き込みをしつつ、駅で待ち構えるのが安定ですね。
一応、公園に行けば、原作でもあったまどかとほむらちゃんの会話、穴だらけにされるキュゥべえのイベントに遭遇できます。が、あそこはユリちゃんが行っても、特にウマ味もないので、(行か)ないです。
さて、聞き込み開始からしばらくすると、駅の近くでさやかちゃんらしき女の子を見た、という証言が手に入るので、駅に向かいましょう。
すると、さやかちゃんと杏子ちゃんが話しています。
俺も混ぜてくれよ^~。
「……凜センパイ」
「おっ、ちょうどいいとこに! なあ、凜。お前からも言ってやってくれ。コイツ、さっきからこんな調子でよ」
アカン、これじゃさやかちゃんが死ぬぅ! とりあえず、ソウルジェムの浄化や!
「もう遅いですよ、センパイ」
「なんで、こんなになるまで気づかなかったんだろう……。まどかを傷つけて、センパイにも当たり散らして……」
「あたしって、ほんとバカ」
「っ!? うわっ!」
「くっ! さやかああああああああ!!」
……スゥ、フゥー……。
ということで、さやかちゃん改め、人魚の魔女の誕生です。これが魔法少女の、逃れられぬ、カルマ。(諦念)
じゃけん、被害を出す前に、このさやかちゃんの成れの果てをパパッと片づけましょうねぇ~。
暴力! 暴力! 暴力! って感じ?
「おい、ちょっと待て!」
ん? 何だよ?
「コイツ、さやかなのか!?」
そうだよ。(適当)
「じゃあ、何で武器構えてんだよ! 助ける方法くらいあるはずだろ!? アイツを元に戻さねえと!」
(そんな方法)ないです。魔女になったら、倒すしかないってハッキリ分かんだね。だから、邪魔すんなよ、邪魔すんなよ……。
「試してもねえのに、はいそうですか、で引き下がれるか!」
杏子ちゃん。悲しいけど、これ現実なのよね!(SLGGR兄貴感) 魔法少女ごっこしたいなら、別のところでやって、どうぞ。
「そうね。凜の言うとおりだわ」
「っ!? ほむら!」
「一度、魔女になってしまった魔法少女を救う手立ては存在しないわ。私たちに出来るのは、彼女の被害者を一人でも多く減らすことよ」
さっすがほむらちゃん! 分かってるぅ~。
ということで、強くなられる前に、マギアをブッ(チッ)パしてササッと倒しましょう。
よし、じゃあ(マギアを)ぶち込んでやるぜ!
Foo↑ 気持ちぃ~。
……工場完了です。
これで人魚の魔女戦、終了です。メインキャラの闇落ち形態瞬殺って、これマジ? 闇落ちまでの時間に比べて、戦闘アッサリしすぎだろ。
で、この後ですが、元さやかちゃんを助けようともせず倒してしまったため、杏子ちゃんからの好感度が一気に下がり、杏子ちゃんは仲間から抜けてしまいます。悲しいなぁ。
ああ、ちょうどユリちゃんが杏子ちゃんに詰め寄られていますね。ただ、ここは重要な選択肢とかは無いので、ボタン連打で大丈夫です。
ということで、杏子ちゃんが仲間から抜け、ほむらちゃんと二人っきりになってしまったところで、今回はここまで。次回で、1周目も終了です。ご視聴ありがとうございました。
DAY.22 Side HA
私がたどり着いた時には、もう全て遅かった。
美樹さやかは魔女になり、彼女の亡骸は無慈悲に地面に転がっていた。
「助ける方法くらいあるはずだろ!? アイツを元に戻さねえと!」
「悪いけど、その希望は諦めて。そんな方法があったら、とっくに広まってるよ」
「試してもねえのに、はいそうですか、で引き下がれるか!」
私が結界に入ると、佐倉杏子と凜が言い争っていた。内容からして、どうやら杏子は美樹さやかを元に戻したいと考えているらしい。
だが、凜の言うとおり、そんな方法は存在しない。そんな奇跡は、この世界には存在しないのだ。そんなものがあれば、私はこんなに何度も、時をやり直していない。
「そうね。凜の言うとおりだわ」
「っ!? ほむら!」
「一度、魔女になってしまった魔法少女を救う手立ては存在しないわ。私たちに出来るのは、彼女の被害者を一人でも多く減らすことよ」
だからこそ、私は凜の言葉に同調した。ここで、杏子に脱落されては困る。それなら、下手なことをされる前に終わらせるのが吉だ。
「凜。手早く終わらせるわよ」
「……うん」
杏子に妨害されないように、凜の手を掴んで時を止めてから、私たちは美樹さやかだった魔女に攻撃した。
時間停止を利用した強力な一撃に、魔女はあっさりと倒れた。
ただ、時間停止だけでなく、二人の魔力の波長を合わせ、相乗させた攻撃を凜が使ったのも大きいだろう。魔法にあんな使い方があったのは知らなかった。
と、そんなことを考えていたときだった。
杏子が凜に掴みかかった。杏子は凜の胸ぐらを掴み、壁に叩き付ける。
「テメエら……!! どうして、どうしてさやかを殺した!」
「ぐっ……! そ、それしか方法が無いからだよ!」
「ふざけるな!」
「お、怒る気持ちは分かるけど……」
「いいや、分かってない! アンタらは何も分かっちゃいない! じゃあ、アタシが何で怒ってるのか当ててみろ!」
「……さやかちゃんを殺したこと?」
「違ぇよ。それだって腹が立ったけど、アタシが怒ってるのはそこじゃない。アタシが腹立つのは、お前らのその態度だ。特にお前! 何でそんなアッサリ割り切れんだよ! アイツは……、さやかはお前と一緒に戦ってきた後輩じゃねーのかよ!」
杏子の言葉に、凜は顔を歪ませる。
私はこれ以上ヒートアップする前に止めようと、杏子の腕を掴んで仲裁に入る。
「その辺にしておきなさい、杏子」
「うるさい、すっこんでろ! 今、用があんのはコイツだ」
が、その腕は乱暴に振り払われる。
「アタシはお前を見たとき、少し期待してたんだ。魔法少女の現実を知っていながら、それでもマミみたいな、くだらない理想を吐いてるお前に! けど、違った。お前は自分さえ良けりゃ他はどうでも良かったんだろ? 先輩ヅラしておいて、お前にとってさやかはどうでもよかったんだ! ……そもそも、助ける気があったのか? じゃなきゃ、あんなにアッサリ諦めるなんて……」
杏子はまくし立てるように言う。その剣幕は、睨むだけで人を殺せそうで、私も仲裁を躊躇してしまった。
だが、杏子の言葉を聞いた凜は、突如杏子を突き飛ばす。
「っざっけんな!!!」
杏子にすら負けない剣幕で、そう叫ぶと同時に杏子を突き飛ばし、杏子は反対側の壁に叩き付けられる。
「ぐっ!」
「諦めた? そんな簡単に諦められたワケないでしょ!! 私がどれだけ悩んだか知らないくせに! どれだけ苦しんでメル殺したか知らないくせに!!」
凜が杏子の胸ぐらを掴み、先ほどとは逆の構図になる。
「テ、テメ……」
「ふざけてるのはそっちでしょ!? 割り切った? そうせざるを得なかったんだよ! あなたに分かる? 目の前で、私の日常の一部だった友達が魔女になった気持ちが! その魔女を殺さなくちゃいけなくなった気持ちが! あの日を後悔しなかった日は無いよ! もしかしたら、メルを元に戻せたかもしれないって、ずーっと考えた。でも、そんな方法無かったんだよ……! 放っておけば、魔女は人を殺しはじめる。時間なんてなかった……! ならせめて、友達が罪を犯さなくてもいいように介錯するのが一番の方法だって、ずっと自分に言い聞かせてきた! あの日の判断は間違ってなかったって、そう考えるしかなかったんだよ……!」
そこまで言って、凜は手を放して、地面に座り込む。
肩で息をする凜を見て、杏子も壁にもたれかかりながら、ズルズルと座り込んだ。
やがて、凜は消えそうな声でポツポツと呟く。
「……そうだよ。私は諦めてる。だって、私の周りにいる人は、皆不幸になってくもん。お母さんもお父さんも、メルも、みふゆ先輩もやちよ先輩も、巴さんもさやかちゃんも、私は誰も助けられなかった。もう、諦めちゃってるよ。私が誰かを救うなんて夢は……」
自嘲気味に笑う凜を見て、私は気づいたらその言葉を否定していた。
「そんなことない。少なくとも、私はあなたに助けられたわ」
「助けた? どこが? むしろ足を引っ張ってしかないよ。ほむらを助けたかったのだって、結局私の自己満足。こんな私でも誰かを助けられるんだって、証明したかったんだ。だから、先輩たちの真似事したけど、上手くいかなかった。……当たり前だよね。私ごときじゃ、先輩たちのやってたことなんて……」
「バカなこと言わないで!」
私は声を張り上げ、凜の言葉を否定する。自分でも驚いたが、凜に自分を否定する言葉をこれ以上言ってほしくなかった。
「あなたはあなた! あなたの先輩と同じじゃない! あなたがどう思おうと、私が救われたと思ったのは事実。それはあなたにも否定させないわ」
私は凜に近づき、頬に手を添えると、彼女の顔を優しく上げさせる。
「覚えてる? あなたと初めて会った頃。あなただけは、敵意なしに私に話しかけてくれた。怪しさしかなかった私に、歩み寄ってくれたのはあなただけだったわ。あの時、あなたが私に話しかけてくれたのはどうして? 何があっても私の味方でいようとしてくれたのはどうして? 救いの手を伸ばしておいて、今さら引っ込めるなんて、許さないわよ、凜!」
「ほむら……」
揺れる彼女の瞳を、私は真っ直ぐに見つめる。ここで目を逸らせば、私は
「私には目的がある。それにはあなたの協力が不可欠。それは変わらない。けれど……、あなたが辛いなら、私だって少しは支えてあげられるわ。だから……」
「……うん、ありがとう。ほむら」
私の言葉を遮って、凜は立ち上がった。少しぎこちないけれど、凜は私に笑いかける。
「そうだよね、私がどうかは関係ない。ほむらを助けようとしたのは私なんだから、それを投げ出すのは良くないよね。ありがとう、ほむら。ちょっとヤケになっちゃってた。でも、もう大丈夫!」
「凜……」
私の肩を軽く叩く凜。まだ少し空元気だが、それでも前は向いてくれただろう。凜の言葉に、私は大きく息を吐いた。
「話は終わったか?」
と、言葉を発したのは、今まで黙っていた杏子だった。
「杏子……」
「杏子ちゃん……」
杏子は少しバツが悪そうな顔をしながら、口を開いた。
「凜。お前がさやかを殺したことは絶対に許さない。……だけど、さっきのは、その……、ちょっと言い過ぎた。そのことは謝る。悪かった」
その言葉に、私たちは目を丸くする。てっきり、また罵詈雑言が飛んでくると思っていた私たちはその言葉に反応できず、固まったままでいると、杏子は強調するように言う。
「勘違いするなよ。さやかのことは許さないからな。ただ、人助けの夢を諦めちまったのは、アタシも同じだ。そこに至るまでの辛さも分かってるつもりだ。それでも、アンタは手を伸ばすことを止めなかった。それはスゲぇことだよ。アタシには出来なかった。それは誇ってもいい」
だから、と杏子は凜を真っ直ぐ見据える。
「諦めんなよ。手ぇ伸ばしたんなら、絶対に掴んで離すな」
そう言うと、杏子は私たちに背を向けて歩き出す。
「悪いけど、アンタらとはもう一緒には戦えない。けど、アンタらにちょっかいをかけるつもりもない。これがアタシの最大限の譲歩。これ以上は無理だ」
その言葉に、私は杏子を引き留めようとするも、凜が手で制する。
「ありがとう、杏子ちゃん。それと、ごめんね」
「構わねえよ。それと、その謝罪はアタシじゃなくて、さやかとそのお友達にしてやってくれ」
そう言うと、杏子は夜の街に消えていった。
美樹さやかの死体を抱えながら、私たちは線路の上を歩く。
お互いに会話はない。とても会話をする雰囲気ではなかった。
それでも、私は口を開いた。ここで言わなければ、きっと言う機会をずっと逃してしまうと思ったから。
「凜。ちょっといいかしら?」
「ん? なに」
「明日、私の家に来てくれないかしら?」
「いいけど……、どうして? ワルプルギスの夜への作戦会議?」
不思議そうな顔で聞いてくる凜に、私は答える。
「それもあるけど……。今思えば、私の事情について全然話していなかったと思って。あなたには聞く権利が……。いや、聞いておいてほしいのよ。いいかしら?」
私の問いかけに、凜は目を輝かせる。
「……うん! いいよ、私もほむらの話、聞きたい」
「面白いものじゃないわよ」
「そんなの関係ない。ほむらが話してくれるのが、嬉しいんだよ!」
そんな言葉を恥ずかしげもなく言えてしまう凜に、こっちが恥ずかしくなって、私は顔を背ける。
「……はあ、あなたって人は……」
「え? なに?」
「いいえ、何でもないわ。じゃあ明日、待ってるわ」
「うん!」
「さて、それじゃあまずは、まどかに美樹さやかのことを伝えないとね」
「……うん!」
私たちは線路を歩く。まどかに美樹さやかの顛末を伝えなくては。例え、どれだけなじられようと、覚悟は出来てる。
けれど、まどかはそんなことしないだろう。だって、彼女は度が過ぎるほど優しいから。その優しさがいつも辛かったが、今回ばかりは感謝だ。きっと彼女なら、凜のことも悪くは言わないはずだから。
私たちは線路の分岐線を超え、歩き続けた。
DAY.22 Side……
「はぁ……。ほむらには頑張って立ち直ったように見せられたかな?」
私は暗い部屋で、一人呟く。
グリーフシードを押し当てていたソウルジェムからは穢れが取り除かれ、輝きが戻る。
でも、完全じゃない。その色はどこかくすんでいた。
今日は失敗してばかりだ。
さやかちゃんも助けられなかったし、杏子ちゃんは怒らせて、まどかちゃんを泣かせて。あまつさえ、ほむらに励まされるなんて。
(ほむらに失望されたかな……?)
あんな本音、誰も聞きたくないだろう。聞かされたって、困るだけだ。
ふと、鏡に映った自分の顔が目に入る。そこにいたのは、先輩たちと出会う前のような、暗い表情を貼り付けた私だった。
(あ、戻っちゃってる。ダメダメ! 師匠ならこういう時だって、きっと……)
無理やり口角を引き上げ、大好きな師匠であり、先輩でもある少女の顔を思い浮かべる。
彼女の顔に少しでも近づけるように、私は顔を調整する。ほむらが安心して頼れるような、完璧な私に。
「……よし!」
「大丈夫だよ、ほむら。ワルプルギスを超えるまでは、ちゃんと一緒にいるからね」
UA数1000突破、そしてお気に入り登録30人、ありがとうございます!
筆は遅いですが、これからも読んでくれると嬉しいです。