鬼には笑顔がよく似合う   作:努舞我獲留

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長らくお待たせいたしました!
駄文ですがどうぞ心ゆくまでごゆっくり!


自己紹介

 

 

「んぅ…眩しい…」

 

 上からずっと光が降り注いでいるのを感じる。おかげで意識が覚めてきた。

 もう朝かぁ…。くそぅ、気持ちよく寝てたってのによぉ…。

 体をうつ伏せにしてから、ゆっくりと目を覚ましていく。

 

 なんか硬いなぁ…ベットから転げ落ちたのか──

 

 

 

「‥……木?」

 

「起きましたか」

 

「おわぁ!?え!?」

 

 突然自分以外の声が聞こえてきて、驚きのあまり一気に目が覚める。

 ここは…テント?でも、地面が木ってことは…どういうことだ?

 そんでオレはダンジョンに入って、オーガと戦って、それで…気を、失ってた、のか…?

 俯きながら頭を抑える。色々あって疲れたせいか、まだ思考がぼーっとしていて定まらない。

 

「もしもーし、大丈夫ですか?」

 

 …っと、そうだ!こんなこと考えてる場合じゃねぇ!!

 上から降ってきた声に反応して顔を上げる。

 そこには、黒い布に金色の刺繍が施されたブカブカの服を着込み、顔が暖簾(のれん)みたいなので覆われていて、そこには唯一赤色の入った刺繍で『目』のようなものが描かれている人(?)がいた。

 

 

「お、ようやくこちらを見てくれましたね。怪我は大丈夫ですか?私の方では何もできなかったので、とりあえずここまで避難させておいたのですが…」

 

「…助けてくれたのか‥、礼を言うぜ。…オレの名前は『立足等把 龍』ってんだ。あんたは?」

 

 そう聞くと、そいつは何故かうんうんと嬉しそうに頷いた後、優しげな声で自己紹介を始めた。

 

「ご丁寧に自己紹介ありがとうございます。勇ましい名前ですね。私の名前は『遷羅(せんら) 真理(まり)』。気軽に『センさん』でも『マリ子さん』でも、好きなように呼んでください」

 

「あ、ああ…じゃぁ、センさんで」

 

 そう言うとセンさんは両手を体の前で重ねて優雅にお辞儀をした。

 …今の自己紹介で何となくこの人のことがわかった気がする。たぶん、悪い人じゃない。まだ信用するつもりはないけど。

 でもこの落ち着いた雰囲気…おそらく年上の人なのは確定だろう。

 

 そうやってセンさんについて考察していると、思い出したように口を開いた。

 

「そういえば龍ちゃん、私が作った服の着心地はどうですか…?」

 

「服…?」

 

 言われて視線を下に向けると、確かに服を着ていた。

 上は黒の下着?に、濃緑色の袖なしのはおるもの、下は白色で縁取られた紺色のホットパンツ。

 …まあ動くのに支障はなさそうだからいっか…。って、この服どっから持って来たんだよ!?あと龍()()()って!!

 

 

「こ、これどっから持って来たんだよ!?あと、龍ちゃんってのは…」

 

「ああ…、それは私の能力で作ったものなんです。私は自分の体を好きなように変化できるので、原材料…それこそ羊に変化すれば勝手に羊毛が作られますし、それを加工する道具にもなれるのです」

 

「………はー…すげぇな、それ。汎用性高すぎだろ…。…ってことはこのテント張ってる布も、オレのこれも、わざわざ変化した後加工してくれたってことか…。手間をかけさせて悪りぃな。でも正直助かったわ」

 

「いえ、その服は私が()()変化しています。先の例を行うには時間がかかり過ぎますから。」

 

 

 

 ──時間が、止まった

 

 

 

「─ですがお礼は受け取っておきますね。どういたしま「は、ハァ!?あ、あんた一体それどういう…!?」」

 

 たまらず突っ込む。その説明だと、オレはよりにもよって1番恥ずかしいところを他人に委ねていることになるんだが!?嘘だと言ってくれ!頼む!

 

「…ん?…ああ、私は複数に分裂しても自我を保っていられるのです。アレです、影分身の術!ってやつです」

 

「そうじゃねぇよ、いやそうなのかよ!?すげぇな!?でもそっちの方がよっぽどダメだろ!!オレのきょ、局部に張り付いてるってことじゃねぇか!!!」

 

「…でも同性ですし…あまり気にする必要はないと思いますが…」

 

「いや気にするわ!!そもそもオレは男───」

 

 

 オレは男。そう口にしようとして、自分の体のことを思い出した。今や己の体は女型の鬼と呼べる姿に変化し、そこに元の性別は影も形も残ってない。

 

 

「─…とにかく、龍()()()ってのはやめてくれ…。」

 

「…えぇ、わかりました、龍。…すみません」

 

「いや、謝らねぇでいいよ。そんな気にすることでもねぇから…。…それはそれとして服は脱ぐぞ」

 

「いやだめですよ!?裸でいたら悪い大人に狙われちゃいます!!」

 

「今強いて言うならあんただよ!!」

 

 

 しゅん…と落ち込むセンさんを尻目に、服を脱ごうとして、服が自分から食い込んで離れないようになっているのを発見する。

 ピキッ  …ふぅ〜…まぁ、悪い人じゃなさそうだし、変にいたづらされてるわけでもないんだから許すとするか…。

 そう思って、この件は一旦無視することにした。やけになったとも言う。

 

 改めて周囲を見渡した時、実はさっきから気になっていたものが映った。

 

「なぁ…それ、朝飯か…?」

 

 センさんの後ろ。木の枝の間に敷かれた布の上に置かれている肉塊。

 おそらく殺してからそれほど時間が経っていないのだろう、まだトクトクと血を流している。

 

「えぇ、ついさっき持って来たんです。そろそろ龍が目覚めると思いまして」

 

 そう言うとセンさんはその肉塊を振り返り──ぐちゃっ、と頭の部分を潰した。

 そして残った部分をこちらに持ってきて

 

「さ、屠殺したばっかりの新鮮なお肉です。一緒に食べましょうか」

 

 …なるほど、鮮度が落ちないよう瀕死にしたままこっちに持って来たのか。参考になる。

 新たな学びに感心しながら、センさんの手から分けてもらう。

 

「んじゃ早速、感謝を込めて、いただきます」

 

「いただきます」

 

 ガブリと豪快に食らいつけば、ジュワリと、油や肉汁が溢れ出してくる。

 新鮮な血の香りを間近で嗅げば、グゥと今も食べているはずなのにお腹がなる。

 チラリ、とセンさんの方を向けば、微笑ましいものを見る雰囲気でこちらを見つめていた。

 

「…あんたはもう食い終わったのかよ」

 

「ふふっ、ええ、そうです。私は食べるのが早いので」

 

モキュモキュ「ふーん…ところでこの肉ってなんの肉?」

 

「んー、名前は知らないのですが…こう、豚頭で二足歩行するモンスターなのですが…龍は何かご存じですか?」

 

ゴキュゴキュ「あー、たぶんオークってやつだ。元ネタはしらねぇけど、最近のファンタジー系ライトノベルだと結構定番だな」

 

「へー…物知りなのですねぇ…」

 

「フツーだよ、フツー」

 

 

 葉の隙間から穏やかな日差しが降り注ぐ朝、オレたちは他愛もない話をしながら、1日の始まりを過ごした。

 

 

 




次回更新は4月以降になる予定です。よろしくお願いします。

…ところで皆さんはモン○ンワイルズの体験版やりました?私は大剣ソロでレ・ダウ討伐まで出来ました!2乙はしたんですけどね‥。今作グラフィック良すぎなのもあってすごい新鮮で面白いです。

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