問題児が駒王学園に来るそうですよ?―ただし、一人とは言ってない― 作:金谷沙原
まあ、エピローグなんで当たり前なんですけどね(´・ω・`)
『Goodmorning!アサダヨー!コンナイイアサニハ、コウチャガノミタイネ~』
妖怪紅茶くれ目覚ましが鳴り響く。一誠は眠い眼を擦り身体を起こす。
着替えを済ませ、階段を降りる。一誠がリビングに入ると、既に起きていた一誠の母親が眼を見開き驚いた。
「イッセー随分早いじゃない。どうかしたの?」
「ちょっと、部活でさ。行ってきます!」
「え、えぇ、行ってらっしゃい…」
勢い良く飛び出して行く一誠を一誠の母は困惑顔で送り出した。
ー◇ー
「あら、ちゃんと来たわね。イッセー」
そんな第一声で一誠を迎えたのはリアスだった。一誠が軽く室内を見渡すが、まだリアス以外は到着していないようだった。
まだ、学校は始業前。昨夜のうちに少し早く登校するよう部員全員に言い渡されていた。
リアスはソファーに座り、優雅に紅茶を飲んでいた。
「おはようございます、部長」
「ええ、おはよう。朝はもう平気なのかしら?」
「はい。お陰さまで」
一誠の言葉に満足したのか、小さく頷いた。そして、視線が動き一誠の足を捉える。
「足の調子はどう?」
「バッチリです。傷も残ってませんし、違和感もないです!」
普通ならばしばらくの休養が必要なレベルの怪我だったが、彼女がもつ治癒の力は凄まじく、昨日の今日にも関わらず既に完治していた。
「そう。それはよかったわ。…やっぱりアーシアの『神器』は私の想像を越えるものだったわね。相性の良い『僧侶』が残っていて助かったわ」
リアスはそう1人ごちると残った紅茶を飲み干した。
「あ、『悪魔の駒』で思い出したんですけど、『兵士』の駒ってまだ残ってるんですよね?これから俺以外の『兵士』も増えるんですか?」
「いいえ。私の『兵士』はあなただけよ」
リアスの言葉を聞いた一誠の顔が瞬間赤くなる。確かに聞きようによっては告白に聞こえなくもないが、続く言葉で一誠の表情が何とも言えないものに変わり、次いで驚きの表情に変わった。
「私にはもう『兵士』の駒はないのよ。あなたを転生させる際、私には『兵士』8、『騎士』1、『僧侶』1、『戦車』1ずつ駒があった。あなたを転生させるには『兵士』8駒分掛かったの」
「えっ?!そうだったんですか!?」
「ええ、わたしも驚いたわ。でもそれと同時に疑問に思ったの。何故
リアスが口を閉じると、一誠は複雑そうな、いっそ悔しそうな表情を浮かべた。
「…でも、そんな大層なものを持っていながら、俺は何も出来なくて、結局みんなに守られてばっかりで。今回は運良く助けられましたけど、もし、また同じようなことになったら、と思うと悔しくて」
「仕方ないわ。あなたはまだ悪魔になったばかりなんだもの、これからよ。…そうね、次の為、ではないけれど、とりあえず最強の
最強の『兵士』。その言葉を聞き先ほどまで悔しそうな表情をしていた一誠は、元来の性格、熱血漢な部分を刺激されたのだろう。
一転して表情を輝かせ、リアスへ敬礼しながら声を張り上げた。
「不肖、兵藤一誠!リアス部長の為、最強の『兵士』を目指して頑張ります!」
「ふふふ、ありがとう。じゃあ、その一歩目ではないけれど後ろの子の機嫌を良くしてあげてね」
へ?と一誠が間の抜けた声をあげ振り返ると、昨日までとは違う新たな装いの彼女と対面した。
「うぅ、イッセーさんはやっぱりリアス部長が…で、でもでも私だってイッセーさんが…」
「アーシア?」
そう、先日オカルト研究部が、一誠が堕天使に命懸けの一撃を叩き込み、助けた友達。
アーシア・アルジェントが立っていた。なぜか駒王学園女子の制服を身に付けて。
「その格好?」
「はい、今日から通えることになりました」
「マジか!?良かったな、アーシア」
「はい、夢が叶いました。これも主の御導きでしょう。ああ、主よ…痛っ!?」
手を組み、いつものように天に祈りを捧げると、突然、アーシアは頭をおさえて痛みを訴え、蹲ってしまった。
「大丈夫かっアーシア!」
「は、はい。でもなんで」
一誠が直ぐ様アーシアに身を寄せ、アーシアの身体を支え立たせると、リアスが答え合わせをするように口を開いた。答えはごくごく単純で当たり前といえば当たり前のことであった。
「悪魔だから」。
教会に近付けば体調を崩し、日光を嫌い、強い光の力を受ければ存在が消える。
それらの大元である神に祈れば、些細ではあれダメージを受けるのは必死であろう。
「悪魔になったこと、後悔している?」
今まで神を信じ、最後の最期まで神に感謝していた彼女のことだ。後悔していて当然といえば当然かもしれない。
一誠の胸中を嫌な考えが渦巻くが、アーシアは笑みを浮かべて、首を横に振った。
「していないといえば嘘になりますが、でも、悪魔になって良かったと思っています。何と言ってもまたイッセーさんに逢えましたから」
一誠が目頭を熱くするのも無理からなることだろう。唯一の心の拠り所だった主への祈りが出来なくても、自らに会えただけで嬉しいと言ってくれるのだ。
「男冥利に尽きるじゃねぇかイッセー。やはは、モテるねぇ」
突然の第三者の声に全員がそちらを見ると、三人の死角、開いた窓の枠に腰かけ、けらけらと笑っているオカルト研究部最大の問題児、逆廻十六夜と露出の多いかなり挑発的な格好をしたウサギ耳の少女の姿があった。
「い、十六夜!?いつの間に…それにそちらの美少女はどなた?」
「そんな、美少女だなんて…照れてしまいます」
ウサ耳を垂らし、右手を頬に当て照れる少女。
一通り照れた後、アーシアを視界におさめると、一転、目尻を下げ瞳を濡らした。
「アーシア様、ご無事で何よりです」
「ありがとうございます黒ウサギさん。ええと、厳密には無事ではなかったのですけれど」
「あ、はい。存じております。悪魔に転生なされたのでしょう?ですが、今こうして再会出来ましたので」
少女ー黒ウサギはアーシアを抱き寄せるとホロリホロリと再会を喜ぶように涙を溢した。アーシアもそれにつられように涙を流した。
また、暫し時を置き、二人が落ち着いたのを見計らいリアスが質問を投げ掛けた。当然訊ねることは一つ黒ウサギ、素性だ。
訊ねられ黒ウサギは恐縮したように頭を下げると、自らの素性を話した。
「なるほど、あの帝釈天の眷属『月の兎』の末裔ね」
「そして、十六夜の彼女、と。羨ましいなこの野郎!?」
「やはは、妬め妬め」
一誠が十六夜に殴りかかり、デコピン一撃で返り討ちにされ、床に沈められた時、部室の扉が開けられた。
「あれ、少し遅れたか?」
「いいえ、あなた達も少し早いくらいよ」
士郎を先頭にぞろぞろとオカルト研究部の面々が部室に入っていく。
全員倒れ伏す一誠に苦笑いしつつ、リアスの前に並んでいく。
十六夜のみ並ばない状態で全員が挨拶を交わし、リアスが早く集まってもらった理由を話した。改めて口にするのが照れ臭いのか少し顔が赤かったが。
そんなリアスに気付いていたが、十六夜は空気を呼んで弄ることはしなかった。
旧校舎の一室から一人の少女を歓迎する声が響く。
少女の新たな門出を祝うように、旧校舎を臨む空は雲一つない綺麗な青空だった。
はい。とりあえず一区切り着きましたw
いや、長かったですね、お待たせしていたかたには申し訳ありません(居ないかもしれませんが(´・ω・`))
次も早めに上げたいですね少なくとも今月中には。
今はアニメ第三期が放映中ですし、できればペースは上げたいところです。アニメは相変わらず酷いですねw(誉め言葉)
お気に入りが、100件突破!こんなに嬉しいことはない…(ToT)
なにか、記念にやるか迷い中ですが、ご希望があれば番外編何かもやるかもです!
いつものように、ご感想ご要望お待ちしております!
では!