「憧れのオードリー、唐揚げは大盛り」
「勘助さん相変わらず食べますね」
せつ菜が身バレを隠しているのを裏垢がバレた時と同じだから避けたいと言った日のお昼、勘助と菜々は昼ご飯を共にしていた。
勘助の皿には唐揚げの大盛り、こぶしサイズのから揚げが10個、ごはん2合、みそ汁大盛り(ラーメンのどんぶりサイズ)キャベツの千切り300グラムほどの漫画盛りのような量があった。
他のクラスも見慣れない量に他のクラスの女性陣が二度見をしたりしているが勘助は気にしてない。
「今日は学食が安売りの日だからな。食わなきゃ損だ」
「さっきから一年生と他の皆さんがドン引きしているのご存じですか?」
「すごい量……」
「かすみんたちの食べたジャンボパンケーキより多くない?」
「その細い体によく入りますね……」
食べる前にしずく、璃奈、かすみの3人にあったので相席食堂中であった。
「ご馳走様」
「え、早!?」
「え? 10分も経ってないですよ!」
「爆速。璃奈ちゃんボード『びっくり』」
勘助完食である。
「あ、ケーキも安いな、ちょっと買ってくる」
「まだ食べるんですか!?」
「甘いものは別腹」
「それ女の子のセリフじゃ……」
「科学的にも言えるらしいから問題ないよしずくさん」
その後ケーキを1ホール食べた勘助であった。
☆
同好会活動日に、彼方の妹である東雲学院1年近江遥と藤黄学院2年の綾小路姫乃が部室に来た。話を聞くと姫乃とライブをしようという急すぎる提案に一同驚きを隠せない様子だった。
「ダイバーフェスか……そこに推薦をしたと」
「この前の合同演劇で皆さんのライブが気になりまして、特に……」
姫乃は果林のほうを見て読者モデル兼スクールアイドルである彼女が魅力であるらしい。約3000人、それくらいの人数が来ることも説明された。同時に問題も。
「3曲?」
「はい、スクールアイドルの披露曲は3曲までなんです」
スクールアイドル同好会は9人その中で3曲となると当然選ばなければいけなかったのである。
☆
その後、メドレーだとかいろいろ考えたが、果林の一言で1人だけと衝突を足枷にできないという言葉と共にいつまでも決まらなかった。
「本気で立ち向かえるメンバーか……」
「どうしよう勘助君」
「エマさん、私は決めましたが、ちょっと今は言うべきじゃないですね」
勘助は心が決まっているらしかったが、エマにはまだ秘密だと言いながら解散となった。
その後、果林が迷子になっていたところを歩夢と侑、せつ菜に勘助が目撃したが本人の名誉のため言わないことにした。
☆
「果林さん、ダイバーフェス出ませんか」
「私が?」
それからしばらくして勘助は自分の予想通り果林を指名した、果林は少し戸惑ったが勘助は続ける。
「せつ菜たちと話し合って決めたんです。俺もみんなも果林さんに出てほしいと」
果林の面倒見の良さや、先日のダイバーフェスのメンバー決めの件、それらを考慮して指摘したのは果林である。尚且つ大人びた果林だからこそダイバーフェスというカッコいい系のフェスに参加できると勘助たちは考えたのだ。
果林は真剣に話す勘助の言葉に了承してダイバーフェスに出ることになったのだった。
☆
「すげぇ人だな」
「そりゃそうだよね、ここにはいろんな音楽の人が集まってるし」
中にはスクールアイドルを眼中にない人もいたが、勘助は果林なら大丈夫だろうと言っていた。だが、夕方になって果林の姿が見えなくなった。
みんなもテントの中で心配をしていたし勘助も気が気ではなかった。
「遅いですね果林さん」
「……私探してくるよ」
「探すのにエレキギターは必要なんですか?」
「これは私の武器だ、念のために持っておく」
そう言い残して、勘助は果林を探しに行った。しばらく勘助が歩いていると、そこには少しうずくまっている果林がいた。
勘助は静かに近づき果林の隣に座る。
「見つけましたよ……果林さん」
「笑っていいわよ」
果林の発言に驚く勘助だったが、果林は続ける。
「ビビってるの、あれだけ啖呵切っておいて土壇場でプレッシャー感じて、怖くなったのよ」
そういった果林の声は震えていた。勘助は黙って聞いていたがやがて一言。笑わないと。
「え?」
「俺はステージに上がったことはありませんから、果林さんのことを悪く言う資格なんてないんです」
「噓でしょう? そこまでの腕で、しかも両利きのギタリストなのよ? 舞台の一度や二度くらい……」
「俺も怖いから、出来ないんです」
そして勘助は話す。朝香果林に少しばかり自分の過去を……