虹ヶ咲のシンガーソン軍師   作:初見さん

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第17話 アニガサキショック

「んで、やっぱり了承は得られなかったのか」

「うん、開催地の希望とか、どこと合同かとか、後は進捗状況とかだね」

「せつ菜ちゃんがいるから通ると思ってたんだけどなぁ」

「彼方さん安心してください、策通りにわざと大事なところを省いたのでそのせいです」

「え? そうなの?」

 

 侑とかすみにスクールアイドルフェスティバルの提案書を出させた勘助だが、それは勘助の思惑通り了承を得られなかった。思惑通りというのはどういうことかと、彼方が言うがすべては勘助の策である。

 

「それにしても勘助先輩の指示には驚きました、タイトルと企画内容と目的だけ書いて後は適当に書いた後生徒会に持っていけだなんて……」

「それで足りないところ……生徒会側の必要としてる項目を向こうから言ってくるだろうからそれを提示させて、後で書き連ねるなんて」

「確かにその方が手間も省けますね。作戦通りですよ勘助先輩」

「一発OKなんてほぼ存在しない。提案だけならタダだし、生徒会にまず形だけ提出してみたほうが必要事項言ってくれるから楽だしな」

「だから、提案するなら先に相手の意向を聞く。これが交渉や企画の技さ」

 

 それじゃあと、勘助は生徒会の要望通りの内容をパソコンでカタカタと打っていく。情報処理学科の璃奈や愛ほどではないが、勘助もパソコンが得意である。

 

「なんか、勘助君ってアレだよね、みんなのマネージャーもあるけど司令塔みたいだよね」

「あ、なんかわかります。結構勘助さんの考えに助けられましたし」

「まぁ、山本勘助だしな」

 

 勘助の突然の自己紹介にかすみと侑は首をかしげる。勘助はそういえば自分の名の由来を言ってなかったと言い、説明した。

 山本勘助という人物は歴史上に実際存在する人間である。武田信玄という有名な武将の側近、つまり天才軍師として破軍建返しの陣などの策で武田軍を支えた。

 勘助の父がたまたま信玄であったので、これは運命だと勘助の名を付けられたのもあり、小さいころから勉強だけでなく、いろんな本やアニメなどに触れて知識を伸ばしたのだという。

 

「だから天才なんですね」

「それは今もやってるからだよ。サボってたら天才じゃない。別に本人を目指すつもりはないがな」

「それにしても、何が必要か分かってよかったぜ」

「来週の生徒会までに決まれば問題ないので急ぐ必要ないですよ」

「そっか。んじゃ、候補地探すか」

 

 そして候補地をみんなで探すことになるのだった。

 

 ☆

 

「というわけで、これより軍議を開始する」

「久々に聞きましたねそれ」

 

 今回東雲や藤黄の生徒を呼んでフェスティバルの参加をみんなに投げかけた。みんな前向きに答えてくれていたが、一人果林にトリップしていた姫乃って人がいたが、その子含めてメンバーと話し合って了承したいとのことだった。

 

「それじゃあ、後はみんなに場所の意見を聞いてみるか」

「これで軍議を終いにする」

 

 残す問題は開催地。かすみがかすみんボックスを作ったが、1票も入ってなかったので、璃奈がサイト作ってくれたのと璃奈の友達が伝えてくれることになった。

 

 ☆

 

「ユウチャンハワタシノモノナノニ」

「どうした歩夢さん」

 

 急なヤンデレ(歩夢)を見た勘助が突っ込みを入れる。

 どうやら最近侑とせつ菜の距離が近くて幼馴染としておいて行かれそうとのことだった。

 どうしたらいいかと尋ねてくる歩夢に対して勘助も悩みながら言ってみる。

 

「私の場合確かに私が知らない……例えば、せつ菜が俺に内緒でスクールアイドルしてたならおいて行かれる気がするけど、せつ菜はちゃんと言ってくれるから私は距離を感じないな」

「かといって、侑さんが歩夢さんに隠し事する人間じゃないと思うから心配いらないと思うが……」

 

 そうだ、と勘助は手を叩いて名案を出す。

 

「侑さんか歩夢さんの家のベットに押し倒してこう言えばいい」

 

 私とせつ菜ちゃんどっちが大事なの! とか、私だけの侑ちゃんでいて! ってな。と勘助はいい歩夢も名案だと頷く。

 

 伝説の名シーンの誕生である。

 ちなみに話はそれるが、会場は町全体を巻き込んでフェスティバルをすることになったらしい。

 また副会長が優木せつ菜のファンになったのだが、この話より伝説の名シーンのほうが大切である。

 さらに、スクールアイドルの前座ライブとして山本勘助も参戦するが、伝説の名シーンのほうが大切である。

 

 ☆

 

 その相談からしばらくして、侑が勘助に恨みながら歩夢に押し倒されたことを言ったが、勘助はどこ吹く風である。

 

「私、勘助君を許さないよ。歩夢に四六時中監視される羽目になったんだからね!」

「私だけの侑ちゃんでいて?」

「まさしくそのセリフだよ」

「そうだ、侑さん私、スクールアイドルフェスティバルの前座ライブお願いされたから」

「話無視しないで、突っ込みが追い付かない」

 

 勘助曰く、せつ菜からスクールアイドルを知らない人やそんな男性女性も楽しめるように、スクールアイドルのステージだけでなく前座ライブとして、スクールアイドル同好会の推薦で勘助が選ばれたのだという。

 

「……そっか、頑張ってね」

「……怖いけどな」

「大丈夫だよ」

 

 勘助の明日はどっちだ。

 

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