第19話 中国語にはロシア語だろ
「さすがに演劇部だな桜坂……いや、
「誰なの前田って……でも流石しずくちゃんだよね!」
「気に入ってもらえてよかったです!」
第2回スクールアイドルフェスティバル開催決定の文字がパソコンで広がる。
スクールアイドル同好会の脚本担当、桜坂しずくの案で、みんなでスーツを着てPVに参加することをした。
「それにしても勘助が意外にもスーツ似合ってたわね」
「馬子にも衣裳ですよ果林さん」
果林の言葉に勘助が返すが、エマが自分で言うんだと突っ込みを入れながら笑いが起きる。同好会のメンバーは服飾同好会からスーツを借りたが、勘助だけは父である信玄のおさがりとしてスーツを借りてきたそうだ。
少し大きいが背丈は似ているので問題なかったと勘助は言った。
「璃奈ちゃんと侑ちゃんも編集お疲れ様」
彼方が侑と璃奈にお礼を言う。そして、みんなでかすみのコッペパンを食べてから練習に向かうのだった。
「……聞いたわよ、曲いいじゃない」
「当然だろ、僕が作ったんだから」
その頃とある二人が会話をしていたことを、勘助は知らない。これから虹ヶ咲学園に来る人間がまた勘助を変えることも。
☆
「実行委員?」
「はい、僭越ながら立候補させていただきました」
勘助はとある少女と休憩中に会って話をする。彼女の名は
「いいじゃねぇかやってみろよ。為せば成る為さねばならぬ何事もって言うしな」
「ええ、その通りです。勘助さんは第2回のスクールアイドルフェスティバルライブは?」
「もちろんするぜ。なんかすげぇ期待されてるんだ。主に男子生徒からな」
スクールアイドルフェスティバルはスクールアイドルの祭りではあるが、スクールアイドルは女性しか基本はいない。それによりスクールアイドルを知らない男性や女性も楽しめるようにと試験的にやってみた第1回目のフェスティバル中の山本勘助単独ライブ。
結果を言うと大盛況であった。軽音楽部だけでなく、一般の人の多くが勘助のギターテクに惚れて、サインや握手を要求される始末。第2回も勘助はやらないわけにはいかなかった。
「そうですか、私もスクールアイドルを応援する立場として頑張ります。近々幼馴染も来ますから」
「へぇ、栞子さんにも幼馴染がいるのか」
栞子は菜々を通して勘助と菜々が幼馴染なのを知っているので深く聞かなかった。
「ええ、走るスペアリブ好きの大型トレーラーですけどね」
「奇遇だなこっちも、走るダンプカーだ」
「……中川会長がダンプカー? 想像できませんね」
勘助は少し苦笑いをして気づく、せつ菜の正体が菜々なのを栞子は知らないのだと。
「まぁ、人は見かけによらないんだよ」
そう言ってお茶を濁した。
☆
オープンキャンパス当日はライブは出来なくなったが。チラシ配りやPVを流すことを行ってみんなに知ってもらうことになった。
そしてオープンキャンパス当日を迎えた。
「留学生?」
「
「香港からスクールアイドルをするために来たんだ! 私と同じだね!」
「
「ず、ずどらー……何かしら」
「勘助それ何語なのよ?」
「果林さんは知らなくて当然です。ロシア語なので。伝わらないなら日本語で、山本勘助だ。右目は青いが生粋の日本人だから日本語で頼む鐘さん」
「ランジュでいいわよ」
「んじゃ私も勘助でいい、嵐珠さん」
「なんか馬鹿にされた気がするわ」
栞子がスクールアイドルのブースに来たと思えば新しい留学生、鐘嵐珠を連れてきた。中国語で挨拶を話す彼女に負けじと勘助もロシア語で返すが全くの無意味である。とりあえず自己紹介だけしておいた。
栞子曰、留学生は2人いたと思うと言っていたが、1人はスクールアイドルに興味なかったそうでランジュについてこなかったそうだ。ランジュはスクールアイドルフェスティバルを見てときめいたらしい、それを聞いてみんなも喜んでいた。
☆
オープンキャンパスが始まり、発表の時間になった。
しかし、かすみがデータを流してくれたのだが、このデータはまさかのNGシーンや同好会の普段のオフショットなどでありPVとは無関係の映像であった。
「焦ってやるからそうなるんだよ……まぁ、流しちまった物は仕方な……」
その瞬間照明が急に暗転した。何かトラブルだろうかと不安になった勘助が見ると……
「スクールアイドル、鐘嵐珠のデビューステージよ! 伝説の始まりを心に刻みなさい!」
鐘嵐珠という人間が急にライブをしだした。
そして鐘嵐珠という女の子は勘助と同じ日本デビュー初にして伝説になる。
「この曲は……なんだ、心が揺さぶられる。製作者は……あの人じゃないな……誰なんだ?」
そして勘助は鐘嵐珠だけでなくこの曲を作った