「というわけで、二人とも入部希望です!」
「すまねぇ、日本語がさっぱりなんだ」
「嘘つかないでください勘助さん」
優木せつ菜が戻り、同好会が復活し、じゃあやりますかといったところだった。情報処理学科の1年
「まぁ、入部するなら部長のかすみさんに許可取ってくれ、私は入ってくれるなら嬉しい」
「もちろん大丈夫です!」
「大歓迎だよ」
エマとかすみが同意をしてから愛が声を上げる。
「ところで、スクールアイドル同好会って何するの?」
愛の一言にメンバーの全員が固まったのだった。
「今それを考えてる最中でして……」
☆
「とりあえず柔軟とか歌練習とかやって体力つけなきゃ、話にならないんじゃないか?」
愛が何をするかわからない発言で、同好会メンバーも模索中だとわかった勘助はスクールアイドルの基礎練習を提案してみる。
「なんか思ったよりまともだね」
「歩夢さんの毒は見逃してやろう。せつ菜と一緒にやってたことだ、スクールアイドルとしての練習なら文句ないだろ」
結局いろんな意見が出て愛の楽しければいいという発言もあり、勘助の特訓をグループを作ってみんなでやることが決定した。
☆
「おおぉぉぉぉぉぉ!」
「おおぉぉぉぉぉぉ!」
「……ひどいなこりゃ」
まずは柔軟ということで果林とエマ、愛が指導で、彼方と璃奈が実践をやってみたが、全く動いていない。上体を倒そうとしても何一つ体が動いていないのだ。
「それが限界?」
「……そうみたい」
果林の言葉にエマが苦笑いで答える、ダンスのためなら柔軟も重要であるとエマが言うと愛が大丈夫と言った。皆が愛を見ると足が180度開かれて手も床につく見事な上体倒しであった。
「よし、私もやるか」
「え? 勘助も?」
果林の言葉にはいと頷いて床に座り上体を曲げる。愛ほどではないが、手はしっかりと床につき足も180度より浅めだがかなり体が柔らかかった。
「すごいじゃんカンスケ! 何かやってたの?」
「せつ菜とスクールアイドルの訓練してたし今も続けてるからな、柔軟くらいは問題ない」
愛さんについて勘助も聞いてみるとどうやら部室棟のヒーローと呼ばれるくらい運動部の助っ人をしているらしい。
「そういえば彼方ちゃんてっきり果林ちゃんも同好会入ると思ってたよ」
「そんなわけないでしょう、私は愛しいエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ」
「愛しい」
「……間違えたわ。愛するエマの悲しむ顔が見たくなかっただけよ」
「言い直しても同じですけど」
「な、なによ生意気ね!」
勘助は果林から見ると生意気な後輩のようだ。そして果林はエマに弱かった。
☆
「これより講義を開始する」
「それかすみんのセリフですよ! というか軍議じゃないんですか?」
「作戦じゃなくて授業だし」
しずくと愛と璃奈はかすみの授業に参加した。勘助は講師兼生徒役なのでかすみが説明不足なところを説明しながら講義に参加した。
「その眼鏡どうしたの?」
「せつ菜先輩から借りました……無断で」
「それ私も中学のころよくやってた。眼鏡かけてる人の気持ち知りたいから」
「怒られるよ!?」
しずくから見るとどっちもどっちである。ともかく今回の話題はスクールアイドル害論ならぬ概論であった。
かすみがしずくにスクールアイドルに必要なものを問い、璃奈も愛も勘助もかすみが聞いた。
自分の気持ちを表現すること
ファンの人と気持ちを繋げること
独りよがりなライブをしないこと
分からない
このすべてが正解であった。かすみ曰く正解は一つではなくファンのみんなに喜んでもらうならどれも正解なのだと。
「さすが部長だな。芯がしっかりしてる」
「もっと褒めてもいいんですよぉ!」
「奥が深いんだね!」
「なんか勘助さんの独りよがりってとこだけ引っかかるような……」
「気のせいだろ」
というわけで全員合格であった。
☆
「全然だめだったぁ」
「そんなことないって」
最後に歩夢、侑、せつ菜、勘助、璃奈、愛は歌の訓練として収録ブースで歌っていた。
歩夢の当面の課題はリラックスだとせつ菜が指摘しながら、侑のここに初めてきたことに対して話をする。映像研究会などが使うのであまり使わないと思っていたが勘助は使ったことがあるらしい。
「歌の練習無料とか貧困学生にとって最高のカラオケボックス」
「それは確かにそうかも……」
「勘助さん、お金に困ってるの?」
「私は両親がいなくてな、遺産と貯金はあるが、ギターと個々の入学費とかで消えたんだよ」
勘助はあっけらかんと言ったが、みんなにとってはきつい話だったようだ、璃奈が申し訳なさそうに謝るが、勘助は本当に気にしてない。
「でも、勘助君生活費とかどうしてるの?」
歩夢の問いに勘助は答える。勘助の叔父は鎌倉で朝、市役所内で働いており、夜にバー兼ライブハウスを経営しているらしい。そこで朝叔父が仕事の時、バイトのような感じでバーのドリンク補充や掃除をする代わりに生活費をもらっているそうだ。
「だから鎌倉でしずくちゃんとあったんだ」
「しずくさんから聞いたのか?」
勘助の問いにうなずく璃奈。
ついでに痴漢から助けたと話を璃奈がすると勘助の株が上がったそうな。
「そういえばなんでせつ菜はしずくの話を私にしなかったんだ? 一緒の同好会だった時驚いたぞ」
「しずくさんは演劇の兼部もあってそこまで深く話してなくてですね。それで勘助さんに伝えてなかったんです」
「なるほどな、人となりを知ってから話そうとしたのか」
「ええ、すみません」
「謝らんでもいいさ、ほら次誰が歌う?」
「せっつーの歌が聞きたい!」
「せっつー? 私のことですか?」
「ははっ、せっつーか、そりゃいいな!」
愛のせっつーに対して意味を理解した勘助と理解してないせつ菜。愛があだ名だと言って納得してくれた。
ちなみに侑はゆうゆ、歩夢はあゆぴょんだったが歩夢の否定でアユムになった。璃奈はりなりー、勘助はカンスケである。
ちなみにせつ菜が選んだのは璃奈も知っているアニメの歌であり同士が出来てた。ジャッカルとかコスモスとか聞こえたけど勘助はそれすらも理解していたのは内緒。
「アニメ勧めたの私だし」
内緒だって言ってるだろ。
「なんかカンスケってせっつーのすべてだよね」
「小学生からの付き合いだしな」
「勘助さんのおかげで夜中にこっそり見てました」
この後、アニメの話やせつ菜が生徒会長の話も愛や璃奈にしながら、アニソン縛りをしていたそうだ。ちなみに優勝は勘助だった。
「俺に歌で勝つなら青き鳥のキサラギさん連れてこいや」
「……勘助君ってギター弾く前もそうだけど熱くなるとキャラ変わるよね」
「私はこれを某ロボットアニメのNFDモードと呼んでます」
「ユニコォォォォォォォォォォォォォン!!」
「勘助さん全部100点、すごい」
「ていうかどこから出したのそのギター」