「あ、かすみさん。私たちソロアイドルするのでお願いします。以上です」
「急に二人きりにさせられて大事なこと話すと思ったらなんで簡単に簡潔に話してるんですか!?」
「勘助さんの案です」
勘助のせいで新しい一歩が軽くなった。そのあとみんなに伝えた。
決して簡単ではない、不安でもあるが、勘助の一言で不安は少し和らいだ。
「正解なんてねぇけどさ、それでもやってみればいいと思うぞ。分からないからって、悲しいことが多いからって不安だからって、それでも! スクールアイドルの楽しさを止めてしまってはダメなんだ!」
「私も協力する、みんなの不安や苦痛を受け止められる人間になるために、俺はマネージャーとしてかすみさんに入部を頼み込んだ!」
「だから、必ずチャンスをものにしよう! 歌も私が作ってみんなが誇れる歌を作るから!」
そんな言葉や自信はどこから出るのか不思議だった。それでも、みんなの心が軽くなったのも事実だった。何者なのかとかすみはせつ菜に問うが、彼女から返ってきたのは
「とっても頼りになる、幼馴染です。ちょっと歌になると元気すぎますけどね」
そんな言葉だった。
☆
宮下愛は走っていた同好会のためにランニングをして目的地に着くように走る。彼女はいつもスポーツをしていたので走るのは苦ではないが、スクールアイドルのことになると正解がないので困っていた。
しばらく走っていると途中でエマと勘助を見つけたので声をかけることにした。
「エマっち! カンスケ! どうしたの?」
「愛ちゃん、ちょっと早起きしちゃって……」
「一緒! カンスケは?」
「私はよく鎌倉行ってるから大体この時間に起きてるんだ。エマさんと同時くらいだったかな」
3人集まれば会話が咲くもので、ソロアイドルの話になった。
エマの驚いたに対して、愛は答えがないからハードル高いと答え、勘助も確かにと賛同する。
「……走ってみるか」
「え?」
「9時に行く時間だしな、それに、舞台に出ない私がこれ以上言ってもおまいうになるし」
「ふふっ……アハハハハハハ!!」
適当なネットスラングで場を濁してしまおうと思ったが、突如愛が大爆笑をしてしまった。
エマと顔を合わせて何かおかしなことを言ったかと目を合わせても否定しか返ってこない。
「9時に行く時間……ダジャレだよねぇ!」
「え……ああ、気づかなかった」
9時の「くじ」と行く時間の「くじ」でダジャレになっていたようだが、まさかここまで受けるとは思わなかった勘助は困惑しながら恥ずかしそうに頬をかいた。エマはエマで愛が前向きで同好会に入ってくれてよかったと言った。
「愛さんはあれだな、みんなを喜ばせる楽しいスクールアイドルになりそうだな」
「そうだね、愛ちゃんが来てからみんなが明るくなったし」
「……そうなの? 自覚ないけど?」
勘助の言葉に少し悩みながらしばらくして何かを決意して勘助にお礼を言った。
誰かに楽しんでもらう自分の楽しいを分かち合えるスクールアイドルになりたいと思い始めた。
「ちょっと走ってくる!」
「待ちな、愛さん。私の曲一曲聞いてくれよ」
「え? カンスケの?」
「今面白い歌詞が浮かんだんだ」
そして勘助はこっちの方がよさそうだと右利き用のアコースティックギターを肩にかけて
「デストロイモード起動」
そう言って、歌いだした。
朝が来て ヒカリ溢れたら
走りだそう Go together
ぱっと思いついた歌詞だが、宮下愛という人間を見るととめどなく歌詞が溢れてきた、コードは少し適当なところはあるがアコースティックでも明るく、楽しい歌を目指して歌い続けた。
愛が Sun Sunと
笑った顔 サイコー!
一曲聞いている愛に勘助がウインクを一つ投げる。そして口パクで
愛さんの名前入れてみたぞ、どんなもんじゃい
と、そう笑顔で返したのだった。