許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第12話:試練

「さて一通り談笑も済んだことだしお前をここに住ませるかの試練を行う!」

 

そう藤原道雅が言い出したのは互いの身の上話や記憶に残る出来事についてある程度語り終えてからであった。

 

「…そういうのあるのだな。貴方の様々な恋模様を聞いたのが試練って事で良いのではないだろうか?」

 

「テメェ誰の話が苦痛の試練だってぇ⁈」

 

「お前のくだらない失恋話に決まっておろうが…。」

 

キレる道雅とそれをげんなりした顔で貶す頼親を他所に俺は内心身構えていた。

正直道雅が語る恋愛武勇伝が割とキツかった。他人の恋バナなんて興味ない上に別れる理由が基本的に道雅が持つ理想の女性像と合わなくなったからなので更にキツイのだ。

 

とはいえこれは廻り者が持つ才能が故に引き起こされているので道雅を手酷く罵倒する気も起きないのがまた辛い。

 

「仕方ねえだろうが!俺の中の獣心には折り合い付けられてもこの恋心には折り合い付けられねぇんだからよ!」

「あー!どこかに胸がデカくて俺が廻り者としてあちこち動き回っても許してくれる包容力とあれこれ聞いてこない寛容さを持ったほんわかとした雰囲気の黒髪長髪のお姉さんいねえかなぁ?綺麗好きで料理も上手く家事も文句を言わず周辺住民とも良い関係築いてくれてネットで愚痴を吐かないような完璧なお姉さんいねえかなぁ!」

 

「夢はでっかくとは言うがこれは些かデカ過ぎではないか?」

 

「理想とは叶わぬから理想なのよ。」

 

道雅の何回目かの理想的な女性像を聞いて俺と頼親は溜息をつく。

そんな女は居ないと言いたいがだからこそ理想なのだろう。叶わぬ恋に焦がれ続けるというのは本人の明るさで誤魔化されているがかなり残酷である。

 

かといって憐みの表情を浮かべたりはしない。それは侮辱になるからだ。

 

ちなみに頼親曰くこの理想的な女性像ってのは定期的に内容が少し変わるらしい。

 

 

「で道雅殿。話はズレたがその試練というのはどういうものなのだ?」

 

これ以上話が脱線するのはマズイと思い試練について尋ねた。

 

「呼び捨てでいいぜ。で、試練ってのはこれから俺がいつもナンパ兼依頼を請け負う溜まり場に行ってもらってそこで女を引っ掛けてもらう。ナンパでも依頼の受注でもどちらでもokだ。」

 

返って来たのは俺に夜街に行って女性をナンパして来いというものだ。

 

「正気か?廻り者時の見た目はともかく今はまだホームレスだぞ?女性と話をするどころかガラの悪い連中に絡まれるだけだぞ?」

 

「そこはきちんと夜街に合う衣装を用意してやる。着る事が無くなった俺のお古だが体格的に大丈夫だろうしな。」

 

俺は道雅の正気を疑ったがどうも道雅は本気らしい。

 

ナンパをするにもやはり首から舞う花弁は目立つため完全な廻り者ではない俺が道雅の代わりに困ってる女性達から話を聞いてこいということらしい。

目立つ戦闘はあまりしない以上戦闘要因以外で役割を持てるか?という話らしい。

いや結構真面目だなと内心感心してしまった。

 

そうこうするうちにあれよあれよと着替えさせられ髪型を整えられた俺は道雅を案内に透明化した頼親を護衛に溜まり場へと行く事となった。

 

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