許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第17話:黒い影③

それから藤原道雅は『歌仙恋歌』を用いて溜まり場に屯する少女達から話を聞く。

 

やってる事はホストが女に貢がせるのと同じなのだが彼女達は何か損失を受けたわけでもないし道雅が離れれば基本的に燃える恋心はあっという間に冷めていく為心的被害も今のところない。

 

結果分かったのは、フードを被った女が最近この溜まり場で勧誘を行っていた。

それについていった女の子はその後見なくなった。

例の自殺騒動以降その女を見なくなったという事。

 

(そしてそいつらがターゲットにしたのはこんなとこに集まるような連中の中でもとりわけ今の自分やこの世に絶望しているような娘って事だ。男も結構集まっているのに女ばかりって事とついていった子達を見なくなったってのと合わせて考えると…最悪食われてる可能性すらあるな。反吐が出るぜ。)

 

今まで聞いた状況から最悪を想像した道雅はムカつきからツバを地面に吐き捨てた。

 

(とりあえず頼親と合流して…ん?)

 

区切りも良いと考えた道雅は一旦頼親との合流するために戻ろうとした。

しかしそこで道雅は一人の少女と白いフードの人物が話してるのを見つけた。

 

(あの自殺騒動以降は出没してねえんじゃ無かったのか⁈とにかく様子を伺おう。)

 

突然の出来事に道雅は声が出るのを堪え二人の様子を伺った。

 

残念ながら会話の内容は分からないがどうも少女の方は白フードをあからさまに怪しみスマホを取り出してる。おそらく通報するつもりなんだろう。

 

それも仕方ない。この溜まり場で首切り自殺なんてあった後に以前と同じ首を切れば新しい自分に生まれ変われるなんて言われても信用なんか出来るはずがない。ノコノコついていって何されるか分からない以上彼女の行動は正しい。

 

そんな彼女の動きに白フードは慌てたのかポケットからある物を取り出した。

 

(輪廻の枝じゃねえか!!)

 

それは輪廻の枝であった。白フードはフードを取り素顔を露わにし、首に輪廻の枝を当てた。

 

そして首を掻き切らんとするその瞬間

 

「待ちな嬢ちゃん?そんなものどこで手に入れたのかな?お兄さんに話してみなよ。」

 

道雅は物陰から姿を現し彼女に問いかけた。

 

いきなり物陰から現れる平安貴族の服を着てバリバリ今風の喋り方をする道雅に二人の少女は固まる。

 

が、廻り者にならんとした方の少女は先に再起動し

 

「貴方も…私と同じ廻り者なんですね?」

 

と歪んだ笑みを浮かべて問いかける。

 

「先に俺の質問に答えてから質問して欲しいんだけど?」

 

「貴方に話すことは無いですよ?むしろ貴方も廻り者なら私達と共に来るべきでは無いでしょうか?」

 

道雅の問いに歪んだ笑みを崩さず彼女は質問には答えず勧誘を行う。

 

しかし

 

「あぁ。あのお方は男が会に入るのを嫌ってました。私とした事が初めてあの方以外の廻り者と出会ったので舞い上がってしまいました。という事でお引き取り願えますでしょうか?」

 

大事な事を思い出した顔をし、そして道雅に頭を下げ勧誘を取りやめここから居なくなるよう告げる。

 

「こっちが答える前に断るのは酷いねえ。ただそうはいかない。嬢ちゃんからは色々聞かないとならねえからな。」

 

退く気を見せない道雅を見た彼女は一度中断した輪廻の枝での首切りを図る。

 

「『歌仙恋歌』」

 

その動きは道雅の才能行使によって止まる。

 

今までなんとも思ってなかったはずなのに突然道雅が魅力的に見えるようになり彼の顔を見てるだけで心臓が高鳴る。

 

「な、何をしたぁ!」

 

彼女の様子がおかしくなったのを見て軽い悲鳴をあげる巻き込まれた少女、道雅にここから離れるように告げられた彼女は一目散に逃げていく。

 

獲物を失い謎の症状に襲われた少女は道雅を睨みつけ何をしたのか問う。

 

「簡単さ。お前は俺に恋をしたのさ」

 

「は?」

 

キメ顔でそう言う道雅に少女は怒りを覚えると同時にそのキメ顔にキュンと来てしまう。

 

「因みに恋心を否定すれば否定するほど苦しくなるだけだぜ?楽になって俺に教えてくれよ。」

 

彼女はその囁きにドキッすると同時に後悔に包まれる。

廻り者がどういう存在かを中途半端にしか理解してなかったが故に敵に隙を晒し無様を晒している。

 

あのお方の為に死んでも良いという思いの裏腹でもう一人の自分がそれで良いのか?と囁く。

せっかく廻り者になったのに生まれ変わったのに恋を拒否し続けて死ぬなんて間抜けな死に方で良いのかと。

 

「分かりました!あのお方についてお話しします!」

 

故に折れた。いかにあのお方とやらに心腹していても、不完全であっても彼女は廻り者なのだ。死ぬにしてもこんな死に方は嫌なのだ。

 

 

そうして道雅は彼女から話を聞き出した。

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