許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第18話:白道教

観念した少女はぼそぼそと話し出す。

 

「私は廻り者になったあと家を…出て、彷徨っていたところをあのお方の腹心の方に声をかけられてあのお方に出会ったのです。まさに運命です!」

 

「あのお方、あのお方ってさあ…名前はなんなの、言ってくれない?」

 

「し…知らないんです!知らないからあのお方としか言えません。」

 

道雅の一挙一動に心が乱される少女は心の奥底で教祖であるあのお方への信仰心を支えに肝心な情報は喋らないように嘘をついた。

そこには恐怖心も垣間見える。

 

「おいおい、恋に嘘や秘密は無しだぜ?廻り者としてやりたいこともあるだろ?だから話す素振りも見せたんだろ。我慢は毒だぜ。」

 

植え付けた『恋心』を利用して情報を無理矢理喋らせようとする様は明らかに藤原道雅の方が悪人である。

これを何も知らない誰かが見ていたなら少女を助けようとするはずだ。

 

ただ少女自身、勧誘の為に人通りが無い路地へと獲物を誘い込んでいたのが仇となった。時間を稼ごうにも胸の高鳴りが激しくなる。

 

「嬢ちゃんがこんな人通りないところを選んだのが悪かったな。さて話題を変えよう。嬢ちゃん達が所属する組織の名前を教えてくれないかな?」

 

「は…白道教です。」

 

道雅は次に彼女達の組織に対して聞いた。

出てきた組織名について道雅は頭を悩ませる。

 

(聞いたことない名前だなぁおい。まぁ名前的にカルトだろうし教祖である廻り者に関する名前なんだろうがあいにく俺にはそういう知識は無いんだよなぁ!まぁそこは詳しそうなヴラドに聞けば良いな。)

 

一旦後回しにし質問を続ける

 

「じゃあ次はその組織の活動について聞こうか?女の子集めて何やってんの?」

 

「あのお方の有難いお言葉を聞きご奉仕を行います。」

 

(うわあ典型的なハーレム系カルトじゃねえか。邪教か何かじゃねえか?)

 

彼女の発言に内心顔を歪める。そしてこういう他者の干渉を廃して内輪のグループと化してるって事は当然こういう事あるだろうと一つ質問する。

 

「じゃあ集められた女の子のうちお眼鏡に叶わなかった子はどうなるのかな?」

 

「当然廃棄されますよ?あのお方を不快にさせるような女は不要ですから。我々は来たる終末の時に選ばれるための試練でもありますし。選ばれた女にはあのお方から枝を渡されると言われてますね。」

 

この程度は言っても構わないと考えたのか彼女は頬を赤くしながら悍ましい内容を語った。

 

(ハーレム系カルトに終末論も+とか終わりだろうが、クソが!女の子の身も危ないどころか死人も出てるじゃねえか!そういうのを隠す才能持ちかはたまた隠蔽するのが上手いのか知らねえが胸糞悪い。テメェらが殺した中に俺の理想の女がいたかもしれねぇのによぉ!)

 

顔は和かなままだが内心はいつ爆発してもおかしくないほど怒りで一杯であった。

どうせ場所なんて吐かないと考えた道雅はこの少女の処遇について考えた。

 

(まぁ嬢ちゃんはただ騙されただけだろうし罪は無い。教祖を殺せば洗脳も解けるだろうし、これ以上手荒な真似はするべきじゃ無いだろ。)

 

「じゃあ話はここまで。とりあえずその輪廻の枝は預からせてもらうわ。不完全でも廻り者は廻り者、どんな才能持ちか分からないしそこは対処しねえとバカだ。」

 

それは非常に甘い判断だった。

輪廻の枝の譲渡を嫌がる彼女に甘い囁きで脳を溶かし判断力を鈍らせた隙に奪い取る。

 

「さあてさっさと合流…とはいかねえか。」

 

背後から悲痛な叫びが聞こえるのを無視し二人との合流を目指して急ごうとするもその前に大きな壁が立ち塞がった。

白と漢字で書かれた軍服を着ておりその姿はまさしく石壁だった。

もちろん首から花弁が舞っている。

 

「ここから先には行かせん。貴様のような女の敵はここで死んでもらう。」

 

「おいおい女の敵はお前らが崇める教祖様じゃねえのか?というかその声、お前も女か。本当女だらけなんだなぁ。」

 

石壁と見紛う巨体の女が前を遮る、それだけでなくその周りには同じく白の漢字が書かれたフードを被った女性達がナイフや鉄パイプなどの武器を構えている。

 

「待ちやがれ!アタシの輪廻の枝を返せ!」

 

そうこうする内に廻り者の少女にも追いつかれた。

 

「こりゃ囲まれたか。というかいつの間に現れたんだお前ら?」

 

「我々信者の強い絆が故になせる技だ。」

 

「けっ、カルトがほざきやがる。」

 

そう吐き捨てると道雅の周りから澱みが溢れ出した。

 

「ここまで胸糞悪い話を流し込まれてイライラしてるんだ。少しくらい暴れたところでバチなんか当たらねえよな⁈」

 

そう叫ぶと道雅は自身のもう一つの才能を行使した。

 

「『穢荒狗』」

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