許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
「『穢荒狗』」
源道雅は自身の才能を行使する為の言葉を唱える。
すると周りから溢れていた澱みが犬の頭をして刀を持った人型の怪人へと姿を変える。そんな犬頭の怪人が10体ほど道雅を囲うように敵へ立ち塞がる
「あのデカブツの周りにいる雑魚共からやれ」
道雅がそう命じると5体が正面の集団に襲いかかる。
ただその凶刃が牙が彼女らに届かなかった。
「させん!『ストーンウォール』」
大女がそう言うと彼女らの前に石壁がせり出した。
犬頭が石壁を刀や牙、爪などで攻撃するもびくともしない。
「これが私の力だ。」
壁の向こうから大女の誇る声が聞こえる。
ただ道雅からしたら好都合だった。
「まぁ見た目からして防御よりの才能だと思ったがそうやって自ら視界を塞ぐなら好都合だ!おい狗共俺と一緒にあの嬢ちゃんの方へ行くぞ!」
道雅が残った犬頭にそう命じると孤立してしまった廻り者の少女の方へ突っ込む。
その光景に彼女は怯み動けなくなる。
その横を彼らは通り過ぎてゆく。
「え?」
「そりゃ誰だってこんな犬頭の化け物が突っ込んできたら恐怖で竦むわな!ましてや戦闘慣れしてない嬢ちゃんなら尚更だ。それが狙いとまでは言わねえがまぁこうして逃げれるなら問題はねえ!このまま逃げ勝ちさせていただくぜ。」
そう勝利宣言しながら道雅は来た道を逆走しながら懐から布きれを取り出して犬頭に嗅がせる。
これは頼親の服の一部であり何かあった時に合流できるように貰っていたのだ。
(このまま合流できれば良いがそうはいかねえだろう。合流の可能性を高める為に連絡を入れるか)
そうして道雅は携帯を取り出し頼親に連絡を入れた。
ここまでがヴラド3世と源頼親が連絡を受けるまでの道雅の行動と起こった出来事である。
道雅の連絡を受け俺ヴラド3世は透明になった源頼親の服を掴み扇動してもらいながら藤原道雅との合流のために急いでいた。
「闇雲に動いて良いのか⁉︎」
「今は細かく話す余裕はないが奴の才能でこちらの場所は把握できる。故に今はあの場で待つより奴が進んだ道を通りその距離を縮める方が得策だと考えた。」
「考えがあるならそちらに従う。」
突然の敵襲に不安になり頼親に質問したが問題ないと言われ心が少し落ち着いた。
しかし教祖が廻り者じゃない訳がない以上最低二人は廻り者が居るという事になる。
(おいおい黒鋭隊は何してんだ?こんな危険な廻り者の組織を放置しててよぉ!)
思わず黒鋭隊に対する非難を内心思いながら表に出ないよう耐えた。
地下に根を張る秘密結社とかだったら俺らじゃ対処出来ない恐れもある。とりあえず道雅と合流してここから離れなければならない。
急ぐ途中で漢字の白が書かれた服を着ている少女達の姿が増えたような気がしたが今は気にする余裕はなかった。
道雅と合流するために俺たちは適宜休憩を取りつつ合流を目指した。