許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
お互いが名乗りあい動かず睨み合う。
(しかしジャック・ケッチか。有名な処刑人だ。処刑が下手くそって意味だが。)
ヴラド3世は彼女の名乗りを聞いて思案した。
彼女が名乗るジャック・ケッチは処刑人としては有名である。
非常に不器用で残酷な処刑人として。
彼のエピソードとしては斧の一撃での処刑に失敗し成功するまでに何度も斧を振るったとか同じく斧での処刑に失敗して最終的にナイフで首を落とすことになり見物客から大ブーイングを受けたというものがある。
「また恐ろしい名前が出たものだ。なぶり殺しにされるのも堪らんし近づかれぬように努めよう。」
間違いなく接近戦ではこちらの勝ち目はない。
故に相手の斧が届かない距離から『串刺公』で攻撃する。
「くそッ…テメェそれでも男かぁ!」
「私は君の前世であるジャック・ケッチについて知ってるからね。その斧や剣で殴られたらと考えると恐ろしくてね。」
俺の発言に彼女が舌打ちする。
(こいつアタシの才能が分かってるのか⁉︎)
彼女の焦るような顔からこちらの推測も当たってそうだ。
とはいえこちらも侮る事は出来ない。
俺はチラッと盾代わりに使った鉄串を見る。
その鉄串は斧の一撃でぐにゃりと捻じ曲がっていた。
(いやあんなんくらったら終わりだよ!ジャック・ケッチだから死ぬ事は無いだろうがその分なぶり殺しにされるのが目に見えている。)
下手に鉄串を槍代わりに彼女の攻撃を受けた日には鉄串ごと斬られるのは分かりきっていた以上、相手の土俵に立つような真似はしない。
(クソっ!クソッ!)
一方ジャック・ケッチの方はイライラでおかしくなりそうであった。
彼女の才能行使『惨殺処刑』はどんな武器であっても相手を殺す事が出来ない代わりに一撃一撃が鉄串をひしゃげるほどの攻撃力となるという物だ。
鉄串をひしゃげるほどの一撃を斧や大剣で繰り出せば普通なら首や腕、足などは簡単に切り落とせるが切り落とせない分苦しみは長引く。
そうして苦しみ泣き叫ぶ相手の顔を見たくなるというのが彼女の才能である。
それゆえに常に斧や大剣の範囲外からこちらを貫かんとする鋭い一撃は廻り者との戦闘経験が殆どない彼女をイラつかせるには十分であった。
ただそうやって感情のままに突っ込めば途端に串刺しだ。
故にもどかしい時間が続いている。
焦れば終わるのはバカな自分でも分かるからこそどうしようもなさに腹が立つのだ。
「コソコソしてんじゃねぇ!その串みたいにテメェも捻じ曲げてやる!お前の泣き叫ぶ顔をアタシに見せやがれ!」
「地金が出たな。私はこんな力を使うが君と違って私は残虐さなんて無いのでね。優雅に君を倒して見せよう。」
「クソガァ!」
相手は終始余裕そうでこちらには余裕がない。
一撃でも当てられれば戦況は変わるだろうがその一撃が遠い。
そうこうする内に戦況は傾いていく。
鉄串の攻撃を交わしきれず傷が増えていくが相手はいまだに無傷だ。
一回惜しい一撃があったのだがそれ以降は近づくことすらできない。
「そろそろ降伏してはいかがかね?」
「舐めやがって…。」
口では強がるものの限界であった。
疲労は限界に達し動きも明らかに鈍くなっている。
「それでもアタシは負けねえ!アタシは自由だ!もう縛られたりしないアタシは強いんだ!」
「カルトの信者の癖に自由とは笑えるな。まぁ諦めないのなら痛い目を見てもらおう。」
彼女の強がりにヴラド3世は冷酷に『串刺公』を行使する。
しかし彼女の足がもつれうまく避けれなかった。
(あっ…終わった。)
そう確信したが鉄串は彼女を貫かなかった。
目を開けるとそこには石の壁がそそり立っていた。
「これ以上私の同士を失いはしない。」
後ろを振り向くとそこには石壁将軍が居た。
「二対一になるが卑怯とは言わせない。」
「石の壁…そのまんまトーマス・ジャクソンか?まぁ良い二人相手でも私には勝てんよ。」
頼りになる味方が増えるもヴラド3世の態度は変わらない。
(いざとなったら頼親がいるけど二対一はキツいだろこれ。)
まぁ心中はその表情ほど余裕はないが。
そしてここから第二ラウンドが始まる。
原作でも二戦目では有利な戦場を作り上げていたヴラド3世、後に主人公が劣化してる『串刺公』を使ってトリッキーな戦闘していたのでそれらを参考にして戦闘シーンを書かせていただきました。
拙い戦闘シーンだと思いますが、お気に入り登録、高評価よろしくお願いします。