許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第31話:邂逅

病院に担ぎ込まれる原因となった男の登場に彼女は顔を引き攣らせながらフリーズしていた。

 

ただ母親が部屋を出ていこうとするのに気づいて止めようとするも母親は部屋を出てしまい男と二人きりになってしまった。

 

「…なんであんたがここにいるんだよ。」

 

彼女の質問にヴラド3世はギプスで固定された右腕を指差して

 

「誰かさんとの戦いで負傷したからな。というか近場で救急車呼ばれてるのだからここに居るのも不思議ではあるまい。」

 

そう返すと彼女は黙るしかなかった。

 

「ちなみにお前の部屋が分かった理由に関しては道雅がナースを手当たり次第たぶらかして探り当てた。そのときにお母さんに出会ったから俺を紹介してもらったってわけだ。救急車呼んだのは私だしな。」

 

「守秘義務…。」

 

続く言葉はまさしく廻り者の横暴であり彼女は空いた口が塞がらなかった。

とはいえ自分のように他者を害したわけではないので強く非難はできなかった。

いや他者の意思を捻じ曲げてるから立派な加害では?とも思ったが今は黙る事にした。

 

「というか殺し合ったアタシをなんで助けたんだ?石壁将軍…ジャクソンは殺したのに。」

 

彼女は彼が自分を助けたことに疑問を持ち尋ねる。彼女自身殺されても仕方ないと冷静になった今だからこそ思えるし現に共に戦っていたトーマス・ジャクソンは彼とその仲間によって殺害されていた。

 

「まだ不完全な廻り者だからとしか言えんな。不完全ならいくらでも矯正しようがあるが完全な廻り者となれば基本不変だ。加えてお前の才能では人は殺せまい。まあ本音としては手心を加える余裕がなかっただけなのだがな。」

 

そう語るヴラド3世の顔はどこか疲れ気味であった。

 

「…アタシだって化け物だよ。他人を殴って喜ぶ変態なんだ…。」

 

そんな彼を見て彼女はついポロッと溢してしまった。

 

「廻り者ってのはそういうものだろう。殴る対象を悪人限定にするように心掛けるだけでも変わるのではなかろうか?別に前世がシリアルキラーという訳でも無いのだし。」

 

「…そう割り切れないよ。」

 

ヴラド3世はなんでもないように語るが彼女はそう割り切れるものではなかった。

 

「まぁ私は他人だ。貴様の過去など知らぬからこそこう気楽なことをぬかせる。結局結論を出すのは自分自身であるから精一杯悩むが良い。」

 

「…そういうアンタはなんなんだよ。アタシみたいに才能に苦しんでいるようには見えねえけど。」

 

「私はヴラド3世の廻り者である以上その名に恥じぬ振る舞いをせねばならぬ。ただそれだけだ。」

 

「いや廻り者って絶対そういうもんじゃねえだろ。」

 

したり顔で語る彼に少しイラっと来た彼女はヴラドの才能について尋ねた。

 

それに対して彼はドヤ顔で本当のヴラド3世に恥じぬ振る舞いをするだけだと言い切ったのを見て彼女は再び顔を引き攣らせ思わずツッコミを入れてしまった。

 

 

「さて私は病室に戻るとしよう。が、その前にこれを渡そう。」

 

「それは輪廻の枝⁉︎なんで⁉︎」

 

「そりゃあそのまま手元に転がすわけにもいかず、かといってそれを他人に見られるわけにもいかんだろ?」

 

「……ありがと。」

 

そしてヴラド3世が病室に戻ろうとした際に彼女に輪廻の枝を渡した。

目を見開く少女に理由を説明し部屋を後にする彼に対して彼女は小さく謝意を示す。

 

 

 

「少女をたぶらかして食う病院飯はうまいか?」

 

「散々ナースたらし込んでいた色男に言われたかないがな…。」

 

部屋に戻ったヴラド3世は道雅に揶揄われそれに言い返した事で言い争いになりナースに注意されていた。

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