許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
病院の消灯時間となりヴラド3世やケッチら患者が寝静まった裏で動き出す者たちがいた。
「ふーむ…黒鋭隊に情報を流して潰したつもりだったが根は深かったという事ですか。」
高層マンションの自室にて風見鶏頭の男ジョゼフ・フーシェは手元の資料と睨めっこしていた。
その資料には以前彼が黒鋭隊に情報を垂れ込んだ事で間接的に潰した組織の後継団体についての情報だった。
「行き場も拠り所もない者達の逃げ場である溜まり場にて少年少女が行方不明になっているという情報からなんとか辿り着けましたが前回の反省を生かしてかしっかり隠れ蓑を用意してるせいで以前みたいな強硬手段が取れないのは痛いですね。」
前回のカルト宗教を表に出してボロを出した前回と違い今回はしっかり表の顔となる看板を用意していた。
元々ああいう場所はフラッと来てフラッと居なくなるなんてそれほどおかしくは無いためマークが遅れていたのが災いして気づいた時には彼ら【白道教】は行き場のない未成年の受け皿としてしっかり地盤を築いていたのだ。
「これ…明らかにブレーンが付きましたね。しかも核となる教祖も無事…以前捕まえた奴は偽物でしたか…。まぁまだ風向きは変わって無いみたいですし、いかようにも挽回できるはずです。」
そう風見鶏である頭を回転させながら言い切る。
フーシェの才能行使の一つである『サン・クルーの風見鶏』
これは自身に有利な風向きを知ることが出来る能力でありこれによって彼は自身に降り掛かる災難を回避または排除して来た。
風の流れは未だ変わらず白道教には向かい風である。
これだけ地下に隠れ根を張ったというのにこれというのが彼が比較的楽観視してる理由である。
そして彼はデスクの引き出しから写真を何枚か取り出す。
「逆風が人的要因ならば写真を通して流れを確認すれば分かります。直接顔を見るのが一番ですがこれでも誰に迎合すべきか分かるのは便利ですねぇ。では『サン・クルーの風見鶏』」
そうして彼は才能を行使し写真を一枚一枚確かめていく。
反応しなかったら次の写真を見てそれがダメなら次というように確認作業を繰り返していく。
その写真の中には彼と取引している黒鋭隊の隊長や藤原道雅、源頼親そしてヴラド3世といった廻り者の写真もあった。
そして彼がヴラド3世の写真を見たとき、風見鶏が反応した。
「これはこれは。いずれ接触したいと思っていましたがその時期を早めた方が良いかもしれませんね。しっかり拠点を探して直接こちらから出向くのが礼儀でしょう。なんせ私の尻拭いをしていただいているのですから。」
その反応を見たフーシェの声は弾み表情はないのに笑みを浮かべているようであった。
元々興味を持ち接触したいと思っていた彼は直接会うために彼の情報を集める事にした。
来たるべき時に備えるために。