許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第35話:悩みの種

骨折というのは退院まである程度日数がかかる。

 

俺の場合は粉砕骨折なので退院までに約40日はかかる。

 

まぁ本来はの話だが。

 

「予定より治りが早いですね。これならもう少ししたら退院出来そうですよ。」

 

先生が俺の腕の様子を見てそう言う先生に内心ドヤ顔だ。

 

何をしたかというと消灯時間になったらまず廻り者になる。

 

そして

 

(うおぉぉぉ!俺はヴラド公だ!ドラキュラ伯爵の元ネタだし肉体が自然回復しろぉ!)

 

ひたすら念じる。ただこれだけだ。

 

これをバカにしてはいけない。

 

廻り者というのは自身が納得し受け入れない限り完全な廻り者にはならない。

逆に言うなら受け入れれば完全な廻り者になれる。

 

なら俺自身納得できるよう自己改造すれば良いのでは?という発想に至った。

 

原作でもヒロインが己の強さについて悩み考え続けていて決戦前にある程度の答えを見つけていたはずだし。

 

これで俺はヴラド3世に関する逸話を全て取り込みパーフェクトヴラド3世になるんだよ!

 

今思えばスマホも無く退屈な入院生活で完全に頭がおかしくなっていたのかもしれない。

ただしっかり効果は出てるのだから成功だ。

 

ちなみにどれくらい効果が出たかというと退院までの日数が約40日から約30日になった。たかが約10日だが普通の人間は念じるだけで自己回復なんかしないので効果は出ている…と信じたい。

 

 

しかし最近この病院に入院する患者が増えた気がする。

看護師の方にも聴いたがここまで入院患者が増えるのは稀らしい。

 

しかも病人ではなく怪我人が多いらしい。

広間のテレビを見たが付近で大事故が起きた訳でもなさそうだった。

 

(…怪しくないか?)

 

考え過ぎかもしれないがこちとらカルト連中と戦ったばかりだ。

しかもこの病院には俺だけでなく洗脳が解けたジャック・ケッチも入院している。

 

 

「ただここ最近怪我で通院してるのは男ばっかりだぜ?あのカルトは女だけだし考え過ぎじゃねえか?」

 

という訳で藤原道雅に聞き出してもらったがカルトの構成員の疑いがある女性の入院はなかったようだ。

これは考え過ぎだったか?

いやでも別働隊か何かかもしれないしなぁ。

 

「患者からは白に関する持ち物は無し、見舞いに来た者も同様だ。」

 

今度は源頼親に探して貰ったが特に怪しいものは無かった。

やっぱり考え過ぎだったか?

 

 

「いや考え過ぎじゃないかもしれない。」

 

「内部にいたから分かるのか?」

 

「うん。アイツらはアタシが石壁を殺したと思ってるだろうからね。男ばかりだったり白に関する持ち物も無い事も誰が指揮を執ってるか予想もつくし。」

 

元信者のケッチに聞いたら肯定してくれた。

 

あちら視点ではケッチがジャクソンを殺害したと見てる可能性が高いらしく通院患者達の特徴から誰が首謀者なのかも予想できるらしい。

 

「誰なんだ?」

 

「犬頭の廻り者で先生って呼ばれてる奴。アタシは見聞きしただけだけどなんか他の奴を操る事も出来るらしい。」

 

「犬頭で洗脳能力ねぇ。まぁ断定は出来ないがある程度予想はつくな。」

 

彼女からその廻り者に関する情報を聞くがそこから予想はついた。

犬で洗脳能力…そしてその被害者とされる患者達が普通と変わらないように見えた事から一人の偉人の名前が思いつく。

 

(イワン・パブロフかぁ…。こらまた有名な奴が出てきたなぁ。基本的に偉人格の能力は強力だからなぁ。というか偉人格が悪行するなよ、罪人格を一掃すれば平和になるって考えていた人が可愛そうじゃないか。)

 

俺はまだ居るかも分からない原作キャラをdisりつつこの状況に頭を抱える。

まぁ彼がああなったのは大切な者が傷つけられた事で冷静ではいられなくなったのが原因だからdisるのも可哀想ではあるんだが。

 

ともかく新たな敵の姿が見えてきた事でこれからの入院生活は油断できなくなってしまった。

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