許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第4話:串刺し公

襲撃者を撃退してすぐに廻り者化が解除され元のホームレスに戻った。

 

「これ…大なり小なりしがらみがある人は才能への渇望と今の生活で天秤にかけるんだがこれじゃあかけようも無いよなぁ…」

 

俺は一人愚痴を溢す。

 

今は制限時間があるが輪廻の枝で首を切り廻り者になるのを繰り返すと完全にその姿に定着し完全な廻り者と化す。

まぁ廻り者になるのを繰り返す度に元の自分の事を忘れていくのが欠点ではある。

ヴラド3世に誇れるヴラド3世になるという他人から見たらちょっとおかしい目標を忘れてしまうのは正直嫌だ。だからそれだけは忘れないでいたい。

 

しかし考え事が多すぎる。

「悪魔公」の発動条件は分からない以上過信出来ないし原作のヴラド3世の才能行使「串刺し公」は使えないのか?という疑問も残る。

 

まぁ普通に複数の才能行使をしていた廻り者は居たのでそこは実際に串刺し公が発動できるか試してみる必要がある。

 

「そのために針でも釘でもガラス片でも良いから何か尖った物を探さないとな。」

 

とりあえず夜遅いし一旦マイホーム(ダンボールハウス)に戻るか。

 

 

 

 

 

【朗報】串刺し公使えた。

 

ホームレスの姿では不審がられるため廻り者になって鋭利な者を探していたがもう打ち捨てられていた空き家を発見したのでガラスを割りガラス片を回収し拠点の公園で真夜中試してみたが無事能力は発動しガラス片は人を簡単に貫けそうな鉄串へと姿を変えたのだ。

 

ちなみにこの鉄串は長さも自由に変えられるため槍としても扱えるし飛び道具としても扱える。一度串に変えてそれを小さくしてしまう事も出来る。

 

正直発動条件がまだ分からない悪魔公よりよっぽど使いやすい。

以前友達が殺された、お前が殺したんだな!とか言いながら夜中に集まってきた奴ら相手に手に持った小さい串を槍くらいの大きさにしてみたら手品師でも見るかのように驚き、それを振り回してやったら恐怖の表情を浮かべ一目散に逃げていった。

 

うーん快感。

しかし奴らは妙な事を言っていた。

集まった連中の中に以前絡んできた奴の顔があったから同じグループだと分かったがそれなら俺は彼奴を殺さず脅して帰した。

なのに奴らはお前が殺したんだな!と決めつけて襲ってきた。

 

となると俺が奴を追い返した後に別の誰かに殺されたって事だろう。

それを指摘したらキレて襲い掛かろうとしたからああやって追い返したのだが。

 

しかし廻り者になってやる事がイキった連中を追い返すってのは情けなくなる。

 

ただ俺には廻り者を探知する能力なんて持ってないし完全な廻り者になるまではホームレスの姿に戻るのでおいそれと遠出出来ない。

 

まぁこれを繰り返していたら噂が広がって偉人の社に目をつけられるかもしれないなぁ。

 

それまでは襲いかかってきた奴らに怖い思いをさせて恐怖の感情を得て心を満たしながらついでに食事代も巻き上げるか。

 

正当防衛って奴だしそうしないと空腹で死んでしまうから仕方ない、そう自己弁護しながら夜を待つ。

 

 

 

 

 

廃工場にて一人の男が立っており。周りには30人以上の男が地に伏せていた。

 

その姿は白い官帽を被り黒い官服に身を包み手には石版を持ち顔には歌舞伎役者のようなメイクをしており、その首からは赤い花弁が舞っていた。

 

「そいつの首から俺みたいに花弁が舞っていたって本当か?」

 

「あ、あぁ…そうだ!お前と同じだ!」

 

男は地に伏せた一人の髪を掴み顔を上げさせ質問した。

その答えを聞いた男は満足そうな顔をすると答えた男の顔を地面に叩きつけた。

 

「クハハッ…俺と同じ奴が近くに居るとはなぁ。こんな雑魚どもぶちのめすのに飽きていたところだ。そいつをボコして俺の強さを示してやる。」

 

男は上機嫌で廃工場を出ようとして足を止め地に伏した男達の下に戻っていく。

 

「とその前にこいつらを俺の駒にするか前の駒はこいつらボコすのに使いきっちまったからな。流石に30人相手にじゃあ駒が一つじゃあ足りないわな。廻り者相手なんだからよぉ。」

 

そう言うと男は石版を地面に転がる男の背中に押しつけた。

その男が苦しんだかと思うと徐々に全身が黒くなっていき顔に白い星のマークがあるだけの特撮の一般戦闘員のような姿に変わった。

 

「待ってろよご同輩!俺がぶっ倒してやるからなぁ!」

 

廃工場には笑い声と悲鳴がこだました。

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