許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
パブロフとメリクールがお通夜状態になっていた頃病院内ではいまだ惨劇は終わってなかった。
「おお主よ…我が蛮行を許し賜え…。」
「た…助けて。」
病室の一つにて神父服を身に纏った男が跪き祈っていた。
その横でベッドに寝ている男性が命乞いをする。
他のベッドで寝ている患者達は皆頭や心臓を打たれて即死していた。
祈りを終えた男は天井に向かって手に持ったライフル銃をぶっ放す。
するとその弾は天井に当たらず命乞いをしていた患者の頭を貫いた。
「どうやら主は許してくださったようだ。アーメン。」
それを確認した男は手で十字を切り祈りを告げ病室を後にする。
食堂のある階では沢山の死体が転がっており、その死体はどれも刀で斬り殺された傷がついていた。
そんな死体が辺り一面に転がる食堂で腰に刀を刺した虚無僧姿の男が飯を食っていた。
「他人を斬り殺し奪った飯は美味い。金も奪ったし暫くは生きていけそうだ。」
手には殺した人達から奪った財布がありそれを見て機嫌が良さそうな声を出す。
「ただ生きてくには金もいるし看護師かなんか脅して金の場所でも言わせるか。」
そう言いながら虚無僧姿の廻り者は死人の服で刀の血を拭いその場を離れていく。
「南無阿弥陀南無阿弥陀。」
また別の階では手術がなく待機中の医者が集まってテレビを見たりレクリエーションが行われる広場にて鎧を身に纏った禿頭の男がお経を唱える。
そこでは看護師や医者が彼を崇めるように手を合わせていた。
異様な光景である。
「御仏の加護を得たお主らは何をしても許される。老先短い者やもはや助からぬ者を殺しても御仏は許す。なぜなら拙僧が許されたからだ。」
そういって彼は血がついた錫杖を目の前に掲げる。
これは彼がベッドで寝たきりの患者を殺害した時についた血である。
「生が苦しみなら死こそ救いよ。故に殺せ未来なき者達を。そして奪え、未来ある者達が糧とするは正しきことであるからだ。」
彼の説法に答えを得たとばかりに医者や看護師が動き出す。
彼が邪悪な笑みを浮かべていた事に気づくことなく。
「うおおお!爆発爆発爆発ぅぅゥ!」
トイレにてそう叫ぶ男は丸メガネで首から赤い花弁が舞っていなければ廻り者とは気づかないだろう。
「おいおいそんな騒ぐなよ。」
そんな彼に声を掛ける男。ただその首に廻り者特有の傷は無かった。
「…それが今のお前の住処か?脱獄王だってのにそんな狭いとこにいて良いのか?」
そう言われた男の口が裂けたかと思うと中から別の男の顔が現れた。
赤い花弁が舞う。
「黙れよ。耐えられなくなったらまた新しい家に入れば良いんだから。それよりお前の方は順調か?証拠隠滅の為にお前が選ばれたんだからしっかりこの病院を爆破解体して貰わねえと。」
「分かってるよ。とりあえずここを爆破して目をトイレにむけさせる間に本命の地下駐車場に行く。病院解体ショーの始まりだ!」
二人は顔馴染みなのか和やかな雰囲気で会話を続けるがその内容は物騒極まりないモノである。
二人の目標は証拠隠滅である。
侵入能力がある方が一般人の中に入り込み輪廻の枝を密かに回収し生存者のフリをして脱出。
爆弾生成能力持ちの方が爆弾を爆発させ病院を解体することで廻り者の痕跡を消す。
人殺しを積極的に行う廻り者ばかりなのは彼らの存在を悟られないようにするためでもあった。
「それより聞いたか?銃乱射野郎が殺されたらしい。」
「あの犬頭が明らかに動揺していたのは笑えたな。」
「まぁ笑い事ではないがな。早めに切り上げてターゲットこと爆破に巻き込んで殺すしかない。」
「消化不良極まりないなぁ!もっと爆破させたかったってのによお!」
「テメェ生き物には爆弾つけられないんだから調子に乗るんじゃねえよ!」
二人は話し合いながらトイレを出る。
そして巻き込まれない範囲まで離れると爆弾を爆発させる。
瞬間トイレが爆発し辺りに爆発音が響き渡る。
「さあ祭りの時間だ!」
地獄の饗宴はまだ終わる気配を見せない。