許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて…   作:ナマハゲィータ

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第46話:白鳥由栄

黒鋭隊の隊員と隊員を寄生した廻り者の戦いは隊員が若干有利だった。

 

まぁ相手は寄生したばかりで動きに慣れてないからこうなっているのだろうがタイマンで廻り者相手に有利を取れているのはさすが精鋭部隊といったところだ。

 

応援も呼んでいたようだから制圧も時間の問題かもしれない。

 

それはそれとしてこっちは銃を向けられておりクッソピンチである。

 

「あちらは気にしなくて良いのかね?廻り者と一対一など普通勝ち目はあるまい。」

 

こっちが話しかけても返してくれず黙って銃を構えるだけというの明確に拒絶の意思を示していて困る。

 

そうこうする内に応援部隊が到着する。

こうくればもう奴は圧殺されるしかない。

 

と思っていると寄生されていた隊員の様子がおかしくなる。

 

「やっぱきちんと処理しないと動かし辛いなぁ…せっかく良い家だったんだがなぁ。」

 

そう言ったかと思えば隊員の口が裂け中から坊主頭の男が軟体生物のようにぬるりと飛び出して来た。

 

それを見た応援部隊は奴目掛けて引き金を引くも奴は蛇のように全身をくねらせぬるりぬるりとかわしていく。

そうやって避けながら俺と俺を見張っていた隊員の方に向かってくる。

 

隊員は当然敵の接近を防ぐために応戦する。

となると当然俺から目を離さざるを得なくなる。

 

俺は素早く『串刺公』を展開し奴が俺と隊員に接近できないよう妨害すると同時に俺が黒鋭隊に撃たれないように鉄の杭を弾除けにしながらこの場を離れるのを試みる。

 

「待て!!」

 

「そちらが私と協力するつもりが全くない以上退かせて貰う。時間もないだろうしな。」

 

アイツ相手にモタモタしていたらどうなるかわかったものではない。

静止の声を振り切り俺は下に続く階段を探すためにその場から走り去る。

 

 

 

 

 

「あらら〜逃げられちゃったじゃん。情けなくない?」

 

廻り者に逃げられた様を嘲笑う坊主頭の廻り者。

それに対し言葉ではなく銃弾で返ってきた。

 

「おいおいそうやって銃でコミュニケーション取ったから逃げられたんだろう?俺と会話しようぜぇ〜?」

 

それを蛇のように全身をくねらせかわし柱に身を隠す廻り者。

 

「黙れ白鳥、お前の曲芸みたいな動きにも慣れて来た以上お前は終わりだ。」

 

「あ、ようやく喋った。そうやって油断してるから何回も逃げられるんだよなぁ。」

 

坊主頭の廻り者を白鳥と呼びその口調から殺意が見える隊員に対して彼はその殺意を受け流すかのように飄々とした風で返す。

 

黒鋭隊は精鋭部隊だ。

並の廻り者ならこの状況、死は免れない。

だが彼は全く怯まない。

 

二方向から銃弾が放たれるが彼はそれを寝転がりかわす。

いくら弾幕とはいえ銃口よりも下の位置にいれば当たる事はない。

ただそのままでは狙い撃ちされるだけなので寝転んだ状態で蛇のようにクネクネと身を捩らせながら隊員の一人に接近する。

 

「く、来るな!」

 

彼の言葉を無視し白鳥は隊員に組み付く。

それを引き剥がそうとするも粘液でぬるぬるになっていてさながら鰻のような白鳥を掴む事もできない。

 

そのまま弾除けになる柱まで逃げると白鳥は片腕を耳の穴に入るくらい細くして耳の穴に突っ込む。

最初は絶叫をあげジタバタしていたがすぐにシーンと静かになる。

 

挟み撃ちにするように突っ込んできた黒鋭隊に対して白鳥は片腕を耳の穴に突っ込んだまま応戦する。

その隊員は銃を構え隊員らに発砲する。

 

「な⁉︎俺たちは味方っ、ガッ。」

 

「ばか!奴はもう手遅れだ!構わず撃て!」

 

味方からの攻撃に動揺した一人が頭を撃ち抜かれ即死した。

それを見た他の隊員は銃撃してきた隊員ごと白鳥を撃つ。

 

しかし彼を盾にしながら目の前の一隊に突っ込みもう片腕を別の隊員の耳の穴に突っ込み同じように自身の傀儡に変えた。

 

ここまで4人脱落しているがそれでもまだ10人近くの隊員が白鳥と交戦している。

しかし状況は確実に悪化している。

 

これまで黒鋭隊は三度この白鳥由栄という廻り者と交戦しその全てでやり込められ逃げられていた。

しかしそれは全て彼に有利な狭く部隊が展開し辛い場所だったからだと推測していた。

 

ただ実際部隊が展開しやすい所で交戦してもこのように翻弄され犠牲者が出ている。

 

頭以外なら自由自在に己の体を変化させる事が出来る罪人格の廻り者白鳥由栄によって彼らはこの場に足止めされる事になってしまったのだった。

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