許せなかった…ヴラド3世が罪人格だなんて… 作:ナマハゲィータ
無事戦場から抜け出すことに成功した俺は地下を目指していたがその前に寄り道していた。
「あったあった廃棄された注射機だ。」
俺が漁るのは院内のゴミ箱、それも患者ではなく医者や看護師が捨てるゴミ箱だ。
目的は単純でここまで才能行使の為に鋭利物を消費していったからそれの補充のためである。
ドラマとかで看護師たちが集まるスタッフステーションではポスターなどを貼る為かダルマピンもあったのでこれもありったけ回収させて貰う。
やってる事は完全に火事場泥棒なのだが背に腹はかえられぬ。
そうやって寄り道しながら俺は地下駐車場に到着した。
「さて…居れば良いのだが。」
俺はそうこぼしながら慎重に進もうとする。
次の瞬間近くの自動車が爆発し俺は吹き飛ばされた。
「へっへっへバカな奴だな。俺様のテリトリーに入って来るなんてヨォ!」
その様子を見ていた男の姿はどこにでもいる普通のメガネをかけた男だった。
だがその表情は狂気に取り憑かれていた。
「ゴホッゴホッ…随分なご挨拶だな。同じ廻り者同士仲良くとはいかんのかね?」
「惚けやがって。こっちはテメェがもう二人殺してるの知ってんだからな!」
同じ廻り者じゃんと味方アピールするも敵にはこれまでの情報が伝わっていたようで一笑に付された。
しかしテリトリーってのはマズいな。
もう地下駐車場での爆弾の設置は完了しているって事だろう。
「へへ。お前に見せてやるよ、俺の才能『マッド・ボンバー』をな!」
そう言うと奴は近くの車のボンネットに右手を乗せ、その右手をそこから離すと手が置いてあった場所に大きめの懐中時計がくっついていた。
「それが貴様の爆弾か、マッド・ボンバーという事は貴様はジョージ・メテスキーか。」
「うわ、それだけで分かるのかよ⁉︎」
奴の才能名から俺は一人の人物の名を挙げると当たっていたみたいで驚いていた。
ジョージ・メテスキー、彼は1940年代から50年代にかけてあちこちに爆弾をしかけ大勢の死傷者を出した爆弾魔だ。
その恐ろしさからある映画に出てくる爆弾魔のモデルになったくらいだ。
そんな有名な爆弾魔だが名前や能力が分かったところでこちらが不利なのは変わらない。
そもそも駐車場がやりにくい。
下手に才能行使を使ったら爆弾無しで車を爆破させる可能性があるしそうじゃなくてもどこに爆弾があるか分からない状況では避けようもない。
とはいえボーっとしているわけには行かないので俺は設置された爆弾に向かってすぐさま生み出した鉄杭を槍投げの要領で投げつける。
奴はニヤニヤして余裕ぶっこいていたからそちらを狙うのもアリだったが死んだら爆発するタイプだったら終わりなのでまず爆弾を狙う。
それで爆発して近くに居た奴が吹き飛び連鎖で爆弾が爆破し巻き込まれたときはまぁ諦めるしかない。
そんな感じで投げられた鉄杭はしっかり爆弾ごとボンネットに突き刺さった。
「は?」
突然のことに奴は全く反応出来てない。
そして破壊された爆弾は爆発する事なく消えていった。
「テメェ…まさか設定した時間にならないと爆発しない爆弾の特性を見破ったってのか⁉︎」
奴は信じらぬ者を見たかのように恐れ慄き喚く。
あっそうなんだ。
とはいえマグレ感を出さぬように黙って不適な態度を見せつける事にした。
これで奴の爆弾は時限式で破壊すれば爆発せず消える事は分かったが油断はできない。
さっきは爆弾の場所が分かったから処理できたが流石に全部が全部見えるように設置などされてるわけない。
と思って辺りをよく見渡すとなんかボンネットに爆弾がくっついた車があちこちにあるし柱にも設置されてる…。
流石に全部が全部そういうわけではないだろうがこれはやりやすそうだ。
「しかし随分雑な仕事なのではないか?」
「うるせえ!処理しきれねえ数を置いちまえば良いんだよ!起爆時間も弄れるしな!」
こちらが少し挑発すれば奴はベラベラ喋ってくれるのは楽だ。
まぁそれでも状況は改善されてない。
「俺が逃げる前に来やがるなんてふざけやがって…。テメェを爆死させてからこの病院を爆破してやる!」
そう叫ぶと奴は背中を向け逃げていく。
奴の言葉からおそらく爆弾が爆発すれば普通に巻き込まれるっぽいと推測できる。
ただ逃すのは厄介なのですぐさま『串刺公』で背中を貫かんとするも寸前で避けられた。
奴を見失うのはまずいがかといって無闇に追って爆発に巻き込まれるのはマズイ。
こうして爆弾魔との戦闘が始まった。